JP2566715B2 - ステアリングロッド及びその製造方法 - Google Patents

ステアリングロッド及びその製造方法

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JP2566715B2
JP2566715B2 JP5003362A JP336293A JP2566715B2 JP 2566715 B2 JP2566715 B2 JP 2566715B2 JP 5003362 A JP5003362 A JP 5003362A JP 336293 A JP336293 A JP 336293A JP 2566715 B2 JP2566715 B2 JP 2566715B2
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insertion tube
tube portion
hollow shaft
forming body
rack
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義夫 関口
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SEKIGUCHI SANGYO KK
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステアリングシャフト
の回転運動を直線運動に変換してタイロッドに伝達する
ステアリングロッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来のステアリングロッド1を示
す。このステアリングロッド1はステアリングシャフト
(図示せず)と同期回転するピニオン(図示せず)に噛
合されるラック2を有し、ピニオンの回転運動を直線運
動に変換してタイロッド(図示せず)に伝達することに
より車輪を旋回させるものである。このステアリングロ
ッド1は摩耗を防止するために所定の率でカーボンが含
まれた炭素鋼により形成され、ラック2を加工した後に
熱処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、車体の総重量を
軽くする要望からステアリングロッド1も軽量化が要求
され、そのためにラック2以外の部分に軸方向に沿う長
い孔3が形成されている。しかし、孔3が長いためその
加工は極めて大変で材料のロスも大きい。このことか
ら、パイプを素材とし、このパイプにラックを形成する
ことが考えられるが、少なくとも強度を得るために炭素
量が多いパイプは市販されていなく、強度を満足するこ
とができない。また、所望の丸棒を素材としてパイプを
形成し、そのパイプの端部に、熱処理を施したラックの
一端を溶接又は螺子込み等の手段によって結合する方法
が考えられるが、単に溶接により結合する方法は溶接作
業の信頼性が低いために結合強度が不足するものが生
じ、螺子込み式の場合は螺子が緩むおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定長さの金
属製の中空軸と、一部にラックを有して前記中空軸の端
部に嵌合される棒状のラック形成体とを設け、このラッ
ク形成体の端部に内挿管部を形成し、この内挿管部の外
周面に異なる方向に向かう複数種の溝を形成し、前記内
挿管部の外周に嵌合されて外圧による変形によって前記
溝に食い込まされる外挿管部を前記中空軸の端部に形成
した。
【0005】
【作用】本発明は、内挿管部の外周に嵌合された外挿管
部を外圧により変形させ、その外挿管部の内周面を内挿
管部の溝に食い込ませるが、複数種の溝の方向が異なる
ことにより、内挿管部と外挿管部との相対的な軸方向及
び回転方向の動きを確実に固定することができ、これに
より、棒状のラック形成体に連結される部材を所定長さ
の金属製の中空軸とすることができ、そのため、特別な
加工を要しない中空軸により軽量のステアリングロッド
を得ることができ、また、内挿管部の外周に嵌合した外
挿管部外側から加圧する方法で内挿管部と外挿管部とを
容易に結合することができる。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図4に基づい
て製造工程順に説明する。まず、図3(a)に示すよう
に、市販の鉄製の中空軸(パイプ)4とラック形成体5
とを用意する。中空軸4の端部には所望の内径寸法に定
められた外挿管部6が形成されている。ラック形成体5
は、炭素鋼を素材とする丸棒により形成され、その中間
部にはラック7が形成され、端部には内挿管部8が形成
され、この内挿管部8の外周には方向が異なる二種の溝
として複数の環状溝9と螺旋溝10とが形成されてい
る。環状溝9と螺旋溝10との形成については後で詳し
く述べる。この後、ラック形成体5は熱処理により硬化
される。この状態では、内挿管部8の外径寸法は外挿管
部6の内径寸法に一致されている。
【0007】次いで、図3(b)に示すように、ダイス
11とパンチ12とを用意する。ダイス11には中空軸
4とラック形成体5とパンチ12との外径寸法に一致す
る通孔13と、この通孔13の端部に位置してこの通孔
13の内径よりやや小さい内径の小径孔14とが段部1
5を境として形成されている。この段部15はテーパー
状に急傾斜するように形成されている。
【0008】次に、図3(b)に示すように、ダイス1
1の通孔13に中空軸4とラック形成体5とを挿入し、
ラック形成体5の後端をパンチ12で加圧する。このと
きに、中空軸4は先端が段部15に当接され外周がダイ
ス11の通孔13の内壁に押えられているため内周面側
が内方に塑性変形される。この塑性変形により外挿管部
6の内周面が環状溝9と螺旋溝10とに食い込む。ま
た、中空軸4の先端はダイス11の段部15に絞られる
ため同時に面取が施される。
【0009】この後に、中空軸4とラック形成体5とを
ダイス11から取り出すことにより、図1に示すように
ステアリングロッド16が形成される。図2は外挿管部
6が塑性変形した様子を示す縦断側面である。この状態
では、螺旋溝10だけで考えれば中空軸4に対して回転
しながら軸方向に移動する動きが許容され、環状溝9だ
けで考えれば中空軸4に対して軸方向への動きは阻止さ
れても回転方向の動きが許容されるが、二種の環状溝9
と螺旋溝10との方向が異なるため、中空軸4に対する
ラック形成体5の軸方向及び回転方向の動きが確実に阻
止される。すなわち、中空軸4とラック形成体5とを強
固に結合することができる。
【0010】また、中空軸4はそれ自体にラック7を形
成する必要がないので特に高い強度を求める必要がな
く、これにより、中空軸4として安価な市販のパイプを
用いてコストダウンを図ることができる。
【0011】なお、中空軸4にラック形成体5を挿入す
る前に中空軸4の端部にロー付け用のローを収納し、外
挿管部6の内周面を環状溝9と螺旋溝10とに食い込ま
せた後に、ローを高周波熱等により溶解させて環状溝9
及び螺旋溝10と外挿管部6の内周面との隙間に毛細管
現象によって浸透させることにより、中空軸4とラック
形成体5との結合強度をさらに高めることができる。ロ
ー付けに代えて溶接作業を付加しても同様の目的を達成
することができる。
【0012】なお、ラック形成体5に環状溝9と螺旋溝
10とは切削又は転造等によって形成されるが、本実施
例においては転造により形成したものである。以下、転
造による加工について説明する。図4(a)は転造機1
7を示す平面図、図4(b)は転造機17を示す正面図
である。転造機17の固定部18及び可動部19には、
それぞれモータ(図示せず)に駆動される主軸20を回
転自在に支承する主軸台21と補助主軸台22とが設け
られている。それぞれの主軸20には転造ローラ23,
24が固定的に嵌合されている。転造ローラ23,24
は別々に形成された後に結合されている。また、固定部
18と可動部19との間には支持刃25が設けられてい
る。
【0013】したがって、支持刃25の上にラック形成
体5の内挿管部8を置き、主軸20を一方向に回転させ
ながら可動部19を固定部18側に移動させ、固定部1
8側の転造ローラ23,24と可動部19側の転造ロー
ラ23,24との間で内挿管部8を挾持すると、転造ロ
ーラ23により環状溝9が形成され、転造ローラ24に
より螺旋溝10が形成される。
【0014】前記実施例において、方向が異なる複数種
の溝とは、周方向に沿う環状溝9と螺旋溝10として説
明したが、螺旋溝10とは方向が異なる溝の他の例を図
5に基づいて説明する。図5(a)はラック形成体5に
軸方向に沿う複数の溝26をスプライン状に形成したも
のである。図5(b)(c)はラック形成体5に軸方向
に沿う複数の溝27又は28を切削加工により形成した
ものである。
【0015】したがって、溝26,27,28はラック
形成体5の軸方向と平行に形成されているため、これら
の溝26,27,28に外挿管部6の内周を食い込ませ
たときに回転方向の動きが阻止される。このため、螺旋
溝10の部分の回転方向の動きと、これに伴う軸方向の
動きとが確実に阻止される。さらに、図示しないが、内
挿管部8に、螺旋溝10と、この螺旋溝10の傾斜方向
とは異なる方向に傾斜する螺旋状の溝を形成しても同様
の目的を達成することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、所定長さの金属製の中空軸
と、この中空軸の両端面を閉塞する閉止部と機構部とを
有する金属製の複数の端軸とを設け、前記端軸又は前記
中空軸の両端に内挿管部を形成し、この内挿管部の外周
面に異なる方向に向かう複数種の溝を形成し、前記内挿
管部の外周に嵌合されて外圧による変形によって前記溝
に食い込まされる外挿管部を前記中空軸の両端又は前記
端軸に形成したので、内挿管部の外周に嵌合された外挿
管部を外圧により変形させ、その外挿管部の内周面を内
挿管部の溝に食い込ませるが、複数種の溝の方向が異な
ることにより、内挿管部と外挿管部との相対的な軸方向
及び回転方向の動きを確実に固定することができ、これ
により、棒状のラック形成体に連結される部材を所定長
さの金属製の中空軸とすることができ、そのため、特別
な加工を要しない中空軸により軽量のステアリングロッ
ドを得ることができ、また、内挿管部の外周に嵌合した
外挿管部外側から加圧する方法で内挿管部と外挿管部と
を容易に結合することができ、さらに、中空軸はそれ自
体にラックを形成する必要がないので特に高い強度を求
める必要がなく、これにより、安価な市販のパイプを用
いてコストダウンを図ることができる等の効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るステアリングロッドを
示す縦断正面図である。
【図2】要部の縦断正面図である。
【図3】ステアリングロッドの製造工程を示す縦断正面
図である。
【図4】内挿管部に溝を形成する状態を示すもので、
(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】溝の他の例を示す縦断側面図である。
【図6】従来例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
4 中空軸 5 ラック形成体 6 外挿管部 7 ラック 8 内挿管部 9〜10 溝 26〜28 溝

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長さの金属製の中空軸と、一部にラ
    ックを有して前記中空軸の端部に嵌合される棒状のラッ
    ク形成体とを設け、このラック形成体の端部に内挿管部
    を形成し、この内挿管部の外周面に異なる方向に向かう
    複数種の溝を形成し、前記内挿管部の外周に嵌合されて
    外圧による変形によって前記溝に食い込まされる外挿管
    部を前記中空軸の端部に形成したことを特徴とするステ
    アリングロッド。
  2. 【請求項2】 所定長さの金属製の中空軸と、一部にラ
    ックが形成された棒状のラック形成体とを設け、このラ
    ック形成体の端部に内挿管部を形成し、この内挿管部の
    外周面に異なる方向に向かう複数種の溝を形成し、前記
    内挿管部の外周に嵌合される外挿管部を前記中空軸の端
    部に形成し、前記外挿管部の内周に前記内挿管部を挿入
    した後に、前記外挿管部を外圧により内方に変形させる
    ことによりその外挿管部の内周を前記溝に食い込ませる
    ようにしたことを特徴とするステアリングロッドの製造
    方法。
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EP1827947A1 (en) * 2004-12-20 2007-09-05 Bishop Innovation Limited Composite steering rack
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