JP2564886B2 - 液体クロマトグラフー質量分析装置 - Google Patents

液体クロマトグラフー質量分析装置

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JP2564886B2 JP63080319A JP8031988A JP2564886B2 JP 2564886 B2 JP2564886 B2 JP 2564886B2 JP 63080319 A JP63080319 A JP 63080319A JP 8031988 A JP8031988 A JP 8031988A JP 2564886 B2 JP2564886 B2 JP 2564886B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、液体クロマトグラフ−質量分析装置(LC
/MS装置)に関する。さらに詳しくは、液体クロマトグ
ラフと質量分析装置とをサーモスプレーインターフェイ
スを介して接続してなるLC/MS装置に関する。
(ロ)従来の技術 最近、液体クロマトグラフィーにより分離される成分
を分取することなく直接質量分析装置へ導入して分析を
行なういわゆるLC/MSシステムが開発されるようにな
り、その中の一つとして、いわゆるサーモスプレーイン
ターフェイスで液体クロマトグラフ分離流路系と質量分
析装置系とを接続したサーモスプレーLC/MS装置が知ら
れている。ここでサーモスプレーインターフェイスは、
第2図に示すごとく液体クロマトグラフで分離された画
分を、加熱されたキャピラリー状のベーパライザ10から
真空ポンプで真空状態が維持された減圧室11内にスプレ
ーして目的成分のイオン化を行ない、このイオン化され
た成分を小孔12から質量分析計内に電界移送しうるよう
構成されたものである。そして、上記目的成分のイオン
化を促進するために、電子ビームをスプレーされた成分
に照射できるよう構成されたもの及び減圧室内での放電
を起こすものも知られており、さらにイオン化効率改善
のために、このインターフェイス前段の流路に、揮発性
の酢酸アンモニウムなどのバッファーを添加できるよう
構成したものも知られている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 通常の液体クロマトグラフにおいては、分離カラムの
保持力の改善、目的成分の分配係数の変化等の分離性の
向上のために、その移動相として、リン酸やリン酸塩を
含有する溶液を用いることが汎用されている。
しかし、このようなリン酸類を含有する移動相を用い
た液体クロマトグラフ分離流路を上記LC/MS装置に適用
した場合には、サーモスプレーインターフェイス内に持
込まれるリン酸類が難揮発性であるが由に、ベーパライ
ザ10を閉塞したり減圧室内を汚染する不都合が生じ、到
底実用に供することができなかった。
従って、サーモスプレーLC/MSで分析を行なう場合に
は、リン酸類含有移動相により液体クロマトグラフでの
分離が好都合に行なえる対象物であっても、これらリン
酸類を含有しない新たな移動相の選択や分離条件の再検
討が必要となる問題があり、このことが原因でLC/MS分
析に適用できない対象物も存在した。
この発明は、かかる状況下なされたものであり、こと
にリン酸類含有溶液を移動相として用いた液体クロマト
グラフ分離流路系を用いてサーモスプレーLC/MS分析を
可能とするLC/MS装置を提供しようとするものである。
(ニ)課題を解決しようとする手段 かくしてこの発明によれば、試料導入部と分離カラム
を管路接続しリン酸類含有溶液を移動相として流通しう
るよう構成された液体クロマトグラフ分離流路系と、こ
の流路系における分離カラム後段の流路にサーモスプレ
ーインターフェイスを介して接続された質量分析装置系
を備えてなり、 上記分離カラムとサーモスプレーインターフェイスと
の間の流路に、上記移動相中のリン酸類と反応して不溶
性リン酸塩を形成しうる沈澱剤溶液の供給路を接続し、
かつこの接続部とサーモスプレーインターフェイスとの
間に沈澱物除去手段を介設してなる液体クロマトグラフ
−質量分析装置が提供される。
この発明の前記課題を解決すべく、移動相中のリン酸
類がサーモスプレーインターフェイスに導入される前段
でこれを不溶性塩の形態で除去されるよう沈澱剤溶液供
給路と沈澱物除去手段を設けたものである。
上記沈澱剤溶液としては、リン酸と不溶性塩を形成で
きるカチオン供給性化合物が用いられ、ことにそれ自体
が移動相(通常、水又は水−有機溶剤系)中に易溶解性
であり、かつ不溶性塩形成後において残存するアニオン
成分がサーモスプレーインターフェイスや質量分析装置
系に悪影響を与えない化合物が適している。かかる化合
物としては、酢酸カルシウム及びギ酸カルシウムが挙げ
られる。また、移動相に溶解して用いるリン酸類として
は、リン酸アンモニウム又はリン酸−リン酸アンモニウ
ムが好ましい。とくにこれらを用いかつ上記沈澱剤とし
て酢酸カルシウムを選択した場合には、沈澱反応により
水不溶性のリン酸カルシウムが形成されると共に、酢酸
アンモニウムが形成されこれはインターフェイスにおけ
る分離成分のイオン化効率を向上させるよう作用するた
め、最も好ましい組合せである。
なお、これら移動相中のリン酸類の使用濃度及び沈澱
剤の供給量は、液混合により迅速に不溶性リン酸塩が形
成されるように決定される。
一方、沈澱物除去手段としては、上記反応で生じた不
溶性リン酸塩を捕捉するが移動相及び溶解成分を通過で
きる種々の捕捉材が用いられ、例えば、メングランフィ
ルターや液体クロマトグラフィーで汎用されているいわ
ゆるプレカットカラム等が使用可能である。例えば、リ
ン酸カルシウムのストークス径が約15μmであるので10
μm程度のメッシュのメングランフィルターを組み込ん
だ流路が適している。
なお、この発明の液体クロマトグラフ分離流路系にお
ける他の構成要素や質量分析装置系については当該分野
で公知のものを種々適用することができる。とくに、イ
オン化効率をより向上させる点で、沈澱物除去手段とサ
ーモスプレーインターフェイスとの間に、酢酸アンモニ
ウム溶液供給路を接続することは一つの好ましい態様で
ある。
(ホ)作 用 リン酸類を含有する移動相に、沈澱剤溶液が混合され
ることにより、リン酸類は不溶性リン酸塩として析出す
る。この析出物は次いで沈澱物除去手段により移動相か
ら物理的に除去されるため、サーモスプレーインターフ
ェイスへの導入が防止されることとなる。
(ヘ)実施例 第1図に示す1は、この発明の一実施例の液体クロマ
トグラフ−質量分析装置を示すものである。図におい
て、LC/MS装置1は、リン酸アンモニウム水溶液41から
ポンプ42、試料導入部2及び液体クロマトグラフ用分離
カラム3を介してサーモスプレーインターフェイス5に
接続される液体クロマトグラフ分離流路系4と、サーモ
スプレーインターフェイス5の後段に接続され、イオン
化室91、分離部92及び検出部93を備えた質量分析装置系
9を備えてなる。
そして、分離流路系4における分離カラム3の後段に
は沈澱剤溶液である酢酸カルシウム水溶液61の供給路6
が接続され、さらにこの後段には、10μmのメッシュの
メンブランフィルターを含むカップリングもしくはプレ
カットカラム(沈澱物除去手段)7が介設されさらにこ
の後段に酢酸アンモニウム水溶液81の供給路8が接続さ
れている。
また、サーモスプレーインターフェイス5は第2図に
示すごとく、流路4の端部に接続されるベーパライザ10
と、減圧室11と、先端に小孔12を有するすりばち状のイ
オンサンプリングコーン15と、減圧室11内を高真空に保
つための真空ポンプ接続管14と、ベーパライザ10を加熱
するためのヒータ13とを備えてなり、減圧室11内に発生
したイオンを小孔12を通じて質量分析装置系9へ電界移
送しうるよう構成されたものである。
かかるLC/MS装置1により、分離分析が効率良く行な
われる過程について以下説明する。
まず、分析するに際し、ポンプ42,62を駆動して、リ
ン酸アンモニウム水溶液41を移動相として分離流路系4
内に所定流量(通常0.5〜1.5ml/分)で流通させかつカ
ラム3後段において供給路6を通じて酢酸カルシウム水
溶液61を所定流量(通常、移動相総流量として2ml/分と
なるように調整)で注入しておく。この際イオン化効率
向上用の酢酸アンモニウム水溶液81は注入しなくてもよ
い。
この状態において、リン酸アンモニウム水溶液41は試
料導入部2及び分離カラム3を通じてインターフェース
5方向へ移送されるが、カラム3後段での酢酸カルシウ
ム水溶液61との混合により下記の反応: が生じ、移動相中のリン酸根は不溶性のリン酸カルシウ
ムとして析出し移動相中にこの沈澱粒子が浮遊した状態
で移送され、プレカットカラム7に導入される。そして
プレカットカラム7は、このリン酸カルシウム粒子を捕
捉するよう作用するため、上記反応で生じた酢酸アンモ
ニウムを含みリン酸類が実質的に含有されない移動相が
通過してインターフェイス5内に導入されることとな
る。従って、インターフェイス5内へのリン酸類の導入
が防止でき、リン酸類によるベーパライザの閉塞や減圧
室の汚染等の弊害を生じることなく移動相のインターフ
ェイス5内への連続導入状態が確保されることとなる。
この状態において、分析を意図する試料を試料導入部
2より流路内に注入する。これにより、試料は分離カラ
ム3へ導入されて各成分のカラム内での保持時間の異な
りに基づいて分離され、順次インターフェイス5へ移送
されるが、移動相中のリン酸根は前述のごとく除去され
るため、これによる弊害を招くことなくインターフェイ
ス5内で各分離成分のイオン化及び溶媒との分離が迅速
に行なわれることとなる。ことにこの実施例において
は、移動相中のリン酸類と沈澱剤との組合せが、リン酸
アンモニウムと酢酸カルシウムであるために沈澱反応に
よって水溶性の酢酸アンモニウムが副生し、これはイン
ターフェイスに持込まれて各分離成分のイオン化効率を
向上すべく働くため、質量分析装置系での応答性も改善
されることとなる。ただし、イオン化効率をより向上し
て応答性をさらに改善するためには、酢酸アンモニウム
水溶液81をインターフェイス5の前段で注入するのが好
ましい。
(ト)発明の効果 この発明のLC/MS装置においては、リン酸類含有溶液
を移動相として用いた液体クロマトグラフィ後の連続質
量分析を可能とするものである。従って、液体クロマト
グラフィによる分離にリン酸類含有溶液を移動相として
必要とするためにLC/MS分析を行なうことが従来困難あ
るいは不可能であった種々の対象物についてのLC/MS分
析が可能となり、その有用性は極めて大なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例のLC/MS装置を示す構成
説明図であり、第2図は同じくそのサーモスプレーイン
ターフェイスを示す構成説明図である。 1……LC/MS装置、2……試料導入部、3……液体クロ
マトグラフ用分離カラム、4……液体クロマトグラフ分
離流路、5……サーモスプレーインターフェイス、6,8
……供給路、7……カップリングもしくはプレカットカ
ラム、9……質量分析装置系、41……リン酸アンモニウ
ム水溶液、61……酢酸カルシウム水溶液、81……酢酸ア
ンモニウム水溶液。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料導入部と分離カラムを管路接続しリン
    酸類含有溶液を移動相として流通しうるよう構成された
    液体クロマトグラフ分離流路系と、この流路系における
    分離カラム後段の流路にサーモスプレーインターフェイ
    スを介して接続された質量分析装置系を備えてなり、 上記分離カラムとサーモスプレーインターフェイスとの
    間の流路に、上記移動相中のリン酸類と反応して不溶性
    リン酸塩を形成しうる沈澱剤溶液の供給路を接続し、か
    つこの接続部とサーモスプレーインターフェイスとの間
    に沈澱物除去手段を介設してなる液体クロマトグラフ−
    質量分析装置。
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