JP2564038Y2 - 浄水切換レバー付き水栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、水と湯を混合できる水
栓に更に浄水用の水栓を付加して一体構成とした水栓の
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から水道水の臭い等が気になること
から、おいしい水を飲みたいために、水栓に浄水器を付
設する技術は公知となっているのである。これらの浄水
器は吐出口先端に、直接カートリッジを付設するもの
や、吐水口に切換用のバルブを付設して、該切換用のバ
ルブよりホース等を介してデッキ上に配設した浄水器に
導き、該浄水器より突出した吐出口より浄水を吐水させ
る構成のものがあったのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、浄水器の取付
け方を、吐出口先端にカートリッジを付設する構成であ
ると、浄水器が比較的大きな構成となるので、吐水高さ
が低くなり、台所等で使用するには作業の邪魔になり易
く外観も悪く、コンパクトに構成しているためにフィル
ター部の交換時期が早くなっていたのである。そして、
デッキ上に浄水器を配設する構成の場合は、浄水器を大
きくできるので処理能力は大きく交換時期も長くなるの
であるが、デッキ上が煩雑になり易く、配管が面倒にな
っていたのである。また、湯と水を混合できる水栓の吐
出口に浄水器を接続する場合には、一定温度以上の湯を
吐出するとフィルターを傷めてしまうことがあり、誤っ
て吐水レバーを操作して高温の湯を出したときには浄水
化できなくなることもあったのである。そこで、デッキ
上をシンプル化して誤操作のない浄水器を得ようとする
ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案はこのような問題
点を解消するために、次の如く構成したものである。キ
ッチンのデッキ上面の混合水栓に、回動操作により吐水
・止水ができ、かつ温水と冷水の混合比を変更するレバ
ーハンドルを設け、該混合水栓の近傍に、浄水切換レバ
ーを設け、該浄水切換レバーにより浄水と原水を切り換
え、前記デッキの下方には、浄水切換レバーの操作と連
動する浄水切換バルブと、浄水器カートリッジを配置し
たものである。

【０００５】

【作用】前記のように構成することにより、浄水切換レ
バーを回動すると、デッキ下方の室内へ配管された給水
パイプに接続された浄水切換バルブが切り換えられて、
水道水は浄水器カートリッジ側へ流れて、浄水のみ混合
栓の吐出口より吐出されるようになり、浄水器カートリ
ッジはデッキ下方に隠れてデッキ上は広く使用できるの
である。

【０００６】

【実施例】本考案の解決すべき課題及び解決する手段は
以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例につ
いて説明する。図１は本考案の水栓を配置したキッチン
のシンク部側面断面図、図２は浄水器と水栓の接続を示
す斜視図、図３は水と湯と浄水の接続図、図４は同じく
他の実施例を示す接続図である。

【０００７】図１、図２において全体構成から説明す
る。キッチンの流し台の壁部１に給水パイプ２と給湯パ
イプ３が配管されて、それぞれバルブ、パイプ等を介し
て混合水栓４に接続され、該混合水栓４は下部をネジ部
４ａとして、該ネジ部４ａをシンク５のデッキ５ａに開
口された挿入孔に挿入して、ナット６にて固定してい
る。前記シンク５の底部には排水ホース７が連通され、
該シンク５の下部の空間は通常収納空間とされ、本考案
はこの収納部分に後述する浄水器カートリッジ１７を収
納して空間を有効利用するものである。

【０００８】前記、混合水栓４は中央より前方に吐水口
４ｂが吐出され、側面には浄水切換レバー９が配設さ
れ、該浄水切換レバー９の位置は混合水栓４の近傍であ
ればデッキ５ａ上であってもよく、その位置は限定され
るものではない。そして、混合水栓４の上部にレバーハ
ンドル４ｃが配設され、該レバーハンドル４ｃの上下回
動操作により吐水・止水ができ、左右回動操作により温
水と冷水の混合比を変更することができるようにしてい
るのである。

【０００９】このような構成において、本考案は給水パ
イプ２側のデッキ５ａの下方に浄水用のバルブと浄水器
カートリッジ１７を設けるものである。図２、図３に示
すように、給湯パイプ３に止水栓１１を介して混合水栓
４の給湯側パイプ１２に接続され、給水パイプ２には止
水栓と切換バルブを一体化した浄水切換バルブ１３が接
続されている。該浄水切換バルブ１３には給水用吐出部
１３ａと浄水供給用吐出部１３ｂと切換操作部１３ｃが
設けられ、給水用吐出部１３ａには混合栓４に至る給水
側パイプ１４と接続され、浄水供給用吐出部１３ｂには
逆止弁１５が内装されて逆流を防止し、該浄水供給用吐
出部１３ｂに浄水器カートリッジ１７が接続され、該浄
水器カートリッジ１７は容易に交換できるように接続可
能に構成されている。

【００１０】そして、浄水器カートリッジ１７の吐出側
に浄水側パイプ１９を接続し、該浄水側パイプ１９他端
を混合水栓４の吐出口４ｂに連通しているのである。ま
た、前記切換操作部１３ｃにはワイヤー１６が挿入され
て、浄水切換バルブ１３内のバルブ切換体と接続されて
いる。該ワイヤー１６の他端は浄水切換レバー９に接続
されて、該浄水切換レバー９を回動するとワイヤー１６
を介してバルブ切換体を摺動できるようにしているので
ある。

【００１１】このように構成することにより、浄水切換
バルブ１３は通常（浄水切換レバー９を回動しない状
態）、給水パイプ２から給水用パイプ１４に連通され
て、浄水供給用吐出部１３ｂには送られないようにバル
ブ切換体が設定されている。レバーハンドル４ｃを回動
することにより、混合栓４内の弁体が移動されて、水量
及び湯と水の混合比を調節できるようにしているのであ
る。そして、浄水を得たい場合にはレバーハンドル４ｃ
を止水側に回動しておき、浄水切換レバー９を回動する
と、浄水切換バルブ１３が切り換えられて、給水パイプ
２から浄水供給用吐出部１３ｂを経て浄水器カートリッ
ジ１７に入って濾過され、浄水が浄水側パイプ１９から
吐水口４ｂより吐水されるのである。この場合、レバー
ハンドル４ｃを湯側で吐水することは可能であるが、浄
水器カートリッジ１７には至らないのでフィルターを傷
めることはないのである。

【００１２】また他の実施例として、図４に示すよう
に、給水パイプ２に給湯側の止水栓１１と同様の止水栓
２０を接続し、該止水栓２０に接続した給水用パイプ１
４から浄水供給パイプ２１を分岐し、該浄水供給パイプ
２１に浄水バルブ２２を接続し、該浄水バルブ２２から
逆止弁１５、浄水器カートリッジ１７を介して吐水口４
ｂと接続することも可能である。この実施例において
は、前記浄水バルブ２２と混合栓４をワイヤー２３・２
４を介して浄水切換レバー９’と連動できる構成とし
て、浄水切換レバー９’を回動すると、ワイヤー２４が
引っ張られてレバーハンドル４ｃが止水側に回動され
て、混合水の吐出が停止され、同時にワイヤー２３が引
っ張られて浄水バルブ２２が開かれ、浄水器カートリッ
ジ１７にて、濾過された浄水が吐水口４ｂより吐水され
るように構成することもできるのである。但し、前記混
合水栓４の弁部及び浄水バルブ２２を電磁バルブにて構
成し、浄水切換レバー９をスイッチとして電気的に切り
換えるように構成することも可能である。

【００１３】

【考案の効果】本考案は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するものである。第１に、レバーハンド
ルを冷水の位置にして、浄水切換レバーを浄水に切換え
た場合に、浄水か原水かの切換のみを行うので、浄水の
みを吐出でき、浄水されない水が混入することがなく、
冷たい浄水を飲むことが出来るのである。 第２に、レバ
ーハンドルを温水側に回動して、浄水に温水が混じった
場合でも、温水は浄水器カートリッジには至らないの
で、温水により浄水器を損なうこともなくなったのであ
る。 第３に、浄水器カートリッジをデッキ下方に設けた
ので、デッキ上が広くなり、混合水栓には浄水切換レバ
ーのみ付設されるだけなので、デッキ上は煩雑にならず
殆ど浄水器を付設しない水栓と変わることがなく、美観
を損なわず、デザイン的にも自由であり、従来の吐水口
に浄水器を付設した場合のように、浄水器が邪魔にな
り、吐水高さが低くなるようなことがないのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の水栓を配置したキッチンのシンク部側
面断面図である。

【図２】浄水器と水栓の接続を示す斜視図である。

【図３】水と湯と浄水の接続図である。

【図４】同じく他の実施例を示す接続図である。

【符号の説明】

４ 混合水栓 ４ｂ 吐水口 ５ａ デッキ ９ 浄水切換レバー １３ 浄水切換バルブ １６ ワイヤー １７ 浄水器カートリッジ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キッチンのデッキ上面の混合水栓に、回
   動操作により吐水・止水ができ、かつ温水と冷水の混合
   比を変更するレバーハンドルを設け、該混合水栓の近傍
   に、浄水切換レバーを設け、該浄水切換レバーにより浄
   水と原水を切り換え、前記デッキの下方には、浄水切換
   レバーの操作と連動する浄水切換バルブと、浄水器カー
   トリッジを配置したことを特徴とする浄水切換レバー付
   き水栓。