JP2563543Y2 - 粘性ポンプ - Google Patents

粘性ポンプ

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JP2563543Y2
JP2563543Y2 JP1991038524U JP3852491U JP2563543Y2 JP 2563543 Y2 JP2563543 Y2 JP 2563543Y2 JP 1991038524 U JP1991038524 U JP 1991038524U JP 3852491 U JP3852491 U JP 3852491U JP 2563543 Y2 JP2563543 Y2 JP 2563543Y2
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Mitsubishi Motors Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、遠心力に抗して回転体
の内側に向かって粘性流体を運ぶ粘性ポンプ、特に自動
車のインタアクルスデフに用いられている粘性ポンプに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転軸と一体となって回転する回転体
と、その回転体の側面に対面する渦巻状の突条を有する
渦巻板が形成された非回転体とから構成され、粘性流体
であるオイル等をその粘性を利用して上記回転体の遠心
力に抗して該回転体の内側方向に移動させる粘性ポンプ
原理が知られている。
【0003】この粘性ポンプを実用化するには、上記回
転体と渦巻突条との間の隙間が問題となる。即ち、オイ
ル等の粘性流体が上記回転体の内側方向に移動するの
は、オイル自身の粘性による滞留力と上記渦巻状の突条
にオイルが衝突したときの粘性摩擦力とが、回転体によ
って生じる遠心力に打ち勝ったときであり、できるだけ
上記突条にオイルを衝突させることが望ましい。そのた
めには上記回転体と渦巻突条との間の隙間ができるだけ
小さいことが望ましく、できることなら隙間が無いのが
理想であり、回転体と渦巻突条を最初から接触させてい
る接触タイプの粘性ポンプがある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、この接触タイ
プの粘性ポンプにおいては、回転体と渦巻突条との接触
が強く圧接してしまう場合があり、その場合、両者の摩
擦抵抗が大きく回転体と渦巻突条の摩耗や、圧接によっ
て発生する摩擦熱によるオイルの劣化など、耐久性に問
題が発生する。
【0005】また、上記渦巻板は比較的厚く形成されて
おり、オイル温度の上昇により軸方向への膨張が大きい
ので、回転体との圧接が強くなり、回転体や渦巻突条の
摩耗が促進されるといった問題も起こる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本考案では、回
転部材と共に回転する回転体と、該回転体に対設され、
前記回転体の遠心力により遠心方向に移動しようとする
粘性流体の移動を該回転体の内側方向に規制する中心か
ら外周に向かって連続形成した1つの渦巻突条を有する
渦巻板が形成された非回転体とからなり、上記回転体と
渦巻突条との隙間をCとしたとき0.1mm<C<1.
2mmなる隙間を形成した。
【0007】
【作用】回転体と渦巻突条との間に0.1mm<C<
1.2mmなる隙間を形成したので、上記回転体と渦巻
突条との接触がなくなり、両者の接触による粘性流体の
温度上昇と共に、該渦巻突条の熱膨張を抑えられ、か
つ、ポンプの最低吐出量を維持することができる。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例について説明する。図
4は本考案の粘性ポンプを設けた後二輪駆動大型トラッ
クにおける後前軸側インタアクルスデフ(以下、「イン
ターデフ」という)を示している。このインターデフに
は図示しないトランスミッショからの駆動力を伝達する
プロペラシャフト1がインターデフカバー2(以下、
「デフカバー2」という)内のインターデフケース3
(以下、「デフケース3」という)に連結しており、こ
のデフケース3を回転させる。デフケース3の回転はス
パイダ4に支持された一対のデフピニオン5を介してフ
ロントデフギア6及びリアデフギア7にそれぞれ伝達さ
れる。さらに、フロントデフギア6の回転はスルーシャ
フト8、タンデムプロペラシャフト9を介して図示しな
い後後車輪側のリダクションギアに伝達され、リアデフ
ギア7の回転は一対のヘリカルギア10を介して後前車
軸側のリダクションギア11に伝達される。このインタ
ーデフは通常のデフ装置と同じもので、コーナリング時
などにおいて車軸間に回転差が生じると、デフピニオン
5が回転して回転差を吸収する。
【0009】また、インターデフの後側には、デフロッ
ク12が配設されている。このデフロック12は、自動
車がぬかるみなどの悪路を走行するときなどに、スルー
シャフト8とヘリカルギア10とを連結させてインター
デフの機能を停止させるもので、エアシリンダ13によ
りロッククラッチ14をスライドするようになってい
る。
【0010】さらに、このインターデフでは、デフカバ
ー2内に粘性流体である潤滑油16を供給して潤滑およ
冷却している。その構造は、アクルスハウジング15
の下部に設けた潤滑油溜め部15A内に溜められている
潤滑油16を、回転するリダクションギア11が掻き上
げ、これを飛沫として各摺動部位やギアの噛み合い部分
に供給する飛沫給油方式である。
【0011】一方、アクルスハウジング15および分割
されたデフキャリア30A,30Bの上部には、この掻
き上げられた潤滑油16をデフカバー2内に導くための
油路18が形成されている。そして、この油路18内に
供給された潤滑油16は、さらにデフカバー2内に送ら
れてその下部に溜る。この下部に溜った潤滑油16はデ
フケース3で掻き上げられ、デフカバー2の内周面2a
に付着する。この内周面2aは、ベアリング19b側
(図では右側)に向い末広がりにテーパーが付けられて
いる。
【0012】このような構造のインターデフにおいて、
デフカバー2とデフケース3の間でベアリング19Bの
近傍には粘性ポンプ22が配置されている。
【0013】この粘性ポンプ22は図1に示すように、
回転体である回転板23と非回転体で固定板24と渦巻
状の突条25aを有する渦巻板25から形成されてい
る。回転板23はリン状の円板に円筒形のフランジ部
23aが一体成形された断面略L字型で、円板の中心付
近には軸方向に対して斜めに孔23bが穿設されてお
り、デフケース3の端部3aに圧入され、デフケース3
と一体的に図1を左から見て半時計回りに回転するよう
になっている。
【0014】固定板24は、周縁24aを軸方向に向か
って折り曲げられたドーナツ形のもので、その周縁24
aがデフカバー2の内周面2aに嵌装されており、その
内側面には、スルーシャフト8を中心に同シャフト方向
に巻き込む向きの渦巻を描く突条25a形成された渦巻
板25が設けられている。(図3参照)この渦巻板25
は、軸方向の厚さが比較的厚く形成されており、デフケ
ース3によって掻き上げられる潤滑油16の通路である
渦巻溝を渦巻突条25a間の相互に形成している。
【0015】また、回転板23と渦巻突条25aとの間
には、図2に示すように、隙間Cが形成されており、こ
の隙間Cは0.5mmに定められている。
【0016】固定板24の内周縁と回転板23のフラン
ジ部23aとの間には、図1に示すように、フランジ部
23aに形成されたリング状のシール材26が嵌入され
ており、また、デフケース3とリアデフギア7には、孔
23bと連通しポンプ22から送られる潤滑油16をデ
フケース3内部に導く孔3bと7aが形成されている。
【0017】このような構造から、デフケース3の回転
に伴い、リダクションギア11によって掻き上げられ油
路18を通ってデフカバー2下部に溜った潤滑油16
は、デフカバー内周面2aに飛沫として付着する。する
と、内周面2aに付着した潤滑油16は内周面2aに沿
ってポンプ22側に移動する。移動した潤滑油16は、
回転板23の回転により図3に示すように、渦巻突条2
5aの渦巻の外周端開口25bから渦巻突条25aで形
成された渦巻溝内に押し込まれ、自身の粘性と渦巻突条
25aとの衝突により生じる粘性摩擦力とにより渦巻突
条25aの間をスルーシャフト8の中心方向に向って移
動し、孔23b、3b、7aを通ってデフケース3内に
入り、デフピニオン5やフロントデフギア6、リフデフ
ギア7を潤滑する。
【0018】
【0019】また、デフカバー2の底に一定以上の潤滑
油16が溜ると、それらは図4に示すように、自然に溢
れ、この溢れた分がデフキァリア30A,30B内を通
って自然に流れながらアクルスハウジング15内に戻
り、このアクルスハウジング15内で冷却された後、再
びリダクションギア11で油路18内に送られる。
【0020】ここで隙間C量とポンプの回転数によるポ
ンプ22の吐出量の関係について図5を用いて説明す
る。
【0021】 図5は、 ポンプ外形 202mm 〃 内径 90mm 油 種 ハイポイドギヤオイルSAE#90 油 温 100℃ ポンプ回転数 1000rpm,4000rpm なる条件の下で行った実験データを示すもので、縦軸に
潤滑油16の吐出量を、横軸に隙間C量を示したもので
あり、実線はポンプ回転数が1000rpm時で、点線
はポンプ回転数が4000rpm時を示している。
【0022】図5から、ポンプ回転数1000rpmで
は隙間量が1.6mm位で吐出量が無くなり、ポンプ回
転数4000rpmでは隙間量が1.3mm位で吐出量
が無くなることがわかる。即ち、回転数が高いほど吐出
量は減少し、隙間Cが大きくなるほど吐出量は減少する
ので、隙間Cは少なくとも1.3mm未満が良く、望ま
しくはある程度吐出量が得られる1.2mmまでが限度
となる。
【0023】つまり、回転板23の回転と自身の粘性に
よる滞留力と渦巻突条25aとの粘性摩擦力とにより遠
心力に打ち勝ってポンプ中心方向に移動する潤滑油16
は、隙間Cの増大による粘性摩擦力の低下やポンプ回転
数の増加による遠心力増大により、渦巻突条25aを乗
り越え隙間Cを通ってポンプ円周方向に向かって逃げて
しまい潤滑油16の吐出量が減少する。
【0024】言い替えると、ポンプ回転数が低く、隙間
C量が狭いほど潤滑油16の吐出量が増加する。
【0025】また、回転板23は潤滑油16の温度上昇
により熱膨張するので、その膨張率から最低隙間間隔を
0.1mmとした。
【0026】よって、本実施例のように回転板23と渦
巻突条25aと間に隙間Cを0.5mm設けることで、
ある程度の吐出量を得ることができ、例えばポンプ回転
数が1000rpmならば約350cc、4000rp
mならば約220cc位の潤滑油16をデフケース3内
に供給することができる。
【0027】また、インターデフは車輪回転差を吸収す
るもので、普通、車輪に回転差が生じるのはコーナリン
グ時等に多く、その時車速は遅く大型車ではそれほどエ
ンジ回転数も高くない。ゆえに、本実施例のように、非
接触型の粘性ポンプ22をインターデフ内に配設するこ
とでデフケース3内に潤滑油16を供給することができ
る。
【0028】なお、本実施例においては、隙間Cを0.
5mmとしたがこれに限定されるものではなく、図5か
らもわかるように、ある程度の範囲を持たせることがで
きる。 また、同実施例において、粘性ポンプ22はイ
ンターデフ内に配設したが、この他に、比較的回転数の
低い回転体が形成される部位に配設することでその部位
を潤滑することが可能である。
【0029】
【考案の効果】本考案によれば、粘性ポンプの回転体と
該回転体に対面する渦巻突条との間に隙間を形成したの
で、上記回転体と渦巻突条の接触による摩擦熱や両者の
摩耗を防止でき、ポンプの耐久性を向上することができ
る。
【0030】また、回転体と渦巻突条との隙間を0.1
mm〜1.2mmの範囲に設定したので、ポンプの吐出
量をある程度維持できると共に、ポンプ組み付けに幅が
でき作業性の向上につながる
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の主要部を示す粘性ポンプの
側面断面図である。
【図2】回転体と突条の拡大断面図である。
【図3】渦巻状の突条を示す図1A−Aの断面図であ
る。
【図4】本考案の粘性ポンプを装着したインターデフを
示す側面断面図である。
【図5】ポンプ回転数と隙間量の変化に伴うポンプ吐出
量を示した実験データである。
【符号の説明】
3 回転部材(デフケース) 16 粘性流体(潤滑油) 22 粘性ポンプ 23 回転体 (回転板) 24 非回転体(固定板) 25 渦巻板 25a 渦巻突条 C 隙間

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転部材と共に回転する回転体と、該回転
    体に対設され、前記回転体の遠心力により遠心方向に移
    動しようとする粘性流体の移動を該回転体の内側方向に
    規制する中心から外周に向かって連続形成した1つの
    巻突条を有する渦巻板が形成された非回転体とからな
    り、上記回転体と渦巻突条との隙間をCとしたとき0.
    1mm<C<1.2mmなる隙間を形成したことを特徴
    とする粘性ポンプ。
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