JP2562738B2 - シール構造 - Google Patents
シール構造Info
- Publication number
- JP2562738B2 JP2562738B2 JP3074501A JP7450191A JP2562738B2 JP 2562738 B2 JP2562738 B2 JP 2562738B2 JP 3074501 A JP3074501 A JP 3074501A JP 7450191 A JP7450191 A JP 7450191A JP 2562738 B2 JP2562738 B2 JP 2562738B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- ring
- groove
- pressure
- cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Actuator (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空圧シリンダや油圧シ
リンダなどの流体圧機器のシール構造に関し、特に、ピ
ストンの両面に作用する圧力差の変化にかかわらずピス
トンの摺動抵抗をほぼ一定に保つことができるシール構
造に関する。
リンダなどの流体圧機器のシール構造に関し、特に、ピ
ストンの両面に作用する圧力差の変化にかかわらずピス
トンの摺動抵抗をほぼ一定に保つことができるシール構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流体圧シリンダ等の流体圧機器の
ピストンとシリンダの間のシールには、一般にはOリン
グが用いられているが、特に摺動抵抗を小さくしたい場
合にはY型パッキンやピストンリングが用いられてい
る。
ピストンとシリンダの間のシールには、一般にはOリン
グが用いられているが、特に摺動抵抗を小さくしたい場
合にはY型パッキンやピストンリングが用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Y型パッキンを用いた
場合の摺動抵抗を図3に基づいて説明すると、シリンダ
a内に僅な間隙を空けて嵌合するピストンbに形成され
たリング溝c内にY型パッキンdが嵌入されていて、リ
ング溝c内の右側にはピストンbの右側の高圧力P1が
作用し、リング溝c内の左側にはピストンbの左側の低
圧力P2が作用する。
場合の摺動抵抗を図3に基づいて説明すると、シリンダ
a内に僅な間隙を空けて嵌合するピストンbに形成され
たリング溝c内にY型パッキンdが嵌入されていて、リ
ング溝c内の右側にはピストンbの右側の高圧力P1が
作用し、リング溝c内の左側にはピストンbの左側の低
圧力P2が作用する。
【0004】そうすると、Y型パッキンdのシリンダa
と接触する部分の内周には高圧力P1がその部分をシリ
ンダaに押し付ける方向に作用し、外周には高圧力P1
から低圧力P1へ変化する圧力がその部分をシリンダa
から引き離す方向に作用する。
と接触する部分の内周には高圧力P1がその部分をシリ
ンダaに押し付ける方向に作用し、外周には高圧力P1
から低圧力P1へ変化する圧力がその部分をシリンダa
から引き離す方向に作用する。
【0005】ここで、Y型パッキンdのシリンダaと接
触する部分の面積をAとすると、Y型パッキンdがシリ
ンダaに押し付けられる力Fpは次式で表される。 Fp=P1・A−(P1+P2)/2・A=(P1−P2)/2・A 故に、摩擦係数をμとすると、Y型パッキンdによる摺
動抵抗Fは次式で表される。 F=μ・Fp=μ・(P1−P2)/2・A
触する部分の面積をAとすると、Y型パッキンdがシリ
ンダaに押し付けられる力Fpは次式で表される。 Fp=P1・A−(P1+P2)/2・A=(P1−P2)/2・A 故に、摩擦係数をμとすると、Y型パッキンdによる摺
動抵抗Fは次式で表される。 F=μ・Fp=μ・(P1−P2)/2・A
【0006】したがって、高圧力側と低圧力側の圧力差
P1−P2が大きくなればなるほど摺動抵抗が大となっ
てピストンbの作動効率が低下する欠点があり、これが
本発明の解決すべき課題である。このことはピストンリ
ングの場合も同様である。
P1−P2が大きくなればなるほど摺動抵抗が大となっ
てピストンbの作動効率が低下する欠点があり、これが
本発明の解決すべき課題である。このことはピストンリ
ングの場合も同様である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するための手段として、リング溝の底面の幅方向
のほぼ中央に形成した保持溝と、その保持溝に嵌入され
てピストンリングの内周に弾接することによりその接触
位置を境にしてそのピストンリングの内周に作用する高
圧側の圧力と低圧側の圧力とを分断するシールリングと
からなり、ピストンリングは、その外周に高圧側の圧力
から低圧側の圧力にほぼ直線的に変化する圧力が作用
し、かつ、シールリングの接触位置を境にして作用する
逆方向の力が互いに相殺される剛性を有する構成とし
た。
を解決するための手段として、リング溝の底面の幅方向
のほぼ中央に形成した保持溝と、その保持溝に嵌入され
てピストンリングの内周に弾接することによりその接触
位置を境にしてそのピストンリングの内周に作用する高
圧側の圧力と低圧側の圧力とを分断するシールリングと
からなり、ピストンリングは、その外周に高圧側の圧力
から低圧側の圧力にほぼ直線的に変化する圧力が作用
し、かつ、シールリングの接触位置を境にして作用する
逆方向の力が互いに相殺される剛性を有する構成とし
た。
【0008】
【発明の作用及び効果】本発明は上記構成になり、ピス
トンリングをシリンダに押し付ける力の方向が、シール
リングがピストンリングに接触する位置を境にしてプラ
スとマイナスに変わるから、互いに相殺されて絶対値が
小さくなり、従って、ピストンの両側に作用する圧力差
が大きくてもピストンの摺動抵抗が小さく抑えられる効
果がある。
トンリングをシリンダに押し付ける力の方向が、シール
リングがピストンリングに接触する位置を境にしてプラ
スとマイナスに変わるから、互いに相殺されて絶対値が
小さくなり、従って、ピストンの両側に作用する圧力差
が大きくてもピストンの摺動抵抗が小さく抑えられる効
果がある。
【0009】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1に基づいて
説明する。シリンダa内に僅な間隙を空けて嵌合するピ
ストンbに形成されたリング溝c内にピストンリング1
が嵌入されていて、リング溝c内の右側にはピストンb
の右側の高圧力P1が作用し、リング溝c内の左側には
ピストンbの左側の低圧力P2作用しており、ピストン
リング1は左右の差圧によりリング溝cの左側に押し付
けられている。
説明する。シリンダa内に僅な間隙を空けて嵌合するピ
ストンbに形成されたリング溝c内にピストンリング1
が嵌入されていて、リング溝c内の右側にはピストンb
の右側の高圧力P1が作用し、リング溝c内の左側には
ピストンbの左側の低圧力P2作用しており、ピストン
リング1は左右の差圧によりリング溝cの左側に押し付
けられている。
【0010】リング溝cの底面には幅の狭い浅い保持溝
4が形成され、この溝4内には弾性材料からなる円形断
面のシールリング2が緊密に嵌入されていて、線Lにお
いてピストンリング1の内周面と接触することにより、
それより右側と左側とを完全に遮断しており、ピストン
リング1の内周面の線Lより右側の面積をA1、左側の
面積をA2とする。リング溝cの底面とピストンリング
1の内周面との間には、シールリング2の両側に、ばね
3、3が装着されていて、ピストンリング1をシリンダ
aの内周面に押し付けている。
4が形成され、この溝4内には弾性材料からなる円形断
面のシールリング2が緊密に嵌入されていて、線Lにお
いてピストンリング1の内周面と接触することにより、
それより右側と左側とを完全に遮断しており、ピストン
リング1の内周面の線Lより右側の面積をA1、左側の
面積をA2とする。リング溝cの底面とピストンリング
1の内周面との間には、シールリング2の両側に、ばね
3、3が装着されていて、ピストンリング1をシリンダ
aの内周面に押し付けている。
【0011】ここで、ピストンリング1とシリンダaの
間に作用する圧力分布は、高圧力P1から低圧力P2に
直線的に変化するから、シールリング2と接触する線L
と対応する位置における圧力をPsとする。また、リン
グ溝c内の線Lより右側には高圧力P1が、左側には低
圧力P2が、それぞれ作用するから、流体圧によつて、
線Lより右側においてピストンリング1をシリンダaに
押し付ける力をF1、線Lより左側においてピストンリ
ング1をシリンダaに押し付ける力をF2とすると、F
1、F2は、それぞれ次式で表される。 F1=P1・A1−(P1+Ps)/2・A1=(P1−Ps)/2・A1 F2=P2・A2−(Ps+P2)/2・A2=(P2−Ps)/2・A2 なお、Psは次式で表される。P s=(P1−P2)・A2/(A1+A2)+P2 故に、流体圧によってピストンリング1がシリンダaに
押し付けられる力は次式で表される。 F1+F2=(P1−P2)・(A1−A2)/2
間に作用する圧力分布は、高圧力P1から低圧力P2に
直線的に変化するから、シールリング2と接触する線L
と対応する位置における圧力をPsとする。また、リン
グ溝c内の線Lより右側には高圧力P1が、左側には低
圧力P2が、それぞれ作用するから、流体圧によつて、
線Lより右側においてピストンリング1をシリンダaに
押し付ける力をF1、線Lより左側においてピストンリ
ング1をシリンダaに押し付ける力をF2とすると、F
1、F2は、それぞれ次式で表される。 F1=P1・A1−(P1+Ps)/2・A1=(P1−Ps)/2・A1 F2=P2・A2−(Ps+P2)/2・A2=(P2−Ps)/2・A2 なお、Psは次式で表される。P s=(P1−P2)・A2/(A1+A2)+P2 故に、流体圧によってピストンリング1がシリンダaに
押し付けられる力は次式で表される。 F1+F2=(P1−P2)・(A1−A2)/2
【0012】ピストンリング1にはさらに、ばね3、3
の弾圧力Fsが作用するから、ピストンリング1がシリ
ンダaに押し付けられる力Fは次式で表される。 F=F1+F2+Fs ここで、シリンダaとピストンリング1との摩擦係数を
μとすると、ピストンbの摺動抵抗Tは次式で表され
る。 T=μ・F=μ・{(P1−P2)・(A1−A2)/2+Fs}
の弾圧力Fsが作用するから、ピストンリング1がシリ
ンダaに押し付けられる力Fは次式で表される。 F=F1+F2+Fs ここで、シリンダaとピストンリング1との摩擦係数を
μとすると、ピストンbの摺動抵抗Tは次式で表され
る。 T=μ・F=μ・{(P1−P2)・(A1−A2)/2+Fs}
【0013】したがって、線Lがピストンリング1の幅
方向の中心に位置するとき、すなわち、A1=A2の場
合には T=μ・Fs となり、ピストンbの両側に作用する圧力差にかかわら
ず摺動抵抗の大きさは一定である。
方向の中心に位置するとき、すなわち、A1=A2の場
合には T=μ・Fs となり、ピストンbの両側に作用する圧力差にかかわら
ず摺動抵抗の大きさは一定である。
【0014】次に、本考案の第2実施例を図2に基づい
て説明する。上記第1実施例において、A1=A2でな
くても、A1≒A2であれば T≒μ・Fs となり、ピストンbの摺動抵抗を小さく押さえることが
できる。
て説明する。上記第1実施例において、A1=A2でな
くても、A1≒A2であれば T≒μ・Fs となり、ピストンbの摺動抵抗を小さく押さえることが
できる。
【0015】本実施例は、保持溝4の幅が広く、シール
リング2が保持溝4内を移動しうる点で上記第1実施例
と相違する。すなわち、ピストンbの右側が高圧になつ
た場合には、シールリング2は図に実線で示すように保
持溝4の左端へ移動し、ピストンbの左側が高圧になつ
た場合には図に鎖線で示すように保持溝4の右端へ移動
するのであつて、シールリング2の移動範囲は保持溝4
の幅内に規制される。
リング2が保持溝4内を移動しうる点で上記第1実施例
と相違する。すなわち、ピストンbの右側が高圧になつ
た場合には、シールリング2は図に実線で示すように保
持溝4の左端へ移動し、ピストンbの左側が高圧になつ
た場合には図に鎖線で示すように保持溝4の右端へ移動
するのであつて、シールリング2の移動範囲は保持溝4
の幅内に規制される。
【0016】したがつて、上記第1実施例のA1とA2
の差が一定範囲内に規制され、ピストンbの両側に作用
する圧力差によるピストンbの摺動抵抗の増大を抑制す
ることができる。
の差が一定範囲内に規制され、ピストンbの両側に作用
する圧力差によるピストンbの摺動抵抗の増大を抑制す
ることができる。
【図1】本発明の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の断面図である。
【図3】従来例の断面図である。
a:シリンダ b:ピストン c:リング溝 1:ピス
トンリング 2:シールリング 3:ばね 4:保持溝
トンリング 2:シールリング 3:ばね 4:保持溝
Claims (2)
- 【請求項1】 ピストンの外周に形成したリング溝にピ
ストンリングを嵌入し、該ピストンリングをシリンダの
内周に弾接して該シリンダとピストンとの間をシールす
るようにしたシール構造において、前記リング溝の底面の幅方向のほぼ中央に形成した保持
溝と、 該保持溝に嵌入されて前記ピストンリングの内周に弾接
することによりその接触位置を境にして該ピストンリン
グの内周に作用する高圧側の圧力と低圧側の圧力とを分
断するシールリングとからなり、 前記ピストンリングは、その外周に高圧側の圧力から低
圧側の圧力にはぼ直線的に変化する圧力が作用し、か
つ、前記シールリングの接触位置を境にして作用する逆
方向の力が互いに相殺される剛性を有する ことを特徴と
するシール構造。 - 【請求項2】前記リング溝と前記ピストンリングの間に
該ピストンリングを前記シリンダの内周に弾接させるば
ね弾力機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のシ
ール構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3074501A JP2562738B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | シール構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3074501A JP2562738B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | シール構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285367A JPH04285367A (ja) | 1992-10-09 |
JP2562738B2 true JP2562738B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=13549128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3074501A Expired - Lifetime JP2562738B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | シール構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562738B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100396773B1 (ko) * | 2001-02-22 | 2003-09-03 | 엘지전자 주식회사 | 리니어 액츄에이터의 마모 방지 장치 |
US9206899B2 (en) * | 2013-03-15 | 2015-12-08 | Fisher Controls International Llc | Pistons |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2528243C3 (de) * | 1975-06-25 | 1979-11-22 | Th. Kieserling & Albrecht, 5650 Solingen | Richtmaschine für stangenförmige Werkstücke |
JPH0446122Y2 (ja) * | 1986-11-25 | 1992-10-29 |
-
1991
- 1991-03-13 JP JP3074501A patent/JP2562738B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04285367A (ja) | 1992-10-09 |
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