JP2559786Y2 - 車両用ヘッドレストの組立構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ヘッドレストカバーの
内部にクッションパッドを配置すると共に、そのヘッド
レストカバーの開口部からヘッドレストステーと一体の
ヘッドレストフレームをクッションパッドの内部に後付
けで組付けることにより構成される車両用ヘッドレスト
の組立構造に関するものである。

【０００２】従来、上述した如くヘッドレストステーを
含むヘッドレストフレームをクッションパッドの内部に
後付けで組付けることにより車両用ヘッドレストを構成
する場合、図３で示すような片持ち固定型のヘッドレス
トを例示すると、ヘッドレストステー１と一体のヘッド
レストフレーム２をクッションパッド３の内部に入れ込
めるようにするべく、中空方形の立体形状の形成された
ヘッドレストカバー４には左右の少なくともいずれかの
側部面よりヘッドレストステー１をヘッドレストカバー
４の外部に突出する位置までに亘る開口部５がヘッドレ
ストカバー４の下部面から連続するよう設けられてい
る。

【０００３】その開口部５からはヘッドレストカバー４
の側部面口縁に沿わせてヘッドレストステー１をクッシ
ョンパッド３の内方側に移動すれば、ヘッドレストフレ
ーム２をクッションパッド３の内部に容易に組付けるこ
とができる。然し、この開口部５の事後封止にあたって
はヘッドレストカバー４の下部面から側部面に亘る比較
的長い領域を開口端末間で処理しなければならず、ま
た、ヘッドレストカバー４の下部面からほぼ直角方向に
立上る側部面の異方向に沿って処理しなければならない
ため、その開口部の封止作業に極めて手間が掛る。それ
に加えて、ヘッドレストの外部で見易いヘッドレストカ
バーの側部面に開口部５の封止個所が露呈位置し、ヘッ
ドレストステーの突出部位付近をカバー等で被包しても
一部がなお露出することから体裁上も好ましくない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、ヘッドレス
トステーと一体のヘッドレストフレームをクッションパ
ッドの内部に入れ込む開口部をヘッドレストカバーに設
けても、その開口部の封止処理に手間が掛らずしかも体
裁上も良好に組立可能な車両用ヘッドレストの組立構造
を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係る車両用ヘッ
ドレストの組立構造においては、ヘッドレストカバーに
はヘッドレストフレームをクッションパッドの内部に入
れ込むのに足り且つ左右の側部面に亘らない長さの開口
部を下部面に設けると共に、この左右の少なくともいず
れかの側部面にヘッドレストステーをヘッドレストカバ
ーの外部に突出するのに足る挿通孔を設け、前記開口部
からクッションパッドの内部に差込まれるヘッドレスト
ステーを挿通孔よりヘッドレストカバーの外部に突出位
置させて、ヘッドレストステーをクッションパッドの内
部に組付け挿置し、そのヘッドレストカバーの下部面に
設けられた開口部を下部面領域内に取付けられる接合手
段で封止することにより構成されている。

【０００６】

【作用】この車両用ヘッドレストの組立構造では、ヘッ
ドレストステーと一体のヘッドレストフレームをクッシ
ョンパッドの内部に入れ込む開口部をヘッドレストカバ
ーの左右側部面に亘らない短い長さで下部面に設け、そ
の下部面領域内に取付けられる接合手段で開口部を封止
することにより組立てられているから、手間を掛けずに
開口部を封止処理できる。また、この開口部の接合手段
による封止処理個所がヘッドレストカバーの側部面に露
呈位置しないことより体裁上も良好なものに組立てるこ
とができる。

【０００７】

【実施例】図１は、クッションパッド１０が内部に収容
されたヘッドレストカバー１１にヘッドレストステー１
２と一体のヘッドレストフレーム１３を組付ける前の車
両用ヘッドレストを示す。その車両用ヘッドレストは、
図３で示すと同様なヘッドレストカバー１１の左右いず
れか側面部からヘッドレストカバー１１の外部に突出す
るヘッドレストステー１２でシートバックの上部に片持
ち固定する型式ものとして構成されている。

【０００８】このヘッドレストにおいては、中空方形の
立体形状に形成されたヘッドレストカバー１１が用いら
れている。そのヘッドレストカバー１１には、ヘッドレ
ストフレーム１３をクッションパッド１０の内部に入れ
込むのに足る開口部１４が下部面１１ａに設けられてい
る。この開口部１４はヘッドレストフレーム１３の横幅
にほぼ相応する長さのスリットをヘッドレストカバー１
１の下部面１１ａに設けることにより形成でき、その左
右の側部面１１ｂ（片面のみ図示）に亘らない下部面領
域内のみ形成されている。また、このヘッドレストカバ
ー１１には上述したヘッドレストステー１２を突出する
のに足る挿通孔１５が右または左の少なくともいずれか
片側の側部面１１ｂに設けられている。

【０００９】クッションパッド１０は発泡樹脂製のもの
で、上述したヘッドレストカバー１１を成形型内に挿置
した後開口部１４から内部に充填される発泡樹脂でヘッ
ドレストカバー１１と一体に発泡成形することにより、
ヘッドレストカバー１１の内部に収容形成できる。その
発泡成形にあたっては、ヘッドレストカバー１１の開口
部１４からカバー内に挿置される中子型を用い、ヘッド
レストフレーム１３を組付け挿置する空間と共に、ヘッ
ドレストカバー１１の挿通孔１５に連通する空間がクッ
ションパッド１０の内部に形成することが行なわれてい
る。

【００１０】このクッションパッド１０を収容したヘッ
ドレストカバー１１にヘッドレストステー１２と一体の
ヘッドレストステー１２を組付けるには、ヘッドレスト
ステー１２の軸下端からヘッドレストカバー１１の開口
部１４を経てクッションパッド１０の内部に差込み、上
述した空間を介してヘッドレストステー１２の軸線をヘ
ッドレストカバー１１の挿通孔１５から外部に突出させ
ると共に、全体的にほぼ９０°回転させることによりヘ
ッドレストフレーム１３をヘッドレストカバー１１の開
口部からクッションパッド１０の内部に入れ込むように
すればよい。そのクッションパッド１０の内部に組付け
られたヘッドレストフレーム１３は、予めクッションパ
ッド１０の内面またはヘッドレストフレーム１３に付着
する接着剤でクッションパッド１０と装着固定するよう
にできる。

【００１１】このヘッドレストステー１２と一体のヘッ
ドレストフレーム１３をクッションパッド１０の内部に
後付けで組付けた後、ヘッドレストカバー１１の下部面
に設けられた開口部１４が開口端末間で接合することに
より封止されている。その封止はヘッドレストカバー１
１の下部面１１ａ領域内に取付けられる接合手段で行な
われ、この封止個所がヘッドレストカバー１１の側部面
１１ｂに露呈位置しないよう処理されている。

【００１２】その開口部１４の接合手段としては開口部
１４がヘッドレストカバー１１の下部面１１ａに直線状
に設けらているから、図２で示すように開口部１４の片
端末に沿って剛直性を有する横断面フック状のトリムコ
ード１６を取付け、他端末に沿っては平板状のトリムプ
レート１７を取付けて、このトリムプレート１７を端末
の差込みと共にトリムコード１６のフック部に嵌込み係
止するような簡単な接合手段を適用すればよい。

【００１３】このように構成する車両用ヘッドレストの
組立構造では、ヘッドレストステー１２と一体のヘッド
レストフレーム１３をクッションパッド１０の内部に入
れ込む開口部１４がヘッドレストカバー１１の左右側部
面１１ｂに亘らない短い長さで下部面１１ａに設けられ
ているから、その下部面領域内に取付けられる接合手段
１６，１７で開口端末間を直線状に接合するだけで開口
部１４が封止されている。このため、その開口部１４の
封止にあたってはトリムコード１６並びにトリムプレー
ト１７を直線的に縫着すると共にトリムプレート１７を
トリムコード１６に嵌込むだけの簡単な接合作業で行え
る。また、開口部１４の接合手段１６，１７による封止
個所はヘッドレストカバー１１の下部面１１ａに位置
し、その側面部１１ｂにはヘッドレストステー１２を突
出するのに足る挿通孔１５しか形成されてないから、全
体として体裁上も良好なものに組立てられる。

【００１４】なお、上述した開口部１４の接合手段に代
えて、スライドファスナを接合手段として開口部１４に
取付けることにより開口部１４を封止するようにでき
る。この場合にはクッションパッド１０の下部面にスラ
イドファスナを受入れる凹溝を設けると共に、平板状の
縁取りプレートをスライドファスナの各レーンに重なる
よう各開口端末の外側位置に巻込み縫着することによ
り、スライドファスナの厚み分を外部に露出させずしか
も各開口端末がたれ下がらないよう保形処理するとよ
い。また、上述した実施例では片持ち固定型のヘッドレ
ストを構成したが、ヘッドレストステーと一体の左右同
様なヘッドレストフレームをクッションパッドの内部に
個別に組付けた後、ヘッドレストフレームを相互一体に
固定すれば、両持ち固定型のヘッドレストを構成するの
にも適用できる。

【００１５】

【考案の効果】以上の如く、本考案に係る車両用ヘッド
レストの組立構造に依れば、ヘッドレストステーと一体
のヘッドレストプレートをヘッドレストカバーの開口部
からクッションパッドの内部に後付けで組立てても、そ
の組立並びに開口部の封止処理を簡単な作業で行えるば
かりでなく、体裁上も良好なものに組立てできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両用ヘッドレストの組立構造を
ヘッドレストステー一体のヘッドレストフレームが組付
けられる前の状態で示す説明図である。

【図２】同組立構造で適用可能な開口部の接合手段を示
す説明図である。

【図３】一般例に係る車両用ヘッドレストの組立構造を
示す説明図である。

【符号の説明】

１０ クッションパッド １１ ヘッドレストカバー １１ａ ヘッドレストカバーの下部面 １１ｂ ヘッドレストカバーの左右側部面 １２ ヘッドレストステー １３ ヘッドレストフレーム １４ 開口部 １５ 挿通孔 １６，１７ 開口部の接合手段

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空方形の立体形状に形成されたヘッド
   レストカバーの内部にクッションパッドを収容すると共
   に、そのヘッドレストカバーの開口部からヘッドレスト
   ステーと一体のヘッドレストフレームをクッションパッ
   ドの内部に後付けで組付け挿置することにより組立てら
   れる車両用ヘッドレストの組立構造において、上記ヘッ
   ドレストカバーにはヘッドレストフレームをクッション
   パッドの内部に入れ込むのに足り且つ左右の側部面に亘
   らない長さの開口部を下部面に設けると共に、この左右
   の少なくともいずれかの側部面にヘッドレストステーを
   ヘッドレストカバーの外部に突出するのに足る挿通孔を
   設け、前記開口部からクッションパッドの内部に差込ま
   れるヘッドレストステーを挿通孔よりヘッドレストカバ
   ーの外部に突出位置させて、ヘッドレストステーをクッ
   ションパッドの内部に組付け挿置し、そのヘッドレスト
   カバーの下部面に設けられた開口部を下部面領域内に取
   付けられる接合手段で封止してなることを特徴とする車
   両用ヘッドレストの組立構造。