JP2558956C - - Google Patents

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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、例えば骨の代謝の状態を診断することが可能なヒト検体中のヒト・
オステオカルシンの免疫学的測定方法、そのための試薬及びキツト、ヒト・オス
テオカルシンに対する抗体、それを産生するハイブリドーマ、その産生方法及び
その抗体を利用する一連の技術に関する。更に詳しくは本発明は、ヒト検体中に
含まれる極めて微量の完全ヒト・オステオカルシンまたはそのフラグメントのい
ずれも区別して測定しうる一連の技術に関する。 背景の技術 オステオカルシンは、bone gla protein(BGP)と称される、ビタミンK依存性
の骨カルシウム結合性タンパクである。殊にヒト・オステオカルシンは5800
の分子量を有し、49のアミノ酸より構成されている比較的小さいタンパクであ
る。 このタンパクは、オステオブラスト(骨芽球)から産生され、骨の非コラーゲ
ンタンパクの構成成分の約20%を占めている。このタンパクにはγ−carboxyg
lutamic acid residues があり、ハイドロキシアパタイトと強いアフイニテイが
あり、それゆえに骨マトリツクス形成に重要な役割を有しているものと推定され
ている。 このオステオカルシンは、最初ニワトリ及び牛の骨から見い出された (Proc.Nat.Acad.Sci.USA Vol.72、No.10 pp3925−3929(October 1975)及び
同Vol.73、No.5、pp1447-1451、(May 1976)]。次いでヒト・オステオカルシン
が分離されそのアミノ酸配列も決定された[The Journal of Biological Chemist
ry Vol.255、No.18、pp8685-8691、(1980)]。この文献には、ヒト・オステオカ
ルシンのアミノ酸配列がウシ(Calf)及びメカジキ(Swordfish)のオステオカルシ
ンのアミノ酸配列と対比して示され、これらのオステオカルシンは可成り類似し
た構造であることが示されている。 一方ヒト・オステオカルシンの測定について下記の報告がなされている。 (1) Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.77、No.4,pp2234-2238(1980);P.A.
Priceらは、この文献において、ウシ・オステオカルシンに対するウサギ抗体を
用いてラジオイムノアツセイ法によるヒトプラズマ中のヒト・オステオカルシン
の測定について報告し、このウサギ抗体は、ウシ・オステオカルシンのC末端領
域を認識していることも報告している。 (2) J.Clin.Invest.Vol.66、pp878-883(1980); P.A.Priceらは、この文献において、前記文献と同様にウシ・オステオカルシ
ンに対するウサギ抗体を用いて、ラジオイムノアツセイ法により、ヒトプラズマ
中のヒト・オステオカルシンを測定し、骨の病気の患者は、健常人と比べてオス
テオカルシン量が増加していることを認めている。 (3) J.Clin.Invest.Vol.71、pp1316-1321(1983); P.D.Delmasらは、この文献において、女性の年令とオステオカルシンの量の
関係を調べ、年令の増加と共にオステオカルシンの増加が認め られることを示している。この文献においては、ヒト・オステオカルシンの測定
は、前記(1)のP.A.Priceらと同じウサギ抗体を使用する方法で行ったことが記
載されている。 (4) Bone 6、9-13(1985); B.D.Catherwoodらは、健常人における年令とオステオカルシンの量について
調べ、年令の増加と共に少しずつ減少していることを報告している。そしてこの
文献の方法では、ヒト・オステオカルシンのC末端の37−49のアミノ酸配列
のペプチドを合成し、このペプチドを用いて抗体を調製し、得られた抗体を利用
して競合法によるラジオイムノアツセイにより、ヒト・オステオカルシンを測定
している。 (5) 日本特許公開昭63−209596及び同平1−160493号公報; これらの特許公報には、ウシのオステオカルシンに対するいくつかのモノクロ
ーナル抗体及びその利用について記載され、殊にC末端45(Phe)-49(Val)を
認識するモノクローナル抗体及び中間のアミノ酸領域21(Gle)-30(Asp)を認
識するモノクローナル抗体を用いて、サンドイツチ法によるヒト・オステオカル
シンの測定方法について記載されている。したがって、この方法も、ウシとヒト
のオステオカルシンの共通アミノ酸配列を利用して、ウシ・オステオカルシンに
対する抗体を用いて測定系を構成し、ヒトの血中系の測定系を行っていることに
なる。 発明が解決しようとする課題 しかしながら、前記した従来の測定方法は、それぞれいくつかの間題点をかか
えている。すなわち、前記(1)〜(3)の文献における問題点の第1は、ウシとの共
通な部分に対する抗体を用いているために誤った結果 が得られる可能性があることである。この根拠として、Posterら(J.B.C.,255
,8685(1980))が、immunoaffinity columnを用いて証明しているように、他の動
物の骨中のオステオカルシン量と比較すると、ヒトの骨中ののオステオカルシン
の含有率は非常に少なく、ヒトのオステオカルシンが他の動物のオステオカルシ
ンと立体構造や生理的役割が異なる可能性が示唆されているからである。 動物のオステオカルシンとヒトのオステオカルシンのアミノ酸配列が類似して
いても、抗原の立体構造が異なれば、動物のオステオカルシンの免疫により得ら
れた抗体がヒトのオステオカルシンと完全な交叉反応性を有するとは限らず、特
に、ヒト血清中に存在するオステオカルシンの量を正確に検出することが困難で
あろうと推定され、従来の方法ではヒト・オステオカルシンの生理学的意義を正
確に反映しえないことになる。 さらに、ヒトとウシのオステオカルシンの立体構造が異なるであろうと推定さ
れる根拠には、ヒトとウシのN末端17残基目が前者のGluに対し後者がGlaと相
違する点にもある。 Glaは、γ−カルボキシグルタミン酸転移酵素によってGluから生合成されるが
、オステオカルシンにおけるそのメカニズムは、オステオカルシンの前駆体タン
パクのN端側に、その酵素が結合し、タンパク表面にあるGluをGlaに変換するこ
とによる。ヒトのN末端17残基のみが、他の動物由来のそれと異なりGluであ
ることから、他の動物のオステオカルシンの17Glaと異なりGla転移酵素による
作用がおよばない立体配置に17Gluがあることが推定され、それゆえヒト・オ
ステオカルシンは、ウシ・オステオカルシン等と立体構造が異なることが推定さ
れる。 従来の測定法の問題点の第2は、その免疫学的測定手段にある。すなわち、ヒ
ト検体中のヒト・オステオカルシンの含有量は極めて微量であり、例えば健常人
の血清中のオステオカルシンの濃度は、約1〜10ng/ml程度でありまた腎疾患
や骨粗鬆症などの患者のそれは数10ng/ml程度であって、このような微量のオ
ステオカルシンを正確に測定するためには、高感度の測定系を確立する必要があ
る。ところが前記Priceらの方法及びCatherwoodらの方法は、いわゆる放射性物
質を用いる競合法であり、そのため再現性、感度が問題になる。なぜなら競合法
は、その認定条件が非常に難しく、それゆえに競合法によって構成された測定系
は再現性が良くないからである。特異性に関しても、1種の抗体を用いることか
ら、その1種の抗体のみにその特異性が依存し、それゆえ特異性も低いことが多
い。 また感度に関しても、ラベル抗原との微妙な競合法を採用するため、サンドイ
ツチ法に比べて、感度の低下はいなめない。 これに対して前記(5)の日本特許公開公報に記載されたウシのオステオカルシ
ンに対するモノクローナル抗体を用いるサンドイツチ法による測定方法は、従前
の競合法に比べれば優れた方法ではあるが、その方法は大きな欠点を有している
。すなわち、このサンドイツチ法では、オステオカルシンの中間領域のアミノ酸
配列を認識するモノクローナル抗体とC末端領域のアミノ酸配列を認識するモノ
クローナル抗体を組合せて使用しているが、この方法では高惑度でオステオカル
シンを測定することは困難である。その理由はオステオカルシンは49個のアミ
ノ酸から構成される比較的小さいペプチドであることから考えて、前記2つのモ
ノクローナル抗体はそれらの抗原決定部位が互いに近すぎることによる ものと考えられる。 さらに前記した公知の測定方法は、他の重要な問題を有している。というのは
従来の測定方法ではヒト検体中の完全(intact)オステオカルシンをそのフラグメ
ントと区別して測定し得ないことである。すなわち、従来の測定方法ではその測
定系及びそれに使用される抗体の特徴から考えて、完全オステオカルシン及びそ
のフラグメントの一部を区別せず合計として、測定している。 ヒト検体中の完全オステオカルシンとそのフラグメントを区別して、それぞれ
を正確に測定することは、患者の病態、その進行状態、治療完治の判断などに重
要な目安となることが最近の研究により明らかとなっている。 すなわち、オステオカルシンはビタミンKの作用によりγ−カルボキシル化さ
れ骨形成に関与しており、一方骨吸収時にはオステオカルシンは大部分いくつか
の分割されたフラグメントの形で溶出する可能性があることが報告されている[
J.Clin.Invest.Vol.77、pp1762-1767(1986)]。従ってヒト検体中の完全オス
テオカルシン及びそのフラグメントのそれぞれを正確に測定することによって、
患者の病態が吸収或いは骨形成のいずれの傾向にあるのかを正しく判断する目安
とすることができる。 前記した従来公知のオステオカルシンの測定方法は、測定感度自体に前記した
欠点を有しているばかりでなく、完全オステオカルシンのみを正確に測定し得な
いのみならず、そのフラグメントを選択的に測定する方法としても適していない
ということができる。 そこで本発明の第1の目的は、ヒト検体中の完全オステオカルシンを 高惑度で測定するための免疫学的測定方法、試薬及びキツトを提供することにあ
る。 本発明は第2の目的は、ヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフ
ラグメントを合せて高感度で測定するための免疫学的測定方法、試薬及びキツト
を提供することにある。 本発明の他の目的は、ヒト検体中のオステオカルシンのフラグメントを高感度
で測定するための免疫学的測定方法を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、ヒト検体或いは完全ヒト・オステオカルシンを含
有している試料中から、完全ヒト・オステオカルシンを高純度で分離するための
免疫学的方法及びその方法に用いられる免疫吸着体を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、前記した測定方法、試薬、キツト及び分離方法に
使用しうるモノクローナル抗体、及びポリクローナル抗体、これらを産生するハ
イブリドーマ、これら抗体の製造方法を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、以下の説明から一層明らかとなるであろう。 課題を解決するための手段 本発明者の研究によれば、前記本発明の目的及び利点の一部は、下記完全ヒト
・オステオカルシンの測定系(I)、完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラ
グメントの合計量の測定系(II)及び完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラ
グメントの合計量の測定系(III)によって達成されることが見出された。以下
これらの測定系のそれぞれについて説明する。完全ヒト・オステオカルシンの測定系(I); 本発明によれば、先ず、 ヒト検体中のヒト・オステオカルシンを固相抗体及び標識抗体を使用して免疫
学的に測定する方法において、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配
列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体また
はそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体)であり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのC末端側43〜49のアミノ酸
配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体ま
たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗体)であることを
特微とする完全ヒト・オステオカルシンの免疫学的測定方法、そのための試薬及
びキツトが提供される。 かかる測定系(I)によれば、検体中の完全ヒト・オステオカルシンが選択的
に且つ高感度に測定でき、ヒト・オステオカルシンのフラグメントは測定されな
い。 本発明の前記測定系(I)の特徴は、ヒト・オステオカルシンの49個のアミ
ノ酸配列において、そのN末端領域及びC末端領域を認識する2種の抗体を組合
せて使用すること、殊にそれぞれの末端領域におけるアミノ酸配列を決定したこ
とにある。 すなわち一方の抗体は、ヒト・オステオカルシンのN末端側(Tyr)〜20(Arg)
位までのアミノ酸配列領域中に特異的認識部位を有しており、他方の抗体は、ヒ
ト・オステオカルシンのC末端側43(Arg)〜49(Val)位までのアミノ酸配列領
域中に特異的認識部位を有している。 本発明の前記測定系(I)において、N末端側のアミノ酸配列領域を特異的に
認識する抗体(N末端抗体)は、ヒト・オステオカルシンに対するモノクローナ
ル抗体及びポリクローナル抗体のいずれであってもよく、またそのフラグメント
のいずれであってもよい。 なお本発明において、抗体のフラグメントとは、その抗体と同等の認識部位(
エピトープ)を有し、且つ同じように抗原に対して親和力を有する抗体の断片を
言い、具体的にはその抗体のFab′、F(ab′)2またはFacbの各フラグメント、好
ましくはFab′またはF(ab′)2フラグメントを意味する。 一方前記測定系(I)におけるC末端側のアミノ酸配列領域を特異的に認識す
る抗体(C末端抗体)は、ヒト・オステオカルシンに対するモノクローナル抗体
及びポリクローナル抗体のいずれであってもよいが、ポリクローナル抗体である
のが好ましい。またこれら抗体はフラグメントであることもできる。 前記測定系(I)においては、N末端抗体及びC末端抗体のいずれもポリクロ
ーナル抗体またはそのフラグメントであることが好ましい結果を与える。また標
識抗体がFab′またはF(ab′)2フラグメントであるのが有利であり、さらにその
標識抗体は、酵素により標識化されているのが望ましい。 測定系(I)においては、固相抗体における抗体が、ヒト・オステオカルシン
のN末端側1〜20のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オ
ステオカルシンに対するポリクローナル抗体であり、 且つ標識抗体における抗体がヒト・オステオカルシンのC末端側43〜49のア
ミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する
ポリクローナル抗体またはそのF(ab′)2フラグメントである組合が検体中の完全
ヒト・オステオカルシンの測定感度が最も高く優れている。 この測定系(I)に使用されるモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、
これらの調製、並びに、試薬及びキツトについては後に詳細に説明する。 完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量の測定系(II); さらに、本発明によれば、ヒト検体中のヒト・オステオカルシン及びそのフラ
グメントを固相抗体及び標識抗体を使用して免疫学的に測定する方法において、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配
列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するモノクロ
ーナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントであり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配
列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクロ
ーナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントである、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量の
免疫学的測定方法、そのための試薬及びキツトが提供される。 かかる測定系(II)によれば、検体中の完全ヒト・オステオカルシン 及びそのフラグメントの合計量を高感度で測定することができる。検体中の完全
ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量は、それ自体、患者の病
態の状況を判断するフアクターである。しかしこの測定系(II)は、前記測定系
(I)と組合せると、それら測定値の差は、検体中のヒト・オステオカルシンの
フラグメントの量を示していることになるのでその意味で価値がある。このフラ
グメントの量は骨吸収の状況を正確に把握しうるフアクターとなるものである。
従来、このフラグメントを選択的に完全ヒト・オステオカルシンと区別して測定
しうる測定系は知られていなかった。 本発明の前記測定系(II)の特徴は、ヒト・オステオカルシンのN末端領域を
認識するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を組合せて使用する点にあ
る。 すなわち一方の抗体は、ヒト・オステオカルシンのN末端側1(Tyr)〜20(Ar
g)位までのアミノ酸配列領域中に特異的に認識部位を有するヒト・オステオカル
シンに対するモノクローナル抗体またはそのフラグメントであり、他方の抗体は
、N末端側1〜20位のアミノ酸配列領域中に認識部位を有するポリクローナル
抗体またはそのフラグメントである。 この測定系(II)においては、固相抗体が前記モノクローナル抗体またはその
フラグメントであり、標識抗体が前記ポリクローナル抗体またはそのフラグメン
トである組合せが好ましい。その標識抗体のポリクローナル抗体はFab′またはF
(ab′)2フラグメントであるのが有利であり、さらに標識抗体は酵素により標識
化されているのが望ましい。 完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量の測定系 (III); さらに、本発明によれば、ヒト検体中のヒト・オステオカルシン及びそのフラ
グメントを固相抗体及び標識抗体を使用して免疫学的に測定する方法において、
該固相抗体及び標識抗体における抗体は、いずれもヒト・オステオカルシンのN
末端側1〜20のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステ
オカルシンに対するポリクローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するその
フラグメントであることを特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラ
グメントの合計量の免疫学的測定方法、そのための試薬及びキツトが提供される
。 かかる測定系(III)によれば、前記測定系(II)と同様に、検体中の完全ヒ
ト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量が感度よく測定される。上
記測定系(III)は、固相抗体及び標識抗体はいずれもヒト・オステオカルシン
のN末端側1(Tyr)〜20(Arg)位までのアミノ酸配列中に認識部位を有するポリ
クローナル抗体またはそのフラグメントである。この測定系(III)において、
標識抗体は、前記ポリクローナル抗体のF(ab′)またはF(ab′)2フラグメントで
あるのが好ましく、また、その標識抗体は酵素により標識化されているのが一層
好ましい。 測定系(I)〜(III)の好ましい態様 本発明の測定系(I)〜(III)において、使用される固相抗体及び標識抗体
の組合せ、その組合せの効果及び特徴については前述した通りであるが、次に前
述した抗体またはそのフラグメントを組合せて使用し、ヒト検体中の完全ヒト・
オステオカルシン及び/またはそのフラグメントを測定する方法、試薬及びキツ
トに関し、具体的手段及び好ましい態様について更に詳しく説明する。以下の説
明は特に断わらない限り測定 系(I)〜(III)に共通した手段及び態様である。 (i) ヒト検体 本発明によるヒト・オステオカルシンまたはそのフラグメントの測定に適用さ
れるヒト検体は、これらが含まれているヒト体液であれば種々のものでよいが、
一般には血清、血漿、尿またはこれらと同等物であるのが好ましい。とりわけ血
清であるのが最も好ましい。 (ii) 測定手段 前記した各測定系において、それぞれの抗体及びそのフラグメントを組合せて
使用する限り、それ自体良く知られた免疫学的測定方法(所謂サンドイツチ法)
が採用され、その方法は、一段法であってもよくまた二段法であってもよい。 以下その一態様について説明する。 ヒト・オステオカルシンに対する一方の抗体(第1抗体)を適当な不溶性担体
(例えばプラスチツク容器)に固定化する(以下これを“固定化抗体”という)
。ついで不溶性担体と測定しようとする試薬または検体試料との非特異的結合を
避けるために適当な物質(例えば牛血清アルブミン)で不溶性担体の表面を被覆
する。このようにして得られた第1抗体が固定化された不溶性担体を検体試料と
一定時間及び温度で接触させ反応させる。この間に固相抗体(第1抗体)と検体
中のヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントが結合する。ついで適当な洗
浄液で洗った後、適当な標識物質(例えば酵素)で標識したヒト・オステオカル
シンに対する他方の抗体(第2抗体)の溶液(例えば水溶液)を、不溶性担体に
おける固相抗体に結合したヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントと一定
時間及び温度で接触させ第2抗体と反応させる。これを 適当な洗浄液で洗い、次いで不溶性担体上の固相抗体とヒト・オステオカルシン
及びそのフラグメントを介して結合して存在する第2抗体に標識された標識物質
の量を測定する。 なお上記2段法による反応は、固相抗体、標識抗体及びヒト・オステオカルシ
ンを含有する検体を同時に混合し、一定時間及び温度でこれら三者を同時に接触
させて反応(1段法)させることもできる。 かくしてその値から検体試料中のヒト・オステオカルシンまたはそれとフラグ
メントの合計量を算出することができる。 (iii) 測定試薬及びキツト 本発明による測定試薬及びキツトは、前記した測定系(I)〜(III)におけるそ
れぞれの抗体及びそのフラグメントの組合せを使用した固相抗体及び標識抗体を
基本的にして構成される。 すなわち、完全ヒト・オステオカルシンまたはそれとそのフラグメントの合計
量の免疫学的測定用の試薬は、前記測定系(I)〜(III)のそれぞれにおける
、一方の抗体またはそのフラグメントを不溶性担体に固定化した固相抗体及び他
方の抗体またはそのフラグメントを標識化した標識抗体とからなる。 一方完全ヒト・オステオカルシンまたはそれとそのフラグメントの合計量の免
疫学的測定用のキツトは、 (a) 固相抗体、 (b) 標識抗体、 (c) 溶解剤、 (d) 洗浄剤 及び (e) 酵素で標識化された標識抗体を使用する場合には、酵素活性を測 定するための基質及び反応停止剤、 を組合せてなり、前記(a)の固相抗体及び(b)の標識抗体は、前述した測定系(I
)〜(III)のそれぞれから選択される。 前記本発明の免疫学的測定方法、試薬及びキツトにおいて、固相抗体として使
用される不溶性担体としては、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアクリルニトリル、弗素樹脂、架橋デキストラン、ポ
リサツカライドなどの高分子、その他紙、ガラス、金属、アガロース及びこれら
の組合せなどを例示することができる。 また不溶性担体の形状としては、トレイ状、球状、繊維状、棒状、盤状、容器
状、セル、試験管などの種々の形状であることができる。 また、標識抗体の標識物質としては、酵素、蛍光物質、蛍光物質及び放射性物
質等を使用するのが有利である。酵素としては、ペルオキシダーゼ、アルカリフ
オスフアターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、蛍光物質としてはフルオレツセイ
ンイソチオシアネート、フイコビリプロテイン等、発光物質としてはイソルシノ
ール、ルシゲニン等、そして放射性物質としては125I、131I、14C、3H等を
用いることができるが、これらは例示したものに限らず、免疫学的測定法に使用
し得るものであれば、他のものでも使用できる。 標識物質が酵素である場合には、その活性を測定するために基質、必要により
発色剤が用いられる。 酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合には、基質としてH22を用い、発
色剤として2,2′−アジノジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸]ア
ンモニウム塩(ABTS)、5−アミノサリチル酸、o −フエニレンジアミン、4−アミノアンチビリン、3,3′、5,5′−テトラメ
チルベンジジン等、酵素にアルカリフオスフアターゼを用いる場合は基質として
o−ニトロフエニルフオスフエート等、酵素にβ−D−ガラクトシダーゼを用い
る場合は基質としてフルオレセイン−ジ−(β−D−ガラクトピラノシド)、4
−メチルウンベリフエリル−β−D−ガラクトピラノシド等を用いることができ
る。 また本発明による前記免疫学的測定用のキツトにおいて(c)溶解剤としては、
免疫学的測定に通常使用されるものであればよく、例えばリン酸緩衝液、トリス
塩酸緩衝液、酢酸緩衝液などを含んだpHが6.0〜8.0の範囲のものが好適な
例として示される。さらに(d)洗浄剤としては、同様に免疫学的測定に一般的に
使用されているものがそのまま使用される。その例としては、生理食塩水、リン
酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液及びこれらの混合液が挙げられる。これらの洗浄剤
にはさらにトリトンX100、Tween20またはBrig35の如き非イオン系界面
活性剤、ドデシル硫酸ナトリウムの如きイオン系界面活性剤を加えられてもよい
。 (iv) 表面平滑な不溶性担体の使用 本発明者らの研究によれば、本発明による前記したヒト検体中のヒト・オステ
オカルシン及びそのフラグメントの測定系において、不溶性担体としてその表面
が鏡面化された平滑性のものを使用すると粗面の担体に比べて該担体に対する検
体中のタンパク或いは標識抗体などの非特異的吸着反応が抑制され測定感度が向
上し且つ安定性も増すことがわかった。 従来、免疫学的測定系において測定感度を高めるために、不溶性担体としては
、むしろその表面を研磨して粗面化し、表面積を多くしたものが使用されていた
。しかしながら、ヒト・オステオカルシン及びそのフ ラグメントの如き検体中に極く微量しか含まれていない場合には表面の平滑性が
増えるに従って、非特異的吸着が抑えられ、測定惑度が増加するのである。 かくて不溶性担体は、その表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm以下の鏡
面化された平滑表面を有するものが有利である。 中心線平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さl の部
分を抜取り、この抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、あらさ
曲線をy=f(x)で表わしたとき、次式で与えられるRaの値をミクロン単位で
表わした値を意味する。 この中心線平均粗さ(Ra)については、JIS B0601−1982(日
本)、ANSI B46.1−1979(USA)及びR 468−1966(
ISO)に説明されている。 なお以下の本発明の実施例では、不溶性担体は東京精密(株)製の表 前記平滑な表面を有する不溶性担体の材質及び形状は特に制限されず、前記に
説明したものが示される。特に好ましい例としてはポリスチレンビーズが挙げら
れる。 (v) 免疫反応における特定タンパクの添加 本発明の免疫測定系において免疫反応溶液中に分子量1.6万〜5.0万及び等
電点1.0〜5.0である蛋白質又はそれを含む混合物を存在せしめ、これらの免
疫反応溶液における最終濃度が0.02〜0.9重量%となるように調整すると、
非特異的吸着が抑制され、したがってバツク グランドが低くなり高感度が得られやすくなり好ましいことがわかった。かかる
蛋白質又はそれを含む混合物は、本発明の免疫学的測定方法に用いる試薬及びキ
ツトの他の一部を構成する免疫測定試薬に免疫反応溶液中に前記所定の量となる
ように含有せしめることもできる。かかる蛋白質としては、例えばカゼイン、ペ
プシン、オボグリコプロテイン、オロソムコイドなどが挙げられる。このような
混合物としては、例えば主成分として前記タンパク質10〜60重量%、好まし
くは20〜50重量%、糖(例えば乳糖)30〜80重量%、好ましくは40〜
60重量%、その他脂肪(例えば0.5〜2重量%)、灰分(例えば5〜12重
量%)、水分(例えば2〜8重量%)などを含むことができる。このような混合
物としては典型的なのはスキムミルクである。スキムミルクはタンパク質として
カゼインを含むものであるが、カゼインを単独で使用した場合に比べて、スキム
ミルクは、免疫反応溶液中における分散性が良く、非特異的吸着を低減させる効
果が高く、温度4℃における保存性が良い(沈澱が生じにくい)という特徴を有
する。なお、スキムミルクとしては、脱脂したミルクであれば、如何なる由来の
ミルクであっても良く、最も典型的なもののひとつとしては、市販されているDi
fco社製のスキムミルクがある。 ヒト・オステオカルシンのフラグメントの測定方法 前述したように、本発明の測定系(I)に従えばヒト検体中の完全ヒト・オス
テオカルシンをそのフラグメントと区別して高感度で測定でき、一方測定系(II
)または(III)に従えばヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフ
ラグメントの合計量を高感度で測定することが可能であるから、これらの測定系
の結果からヒト検体中のヒト・オステオ カルシンのフラグメントを正確に知ることができる。従来ヒト・オステオカルシ
ンのフラグメントの量を完全ヒト・オステオカルシンと区別して正しく測定する
方法は知られてはいない。 かくして本発明によれば、 (i) 前記測定系(II)または(III)における測定方法に従ってヒト検体中の
完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量を測定し、 (ii) 前記測定系(I)における測定方法に従ってヒト検体中の完全ヒト・オ
ステオカルシンを測定し、 (iii) 次いで前記(i)及び(ii)で測定された値の差を算出する ことからなるヒト・オステオカルシンのフラグメントの測定方法が提供される。 かかる測定方法により、ヒト検体中のヒト・オステオカルシンのフラグメント
の量を、完全ヒト・オステオカルシンと区別して正確に測定しうる。ヒト・オス
テオカルシンのフラグメントの量は骨吸収の状態を知りうる1つの目安と考えら
れるのでその量を測定することは種々の病態の判断に役立つことになる。 完全ヒト・オステオカルシンの分離法及び精製法 本発明によって得られた前記N末端抗体を使用することによって、完全ヒト・
オステオカルシン含有液から、完全ヒト・オステオカルシンを容易に分離するこ
とができ、また高度に精製された完全ヒト・オステオカルシンを得ることができ
る。かくして下記方法(1)及び方法(2)による完全ヒト・オステオカルシン
の分離法及び精製法が提供される。方法1 (i) 完全ヒト・オステオカルシン含有液を、ヒト・オステオカルシンのN末
端側1〜20のアミノ酸配列領域中に特異的認識部位を有するヒト・オステオカ
ルシンに対する抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末
端抗体)を結合した固相と接触させて、該固相に完全ヒト・オステオカルシンを
吸着させ、 (ii) 次いで完全ヒト・オステオカルシンを吸着した固相に溶出液を接触させ
て、完全ヒト・オステオカルシンを固相から溶出させ、 (iii) 得られた完全ヒト・オステオカルシン含有溶出液から、完全ヒト・オス
テオカルシンを分離する、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシンの分離法。方法2 工程: (a) 完全ヒト・オステオカルシン含有液をヒト・オステオカルシンに対する抗
体を結合した第1の固相と接触させて、第1の固相に完全ヒト・オステオカルシ
ンを吸着させ、 (b) 完全ヒト・オステオカルシンを吸着した第1の固相に溶出液を接触させて
、完全ヒト・オステオカルシンを第1の固相から溶出させ、 (c) 得られた完全ヒト・オステオカルシン含有溶出液を、ヒト・オステオカル
シンに対する他の抗体を結合した第2の固相と接触させて、第2の固相に完全ヒ
ト・オステオカルシンを吸着させ、 (d) 完全ヒト・オステオカルシンを吸着した第2の固相に溶出液を接触させて
完全ヒト・オステオカルシンを第2の固相から溶出させ、 (e) 得られた完全ヒト・オステオカルシン含有溶出液から精製された完全ヒト
・オステオカルシンを分離する、 よりなる完全ヒト・オステオカルシン含有液からの精製された完全ヒト・オステ
オカルシンの分離法であって、 (1) 一方の固相に結合した抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜2
0のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに
対する抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体)
であり、 (2) 他方の固相に結合した抗体が、ヒト・オステオカルシンのC末端側36〜
49のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシン
に対する抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗体
)である、 ことを特徴とする精製された完全ヒト・オステオカルシンの分離法。 前記方法1及び2によれば、完全ヒト・オステオカルシン含有液から、完全ヒ
ト・オステオカルシンを純度よく分離でき、殊に方法2によれば極めて高純度の
完全ヒト・オステオカルシンを分離することができる。得られた完全ヒト・オス
テオカルシンは、試薬、標準物質または薬剤成分として使用される。 前記方法1及び2において、完全ヒト・オステオカルシン含有液としては、完
全ヒト・オステオカルシンを含有していればよく、その濃度は関係がなく、種々
のものであってもよい。例えばヒト体液或いはその処理物(血清、血漿または煮
ようなど)でもよく、また遺伝子操作により人為に製造された完全ヒト・オステ
オカルシンの含有液であってもよい。 前記方法1及び2おいて使用されるN末端抗体及びC末端抗体は、前記した測
定系(I)、(II)及び(III)で説明したものを使用することができるが、い
ずれの抗体もポリクローナル抗体或いはそのフラグメン トであることが望ましい。また抗体を結合させる固相としては測定系(I)、(
II)及び(III)で説明した不溶性担体をそのまま使用することができる。その
中で固相はデキストランゲル、アガロースゲルまたはポリビニルゲルであるのが
好ましい。 また方法1及び方法2において、固相に吸着させた完全ヒト・オステオカルシ
ンを溶出させるために使用する溶出液としては、通常知られた酸性緩衝液が使用
される。 免疫吸着体 本発明者らによって見出されたヒト・オステオカルシンに体する抗体を使用し
、それを固相に結合させることによって、有益な下記(i)〜(iii)の3種の
免疫吸着体が提供される。 (i) ヒト・オステオカルシンのN末端1〜20のアミノ酸配列領域中に特異
的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するモノクローナル抗体または
それと同じ認識部位を有するそのフラグメントを固相に結合した免疫吸着体。 (ii) ヒト・オステオカルシンのN末端1〜20のアミノ酸配列領域中に特異
的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体または
それと同じ認識部位を有するそのフラグメントを固相に結合させた免疫吸着体。 (iii) ヒト・オステオカルシンのC末端側36〜49のアミノ酸配列領域中に
特異的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体ま
たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントを固相に結合した免疫吸着体
。 前記免疫吸着体は、いずれも完全ヒト・オステオカルシンを吸着する ことができるので、前述した完全ヒト・オステオカルシンの分離法における吸着
剤として使用することができる。前記免疫吸着体における固相としては、測定系
(I)、(II)及び(III)において説明した不溶性担体であることができるが
、具体的には、デキストラン、アガロースゲル、ポリビニルゲルまたは金属粒子
であるのが好ましい。不溶性担体と抗体との結合は、通常の方法、例えばブロム
シアン法やエポキシ、アミノ、カルボキシル、もしくはホルミル基等を介して結
合させることができる。モノクローナル抗体 本発明によれば、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配列
領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するモノクロー
ナル抗体が提供される。 本発明によるこのモノクローナル抗体は、ケーラーとミルシユタイン 256、495−497(1975))により作製されたハイブリドーマを培養
して分泌させ、その培養液から分離することにより調製された。すなわち、ヒト
・オステオカルシンのN末端アミノ酸配列1Try−Leu−Tyr−Gln−Trp−Lue−Gly
−Ala−Pro−Val−Pro−Tyr−Pro−Asp−Pro−Leu−Glu−Pro−Arg−20Arg を
有するペプチド(以下、1Try−20Argと略記する)を合成し、これにキヤリア蛋
白を結合させて、マウスに免疫した後、このマウスのリンパ球をマウス・ミエロ
ーマ細胞と融合させハイブリドーマを作製した。このようにして得たハイブリド
ーマは、融合された種々のリンパ球のそれぞれに応じて種々のモノクローナル抗
体を産生するので、目的とするモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを
クローニングによってクローン化されたハイブリドーマとして単離 した。このクローン化ハイブリドーマをイン・ビトロで培養してモノクローナル
抗体を分泌させた。この培養上清からヒト・オステオカルシンのN末端アミノ酸
配列に対する前記モノクローナル抗体を分離した。 次に、本発明のヒト・オステオカルシンに対するモノクローナル抗体を作成す
る具体的方法について詳細に説明する。A.抗原の作成 抗原としては、ヒト・オステオカルシンやヒト・オステオカルシンを酵素的に
切断して得られるヒト・オステオカルシンのアミノ酸配列を有するペプチドある
いは合成ペプチドなどを用いることができるが、ここでは合成ペプチド(1Try−
20Arg)を用いた場合について説明する。 1)N末端ペプチド(1Try−20Arg)の合成ヒト・オステオカルシンのN末端
アミノ酸配列20残基及び21残基目にシステインを入れた、第1図で示すペプ
チドを合成した。 合成についてはABI社ペプチド合成機を用いた。以下、このペプチドの名称
をOst−N(20)とする。 2)抗原(Ost−N(20)とキヤリヤー蛋白の結合体)の作成 代表的なキヤリヤ蛋白であるキーホール リンペツト ヘモシアニン(KLH
)をキヤリヤー蛋白とし、N−(m−アレイミド安息香酸)−N−サクシンイミ
ドエステル(MBS)によりKLHをMBS化した。一方、Ost−N(20)を2−
メルカプトエタノールによりSH基をフリーにし、MBS化KLHにOst−N(2
0)を滴下しながら反応溶液をpH6.0〜6.5に保ちつつ反応させた。3時間反
応後、透析し、得られた生成物を抗原として用いた。B.合成ペプチド−KLH結合体による抗原刺激リンパ球の調製 雄Balb/cマウスを用いたが、他の系のマウス、ラツト、ウサギ、モルモツト
など抗原刺激リンパ球を得ることができる動物であれば特に限定する必要はなく
、また動物もしくはヒトのリンパ球を取り出して、インビトロに抗原刺激リンパ
球を得る方法であってもよい。 マウスに合成ペプチド−KLH結合体を10〜100μgを完全フロイント・
アジユバントとともに腹腔投与後、3〜4週間間隔で同量を不完全アジユバント
とともに腹腔投与した。その間各投与後10日目に採血して血清抗体価を測定し
抗体価が5万倍以上上がっていることを確認し、1〜50μgの合成ペプチド−
KLH結合体を静脈内投与して3〜4日後に脾臓を無菌的に取り出し、それから
脾細胞懸濁液を調製した。 抗原刺激をうけたリンパ球としては、脾細胞がよく用いられるが、リンパ節細
胞、末梢血リンパ球などであってもよい。C.細胞融合 抗原刺激をうけた脾細胞を、マウス骨髄腫細胞と融合促進剤の使用により一般
に用いられている方法(たとえば「日本生化学会編、統生化学実験講座、5巻、
70−71頁、東京化学同人」)で細胞融合した。 所望する細胞融合が可能な他の方法、たとえば電気的融合法などで細胞融合し
てもよい。 マウス骨髄腫細胞としては、細胞融合に適したラインが多く知られており、そ
のいずれであってもよいが、本発明ではP3−X63−Ag8−U1細胞(以下
P3U1と略記する)(D.E.Yelton et al.,Current Topics in
Microbiology and Immunology,81,1(1978))を用いた。 融合促進剤としては、平均分子量1,000〜6,000のポリエチレ ングリコールが用いられるが、この分野で知られている他の融合促進剤を使用す
ることもできる。D.クローン化ハイブリドーマの取得 細胞融合した細胞懸濁液、すなわち未融合の脾細胞と骨髄腫細胞及び融合した
細胞(ハイブリドーマ)の混合物を、ハイブリドーマのみが生育しうる選択培地
で希釈し、それを別の容器内(マイクロプレート)に分注して、未融合の細胞を
死滅させるのに十分な時間(約1時間)培養した。 培地は薬物抵抗性(例えば8−アザグアニン抵抗性)で未融合の骨髄腫細胞を
生育させないもの(例えば、ヒポキサンチン、アミノプリン、チミジン(HAT
)培地)が使用された。 培養容器内にハイブリドーマが生育していることを確認した後、その培養上清
を採取し、合成ペプチド Ost−N(20)に対するモノクローナル抗体について酵
素免疫測定法(Enzyme Linked Immune Sorbent Assay(以下ELIS
Aと略記する))によりスクリーニングした。 得られた抗体陽性容器内のハイブリドーマを、一般に用いられている方法(例
えば限界希釈法、軟寒天法、フイブリンを用いたクローニング法など)でクロー
ニングして、抗ヒト・オステオカルシン・モノクローナル抗体を分泌するクロー
ン化ハイブリドーマを取得した。E.ハイブリドーマ培養液からの抗ヒト・オステオカルシン・モノクローナル抗
体の調製 クローン化ハイブリドーマをマウス腹腔内で培養、増殖させその腹水又は血清
を採取して、それから一般に用いられている方法(例えば硫酸アンモニウム沈澱
、DEAE−セルロース・カラム、プロテイン−A− アフイニイテイー・カラム)により抗ヒト・オステオカルシン・モノクローナル
抗体を分離した。 ハイブリドーマの培養は、上記の他ヌード・アウスまたはヌード・ラツトなと
の腹腔内であっても、あるいは適当な栄養培地を用いてイン・ビトロで行っても
よい。 上記本発明によるモノクローナル抗体は、ヒト・オステオカルシンのN末端側
の1〜20位のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有している。また本発
明のこのモノクローナル抗体は、ヒト・オステオカルシンのN末端側の1〜19
のアミノ酸配列を有するペプチドにも結合する。このモノクローナル抗体は、ウ
シ・オステオカルシンに対する交叉反応性が50%以下である。 このモノクローナル抗体は、前記した本発明の測定系(I)、(II)及び(II
I)、分離法、免疫吸着体における抗体として使用される。ポリクローナル抗体(I) 本発明によれば、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配列
領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクロー
ナル抗体が提供され、このポリクローナル抗体は、ウシ・オステオカルシンに対
する交叉反応性が50%以下である。またこのポリクローナル抗体は、ヒト・オ
ステオカルシンのN末端側1〜19のアミノ酸配列を有するペプチドにも結合す
る。 このポリクローナル抗体は、下記アミノ酸配列 H−Try−Leu−Tyr−Gln−Trp−Leu−Gly−Ala−Pro−Val−Pro− Tyr−Pro−Asp−Pro−Leu−Glu−Pro−Arg−Arg−OH で表わされるペプチドをキヤリアータンパクと結合させて得られたポリ ペプチドを免疫抗原として動物に免疫し、その動物より取得することができる。 上記免疫のための方法としては、ペプチド比較的大きな分子に変換し、それを
アジユバンドと混ぜ、被免疫動物に投与しそれ自体知られた方法に従って抗体を
作成する。 免疫に当ってペプチドを大きな分子に変換するには、ペプチドとキヤリアータ
ンパクと結合させる方法と他の高分子物質と結合させる方法がある。このキヤリ
アータンパクとしては、アルブミン、キーホール リンペツト ヘモシアニン(
KLH)またはプロテインAなどが挙げられるがアルブミンまたはKLHが好ま
しい。また他の高分子物質としては、ポリビニルピロリドンの如き水溶性高分子
が挙げられる。 ペプチドとキヤリアータンパクと結合させるに当っては、ペプチドのCOOH
末端基を利用する場合にはカルボジイミドを用い、一方NH2末端基を利用する
場合にはグルタルアルデヒドが好ましくは使用される。さらに特異的な結合を求
める場合にはペプチドにシステインを導入してキヤリアータンパク側にマレイミ
ド基またはジチオピリジル基を導入しこれを結合させることにより作成する。 またアジユバンドとしては完全フロインドアジユバンド不完全フロインドアジ
ユバンドまたは水酸化アルミニウムなどが使用される。 さらに免疫すべき動物としては、山羊、ウサギ、馬、羊、犬、マウス、モルモ
ツト、ブタなどがある。ポリクローナル抗体(II) さらに本発明によれば、ヒト・オステオカルシンのC末端側43(Arg)〜4
9(Val)位のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有する ヒト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体が提供される。 かかるポリクローナル抗体は下記アミノ酸配列 H−Arg−Arg−Phe−Tyr−Gly−Pro−Val−OH で表わされるペプチドをキヤリアータンパクと結合させて得られたポリペプチド
を免疫抗原として動物に免疫しその動物から取り出すことができる。 免疫のための方法は、前記ポリクローナル抗体(I)において説明した方法と
基本的に同じ方法が採用される。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例1(A)にて作成したヒト・オステオカルシンN末端1〜2
0残基と21残基目にシステインを入れた合成ペプチドのアミノ酸配列を示す。 第2図は、実施例2(A)にて作成したヒト・オステオカルシンのC末端43
〜49位の合成ペプチドのアミノ酸配列を示す。 第3図は、参考例の(A)にて作成したヒト・オステオカルシンC末端36〜
49残基及び35残基目にシステインを有する合成ペプチドのアミノ酸配列を示
す。 第4図は、実施例3において作成した完全ヒト・オステオカルシン測定系(I
)による測定結果を示す。 第5図は実施例3において標識抗体としてF(ab′)2を用いた測定結果を示す
。 第6図は、実施例4における完全ヒト・オステオカルシンとそのフラグメント
の反応性の測定結果を示す。 第7図は、突施例5における逆相HPLCにおける緩衝液の流入条件 を示す。 第8図は、実施例5における各フラクシヨンのヒト・オステオカルシンの抗原
活性を示す。 第9図は実施例6による健常人及び骨肉腫患者の血清中のヒト・オステオカル
シンの測定結果を示す。 第10図は、実施例7による副甲状線機能亢進症患者の血漿中のヒト・オステ
オカルシンの測定結果を示す。 第11図は、実施例8による完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメン
トの合計量の測定系(III)の測定結果を示す。 第12図は、実施例12による完全ヒト・オステオカルシンの測定結果を示す
。 第13図は、実施例14による完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメ
ントの合計量の測定系(II)の測定結果を示す。 第14図は、実施例16における各フラクシヨンのヒト・オステオカルシンの
抗原活性を示す。 第15図は、実施例17における健常人、賢疾患患者及び骨粗鬆症患者の血清
中のヒト・オステオカルシンN末端フラグメントの測定結果を示す。 第16図は、実施例18におけるヒト・オステオカルシンフラグメント測定に
おける臨床意義を示す。 実施例 以下実施例により本発明を詳述するが、これは本発明の理解を容易にするため
のものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。 なお実施例中“%”とあるのは“重量%”を意味する。 実施例1(N末端1〜20位のアミノ酸配列領域中に認識部位を有するポリクロ
ーナル抗体の作成) (A) N末端1〜20残基のペプチドの合成 ヒト・オステオカルシンのN末端に特異的なアミノ酸配列1〜20残基及び2
1残基目にシステインを入れた、第1図で示すペプチドを合成した。 合成についてはABI社ペプチド合成機を用いた。このペプチドの名称をOst
−N(20)とした。 (B) 抗原(Ost−N(20)とキヤリヤータンパクの結合体)の作成 キーホール リンペツト ヘモシアニン(KLH)をキヤリヤータンパクとし
、N−(m-マレイミド安息香酸)−N−サクシンイミドエステル(MBS)によ
りKLHをMBS化した。一方、Ost−N(20)を2−メルカプトエタノールによ
りSH基をフリーにし、MBS化KLHにOst−N(20)を滴下しながら反応溶液
をpH6.0〜6.5に保ちつつ反応させた。3時間反応後、透析し、得られた生成
物を抗原として用いた。 (C) ポリクローナル抗体の作成 Ost−N(20)のKLH結合体を500μg/1shotにて家兎に免疫をした。 2週間間隔で6回免疫後、抗体価が上昇したため採血をし、抗体をプロテイン
A−Sepharoseで精製し、目的とする抗体を得た。 実施例2(C末端43〜49位のアミノ酸配列領域中に認識部位を有するポリク
ローナル抗体の作成) (A) C末端43〜49位のアミノ酸残基のペプチドの合成 ヒト・オステオカルシンのC末端に特異的なアミノ酸配列43〜49 位のアミノ酸残基を有する第2図に示すペプチドをABI社ペプチド合成機を用
いて合成した。このペプチドの名称をOst−C(7)とした。 (B) 抗原(Ost−C(7)とキヤリアタンパクの結合体)の作成 Ost−C(7)とKLHとを同重量ずつ混合し、カルボジイミド(DCC)を反
応させ、Ost−C(7)とKLHの結合体を作成した。 得られた生成物をHPLCのゲル濾過を用いて生成した。 (C) ポリクローナル抗体の作成 Ost−C(7)のKLH結合体を、500μg/1shotにて家兎に免疫した。以後
は実施例1と同様にして、目的とする抗体を得た。 参考例(C末端35〜19位のアミノ酸配列領域中に認識部位を有するポリクロ
ーナル抗体の作成) (A) C末端35〜49位のアミノ酸残基のペプチド合成 ヒト・オステオカルシンC末端に特異的なアミノ酸配列36〜49残基及び3
5残基目にシステインを有する第3図に示すペプチドを合成した。 合成についてはABI社ペプチド合成機を用いた。このペプチドの名称をOst
−C(15)とした。 (B) Ost−C(15)とキヤリアタンパクの結合 実施例2の(B)と同じ方法を用い、上記Ost−C(15)とKLHの結合体を作
成した。 (C) ポリクローナル抗体の作成 実施例2の(C)と同じ方法を用い、上記Ost−C(15)のKLH結合体を抗原
として、目的とする抗体を得た。 実施例3(完全ヒト・オステオカルシン測定系(I)の構成) (A) ホスラデイツシユ・ペルオキシダーゼ(HRP)標識抗体の調製 (1) 抗Ost-N(20)抗体(IgG)のHRP標識化; 前記実施例により得られた抗Ost−N(20)抗体の1mg/ml 0.01Mリン酸0
.15M NaCl(pH7.4)溶液2mlに、MBS10mg/mlの濃度のジメチル
ホルムアミド溶液50μlを添加し、25℃の温度で30分間反応させた。次い
でセフアデツクスG−25を充填したカラムを用い、0.1Mリン酸緩衝液(0.
1MPB)(pH6.0)でゲル濾過を行い、マレイミド化抗体と未反応MBSと
を分離した。 一方、HRPの10mg/mlの0.1MPB(pH6.5)溶液2mlにS−アセチ
ルメルカプト無水コハク酸の60mg/mlジメチルホルムアミド溶液120μlを
加え、25℃で2時間反応させた。次に0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0
)を800μl、0.1MEDTA160μl、1M ヒドロキシルアミン1.6ml
を加え、0℃で4分間反応させた。その後、反応液をコロジオンバツグに入れ、
0.1MPB(pH6.0)、5mMEDTA含有溶液を用いて、4℃で3日間透析
し、チオール化HRPを得た。 次に、マレイミド化抗体2mgとチオール化HRP4mgとを混合し、コロジオン
バツグを用いて氷冷下に4〜10mg/mlの蛋白濃度になるまで濃縮し、15〜2
0℃で一夜放置した。その液を、ウルトロゲルACA 44(LKB社)を充填
したカラムでゲル濾過し、HRP標識抗Ost−N(20)抗体を得た。 (2) 抗Ost−N(20)抗体(F(ab′)2のHRP標識化; 前記実施例1により得られた抗Ost−N(20)抗体の2.0mg/mlのPBS溶
液1mlに、1Mの酢酸緩衝液(pH4.2)100μlと、40μg のペプシンを20μlの同緩衝液に溶解して加え、37℃、4時間反応させた。
反応終了後、PBSにて平衡化したセフアデツクスG25カラム(φ2cm×45
cm)を用いて分離しF(ab′)2を採取した。HRP標識抗Ost−N(20)(F(ab′
)2)抗体の調整は、実施例1(A)(1)に準じて行なった。 (3) 抗Ost−N(20)抗体(Fab′)のHRP標識化; 抗Ost−N(20)抗体のF(ab′)2分画を前記(2)に準じて作成し、これをメ
ルカプトエチルアミンを用いて還元してトーソーG3000SWカラムによるゲ
ル濾過HPLCにてFab′を精製した。 一方HRPは、実施例3(A)(1)の抗Ost−N(20)抗体のマレイミド化に
準じて、HRPをマレイミド化した。次に、抗Ost−N(20)抗体(Fab′)2mg
とマレイミド化HRP4mgとを混合し、フイルトロン(限外濾過装置)を用いて
濃縮した後、4℃で16時間反応させた。これを、トーソーG3000SWカラ
ムによるゲル濾過HPLCにて単離精製して、HRP標識抗Ost−N(20)(Fab′
)抗体を得た。 (B) 抗体固定化ビーズの調製 (1) 抗体の固定化 ポリスチレン製ビーズ(直径6mm)をよく洗浄してから、抗Ost−C(7)及び
抗Ost−C(15)抗体の20μg/mlの濃度を有するPBS溶液中に4℃の温度で
1昼夜放置した後、PBSで洗浄し、1%牛血清アルブミン(BSA)のPBS
溶液中に、4℃の温度で1昼夜放置してポストコーテイング処理をして、抗Ost
−C(7)、抗Ost−C(15)抗体固定化ビーズを得た。 (2) 抗体固定化ビーズの活性評価 上記(1)で調製した抗Ost−C(7)抗体及び抗Ost−C(15)抗体のそれぞれ
の活性を、以下の手法で調べた。各抗体を固定化したビーズ各1個と、精製した
ヒト・オステオカルシン(標準物質)を0〜50ng/mlの範囲で含有する1%B
SA含有0.05Mトリス−塩酸、0.15M NaCl緩衝液(0.05M TB
S)(pH8.0)200μlとHRP標識抗Ost−N(20)抗体のFab′分画を含有
する1%BSA含有0.05M TBS(pH8.0)溶液200μlを試験管に添
加して、4℃の温度で17時間インキユベートした。次に試験管内の溶液を吸引
除去した後、0.05M TBS(pH8.0)で洗浄してから、3,3′,5,5′
−テトラメチルベンジジン塩酸塩、0.02%H22 2.5mMを含有する、0.1
Mリン酸/クエン酸緩衝液(pH4.3)を0.4mlずつ各試験管に加え、25℃
の温度で30分間反応させた後、反応停止剤として1N硫酸水溶液を1mlずつ加
えて酵素反応を停止させた。 次いで、この溶液を分光光度計を用いて450nmの波長における吸収強度を測
定し、これを標準物質濃度0〜100ng/mlに対応してブロツトした。結果を第
4図に示す。 (C) 測定系の構成 実施例3(B)(1)で調製した、抗Ost−C(7)固定化ビーズ1個と、精製
したヒト・オステオカルシン(標準物質)を0〜20ng/mlの範囲で含有する1
%BSA含有0.05M TBS(pH8.0)200μlと実施例3(A)(1)
〜(3)で作成した各種HRP標識抗体の1%BSA含有0.05M TBS(p
H8.0)溶液200μlとを、固体化抗体ビーズとHRP標識抗体のIgG、F(
ab′)2分画との組み合わせでそれぞれの試験管に添加して、25℃の温度で2時
間インキユベン トした。次に試験管内の溶液を吸引除去した後、0.05M TBS(pH8.0
)で洗浄してから、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジン塩酸塩0.02%H
22 2.5mMを含有する0.1Mリン酸/クエン酸緩衝液(pH4.3)を0.4m
lずつ各試験管に加え、25℃の温度で30分間反応させた後、反応停止剤とし
て1N硫酸水溶液を1mlずつ加えて酵素反応を停止させた。次いで、この溶液を
分光光度計を用いて450nmの波長における吸収強度を測定し、これを標準物質
濃度0〜20ng/mlに対応してプロットすることによりHRP標準抗体の分画に
よるN/S比(抗原0ng/mlの吸光度を抗原20ng/mlの吸光度で割った値)を
算出した。結果を第1表に示す。 第1表のごとくHRP標識抗体の種類によって測定感度がかわり、F(ab′)2
、IgG分画のものがバツクグランドが低く、より高感度な測定系を構成するこ
とが明らかである。 HRP標識抗体(F(ab′)2)を用いた検量線を第5図に示す。 実施例4[完全ヒト・オステオカルシン測定系(I)の完全分子特異性 の検討(I)] ヒト・オステオカルシン1μg/ml(0.1Mトリス緩衝液pH8.0)を1.7m
l調製し、その各々0.2mlをトリプシンを用いて、各々、ヒト・オステオカルシ
ン/トリプシン(w/w比)が1/2()、1/1()、2/1()、10
/1()、50/1()、1/0()となるように調整し、25℃、60
分間反応させ、それぞれをベンザミジンにて反応を停止させた。得られたそれぞ
れの反応液を前記完全ヒト・オステオカルシン測定系(I)を用いて測定した結
果を第6図に示した。 第6図の結果から、未処理のヒト・オステオカルシンがトリプシンになる切断
条件がきびしくなるに従って、オステオカルシンの量が0に収束する結果が得ら
れ、このことはヒト・オステオカルシンの完全分子特異性を示唆しているものと
考えられる。 実施例5[完全ヒト・オステオカルシン測定系(I)の完全分子特異性の検討(
2)] ヒト・オステオカルシン99ngを200μlの0.1Mトリス緩衝液(pH8.0
)に溶解し、トリプシン[ヒト・オステオカルシン:トリプシン=1:0.5(w
/w)]を用いて25℃、60分間反応させ、ベンサミジンにて反応を停止させ
た。 反応液を逆相HPLC(ODS120Tカラム)を下記条件にて分離した。 分離条件: (i)カラム:TSK−gel(東ソー社製)ODS−1207 (Lot 12T2HO257) (ii)緩衝液;A液 0.1%TFA/DW B液 80%アセトニトリル、0.1%TFA/DW (iii)分離;A→B 第7図に示したグラジエント (OD210nm) 1ml/min Flow 各フラクシヨン1mlをサンプリングし、各フラクシヨンのオステオカルシン抗
原活性を、前記完全ヒト・オステオカルシン測定系(I)により測定した。その
結果を第8図の[本発明]の項に示した。その結果、第8図に示されるように、
フラクシヨンNo55近辺にのみ抗原活性が認められ、ヒト・オステオカルシン
の完全分子特異性が確認された。一方同一の各フラクシヨンをミドリ十字社製の
CISキツトにて測定した結果を第8図の[従来法]の項に示した。その結果、
抗原活性は完全分子に相当するフラクシヨンNo55近辺のみならず、フラクシ
ヨンNo52近辺にも存在する。このことはこの従来法は完全分子のみならず中
間領域のフラグメントをも同時に測定する欠点を有していることが確認された。
この従来法のフラグメント測定は完全分子に対して非定量的であることが第6図
中の−△−△−からわかる。 実施例6(ヒト血清のオステオカルシンの測定) 実施例3によって確立した測定系(I)を用いて、骨肉腫の患者について、そ
の血清中のヒト・オステオカルシン値を測定した。 その結果を第9図に示すが、その結果は明らかに健常人に対して患者の測定値
は高値を示し、本測定方法が実際の患者中のオステオカルシンを測定しうること
が明らかである。 実施例7(ヒト血漿中のオステオカルシンの測定) 実施例3によって確立した測定系(I)を用いて、副甲状線機能亢進 症の患者について、その血漿中のヒト・オステオカルシンの量を測定した。その
結果を第10図に示すが、その結果は明らかに健常人に対して患者の測定値は高
い値を示している。 実施例8[完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量の測定系
(III)の構成] 抗Ost−N(20)抗体のIgG分画20μg/mlPBS溶液を作成し、それにポリ
スチレンボール(φ=6.3mm)を浸漬し、抗Ost−N(20)抗体固定ポリスチレ
ンボールを得た。一方酵素標識抗体として抗Ost−N(20)抗体F(ab′)2を用い
、抗原N末端1−19残基ペプチド[“抗原ペプチド(N−19)”という]を
濃度依存的に作成し、抗Ost−N(20)対抗固定スチレンボールを同時に加え2時
間37℃で反応した。反応後PBSにて3回洗浄し発色反応を行った。その結果
を第11図に示した。第11図によれば抗原ペプチド(N−19)の量に依存し
てOD450nmの変化があり、オステオカルシンN末端フラグメント(N−19)
のサンドイッチ法による測定の可能性が得られた。 実施例9(モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの調製)(1) 抗原刺激リンパ球の調製 雄Balb/cマウスの腹腔内に、前記実施例1(A)及びBで得られたOst−N(
20)−KLH結合体90μgと完全フロイント・アジユバンドとのエマルジヨン
を投与した。その後3〜4週間間隔で5回、Ost−N(20)−KLH結合体40〜
50μgと不完全アジユバントとのエマルジヨンを腹腔内投与した。5回目投与
後14日目にOst−N(20)−KLH結合体60μgを生理食塩水1.0mlに溶かし
静脈内投与し、その4日後に無菌的にマウスから脾臓を取り出し、ステンレス製
メツシユを通過させ ることにより、L−グルタミン0.39g/l、硫酸カナマイシン0.2g/l及びN
aHCO32.0g/lを補充したRPMI−1640(GIBCO製)中に浮遊さ
せた脾細胞懸濁液を調製した。該浮遊細胞を前記培地で3回洗浄後、脾細胞懸濁
液を調製した。(2) 細胞融合 マウス骨髄腫細胞P3U1は、硫酸カナマイシン0.2g/lを補充したGIT
合成培地(大五栄養化学(株)製)中で培養した。骨髄腫細胞は細胞融合の時点に
細胞***の対数期にあった。該脾細胞と該骨髄腫細胞とを細胞数3対1の比率で
無血清RPMI−1640培地中に懸濁し、5分間1300rpmで遠心分離した
。上記培地を除去した後、沈降細胞に平均分予量1,500の50%ポリエチレ
ングリコール溶液(Ph8.2)1mlを静かに加えつつ懸濁液とした。その後無血
清RPMI−1640培地9mlを加え、細胞を注意深く振盪した。その後5分間
1,000rpmで遠心分離して上清培地を除去した後、細胞を沈降物として集めG
IT培地40mlに懸濁した。(3) クローン化ハイブリドーマの取得 融合細胞液を96マイクロプレート上に分配した(ウエル1個につき200μ
l)。このプレートを37℃、5%CO2雰囲気で培養した。1日後及び2日後に
、それ以後2日間隔で半分量の培地を新たなGIT/HAT培地と交換して培養
した。11日後にハイブリドーマの培養上清中の合成ペプチド(1Tyr−20Arg)
に対する抗体について酵素免疫定量法によりスクリーニングを行った。スクリー
ニングに用いられた抗原は合成ペプチド(1Tyr−20Arg)、第2抗体はアルカル
フオスフアターゼ標識したヤギ抗マウスIgG抗体であった。 ハイブリドーマを分配した192ウエル中のうち124ウエル中に融合細胞の
コロニーを認め、その内8ウエルが抗体陽性であった。 かくして得られた抗体陽性の各ウエル中のハイブリドーマを96マイクロプレ
ートの1ウエル当り0.9細胞になるよう希望し、Balb/cマウスの胸腺細胞を
フイーダー細胞として加えプレートに分配し硫酸カナマイシン0.2g/lを補充
したGIT培地で培養した。顕微鏡下で観察し確実にシングル・コロニーである
ことを認めた。ハイブリドーマの培養上清中の合成ペプチド(1Tyr−20Arg)に
対する抗体について酵素免疫定量法によりスクリーニングを行った。各ウエルと
ともに抗体陽性であり、抗ヒト・オステオカルシン・モノクローナル抗体を産生
していた。 以上のようにして8つのクローン化ハイブリドーマを取得した。 実施例10(モノクローナル抗体の取得)(1) ハイブリドーマの培養 実施例9によって得たクローン化ハイブリドーマを、2週間前にプリスタン(
和光純薬)0.1mlを腹腔内投与したBalb/cマウスに、細胞数106〜107
/匹腹腔内投与した。その後7〜10日目に腹水液2〜3ml/匹を採取した。(2) モノクローナル抗体の精製 採取した腹水液をEyらの方法(P.L.Ey et al.,Immunochemistry、
15、429、436(1978)参照)により精製した。すなわち0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したプロテインA−セフアロースカラム(ゲル
容量5ml)に、腹水液2〜3mlを流し、その後0.1Mクエン酸ナトリウムのpH
が6.0、5.0、4.0及び3.0である緩衝液を順次流してカラムからモノクロ
ーナル抗体を溶出し、精製 モノクローナル抗体を得た。(3) 精製したモノクローナル抗体のクラス 精製したモノクローナル抗体の特定のクラスを、クラス特異性抗マウス抗血清
を使用してオクタローニーゲル拡散試験で決定した。その結果を下記表−2に示
した。実施例11(モノクローナル抗体の認識部位異同の検索) 日本免疫ハンドブック「抗腫瘍抗体としてのモノクローナル抗体」(日本臨床
1984年春季増刊号)記載のbinding inhibition assay法によりモノクロー
ナル抗体の認識部位の異向について検索した。 前記実施例2で作成したヒト・オステオカルシンのC末端ペプチド(43Arg−4
9Val)に対するポリクローナル抗体(抗Ost−C(7))の20μg/ml PBS溶
液を96穴マイクロプレートにウエル当り100 μlずつ分配し、4℃で一夜静置し、PBSで洗浄後0.5%BSA−PBSを加
え、さらに一夜静置して、抗Ost−C(7)抗体固定プレートを作製した。このプ
レートに精製ヒト・オステオカルシンの5ng/ml濃度の0.5%BSA−50mM
トリス−HCl緩衝液pH8溶液をウエル当り100μl加え、25℃で1.5時間
反応後、50mMトリス−HCl緩衝液で洗浄した。 次にホースラデイツシユペルオキシダーゼ(HRP)標識したヒト・オステオ
カルシン・モノクローナル抗体Clon-12Fの1μg/ml濃度の0.5%BSA−
50mMトリス−HCl緩衝液をウエル当り50μlと各種モノクローナル抗体の
20μg/ml 0.5%BSA−50mMトリス−HCl緩衝液をウエル当り50μl
を同時に加え、25℃で1.5時間反応させた。ウエルを50mMトリス−HCl
緩衝液(pH8)で洗浄後HRP用基質液(0.1Mリン酸/クエン酸緩衝液(pH
4.5)中に2,2′−アジノージ[3−エチルベンズチアゾリンスルホネート(
6)]ジアンモニウム塩50mg/dlと2M H22 50μl/dlを含む)150
μlを加え25℃で6分発色させた。0.1Mシユウ酸水溶液を50μl加えて停
止反応を行い、415nmでプレート・リーダーにて測定した。その結果を下記表
−3に示した。 下記表−3に示した結果から、実施例6で得た8つのモノクローナル抗体のう
ち、Clon−4F、Clon−12Fは、Clon−9G、Clon−10B及びClon−12E
により阻害されないことから、これらのモノクローナル抗体とは明らかに異なる
エピトープを認識するものであることがわかった。また、Clon−5EとClon−2
AとClon−12Fとはエピトープが同じか、あるいは近接していて同時に結合で
きない抗体であることが明ら かである。 対照としては、抗GST(グリタチオン)抗体を用いた。実施例12[モノクローナル抗体を用いた完全ヒト・オステオカルシン測定系(
I)](1) 抗体固定化ビーズの調製 ポリスチレン製ビーズ(直径6mm)をよく洗浄してから、実施例10で得たモ
ノクローナル抗体Clon−10Bの20μg/mlの濃度を有するPBS溶液中に4
℃の温度で1昼夜放置した後、PBSで洗浄し、1%牛血清アルブミン(BSA
)のPBS溶液中に、4℃の温度で1昼夜放置してポストコーテイング処理をし
て、Clon−10B抗体固定化ビーズを得た。(2) HRP標識抗体の調製 前記実施例2で作成したヒト・オステオカルシンのC末端ペプチド(43Arg−4
9Val)に対するポリクローナル抗体(抗Ost−C(7))の2.0mg/mlのPBS溶
液1mlに、1Mの酢酸緩衝液(pH4.2)100μlと、40μgのペプシンを2
0μlの同緩衝液に溶解して加え、37℃、4時間反応させた。 反応終了後、PBSにて平衡化したセフアデツクスG25カラム(φ2cm×4
5cm)を用いて分離しF(ab′)2を採取した。F(ab′)2の1mg/ml 0.01M
リン酸0.15M NaCl(pH7.4)溶液2mlに、MBS10mg/mlの濃度の
ジメチルホルムアミド溶液50μlを添加し、25℃の温度で30分間反応させ
た。次いでセラデックスG−25を充填したカラムを用い、0.1Mリン酸緩衝
液(0.1MPB)(pH6.0)でゲル濾過を行い、マレイミド化抗体と未反応
MBSとを分離した。 一方、HRPの10mg/mlの0.1MPB(pH6.5)溶液2mlにS−アセチ
ルメルカプト無水コハク酸の60mg/mlジメチルホルムアミド溶液120μlを
加え、25℃で2時間反応させた。 次に0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)を800μl、0.1MEDTA
160μl、1Mヒドロキシルアミン1.6mlを加え、0℃で4分間反応させた。
その後、反応液をコロジオンバッグに入れ、0.1MPB(pH6.0)、5mME
DTA含有溶液を用いて、4℃で3日間透析し、チオール化HRPを得た。 次に、マレイミド化抗体2mgとチオール化HRP4mgとを混合し、コロジオン
バッグを用いて氷冷下に4〜10mg/mlの蛋白濃度になるまで濃縮し、15〜2
0℃で一夜放置した。その液を、ウルトロゲルAcA44(LKB社)を充填し
たカラムでゲル濾過し、HRP標識Ost−C (7)抗体を得た。(3) サンドイッチEIA測定系 (1)で調整したClon−10B抗体固定化ビーズ1個と、精製したヒト・オステ
オカルシン(標準物質)を0〜20ng/mlの範囲で含有する1%BSA含有0.
05M TBS(pH8.0)200μlと(2)で作成したHRP標識抗体の1
%BSA含有0.05M TBS(pH8.0)溶液200μlとを、各試験管に添
加して、25℃の温度で2時間インキュベートした。次に試験管内の溶液を吸引
除去した後、0.05M TBS(pH8.0)で洗浄してから、3,3′,5,5′
−テトラメチルベンジジン塩酸塩0.02%及びH22 2.5mMを含有する0.
1Mリン酸/クエン酸緩衝液(pH4.3)を0.4mlずつ各試験管に加え、25
℃の温度で30分間反応させた後、反応停止剤として1N硫酸水溶液を1mlずつ
加えて酵素反応を停止させた。次いで、この溶液を分光光度計を用いて450nm
の波長における吸収強度を測定した。これを標準物質濃度0〜20ng/mlに対応
してプロットした検量線を第12図に示した。この結果から、本発明の測定方法
を用いれば0.05ng/mlまで精度よく測定可能であることがわかる。 実施例13(特異性の検討) 実施例12にて構成した測定系を用いて、ウシ・オステオカルシン(10、5
、2.5、1.25ng/ml)を測定し、以下の計算式に従って交叉反応性を算出し
た。なお、固相抗体用のモノクローナル抗体(MCA)として、Clon−10B
、2A、12E、12F及び前記実施例1で作成したヒト・オステオカルシンの
N末端ペプチド(1Tyr−20Arg)に対するポリクローナル抗体(PCA)(抗Ost
−N(20))を所定の濃度に て使用した。 結果を表−4に示した。実施例14[モノクローナル抗体を用いた完全ヒト・オステオカルシン及びその
フラグメントの合計量の測定系(II)の構成] 実施例11で調製したN末端ペプチド(1Tyr−20Arg)に対するモノクローナ
ル抗体Clon-10Bを固定したビーズと、前記実施例1で作成したヒト・オステオカ
ルシンのN末端ペプチド(1Tyr−20Arg)に対するポリクローナル抗体Ost−N(2
0)を突施例11の方法と同様にして調製し たHRP標識Ost−N(20)抗体と、ヒト・オステオカルシンのN末端ペプチド(
1Tyr−20Arg)の0〜8ng/mlの範囲で含有する溶液とを用いて、実施例8と同
様な方法でN末端ペプチド濃度と吸光度との関係を求め第13図に示した。この
結果から本発明の測定方法を用いれば0.02ng/mlまで、精度よくヒト・オス
テオカルシンのN末端フラグメントを測定可能であることがわかる。 実施例15[測定系(II)による分子特異性の検討(1)] ヒト・オステオカルシン1μg/ml(0.1Mトリス緩衝液、pH8.0)を1.
7ml調製し、その各々0.2mlをトリプシンを用いて、ヒト・オステオカルシン
/トリプシン(w/w比)が、1/2()、1/1()、2/1()、10
/1()、50/1()、1/0()となるように調整し、25℃、60
分間反応させそれぞれをベンザミジンにて反応を停止させた。得られたそれぞれ
の反応液を測定系(II)を用いて測定した結果を第6図中にフラグメント測定系
として・・・・・○・・・・・で示した。 この結果、本測定系(II)は、ヒト・オステオカルシンのトリプシンによる切
断により完全分子が減少するにも拘らず、その測定値は、ほぼ一定値を示してい
ることがわかる。このことより、本測定系(II)は、完全分子とN末端フラグメ
ントと同等に測定していることが明らかになった。 以上のことから本測定系(II)は、完全分子とN末端フラグメントの合計量の
測定値を反映していることが明らかである。 実施例16[測定系(II)による分子特異性の検討(2)] ヒト・オステオカルシン99ngを200μlの0.1Mトリス緩衝液(p H8.0)に溶解し、トリプシン[ヒト・オステオカルシン:トリプシン=1:
0.5(w/w)]を用いて、25℃、60分間反応させ、ベンザミジンにて反応
を停止させた。 反応液を逆相HPLC(ODS120Tカラム)を用いて、前記実施例5と同
様の条件にて分離操作を行った。分離後、各フラクシヨンのオステオカルシン抗
原活性を、測定系II(実施例14)にて測定した。その結果を第14図に示した
。 第14図の結果から、本測定系(II)によれば完全分子とN末端フラグメント
(N−19)の合計を測定しうることが明らかとなった。 実施例17[測定系(II)による患者検体中のオステオカルシンの測定] 実施例14の手法により患者検体(腎疾患、骨粗鬆症)のオステオカルシンを
測定した。 結果を第15図に示した。図のごとく、腎疾患、骨粗鬆症の患者検体において
高値を認めた。 次に、高値の患者検体を逆相の高速液体クロマトグラフイーにてN末端フラグ
メントを分離精製した。 この画分をアミノ酸シーケンサーで調べ1Tyr〜19ArgのN末端フラグメントで
あることを確認した。これはCaren M.Gundbergら(J.Clin.Invest 7
7、1762(1986))によって示されたものと一致した。 なお、上記測定値における患者血清中のフラグメントは以下の式により算出し
た。 N末端フラグメント測定値=測定系(II)による測定値− 測定系(I)による測定値 実施例18(フラグメント測定値の臨床意義の検討) 測定系(I)及び(II)を用いて、骨粗鬆症における治療薬剤の効果を治療前
群(n=16)と、治療中群[カルシトニン投与(n=3)、エストロゲン投与(
n=4)]に分けて、フラグメント測定値/完全分子測定値の平均値を第16図
に示した。カルシトニン及びエストロゲンは、いずれも骨吸収阻害剤であり、第
16図の結果は、フラグメント測定値/完全分子測定値の比はこれら薬剤の治療
による低下傾向を示しており、このことはフラグメント測定値が骨吸収活性を示
す可能を示唆している。またエステロゲン投与群は、治療前と比べて危険率10
%で優位性を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒト検体中のヒト・オステオカルシンを固相抗体及び標識抗体を使用して免
    疫学的に測定する方法において、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体ま
    たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体)であり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのC末端側43〜49のアミノ
    酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体
    またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗体)である、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシンの免疫学的測定方法。 2.該N末端抗体がポリクローナル抗体またはそのフラグメントである請求の範
    囲第1項による測定方法。 3.該N末端抗体がモノクローナル抗体またはそのフラグメントである請求の範
    囲第1項による測定方法。 4.該C末端抗体がポリクローナル抗体またはそのフラグメントである請求の範
    囲第1〜3項のいずれかによる測定方法。 5.該N末端抗体及びC末端抗体がいずれもポリクローナル抗体またはそのフラ
    グメントである請求の範囲第1項による測定方 法。 .該C末端抗体がモノクローナル抗体またはそのフラグメントである請求の範
    囲第1項による測定方法。 .該標識抗体がFab′またはF(ab′)2フラグメントである請求の範囲第1項に
    よる測定方法。 .固相抗体における固相は、中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm以下の平滑な
    表面を有するプラスチック・ビーズである請求の範囲第1項による測定方法。 .該ヒト検体が、血清、血漿、尿またはこれらの同等物である請求の範囲第1
    項による測定方法。10 .該固相抗体における抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20の
    アミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対す
    るポリクローナル抗体であり、且つ標識抗体における抗体がヒト・オステオカル
    シンのC末端側43〜49のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒ
    ト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体またはそのF(ab′)2フラグメ
    ントである請求の範囲第1項による測定方法。11 .ヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシンを固相抗体及び標識抗体を使用し
    て免疫学的に測定するための試薬であって、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体ま
    たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体)であ り、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのC末端側43〜49のアミノ
    酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体
    またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗体)である、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシンを免疫学的に測定するための試
    薬。12 .(a) 固相抗体、 (b) 標識抗体、 (c) 溶解剤、 (d) 洗浄剤及び (e) 酵素で標識化された標識抗体を使用する場合には、酵素活性を測定する
    ための基質及反応停止剤、 を組合せてなるヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシンを測定するためのキ
    ットであって、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体ま
    たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体)であり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのC末端側43〜49のアミノ
    酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体
    またはそれと同 じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗体)である、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシンを免疫学的に測定するためのキ
    ット。13 .ヒト検体中のヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントを固相抗体及び
    標識抗体を使用して免疫学的に測定する方法において、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するモノク
    ローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントであり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリク
    ローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントである、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量
    の免疫学的測定方法。14 .該標識抗体が該ポリクローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するその
    フラグメントである請求の範囲第13項による測定方法。15 .該標識抗体が該ポリクローナル抗体のFab′またはF(ab′)2フラグメントで
    ある請求の範囲第13項記載の測定方法。 16 .該標識抗体が酵素により標識化された抗体である請求の範囲第13項による
    測定方法。17 .該固相抗体における固相は、中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm以下の平滑
    な表面を有するプラスチック・ビーズである請求の範囲第13項による測定方法
    18 .該固相抗体における抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20の
    アミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対す
    るモノクローナル抗体であり、且つ標識抗体における抗体が、ヒト・オステオカ
    ルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒ
    ト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体またはそのF(ab′)2フラグ
    メントである請求の範囲第13項による測定方法。19 .ヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量を
    固相抗体及び標識抗体を使用して免疫学的に測定するための試薬であって、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するモノク
    ローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントであり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリク
    ローナル抗体ま たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントである、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量
    を免疫学的に測定するための試薬。20 .(a) 固相抗体、 (b) 標識抗体、 (c) 溶解剤、 (d) 洗浄剤及び (e) 酵素で標識化された標識抗体を使用する場合には、酵素活性を測定する
    ための基質及び反応停止剤、 を組合せてなるヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメン
    トの合計量を測定するためのキットであって、 (1) 一方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体ま
    たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体)であり、 (2) 他方の抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸
    配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリク
    ローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗体
    )である、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量
    を測定するためのキット。 21 .ヒト検体中のヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントを固相抗体及び
    標識抗体を使用して免疫学的に測定する方法において、該固相抗体及び標識抗体
    における抗体は、いずれもヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ
    酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリ
    クローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントであること
    を特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量の免疫
    学的測定方法。22 .該標識抗体が酵素により標識化された抗体である請求の範囲第21項による
    測定方法。23 .該固相抗体における固相は、中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm以下の平滑
    な表面を有するプラスチック・ビーズである請求の範囲第21項による測定方法
    24 .ヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量を
    固相抗体及び標識抗体を使用して免疫学的に測定するための試薬であって、 該固相抗体及び標識抗体における抗体は、いずれもヒト・オステオカルシンの
    N末端側1〜20のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オス
    テオカルシンに対するポリクローナル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそ
    のフラグメントであることを特徴とする完全ヒト・オステオカルシン及びそのフ
    ラグメントの合計量を免疫学的に測定するための試薬。25 .(a) 固相抗体、 (b) 標識抗体、 (c) 溶解剤、 (d) 洗浄剤及び (e) 酵素で標識化された標識抗体を使用する場合には、酵素活性を測定する
    ための基質及び反応停止剤、 を組合せてなるヒト検体中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメン
    トの合計量を測定するためのキットであって、該固相抗体及び標識抗体における
    抗体は、いずれもヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配列領
    域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクローナ
    ル抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントであることを特徴と
    する完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量を測定するため
    のキット。26 .ヒト検体中のヒト・オステオカルシンのフラグメントを免疫学的に測定する
    方法であって、 (i) 請求の範囲第13項または第21項記載の測定方法に従ってヒト検体
    中の完全ヒト・オステオカルシン及びそのフラグメントの合計量を測定し、 (ii) 一方請求の範囲第1項記載の測定方法に従ってヒト検体中の完全ヒト
    ・オステオカルシンを測定し、 (iii) 次いで前記(i)と(ii)で測定された値の差を算出する、 ことを特徴とするヒト・オステオカルシンのフラグメントの測定方法。27 .(i) 完全ヒト・オステオカルシン含有液を、 ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸 配列領域中に特異的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対する抗体また
    はそれと同じ認識部位を有するそのフラグメントを結合した固相と接触させて、
    該固相に完全ヒト・オステオカルシンを吸着させ、 (ii) 次いで完全ヒト・オステオカルシンを吸着した固相に溶出液を接触さ
    せて、完全ヒト・オステオカルシンを固相から溶出させ、 (iii) 得られた完全ヒト・オステオカルシン含有溶出液から、完全ヒト・オ
    ステオカルシンを分離する、 ことを特徴とする完全ヒト・オステオカルシンの分離法。28 .該抗体がポリクローナル抗体である請求の範囲第27項による分離法。29 .該固相がデキストランゲル・アガロースゲルまたはポリビニルゲルである請
    求の範囲第27項による分離法。30 .工程: (a) 完全ヒト・オステオカルシン含有液を、ヒト・オステオカルシンに対する
    抗体を結合した第1の固相と接触させて、第1の固相に完全ヒト・オステオカル
    シンを吸着させ、 (b) 完全ヒト・オステオカルシンを吸着した第1の固相に溶出液を接触させて
    完全ヒト・オステオカルシンを第1の固相から溶出させ、 (c) 得られた完全ヒト・オステオカルシン含有溶出液を、ヒト・オステオカル
    シンに対する他の抗体を結合した第2の固相と接触させて、第2の固相に完全ヒ
    ト・オステオカルシンを 吸着させ、 (d) 完全ヒト・オステオカルシンを吸着した第2の固相に溶出液を接触させて
    完全ヒト・オステオカルシンを第2の固相から溶出させ、 (e) 得られた完全ヒト・オステオカルシン含有溶出液から精製された完全ヒト
    ・オステオカルシンを分離する、 よりなる完全ヒト・オステオカルシン含有液からの精製された完全ヒト・オス
    テオカルシンの分離法であって、 (1) 一方の固相に結合した抗体が、ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜
    20のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシン
    に対する抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(N末端抗体
    )であり、 (2) 他方の固相に結合した抗体が、ヒト・オステオカルシンのC末端側36
    〜49のアミノ酸配列領域中に特異的な認識部位を有するヒト・オステオカルシ
    ンに対する抗体またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント(C末端抗
    体)である、 ことを特徴とする精製された完全ヒト・オステオカルシンの分離法。31 .(i) ヒト・オステオカルシンのN末端側1〜20のアミノ酸配列領域中に
    特異的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するモノクローナル抗体ま
    たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント、 (ii) ヒト・オステオカルシンのN末端1〜20のアミノ酸配列領域中に
    特異的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体ま
    たはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント、 または (iii) ヒト・オステオカルシンのC末端側36〜49のアミノ酸配列領域中
    に特異的認識部位を有するヒト・オステオカルシンに対するポリクローナル抗体
    またはそれと同じ認識部位を有するそのフラグメント を、固相に結合させた免疫吸着体。32 .固相が、プラスチック容器、プラスチックビース、ラテックスビーズ、ガラ
    スビーズまたは金属粒子である請求の範囲第31項による免疫吸着体。

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