JP2556218B2 - 難燃性ポリアミド吹込成形品 - Google Patents

難燃性ポリアミド吹込成形品

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JP2556218B2
JP2556218B2 JP19661091A JP19661091A JP2556218B2 JP 2556218 B2 JP2556218 B2 JP 2556218B2 JP 19661091 A JP19661091 A JP 19661091A JP 19661091 A JP19661091 A JP 19661091A JP 2556218 B2 JP2556218 B2 JP 2556218B2
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功治 大西
秀之 梅津
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高剛性、耐熱性、耐衝撃
性、耐薬品性、耐道路凍結防止剤性、低吸水性、寸法安
定性、熱変形温度特性、難燃性に優れたポリアミド系プ
ラスチック吹込成形品に関するものであり、さらに詳し
くはポリアミドに対し難燃性付与のため無機系、有機系
の難燃剤を配合した組成物、さらに該組成物にエチレン
系アイオノマー樹脂および/またはカルボキシ変性エラ
ストマー、加工安定剤、繊維状強化剤を適当に組合わせ
て配合した難燃性ポリアミド組成物であって特に剛性、
熱変形温度特性およびポリマーの溶融滞留安定性が改善
された緊密混合物を形成してなる、難燃性ポリアミド吹
込成形品、特に三次元吹込成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その優れた物性によ
り、エンジニアリングプラスチックとして広く用いられ
ているが、これらポリアミドのすぐれた特性を生かして
さらに広範な用途に使用するためには必ずしも満足すべ
き素材ではない。たとえば一般にポリアミドはせん断速
度に対する溶融粘度の変化が小さい、すなわち溶融粘度
のせん断速度依存性が小さいという特性を有しており、
そのために大容量容器の吹込成形品を得ることは実質的
に困難である。つまり通常のスクリュー型の吹込成形機
を用いて吹込成形を行う際、原料ポリマーはスクリュー
部において大きなせん断速度で可塑化されるが、この場
合押出機の動力、生産性の点で溶融粘度は低い方が望ま
しく、一方溶融ポリマーからパリソンを形成する際には
口金から押出されたポリマー溶融体の形態を十分保持
し、成形品の寸法および肉厚の均一性を得るために小さ
なせん断速度では高い溶融粘度を有することが好まし
い。したがって寸法安定性が良好な大型の吹込成形品を
得るためには第一に溶融粘度の高いことが必要ではある
が、単に原料ポリマーの溶融粘度が高いというだけでは
十分に満足されず、溶融粘度のせん断速度依存性が大き
いことが極めて重要な条件となる。特に、難燃剤は組成
物の溶融粘度に大きく影響するため工夫が必要である。
またポリアミドは比較的強靭な材料とされているが、こ
の強靭さ、耐衝撃性は温度、水分率に大きく依存し、た
とえば常温吸水時のポリアミドは相当に高い耐衝撃値を
示すにもかかわらず、絶乾時あるいは低温においてはか
なり脆い材料となってしまう。したがって商品として真
に実用価値の高いポリアミド吹込成形品を得るには低温
低吸湿時の耐衝撃性の向上も克服せねばならない重要な
問題の一つである。さらに最近の自動車軽量化に伴うエ
ンジンルーム内のプラスチック化により、耐熱性を有し
かつ難燃性である材料が求められ低温、低吸湿時の耐衝
撃性とともに耐熱性、難燃性をも具備した長尺の複雑形
状部品を成形できる材料が望まれている。
【0003】以上のようにポリアミドは各種のすぐれた
性質を有しているにもかかわらず前述したような欠点が
あるために特に吹込成形品として十分に活用されていな
いのが現状であり、ポリアミドの有用な特性を損なうこ
となく溶融粘度が高く、しかもそのせん断速度依存性が
大きくポリアミド系素材よりなる高剛性、低温低吸湿時
の耐衝撃性、耐熱性、難燃性、成形性にすぐれた吹込成
形品の出現が当該業界において待望されているのが実情
である。
【0004】ポリアミドを吹込成形品用途に使用するこ
とはすでに広く知られているところであり、また我々は
大型の押出成形品、吹込成形品の製造に適した溶融粘度
特性を有するポリアミドを製造する方法についてすでに
2、3の提案を行ってきた。その概要は次の通りであ
る。すなわちビニルエポキシ基およびビニレンエポキシ
基を含む多官能性エポキシ化合物をポリアミドに添加混
合し加熱溶融する方法(特公昭第48−7509号公
報)あるいはラクタムなどのポリアミド用単量体の重合
時にトリメシン酸のジアミン塩を添加して重合する方法
(特開昭50−2790号公報、同50−2791号公
報、同50−3193号公報および同50−10429
7号公報など)によりポリアミド分子中に分岐鎖を導入
することである。この方法で製造された分岐ポリアミド
は確かに粘度安定性が良好で溶融粘度が高く、しかもせ
ん断速度に対する溶融粘度の変化が大きいという吹込成
形品を得るのに好適な特性を具備しているが、耐衝撃性
の点に関しては改良されず特に低温、低吸湿時の耐衝撃
性のすぐれた吹込成形品は得られなかった。ついで我々
はこの欠点の解決策、すなわち分岐ポリアミドの衝撃強
度の向上方法としてエチレン系アイオノマー樹脂および
エチレン酢酸ビニル共重合体などを分岐ポリアミドに配
合する方法が効果的であることを認め(特開昭52−3
2944号公報)、さらに一般のポリアミドに対しニト
リルゴムが耐衝撃向上剤として極めて有効であることを
見出した(特開昭53−21252号公報)。その後さ
らに我々は一般のポリアミドに対してもポリアミドとエ
チレン系アイオノマー樹脂および/またはカルボキシ変
性ニトリルゴムとの緊密混合物が溶融粘度特性、耐衝撃
性にすぐれた材料であることを見出した(特公昭第55
−41659号公報)。
【0005】一方、ポリアミドに難燃性を付与する目的
で有機ハロゲン系難燃剤を添加することは公知であり、
例えばポリアミド樹脂にデカブロモビフェニルエーテル
を添加する方法(特開昭47−7134号公報)、塩素
置換多環式化合物を添加する方法(特開昭48−298
46号公報)、臭素化ポリスチレンを添加する方法(特
開昭51−47044号公報、特開昭61−18846
3号公報)、臭素化ポリフェニレンエーテルを添加する
方法(特公昭56−2100号公報)などが提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来技
術の材料ではパリソン長が比較的長い難燃性の三次元吹
込成形品を得ようとしても成形品の外観が悪く、さらに
耐熱性が劣っていたり、耐熱性が良くてもパリソンの固
化が速いために長いパリソンが得られなかったりして三
次元吹込成形品を得るには十分満足のいく材料とは言え
なかった。
【0007】本発明の目的は上記従来の問題点を解消せ
んとするものであり難燃性を有しながら高剛性、耐薬品
性、耐熱性、溶融滞留安定性、耐衝撃性等機械的特性に
すぐれ、特に三次元吹込成形品の成形可能な難燃性ポリ
アミド吹込成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的を
達成するため、本発明者らは、 (1)(a)ヘキサメチレンアジパミド成分(以下、6
6と略記)50〜90重量%、(b)ヘキサメチレンテ
レフタラミド成分(以下、6Tと略記)5〜40重量
%、(c)ヘキサメチレンイソフタラミド成分(以下、
6Iと略記)5〜30重量%からなるポリアミドであっ
て、融点(Tm)、結晶化温度(Tc)が、 Tm≧225℃ Tc≦230℃ を満足する結晶性のポリアミド100重量部に対し、 B 耐熱性改良剤 0.001〜10重量部、 C 難燃剤 5〜150重量部、 D 難燃助剤 1〜50重量部、 E ハロゲン補捉剤 0〜20重量部、 を配合してなるポリアミド組成物であって、溶融粘度
が,式(I)および(II)を満足する組成物を吹込成形
してなる難燃性ポリアミド吹込成形品を提供するもので
あり、 lnμa10 ≧10.50−0.04(T−Tm)・・・・・・(I) μa10/μa1000≧3.3 ・・・・・・(II) ここで、 Tm :ポリアミドの融点(℃) T :Tm+10℃≦T≦m+70℃を満足する温
度(℃) μa10 :温度T(℃)、せん断速度10(sec -1)に
おける溶融粘度(ポイズ) μa1000:温度T(℃)、せん断速度1000(sec
-1)における溶融粘度(ポイズ) 10℃≦T−Tm≦70℃ (2)さらに、上記の難燃性ポリアミド組成物 100
重量部に対し、エラストマー 5〜100重量部および
/または繊維状強化剤1〜200重量部を配合した、難
燃性ポリアミド組成物であって、前記式(I)および式
(II)を満足し、エラストマーを配合した場合は、ポリ
アミドマトリックス相中に分散されたエラストマーから
なる分散相の平均粒径が10ミクロン以下である組成物
を吹込成形してなる難燃性ポリアミド吹込成形品を提供
するものである。
【0009】つまり、本発明の特徴はポリアミド各成分
の組成を特定化することによってポリアミドの融点、結
晶化温度を最適化し、このポリアミドと耐熱性改良剤、
難燃剤、難燃助剤、ハロゲン補捉剤の組合わせからなる
素材における溶融粘度特性すなわち、溶融粘度のせん断
速度依存性が大きい良成形性のポリアミド吹込成形品の
取得を可能にするとともに、さらにエラストマーおよび
/または繊維状強化剤を配合することにより耐衝撃性、
特に絶乾時低温耐衝撃性、熱変形温度特性、溶融滞留安
定性、剛性にすぐれた難燃性吹込成形品、特に長いパリ
ソンを必要する三次元吹込成形品の取得を可能にした。
特にアキュームレーターを有する吹込成形機において、
難燃性材料の劣化および機器の腐蝕を起こすことなく、
より長いパリソンが安定して容易に得られ、特に複雑形
状の三次元吹込成形に対して有効であることを見出した
点にある。
【0010】本発明の吹込成形品を得るための素材であ
るポリアミドと耐熱性改良剤、難燃剤、難燃助剤、ハロ
ゲン補捉剤、エラストマーおよび/または繊維状強化剤
を有効量配合した各種組成物の溶融粘度は上記式(I)
および(II)を満足していることが必要である。
【0011】式(I)は吹込成形に必要な一定水準以上
の粘度を規定する式であり、溶融粘度が式(I)を満足
しない場合には粘度が低く吹込成形が良好に実施できな
い。一般に重合体の溶融粘度は測定温度およびせん断速
度の関数として表されるが、当然測定温度は重合体の融
点、軟化点より決定されるので、溶融粘度の特定値を論
ずる場合には測定温度と融点の差、すなわち(T−T
m)をパラメ−タとして表示するのが適当である。溶融
粘度は通常の毛細管型粘度計を利用し、ASTM−D−
1238に規定された方法に準じて測定した値である。
測定温度は成形温度との関連で常識的に重合体の融点よ
り10〜70℃高い温度範囲より選択される。
【0012】また式(II)は溶融粘度のせん断速度依存
性の大きさを表す式であり、低せん断速度領域における
溶融粘度と高せん断速度領域における溶融粘度との比
で、せん断速度依存性の大きさを定量化したものであ
る。溶融粘度特性が式(II)を満足しない場合には、せ
ん断速度に対する溶融粘度の変化が小さく吹込成形が良
好に実施できないので好ましくない。式(II)で表され
たせん断速度10sec -1および1000sec -1における
溶融粘度の比(μa10/ μa1000)の上限は規定しない
が、成形機の性能から見て常識的に20程度の値が上限
値となる。
【0013】素材の溶融粘度は上記式(I)および(I
I)の両者を満足することが必要であり、もしいずれか
一方の条件のみを満足したとしても良好な吹込成形品を
得ることはできない。
【0014】本発明で用いることの出来るポリアミド
は、(a)66成分50〜90重量%、(b)6T成分
5〜40重量%、(c)6I成分5〜30重量%の組成
範囲内において調製されるポリアミドである。66成分
が50重量%未満の場合は得られたポリアミドの結晶化
度が小さく、耐薬品性など物性のバランスが悪くなり、
90重量%をこえる場合には結晶化温度が230℃を越
え、吹込成形時に十分長いパリソンを得ることが出来な
くなるので好ましくない。また6T成分が5重量%未満
の場合には得られたポリアミドの融点が225℃より低
くなり耐熱性が低下し物性のバランスが悪くなり、40
重量%を越えると耐熱性は向上するものの結晶化温度が
230℃を越え、吹込成形時のパリソンの固化を促進す
る原因となり好ましくない。さらに6I成分について5
重量%未満では実質66/6T共重合体となり、耐熱性
は向上するが結晶化温度も230℃を越え、吹込成形時
のパリソンの固化を促進する要因となり、30重量%を
越えると6I成分が非晶性のため融点が低下し結晶性、
耐熱性が低下してしまう。すなわち本発明のポリアミド
はナイロン66の結晶化温度を6I成分を導入すること
により低下させて、吹込成形性を改善するとともに、6
I成分の添加による耐熱性の低下を6T成分の添加で補
うという設計思想にもとづいている。このような設計思
想以外には物性バランスの取れた吹込成形可能なポリア
ミドは得られない。さらにTm≧225℃、Tc≦23
0℃の条件を満たすポリアミドを得るために66,6
T、6I成分の上記組成範囲内において、逐一重合テス
トを行い、得られたポリアミドのTm,Tc、結晶性を
示差走査熱量測定装置(DSC)で測定して決定する方
法によりおこなった。
【0015】ポリアミドの重合方法は溶融重合、界面重
合、溶液重合、塊状重合、固相重合およびこれらを組合
わせた方法が利用され、一般的には溶融重合が最も適当
である。各成分の原料は66、6T、6Iの塩の形で重
合釜に投入されてもよいし、それぞれのモノマーの形で
投入されてもよい。
【0016】ここで用いるポリアミドの重合度について
は特に限定はしないが重合釜からのポリアミドの吐出性
から、通常相対粘度(ポリマー1gを98%濃流酸10
0mlに溶解し25℃で測定。以下同じ)が1.5以上
5未満の範囲内にあるポリアミドが望ましい。また重合
釜からのポリマーの吐出安定性を得るために重合安定剤
としてモノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物、モ
ノアミン化合物、ジアミン化合物およびそれらの誘導体
をモノマーと共に重合釜に添加し重合することが有用な
方法としてもちいられる。これら化合物の一例としては
酢酸、安息香酸、ステアリン酸、セバシン酸、アジピン
酸、ドデカン二酸、ウンデカン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、スベリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
ステアリルアミン、エチレンジアミン、デカメチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミンなどが挙げられる。
【0017】得られたポリアミドは必要に応じて溶融重
合した後で、所望の溶融粘度を得るためにさらに固相重
合を行うことも好ましい実施態様に含まれる。
【0018】固相重合ではポリアミドをそのまま用いて
もよいし、重合促進剤としてリン化合物などをポリアミ
ドに添加してもよい。リン化合物としてはリン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸およびこれ
らのアルカリ土類金属塩等が効果的にもちいられる。特
にリン酸が通常よく用いられる。リン化合物の添加量は
とくに限定するものではないが好ましくは0.01〜5
%、より好ましくは0.05〜2%である。リン化合物
は1種以上を混合して用いることもできる。リン化合物
の添加方法は通常公知の方法を用いることができる。例
えばポリアミド樹脂のペレット、粉末、細片などにリン
化合物もしくはリン化合物の水溶液を添加して、ヘンシ
エルミキサー、タンブラー、リボンミキサーなどにより
混合する方法が好ましく用いられる。溶融粘度を調節す
る方法として固相重合の他に、上記リン化合物を添加し
たポリアミド樹脂を溶融混練することも可能である。溶
融混練には公知の押出機を用いることができる。
【0019】ここで用いられるポリアミドの融点は22
5℃以上であることが好ましい。融点が225℃より低
い場合には十分な耐熱性を得ることが出来ない。融点の
上限は特に定めないが重合時の操作性、成形時の成形性
から300℃以下が妥当である。 結晶化温度は230
℃以下であることが、比較的長いパリソンを得るために
有効である。230℃より高い場合にはパリソンの固化
が速く所望のパリソン長を得ることができなくなる。結
晶化温度の下限は特に限定するものではないが、一般的
に室温で結晶化することができる温度、すなわち40℃
程度が妥当である。結晶性については特に限定するもの
ではないが、長いパリソンを得るための目安として、結
晶化温度の他に半結晶化時間を用いることも可能であ
る。本発明の組成範囲のポリアミドであれば融点−20
℃の温度でDSCにて測定した半結晶化時間は400秒
以上であり、この値以上であれば問題なく使用すること
ができる。 本発明で用いる耐熱性改良剤としては銅化
合物、例えば酢酸銅、ヨウ化銅、塩化銅、臭化銅などが
用いられる。銅化合物はまたヨウ化カリウム、塩化カリ
ウム、ヨウ化ナトリウムの様なハロゲン化アルカリと併
用してもよい。これら無機系の耐熱性改良剤のほかに、
抗酸化剤あるいは酸化防止剤として市販されているヒン
ダードフェノール系化合物(例えば、チバガイギー社の
商品名“IRGANOX”など)、ホスファイト系化合
物(例えば、チバガイギー社の商品名“IRGAFO
S”など)、チオエーテル系化合物などが好適に用いる
ことができる。これら抗酸化剤、酸化防止剤は単独また
は二種以上の混合物として用いる事ができる。これら耐
熱性改良剤の添加量はポリアミド100重量部に対し、
0.001〜10重量部であり、より好ましくは0.0
1〜5重量部である。添加量が0.001重量部未満で
は耐熱性改良剤としての効果が発揮されず、10重量部
を越えて添加しても耐熱性改良剤としての効果は変わら
ず、むしろ素材の特性に悪影響を与える。耐熱性改良剤
の添加時期はポリアミドの重合時、重合中、重合後およ
び難燃剤とのコンパウンド時のいずれでも配合すること
ができ、またどの時点でのペレットとドライブレンドす
ることも出来る。
【0020】本発明で用いる難燃剤は無機系、有機系化
合物のいずれでも用いることが出来る。無機系の難燃剤
としては水酸化マグネシウムが特に有用である。水酸化
マグネシウムの特性としては、水酸化マグネシウム含有
量が95重量%以上、粒度分布は4μm以下が95%以
上のものが特に好ましく用いられる。また水酸化マグネ
シウムは、その表面をポリアミドおよび組成物を構成す
る他のポリマーとの接着性を改良するために公知の表面
処理剤(例えば、シラン系カップリング剤など)で処理
されていてもよい。この様な水酸化マグネシウムとして
は協和化学工業(株)社製の商品名“キスマ”5A、5
B、5E、5EGなどがある。また繊維状の水酸化マグ
ネシウムは強化剤としての効果も期待でき特に有用であ
る。
【0021】有機系の難燃剤としては有機リン化合物、
有機ハロゲン化合物が有用である。特に、有機ハロゲン
系難燃剤が有用である。ハロゲン系難燃剤としては次式
(III )、(IV)、(V)で示されるハロゲン含有率5
0〜70%、重量平均分子量5000以上の臭素化ポリ
フェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび二臭素
化スチレンを重合して得られるポリ臭素化スチレンなど
である。
【0022】
【化1】
【0023】(ここでnは2〜400の整数を表し、m
は30〜2000の整数を表す)上記ハロゲン系難燃剤
は市販のものを使用することができ、そのようなハロゲ
ン系難燃剤を例示すれば、臭素化ポリフェニレンエーテ
ルはGLC社のPO−64Pが、臭素化ポリスチレンは
フェロー社の“パイロチェック”68PB、60PB
が、ポリ二臭素化スチレンはGLC社のPDBS−1
0,PDBS−80などが挙げられる。
【0024】上記難燃剤は各々単独または混合物の形で
用いることができ、その添加量はポリアミド100重量
部に対し5〜150重量部、好ましくは10〜130重
量部である。添加量が5重量部未満では難燃化効果が不
十分なので好ましくなく、添加量が150重量部を越え
ると樹脂組成物の機械物性の低下が顕在化するので好ま
しくない。
【0025】本発明で用いられる難燃助剤は三酸化アン
チモン、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一
スズおよび酸化第二スズの中から選ばれ、これらは各々
単独または2種以上の混合物の形で用いることができ
る。難燃助剤の添加量はポリアミド100重量部に対し
1〜50重量部、好ましくは3〜40重量部である。1
重量部に満たない場合には難燃性が不足するので好まし
くなく、一方50重量部を越えると組成物の機械物性が
低下するので好ましくない。
【0026】本発明で用いるハロゲン補捉剤は、ハロゲ
ン系難燃剤を用いる場合に特に有効である。ハロゲン補
捉剤としては炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、オル
ガノホスフェイト化合物(例えば、フェロー社のAM−
595など)、ハイドロタルサイト類化合物(例えば、
協和化学工業株のDHT−4A、キョーワード100
0、2000、1100、2100など)が挙げられ
る。同様の目的でアデカアーガス社から市販されている
難燃化用安定剤“MARK”EP−13,17,22,
“MARK”273,“MARK”ZS−66,506
なども用いることができる。ハロゲン補捉剤はハロゲン
系難燃剤などから発生するハロゲンイオンまたはハロゲ
ン化合物を補捉して金属腐蝕を防止したり、成形時のガ
ス発生、発泡、ポリマーの着色などを著しく低減させ
る。ハロゲン補捉剤の添加量は0〜20重量部、特にハ
ロゲン系難燃剤を用いた場合には、好ましくは0.01
〜10重量部である。ハロゲン系難燃剤を用いた場合の
ハロゲン補捉剤の添加量が0.01に満たない場合はハ
ロゲン補捉剤としての効果が不足するので好ましくな
く、添加量が20重量部を越えてもやはりそれ以上の効
果はない。
【0027】本発明で用いるエラストマーはエラストマ
ーに分類されるものであれば特に制限がなく、市販され
ているものでも使用することができる。特に有用なもの
としては、アイオノマー樹脂、エポキシ変性ポリオレフ
ィン、カルボキシ変性ポリオレフィン、エポキシ/カル
ボキシ混合変性ポリオレフィンなどが挙げられる。
【0028】アイオノマー樹脂の例としては、エチレン
を含むα−オレフィンとα、β−不飽和カルボン酸との
共重合体に原子価が1〜3の金属イオンを付加せしめた
イオン性重合体である。ここでα、β−不飽和カルボン
酸の代表例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸などが、原子価1〜3の金属イオンの代表例として
はNa+ ,K+ 、Ca++、Zn++およびAl+++ などが
挙げられる。これらエチレン系アイオノマー樹脂として
は一般に“ハイミラン”(旧商品名“サーリンA”)な
る商品名で市販されている各種のグレードを用いること
ができる。
【0029】エポキシ変性ポリオレフィン、カルボキシ
変性ポリオレフィン、エポキシ/カルボキシ混合変性ポ
リオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−
1、ブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン、
ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレ
ン、1、4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
2、5−ノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、
5−エチル−2、5−ノルボルナジエン、5−(1´−
プロペニル)−2−ノルボルネン、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエンなどの内から選ばれた少な
くとも一種のオレフィンをラジカル重合して得られるポ
リオレフィンにエポキシ化合物(例えば、グリシジルメ
タクリレートなど)およびα、β−不飽和カルボン酸あ
るいはその両方を導入して得られるランダム状、分岐
状、ブロック状の変性ポリオレフィンである。ここで用
いるα、β−不飽和カルボン酸の例を挙げるとマレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、クロトン酸、シス−4−シ
クロヘキサン−1、2−ジカルボン酸およびその無水
物、誘導体およびマレインイミドおよびその誘導体等が
挙げられる。エポキシ化合物およびα、β−不飽和カル
ボン酸を導入する方法は、特に制限はなく、主成分のオ
レフィン類とα、β−不飽和カルボン酸を混合して共重
合せしめたり、ポリオレフィンにラジカル開始剤を用い
てα、β−不飽和カルボン酸をグラフト化して導入する
などの方法を用いることができる。エポキシ化合物およ
びα、β−不飽和カルボン酸の導入量はポリオレフィン
に対して0.001〜40モル%、好ましくは0.01
〜35モル%の範囲内であるのが適当である。
【0030】本発明で特に有用なエポキシ変性ポリオレ
フィンおよびカルボキシ変性ポリオレフィンの具体例と
してはエチレン/エチルアクリレート、エチレン/アク
リル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体(“g”は
グラフトを表す、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸
メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アク
リル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/ア
クリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体
およびこれら共重合体のケン化物、エチレン/プロピレ
ン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−
1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレ
ン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/
2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミ
ド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニル
マレイミド共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合
体、スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイ
ン酸ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレ
ンブロック共重合体を水素添加した後、無水マレイン酸
をグラフト化してえられるスチレン・エチレン/ブチレ
ン・スチレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、
スチレン/イソプレン−g−無水マレイン酸ブロック共
重合体などを挙げることができ、これらは各々単独ある
いは混合物の形で用いることができる。
【0031】本発明において、エラストマーを配合する
場合のエラストマーの添加量は、組成物の溶融粘度のせ
ん断速度依存性を大きくする効果をより発揮させ、より
耐衝撃性のすぐれた吹込成形品を得るためにポリアミド
100重量部に対しエラストマーを5重量部以上、耐熱
性の点およびポリアミド系素材の特徴をいかす点から1
00重量部以下が好ましく、特に10〜90重量部が好
ましい。組成物中のエラストマーはマトリックスとして
のポリアミド中に分散しており、本発明の難燃性ポリア
ミド吹込成形品がより優れた衝撃強度を保有するために
は、緊密に混合していることが望ましい。重合体の混合
状態を評価する方法の一つとして分散相の粒径を評価尺
度とする方法があるが、本発明の難燃性ポリアミド吹込
成形品においてエラストマーを配合する場合はエラスト
マー部分の分散粒径は平均10ミクロン以下、より好ま
しくは5ミクロン以下の状態を呈していることが耐衝撃
性に優れた成形品を取得するために好ましい。エラスト
マーの分散平均粒径が多すぎると衝撃強度の向上効果が
減少し、特に低温低吸湿時の耐衝撃性に優れた成形品を
取得できなくなる。しかし、本発明で用いるエラストマ
ーはポリアミドとの相溶性が良好なので比較的容易にこ
こで規定された緊密な混合状態を達成することができる
が、より好ましくは吹込成形をする前に一度押出機で溶
融混練することが望ましい。エラストマーを組成物の構
成要素とする場合は、全て同様に処置するのが好まし
い。また吹込成形機も混練能力の高いスクリューを備え
た吹込成形機を利用するのが適当である。なお、吹込成
形品の混合状態、すなわちマトリックス相中の分散相の
粒径を調べるには成形品の一部を切取って、顕微鏡など
で粒径を直接測定すればよい。難燃剤、繊維状強化剤の
分散性も同時に評価することができる。
【0032】本発明の組成物は、エラストマーの劣化を
防止するために、ポリオレフィン用の加工安定剤を添加
することが有用である。これ等の加工安定剤は酸化防止
剤、金属不活性剤、加工安定剤、紫外線吸収剤および紫
外線安定剤として市販されているものでも好適に使用で
きる。例えば、チバガイギー社の商標名“IRGANO
X”、“IRGAFOS”、“TINUVIN”、“C
HIMASSORB”など、アデカアーガス社の商標名
“MARK”で示されるヒンダードフェノール系化合
物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物およ
びその他の金属不活性剤、樹脂改質剤、光安定剤など、
住友化学工業(株)の商標名“Sumilizer”、
“Sumisorb”、“Antigene”、“St
abinol”で示される各種添加物が挙げられる。
【0033】加工安定剤の添加量はエラストマーの熱安
定性、組成物の機械的物性の点からエラストマー100
重量部に対し、 0.001〜10重量部が好ましく、
特に0.01〜7重量部であることが好ましい。
【0034】本発明で用いる繊維状強化剤を、素材であ
る難燃性ポリアミド組成物の剛性および高熱変形温度を
得るために添加することは有用である。繊維状強化剤と
しては例えばアラミド繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊
維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素
質繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウイスカなどが
挙げられるが特にガラス繊維、炭素繊維などが好ましく
用いられる。これ等の繊維状強化剤は未処理のままで
も、または熱安定性の良いシラン系カップリング剤、例
えばトリエトキシ−γ−アミノプロピルシラン、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランなどで表面処理されたもので
もよく、これら繊維状強化剤の2種以上を使用すること
も可能である。さらに繊維状強化剤にくわえて、いわゆ
る無機質充填剤たとえばタルク、カオリン、石こう、雲
母、石英、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン
酸カルシウム、リン酸チタン、セリサイト、無水マイ
カ、ウオラストナイト、ケイソウ土、白土、ホワイトカ
ーボン、カーボンブラック、亜鉛粉末などを添加するこ
とができる。
【0035】本発明の繊維状強化剤はポリアミド100
重量部に対し1〜200重量部、特に好ましくは5〜1
50重量部を配合するのが望ましい。また本発明の吹込
成形品にはその成形性、物性を損なわない程度に他の成
分、例えば顔料、結晶化促進剤、滑剤、離型剤などを添
加導入することも可能である。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。なお実施例および比較例に挙げる吹込成形品
の諸特性は次の方法で評価した。
【0037】(i)溶融粘度:ASTM−D−1238
に準じて製作されたメルトインデクサーを用いて測定し
た。
【0038】(ii)燃焼性:長さ5インチ、幅1/2
インチ、厚さ1/16インチの試験片を成形し、米国U
NDER WRITERS LABORATORIES
で定められたUL−94の規格に従って測定した。
【0039】(iii)分散粒径:成形品の一部を切取
り、ミクロトームで細片化した後、染色し電子顕微鏡に
て観察した。
【0040】(iv)三次元吹込成形性:アキュームレ
ータ付きの吹込成形機と三次元吹込成形金型を用いて外
径20mm、肉厚4mmのパリソンを形成し、外径50
mm,長さ800mmの複雑形状のパイプに成形した時
の成形品の形状にて評価した。
【0041】(v)耐熱安定性:三次元吹込成形におい
て、溶融滞留安定性をパリソンの外観およびガス発生状
況により評価した。
【0042】(vi)耐衝撃性:吹込成形して得た内容
積500mlの試薬容器に0℃の水を充填し、口部を密栓
して底を下方に向けて2.5m の高さから水平なコンク
リート床面に繰返し落下させ、容器の破損に至るまでの
落下回数を調べた。この試験は一定条件でつくった容器
5個について行った。
【0043】本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0044】参考例 1(本発明のポリアミドの製造) 66成分(原料:ヘキサメチレンジアミン/アジピン
酸)、6T成分(原料:ヘキサメチレンジアミン/テレ
フタル酸)、6I成分(原料:ヘキサメチレンジアミン
/イソフタル酸)を表1の組成になるように各々のモノ
マーを計量して重合釜に投入し、溶融重合してポリマー
とした。重合終了後、重合釜の底部から吐出してストラ
ンドに引きペレタイザーでペレット化した。このペレッ
トを真空乾燥した後諸特性を測定し表1に示す結果を得
た。
【0045】
【表1】
【0046】実施例 1 参考例1のポリアミド種N−1を固相重合して280
℃、せん断速度10sec-1での溶融粘度がμa10=60
000ポイズのポリアミドを得た。このポリアミド10
0重量部、フエロー社製臭素化ポリスチレン(“パイロ
チェック”68PB)28重量部、三酸化アンチモン6
重量部、ヨウ化銅0.03重量部、ヨウ化カリウム0.
2重量部をおよびハイドロタルサイト類化合物(協和化
学工業株製DHT−4A)0.3重量部をヘンシェルミ
キサーで混合し、この混合物を池貝(株)製PCM30
2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー温度28
0℃、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練
し、ストランドを冷却後ペレタイザーでペレット化し
た。このペレットを真空乾燥した後、諸特性を評価し表
2,3に示す結果を得た。この組成物は溶融粘度特性、
難燃性、耐熱性および複雑形状の三次元吹込成形性に満
足のいく特性を有していた。
【0047】実施例 2〜5 実施例1で用いたポリアミドおよび参考例1のポリアミ
ド種N−2を固相重合して得たポリアミド(270℃、
せん断速度10sec -1での溶融粘度がμa10=6200
0ポイズ)と耐熱性改良剤、難燃剤、難燃助剤、ハロゲ
ン補捉剤の種類と添加量を変えて、実施例1と同様の操
作で混練、成形、物性評価を行い表2,3に示す結果を
得た。ここで得られた難燃性ポリアミド組成物はいずれ
も高い耐熱性を有し、しかも良好な難燃性、三次元吹込
成形性、耐衝撃性を兼備した実用価値の極めて高いもの
であった。
【0048】比較例1 66成分 45重量%、6T成分 45重量%、6I成
分 10重量%の組成のポリアミド共重合体を参考例1
と同様に重合して得た。このポリアミド共重合体の融点
は280℃、結晶化温度は235℃および300℃で測
定したせん断速度10sec -1における溶融粘度は300
0ポイズであった。このポリアミドを固相重合して30
0℃、せん断速度10sec -1での溶融粘度がμa=60
000ポイズのポリアミドを得た。このポリアミド10
0重量部に実施例1の難燃剤、難燃助剤を添加して実施
例1と同様に操作して難燃性ポリアミド組成物を得、評
価して表2,3に示す結果を得た。この組成物は結晶化
速度が速く、パリソン先端の固化により良成形の三次元
吹込成形品は得られなかった。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】実施例 6〜11 参考例1のポリアミドを固相重合して、せん断速度10
sec -1での溶融粘度μa10がN−1で60000ポイズ
(T=280℃)、N−2で62000ポイズ(T=2
70℃)のポリアミドを得た。これらのポリアミド10
0重量部に対し耐熱性改良剤、難燃剤、難燃助剤、ハロ
ゲン補捉剤およびエラストマー、加工安定剤を表4,5
の配合比に計量・配合して実施例1と同様に操作して組
成物を調製し、ペレット化した。このペレットを真空乾
燥した後、諸特性を評価し表4,5に示す結果を得た。
ここで得られた組成物は溶融粘度特性、難燃性、エラス
トマーの分散粒径、耐衝撃性、耐熱安定性および三次元
吹込成形性において、満足のいく実用価値の高い特性を
有していた。
【0052】比較例2 比較例1の固相重合し後のポリアミド100重量部に実
施例6の難燃剤、難燃助剤、エラストマーを添加して実
施例1と同様に操作して難燃性ポリアミド組成物を調製
し、評価して表4,5に示す結果を得た。この組成物は
結晶化速度が速く、パリソン先端の固化により、良成形
の三次元吹込成形品を得ることができなかった。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】実施例 12〜14 実施例6〜11で用いた固相重合後のポリアミド100
重量部に対し耐熱性改良剤、難燃剤、難燃助剤、ハロゲ
ン補捉剤および繊維状強化剤を表6の配合比に計量・配
合して実施例1と同様に操作して組成物を調製し、ペレ
ット化した。このペレットを真空乾燥した後、諸特性を
評価し表6に示す結果を得た。ここで得られた組成物は
溶融粘度特性、難燃性、耐衝撃性、耐熱安定性および三
次元吹込成形性において、実用性の高い特性を有してい
た。
【0056】比較例3 比較例1の固相重合後のポリアミド100重量部に実施
例12の難燃剤、難燃助剤、繊維状強化剤を添加して実
施例1と同様に操作して難燃性ポリアミド組成物を調製
し、評価して表6に示す結果を得た。この組成物は結晶
化速度が速く、パリソン先端の固化により、良成形の三
次元吹込成形品を得ることができなかった。
【0057】
【表6】
【0058】実施例 15〜19 実施例6〜11で用いた固相重合後のポリアミド100
重量部に対し耐熱性改良剤、難燃剤、難燃助剤、ハロゲ
ン補捉剤、エラストマー、加工安定剤、繊維状強化剤を
表7,8の配合比に計量・配合して実施例1と同様に操
作して組成物を調製し、ペレット化した。このペレット
を真空乾燥した後、諸特性を評価し表7,8に示す結果
を得た。ここで得られた組成物は溶融粘度特性、難燃
性、エラストマーの分散粒径、耐衝撃性、耐熱安定性お
よび三次元吹込成形性において、実用性の高い特性を有
していた。
【0059】比較例4 比較例1の固相重合後のポリアミド100重量部に実施
例15の難燃剤、難燃助剤、エラストマーおよび繊維状
強化剤を表7,8の配合比に配合して実施例1と同様に
操作して難燃性ポリアミド組成物を調製し、評価して表
7,8に示す結果を得た。この組成物は結晶化速度が速
く、パリソン先端の固化により、良成形の三次元吹込成
形品を得ることができなかった。
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリアミド組成物を用い
ることにより、従来既存の単一素材では達成し得なかっ
た望ましい特性を有する難燃性吹込成形品が製造できる
ようになり、ポリアミドのすぐれた特長を活かして、各
種の難燃性吹込成形品への使用が可能になった。とくに
本発明の難燃性ポリアミド組成物により難燃性はもとよ
り耐熱性、高衝撃性、高剛性、高熱変形温度特性を有し
た難燃性吹込成形品が得られ、特に複雑形状の三次元吹
込成形品の難燃成形を可能ならしめたことは近年の自動
車軽量化および難燃化の動きと合致しておりその意義は
大きい。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A(a)ヘキサメチレンアジパミド成分
    50〜90重量%、(b)ヘキサメチレンテレフタラミ
    ド成分 5〜40重量%、(c)ヘキサメチレンイソフ
    タラミド成分 5〜30重量%からなるポリアミドであ
    って、融点(Tm)、結晶化温度(Tc)がそれぞれ、 Tm≧225℃ Tc≦230℃ を満足する結晶性のポリアミド100重量部に対し、 B 耐熱性改良剤 0.001〜10重量部、 C 難燃剤 5〜150重量部、 D 難燃助剤 1〜50重量部、 E ハロゲン補捉剤 0〜20重量部 を配合してなる難燃性ポリアミド組成物であって、かつ
    溶融粘度が式(I)および(II)を満足する組成物を成
    形してなる難燃性ポリアミド吹込成形品。 ln μa10≧10.50−0.04(T−Tm)・・・・・・・(I) μa10/μa1000≧3.3 ・・・・・・・(II) ここで、 Tm :ポリアミドの融点(℃) T :Tm+10℃≦T≦Tm+70℃を満足する
    温度(℃) μa10 :温度T(℃)、せん断速度10(sec -1)に
    おける溶融粘度(ポイズ) μa1000:温度T(℃)、せん断速度1000(sec
    -1)における溶融粘度(ポイズ)
  2. 【請求項2】請求項1記載の難燃性ポリアミド組成物
    に、さらにポリアミド 100重量部に対し、エラスト
    マー 5〜100重量部を配合してなる難燃性ポリアミ
    ド組成物であって、その溶融粘度が請求項1記載の式
    (I)および式(II)を満足し、ポリアミドマトリック
    ス相中に分散されたエラストマーからなる分散相の平均
    粒径が、10ミクロン以下である組成物を吹込成形して
    なる難燃性ポリアミド吹込成形品。
  3. 【請求項3】請求項1記載の難燃性ポリアミド組成物
    に、さらにポリアミド100重量部に対し、繊維状強化
    剤1〜200重量部を配合してなる難燃性ポリアミド組
    成物であって、その溶融粘度が請求項1記載の式(I)
    および式(II)を満足する組成物を吹込成形してなる難
    燃性ポリアミド吹込成形品。
  4. 【請求項4】請求項2記載の難燃性ポリアミド組成物
    に、さらにポリアミド100重量部に対し、繊維状強化
    剤1〜200重量部を配合してなる難燃性ポリアミド組
    成物であって、その溶融粘度が請求項1記載の式(I)
    および式(II)を満足する組成物を吹込成形してなる難
    燃性ポリアミド吹込成形品。
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