JP2555820Y2 - ファン動翼の構造 - Google Patents

ファン動翼の構造

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JP2555820Y2
JP2555820Y2 JP1991010034U JP1003491U JP2555820Y2 JP 2555820 Y2 JP2555820 Y2 JP 2555820Y2 JP 1991010034 U JP1991010034 U JP 1991010034U JP 1003491 U JP1003491 U JP 1003491U JP 2555820 Y2 JP2555820 Y2 JP 2555820Y2
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シー、エイチ、チャン ブルース
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デルタ エレクトリック インダストリアル コンパニー リミテッド
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、軸流ファン装置等に組
込まれるファン動翼の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸流ファンは、ファンディスク
に複数個のファン動翼を取付けたもので、軸流ファンを
回転することにより、ファン動翼周辺の流体を押し動か
すように作用し、一定方向に流動させる。この流体の流
れ状態は、図6に示している。ここに、図6は、ファン
動翼の断面形状と、これに沿って流れる流体の流れ状態
を示すもので、ファン動翼Aは、下面Adの曲率半径よ
りも上面Auの曲率半径の方が大きく、弦長は上面Au
の方が下面Adより長く、上面Auと下面Adが非対称
となっているので、ファン動翼Aに沿って流れる流体も
非対称となる。
【0003】このファン動翼Aの上面Auと下面Adに
沿って流れる流体の状態を考察すれば、運動方程式(距
離=速度×時間)より、ファン動翼Aの上面Auに沿っ
て流れる流体の流速(Vu)は、下面Adに沿って流れ
る流体の流速(Vd)よりも大きくなる(Vu>V
d)。また流体のエネルギは、圧力エネルギと速度エネ
ルギの2種類であるが、ベルヌーイの定理、つまり「流
体のエネルギの総和は一定である」を考慮すれば、ファ
ン動翼Aの下面Ad側の圧力Pdは、上面Au側の圧力
Puよりも大きくなる(Pd>Pu)。しかして、流体
には、圧力の大きい部分から小さい部分に流れる物理的
特性があるので、ファン動翼Aでは、下面Ad側を流れ
ている流体が、ファン動翼Aの先端を経て、上面Au側
に流れ、ファン動翼Aの先端に一種の渦巻きを生じさせ
ることになる。この渦巻きによる乱流は、図7にF1 ,
F2 ,F3 で示す。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、ファン動翼A
は、連続して回転しているので、1つのファン動翼A1
の先端に形成された乱流F1 は、次位のファン動翼A2
に衝突し、このファン動翼A2 の乱流F2 は、さらに次
位のファン動翼A3 に衝突する。また、各ファン動翼A
から生じた乱流流体F1 ,F2 ,F3 は、ファン動翼A
の放射方向外方にも流れ、このファンの周辺に設けられ
た枠体等に衝突することになる。このような作用が繰返
されて騒音を生じることになる。本考案は、上述した従
来技術が有する課題を解決するためになされたもので、
ファンが回転してもファン動翼先端に乱流が生じること
なく、騒音の少ないファン動翼を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本考案は、ファンディスクから放射状に突出するよ
うに設けられ、上面側が下面側より弦長が長くなるよう
に構成し、放射方向先端部に当該放射方向に交差する方
向にフランジ部を突出したファン動翼において、前記フ
ランジ部は、前記下面に沿って放射状に流れる流体をU
ターンさせるように前記下面より滑らかに円弧状に突出
され、当該フランジ部の円弧状の始点から終端となる前
記先端部までの放射方向の長さmとファン動翼全体の放
射方向長さMとの関係が、 m<M/2.5 であ
り、 前記先端部での肉厚Tと前記円弧状以外の部分の肉厚t
との関係が、 1.6t<T<4.5t となるように合成樹脂の射出成形により形成したことを
特徴とす るファン動翼の構造である。
【0006】
【作用】ファンを回転させたときに、ファン動翼の上下
面に圧力差が生じる。この圧力差により下面側を流れて
いる流体がファン動翼の先端を経て上面側に流れるが、
本考案のファン動翼は、弧状フランジを先端に有
しているので、このような流れを弧状フランジ
阻止することになり、ファン動翼の先端に渦巻きによる
乱流を生じさせることはない。また、ファン動翼を円弧
状フランジ部とともに射出成形すれば、ファン動翼の下
面の面積上面の面積より大きくなるので、ファン動翼
の下面に沿って流れる流体が放射方向に流れて上面に流
れる時間も遅延させることもでき、ファン動翼先端に生
じる乱流を減少させることができる。この結果、ファン
動翼先端に形成される乱流が各ファン動翼やファン側部
の枠体等に衝突することにより発生する騒音を低減する
ことができる。さらに、前記動翼を、合成樹脂を射出成
形することにより形成する場合に、m<M/2.5と
1.6t<T<4.5tという関係のもとに形成すれ
ば、製造が簡単になる。
【0007】
【実施例】以下、本考案を図面に示す実施例に基づき詳
細に説明する。図1は本考案の一実施例を示すもので、
ファン動翼の概略を示す斜視図、図2は図1のA−A線
に沿う断面図、図3はファン動翼を枠体に取付けた状態
を示す正面概略図、図4は弧状フランジ部の寸法を表
示した説明図、図5Aは本考案に係るファン動翼の先端
を示す正面図、図5Bは従来のファン動翼の先端を示す
正面図である。本実施例に係るファン10は、図1に示
すように、ファンディスク11から放射状に突出するよ
うに設けられた複数枚のファン動翼12を有している。
各ファン動翼12は、上面12u側が下面12d側より
弦長が長くなるように構成されている。そして、放射方
向先端部には、下面12d側に所定の曲率半径Rをもっ
て円弧状に滑らかに突出した弧状フランジ13が形
成されている。この弧状フランジ13は、図5に示
すように、その肉厚をTとし、一般的なファン動翼の肉
厚をtとすれば、 1.6t<T<4.5t……
(1) という関係を有することが好ましい。つまり、実験によ
れば、T>1.6tの場合、騒音が小さく、Tの値が大
きい程、騒音量を低減させる効果が高い。しかし、ファ
ン動翼12の製造時の作業性等を考慮すれば、無制限に
大きくできない。例えば、合成樹脂等の射出成形により
ファンを製造する場合には、Tの値が約4.5tを越え
ないことが好ましい。よって、前記(1)式の範囲のT
とすることが好ましいことになる。
【0008】また、弧状フランジ13の円弧状の始
点Sから終端Eとなる前記先端部まで放射方向長さm
は、ファン動翼12の放射方向全長Mに対し、 m<M/2.5……(2) という関係を有することが好ましい。つまり、弧状フ
ランジ13の放射方向の長さmは、弧状フランジ
13が最良の効果を発揮するためには、無制限、つまり
ファン動翼12の全長Mと同程度となる程長いものでは
好ましくない。つまり、弧状フランジ13の長さm
を増加すれば、それに伴ないファン動翼12の肉厚Tの
値も増加させ、弧状フランジ13が所定の曲率半径
Rを保持するようにしなければならないからである。し
かも、Tの値は、ファン10を射出成形等により製造す
る場合の製作上の制限から、その範囲は、上記(2)式
の範囲とすることが好ましい。
【0009】次に作用を説明する。ファン10を回転さ
せると、ファン動翼12の上下面12u,12dに圧力
差が生じる。この圧力差により下面12d側を流れてい
る流体がファン動翼12の先端を経て上面12u側に流
れる。しかし、ファン動翼12には、弧状フランジ
13が形成されているので、ファン動翼12の下面12
dに沿って流れる高圧の流体は、弧状フランジ13
により流れが阻止され、図2に複数の連続した矢印で示
すように流れることになり、ファン動翼12の先端に乱
流を生じさせることはない。したがって、ファン動翼1
2が、連続して回転しても、1つのファン動翼の先端に
形成された乱流が、次位のファン動翼12に衝突するこ
とはなく、また各ファン動翼12から生じた乱流がファ
ン動翼12の放射方向外方に流れ、ファン10の周辺に
設けられた枠体14(図3参照)等に衝突することもな
いので、乱流による騒音の発生を未然に防止することが
できることになる。また、弧状フランジ13の形成
により、ファン動翼12の下面12dの面積が上面12
uの面積よりも大きくなる。この結果、ファン動翼12
の下面12dに沿って流れる流体が上面12u側に向っ
て流れる時間を遅延させることもでき、ファン動翼12
の先端部分において生じる乱流の発生も低減される。
【0010】ここで、本考案者は、一般の事務機器に使
用されている冷却ファンのファン動翼に弧状フランジを
設けたものと、設けていないものとを使用して騒音量の
試験を行なった。ファンとしては、2種類準備した。そ
の1つは、サイズが、60mm×60mm×25.4mm(通
称6cmファン)であり、他方は、サイズが、120mm×
120mm×25.4mm(通称12cmファン)である。
【0011】
【表1】
【0012】上記の表から明らかなように、本考案に係
る6cmファンは、従来のファンに比し、騒音レベルが
4.0db低く、本考案に係る12cmファンは、従来の
ファンに比し、騒音レベルが6.0dbも低減されるこ
とが判明した。したがって、本考案に係るファン動翼1
2を有するファン10は、回転時に確実に乱流の発生を
防止し、騒音量を低減するという優れた効果を奏するこ
とが分る。
【0013】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案によれ
ば、ファン動翼の先端に弧状フランジを形成した
ので、ファンを回転させたときに、ファン動翼の下面側
を流れている流体がファン動翼の上面側に流れるのを阻
止し、ファン動翼の先端に乱流を生じさせることはな
い。また、ファン動翼を円弧状フランジ部とともに射出
成形すれば、ファン動翼の下面の面積は、上面の面積よ
り大きくなるので、ファン動翼の下面に沿って流れる流
体が放射方向に流れて上面に流れる時間も遅延させるこ
ともできる。この結果、乱流により生じる騒音の発生を
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、図1は本考案の一実施例を示すもので、フ
ァン動翼の概略を示す斜視図である。
【図2】は、図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】は、ファン動翼を枠体に取付けた状態を示す正
面概略図である。
【図4】は、弧状フランジの寸法を表示した説明図
である。
【図5】は、ファン動翼の先端を示す図であり、図5A
は、本考案に係るファン動翼の先端を示す正面図、図5
Bは、従来のファン動翼のの先端を示す正面図である。
【図6】は、従来のファン動翼の断面形状と、これに沿
って流れる流体の流れ状態を示す説明図である。
【図7】は、従来のファン動翼を取付けたファンの乱流
状態を示す斜視図である。
【符号の説明】 11…ファンディスク、 12…ファン
動翼、 12u…ファン動翼の上面、 12d…ファ
ン動翼の下面、 13…弧状フランジE…終端、 m…弧状フランジの放射方向の長さ、M…ファン動
翼の放射方向長さ、S…始点、 T…弧状フ
ランジの肉厚、 t…一般的なファン動翼の肉厚。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファンディスク(11)から放射状に突出す
    るように設けられ、上面(12u) 側が下面(12d) 側より弦
    長が長くなるように構成し、放射方向先端部に当該放射
    方向に交差する方向にフランジ部(13)を突出したファン
    動翼(12)において、前記フランジ部(13)は、前記下面(12d) に沿って放射状
    に流れる流体をUターンさせるように前記下面(12d) よ
    り滑らかに円弧状に突出され、当該フランジ部(13)の円
    弧状の始点(S)から終端(E)となる前記先端部までの放
    射方向の長さ(m) とファン動翼全体の放射方向長さ(M)
    との関係が、 m<M/2.5 であり、 前記先端部での肉厚(T) と前記円弧状以外の部分の肉厚
    (t) との関係が、 1.6t<T<4.5t となるように合成樹脂の射出成形により形成したことを
    特徴とす るファン動翼の構造。
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JPH0564498U JPH0564498U (ja) 1993-08-27
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