JP2552950B2 - アルコキシシランの製造方法 - Google Patents

アルコキシシランの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明はアルコキシシランの製造方法に関し、特に酸
性不純物を実質的に全く含まない有機官能性アルコキシ
シランの製造方法に関する。
《従来の技術》 アルコキシシランの製造は、従来クロロシラン、ブロ
モシラン、ヨードシラン等のハロゲノシランをアルコー
ルによってエステル化する方法によるのが一般的であ
る。このような方法によって得られたアルコキシシラン
にはハロゲン含有成分が残存し、この不純物は蒸留によ
る精製によっても除去することができない。しかも、係
る微量酸性不純物の存在は、得られたアルコキシシラン
をシランカップリング剤として金属表面に直接使用する
場合のみならず金属の近辺に使用した場合であっても金
属が錆びる原因となったり、アルコキシ基が加水分解を
受け易くなるために保存安定性が悪化したり、更には成
型体等として硬化させた後の品質に経時変化をもたら
す。
例えば、近年アルコキシシランをポリオレフィンやア
クリル系の樹脂にグラフト化あるいは共重合させた所謂
水架橋性樹脂を得る技術が知られているが、微量酸性不
純物を含有したアルコキシシランをそのまま使用した水
架橋性樹脂の場合には、アルコキシシランに含まれる微
量酸性不純物がアルコキシ基の加水分解触媒となるため
に、経時によって水架橋性樹脂保存中に架橋が進行し、
成型が不能となったりゲル化する場合も生ずる。
係る欠点を改善するために、従来から上記微量酸性不
純物を除去すべく1)3級アミン類や尿素等のハロゲン
含有成分捕捉剤を用いて再エステル化する方法、2)ナ
トリウムアルコキシドを使用して中和させる方法及び
3)エポキシ化合物を反応させて捕捉する方法等の諸方
法が採られている。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、上記1)の再エステル化法では、再エ
ステル化を何回繰り返しても、生成する塩が溶解するた
めに微量酸性不純物を完全には除去することができな
い。又、前記2)の中和法の場合には、微量酸性不純物
の除去効果は十分に高いが、(メタ)アクリル基やエポ
キシ基等の求核反応を受け易い官能基を有するアルコキ
シシランに対しては適用することができないという欠点
があった。更に前記3)のエポキシ捕捉法によれば、目
的とするアルコキシシラン中にハロゲン原子を取り込む
ことになるので、経時による劣化や精製後の純度等の点
において難点があった。
本発明者等は従来の上記欠点を解決すべく鋭意検討し
た結果、立体障害の大きいアルコール又はアミン類のア
ルカリ金属塩が前記微量酸性不純物に選択的に作用し、
その結果中和された酸性不純物は蒸留によって容易に除
去することができること及び前記金属塩は目的とする有
機官能性アルコキシシランに対して何ら悪影響を与えな
いことを見出し本発明を完成させた。
従って本発明の第1の目的は酸性不純物を実質的に全
く含まないアルコキシシランを提供することにある。
本発明の第2の目的は、アルコキシシランの種類によ
らずアルコキシシラン中に含有されている微量酸性不純
物を容易且つ実質的に完全に除去することのできる方法
を提供することにある。
《課題を解決するための手段》 本発明の上記の諸目的は、微量酸性不純物を含有し、
一般式が Y−R1−Si(R23-nXn で示される有機官能性アルコキシシランに、立体障害の
大きいアルコール類及びアミン類のアルカリ金属塩の中
から選択される少なくとも1種を添加し、次いで精製す
ることを特徴とする実質的に酸性不純物を含有しないア
ルコキシシランの製造方法によって達成された。
本発明が対象とするアルコキシシランは、一般式がY
−R1−Si(R23-nXn で示される有機官能性アルコキシシランである。
上式中、Yはアルケニル基、アルキニル基、エポキシ
基、(メタ)アクリル基、アミノ基、ハロゲン原子、メ
ルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、イソ(チオ)シ
アナート基、アミド基、ウレイド基、スルフィド基、カ
ルボキシ基等を少なくとも1個含む有機官能基であり、
Xは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、is
o−プロポキシ基、iso−プロペノキシ基、n−ブトキシ
基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1
〜4のアルコキシ基、R1は直鎖状又は環状のアルキレン
基等の炭素数1〜11の2価炭化水素基であり、分岐して
いても、又フェニレン基等のアリーレン基を含んでいて
もよい。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等のアルキル基やフェニル基等の炭素原子数1〜6
の1価炭化水素基であり、nは1、2又は3を表す。
上記有機官能性アルコキシシランの中でも、特にYが
(メタ)アクリル基を含む有機基である場合に本発明は
最も有効である。係るアルコキシシランとして例えばγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメ
チルジエトシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチ
ルエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシ
シラン、メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラ
ン、メタクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、メ
タクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキ
シメチルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチ
ルジメチルエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメ
トキシシラン、アクリロキシメチルメチルジメトキシシ
ラン、アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、ア
クリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメ
チルメチルジエトキシシラン、アクリロキシメチルジメ
チルエトキシシラン等が挙げられる。
本発明で使用する立体障害の大きいアルコール類又は
アミン類のアルカリ金属塩は、目的とするアルコキシシ
ラン中に微量含まれている酸性不純物を中和して無害化
する中和剤として機能するものであり、具体的には下記
一般式 (上式中、R3は炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、
1分子中にR3が複数個存在する場合には、それらは互い
に異なっていても良いが、(R32NHの場合には、少な
くとも一方のR3は炭素数3〜10の1価炭化水素基であ
る。mは0、1、2、3又は4を表す) で示される有機化合物のアルカリ金属塩であり、特に下
記構造部分〔I〕を分子内に少なくとも一つ含有する有
機化合物のアルカリ金属塩であることが好ましい。これ
らの金属塩は、嵩高い置換基が酸素原子または窒素原子
の近傍に位置しているアルコール類又はアミン類から誘
導される。
このような中和剤の具体例としては、例えば2−tert
−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−p−クレゾー
ル、2−tert−ブチル−p−アニソール、2,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−ク
レゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノ
ール等のフェノール類;2,2′−メチレンビス(4−メチ
ル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,
4,6−トリス(2′,4′−tert−ブチル−3′−ヒドロ
キシベンジル)メシチレン等のビスあるいはトリスフェ
ノール類;N,N−ジフェニルアミン、N−フェニル−p−
メチル−アニリン、N,N−ジ(4−メチルフェニル)ア
ミン、フェノキサジン、フェノチアジン等のアニリン
類;のアルカリ金属塩が挙げられる。
本発明の中和剤は、上記立体障害の大きいアルコール
類若しくはアミン類に、アルカリ金属アルコキシド(た
だし、アルコキシドは炭素数1〜4)又はアルカリ金属
を溶媒中で反応させることによって容易に得ることがで
きる。この場合に使用する溶媒は反応時に均一系となる
ものを選択すれば良い。反応は公知の方法によって行え
ば良く特に限定されるものではない。例えば立体障害の
大きいアルコール類あるいはアミン類の溶液に上記アル
カリ金属アルコキシドの溶液を滴下して行うことができ
る。
上記反応は迅速且つ化学量論的に進行して本発明の中
和剤を生成するが、未反応のアルカリ金属アルコキシド
が残存すると、これらは求核性が高いために、アルコキ
シシランに対して好ましくない副反応を引き起こす原因
となるので注意が必要である。尚、生成した中和剤は、
副生するアルコール或いは空気中の水分が共存する状態
では平衡反応によって求核性の高い反応種を生成する。
従って、本発明の中和剤は乾固、粉砕して用いるか、十
分にアルコール又は水分を除去してから用いることが必
要である。
上記の中和剤を用いて、目的とするアルコキシシラン
に含有されている微量酸性不純物を中和除去するに際し
ては、本発明が対象とする有機官能性アルコキシシラン
は蒸留精製されるのが一般的であるため、中和処理はそ
の直前に行うことが好ましい。即ち、中和処理を反応溶
媒を含んでいる状態で行っても良いが、反応原液を1回
粗蒸留して溶媒を除去した後に中和処理を行い、更に精
密蒸留することにより高い効果を得ることができる。
中和処理における中和剤の添加量(濃度)、処理温度
及び処理時間は特に限定されない。これらの条件は中和
処理しようとするアルコキシシランの履歴にもよるが、
未蒸留の合成原液の場合には、アルコキシシラン有効成
分に対して中和剤を0.1〜2重量%添加し、室温〜80℃
で1〜2時間撹拌することが好ましい。この場合、中和
処理しようとするアルコキシシランにアルコールや水分
等が存在すると中和剤との平衡反応によって求核性の高
い反応種が生成するので、中和処理前にはこれらアルコ
ールや水分を十分に除去することが必要である。又、処
理中に空気中の水分が系内に入ることを防ぐ目的で、窒
素気流下で処理を行うことが望ましい。
本発明の中和剤は、塩基性は強いが立体障害のために
求核性は極めて弱い。従って過剰に添加しても目的とす
るアルコキシシランに対しては何ら悪影響を及ぼすこと
はないが、過剰分を吸着剤によって吸着除去したり、ア
ルカリ金属のスカベンジャーを添加した後に蒸留精製し
ても良い。又、中和処理によって塩などが沈澱すること
もあるので、必要に応じて濾過除去した後に蒸留精製す
る。しかしながら、殆どの場合これらの塩は無機物であ
るので、濾過除去せずに蒸留しても釜残として残留する
だけである。
上記のようにして中和処理されたアルコキシシラン
は、通常の方法によって蒸留精製することができる。こ
のようにして得られたアルコキシシランからは、従来の
方法では除去しきれずに含有されていた微量酸性不純物
を検出することができない。
本発明により得られるアルコキシシランは、ポリオレ
フィンやアクリル系樹脂にグラフト化又は共重合せしめ
ることによっていわゆる水架橋性樹脂とすることができ
る。上記ポリオレフィンやアクリル系樹脂の具体例とし
ては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、
アクリル酸やメタクリル酸とそれらのエステル類の
(共)重合体等が挙げられる。
以下、具体例として、エチレンにγ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランを共重合させて得られる水
架橋性ポリエチレンの場合について説明する。
上記水架橋性ポリエチレンは、ポリエチレンの主骨格
にトリメトキシシリル基を持つ側鎖が結合した形を有す
る熱可塑性の樹脂である。この樹脂をパウダー、ペレッ
ト又はタブレット等にして保存し、使用時に加熱溶融又
は軟化せしめて成型し、水中での煮沸又は水蒸気雰囲気
による架橋の工程を経て最終製品となる。この水架橋し
たポリエチレンは、一般のポリエチレンが軟化変形する
温度まで昇温しても変形しない。しかしながら、従来の
ようにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
に微量酸性不純物が含まれる場合にはその不純物が触媒
として作用するので、前記の如くパウダー等の形で保存
する間にメトキシ基の加水分解や縮合反応による架橋が
促進され、ついには加熱しても溶融軟化しなくなり成形
不能となる。
《発明の効果》 本発明によれば、従来の装置や工程の大巾な変更を必
要とすることなく微量酸性不純物を含まないアルコキシ
シランを容易に得ることができるため、特に水架橋性樹
脂の用途に使用して、その保存安定性を改善する上で有
効である。
《実施例》 以下本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明
はこれによって限定されるものではない。
中和剤の調製 参考例1. 2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール22.0g(0.1m
ol)をトルエン100gに溶解し、これに28%ナトリウムメ
トキシド−メタノール溶液19.3g(0.1mol)を滴下し、
室温で1時間撹拌した後に減圧下で溶媒を留去した。こ
のようにして得られた紫色固体物質を粉末状に粉砕して
桃色の中和剤−Aとした。
参考例2. 2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)36.8g(0.1mol)をトルエン100gに溶解
し、これに28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液
19.3g(0.1mol)を滴下し、室温で1時間撹拌した後に
減圧下で溶媒を留去した。このようにして得られた緑色
固体物質を粉末状に粉砕して緑黄色の中和剤−Bとし
た。
参考例3. 参考例2で用いた28ナトリウムメトキシド−メタノー
ル溶液の滴下量を38.6g(0.2mol)とした他は参考例−
2と同様にして黄緑色粉末状の中和剤−B′を得た。
参考例4. 2,4,6−トリス(2′,4′−tert−ブチル−3′−ヒ
ドロキシベンジル)メシチレン38.7g(0.05mol)をトル
エン100gに溶解し、これに28%ナトリウムメトキシド−
メタノール溶液9.7g(0.05mol)を滴下し、室温で1時
間撹拌した後、減圧下で溶媒を留去した。このようにし
て得られた濃赤色固体物質を粉末状に粉砕して黄赤色粉
末状の中和剤−Cとした。
参考例5. 参考例4で用いた28%ナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液の滴下量を14.5g(0.075mol)とした他は参考
例4と同様にして橙色粉末状の中和剤−C′とした。
参考例6. 参考例4で用いた28%ナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液の滴下量を29.0g(0.15mol)とした他は参考例
4と同様にして濃赤色粉末状の中和剤−C″とした。
実施例1. 溶媒の存在下で、白金系触媒を用いてトリクロロシラ
ンとアリルメタクリレートのヒドロシリル化(付加)反
応を行い、次いでメタノールと尿素を用いてエステル化
反応を行った。得られた合成原液から塩酸塩を除去した
後溶媒を含む低沸点成分を減圧下で留去することによ
り、純度が90%前後の粗γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランを得た。
得られた粗γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン2kgに前後参考例2で得た中和剤−Bを20g添加
し、60℃で1時間撹拌熟成したところ、白色沈澱が生成
したのでこれを濾過によって除去した。次いで得られた
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2kgと
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル
フェノール(重合禁止剤)6gを、3容のリボイラー及
び高さ10cmの充填式精留管を備えた蒸留装置で約4時間
かけて蒸留精製し、精製γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランを得た。
比較例1. 実施例1で行った、中和剤を加えて60℃で1時間撹拌
熟成する工程を省略した他は実施例1と全く同様にして
精製γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを
得た。
実施例2. 実施例1で生成した白色沈澱を濾過除去しなかった他
は実施例1と同様にして、精製γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランを得た。
実施例3. 実施例1と同様にして得られた粗γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン2kgとフェノチアジン(重
合禁止剤)6gを、3容のリボイラーを備えた蒸留装置
で約2時間かけて単蒸留し、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン留分を得た。これに中和剤−Bを
20g添加し、60℃で1時間撹拌熟成したところ白色沈澱
が生成した。これを実施例2と同様に蒸留精製し、精製
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを得
た。
実施例4〜8 実施例1で添加した中和剤−Bの替わりに夫々中和剤
−A、B′、C、C′及びC″を20g添加した他は実施
例1と同様にして、精製γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランを得た。
実施例9. 溶媒の存在下で、白金触媒を用いてトリクロロシラン
と塩化アリルのヒドロシリル化反応を行い、次いでメタ
ノールと尿素を用いたエステル化反応を行った後、蒸留
精製によってγ−クロロプロピルトリメトキシシランを
得た。得られたγ−クロロプロピルトリメトキシシラン
とアクリル酸カリウムとで溶媒の存在下で脱塩反応を行
わせ、次いで塩化カリウムを除去した。次に、溶媒を含
む低沸点成分を減圧下で留去することにより、純度が90
%前後の粗γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンを得た。このようにして得られた粗γ−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン2kgを、実施例1のγ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランの替わりに用
いた他は実施例1と同様にして、精製γ−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシランを得た。
比較例2〜5 実施例1で添加した中和剤−Bの替わりに中和剤とし
て夫々炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、ピリジン、ナト
リウムメトキシドを20g添加した他は実施例1と同様に
して、精製γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを得た。
実施例1〜9、比較例1〜5で得られた精製アルコキ
シシランの蒸留収率、純度、耐加水分解性(微量酸性不
純物残留量の尺度)についての結果は第1表にまとめた
通りである。
但し、表中の抽出水電気伝導度(CE)、抽出水のpH及
び加水分解率(RH)は夫々次のようにして測定した。
抽出水電気伝導度(CE)の測定 アルコキシシラン(サンプル)50gと純水50gを100ml
のポリプロピレン製容器に入れて密栓し、10分間振盪し
た後静置して内容液を分離せしめた。次に水層のみを分
液して取り出し、電気伝導度計(東亜電波工業(株)製
CM−20E)を用いて25℃の電気伝導度を測定した。尚、
純水100gを用いたブランクテストの値は0.78μS/cmであ
った。
抽出水pHの測定 抽出水電気伝導度の測定を終えた抽出水のpHを、pHメ
ーター(東亜電波工業(株)製HM−20B)を用いて25℃
で測定した。尚、純水のブランクテストの値はpHが5.65
であった。
加水分解率(RH)の測定 アルコキシシラン(サンプル)20gとn−デカン(内
標準物質)5.0gを100mlのポリプロピレン製容器に入れ
て密栓し、5分間振盪した後内容液のガスクロマトグラ
ムを測定した(この場合を“前”と表示する)。次に振
盪後の混合液に純水50gを添加し、2時間振盪した後に
静置して内容液を分離させ、有機層のガスクロマトグラ
ムを測定した(この場合を“後”と表示する)。純水添
加、振盪前後のガスクロマトグラムから、下式によって
加水分解率を算出した。
第1表の結果から、本発明の方法によって得られたア
ルコキシシランの微量酸性不純物含有量が、従来のもの
に比して著しく低いことが実証された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳澤 秀好 群馬県安中市磯部2―13―1 信越化学 工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (72)発明者 高橋 正幸 群馬県安中市磯部2―13―1 信越化学 工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微量酸性不純物を含有し、一般式が Y−R1−Si(R23-nXn (但し、Yは有機官能基、Xは炭素数1〜4のアルコキ
    シ基、R1は炭素数1〜11の2価炭化水素基、R2は炭素数
    1〜6の1価炭化水素基であり、nは1、2又は3を表
    す。) で示される有機官能性アルコキシシランに、 (但し、R3は炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、1
    分子中にR3が複数個存在する場合には、それらは互いに
    異っていても良いが、(R32NHの場合には、少なくと
    も一方のR3は炭素数3〜10の1価炭化水素基である。m
    は0、1、2、3、又は4である。)で示されるアルコ
    ール類又はアミン類のアルカリ金属塩の中から選択され
    る少なくとも1種を添加し、次いで精製することを特徴
    とする実質的に酸性不純物を含有しないアルコキシシラ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】アルコール類又はアミン類のアルカリ金属
    塩が、分子内に少なくとも1つ下記構造〔I〕の部分を
    有する有機化合物のアルカリ金属塩である特許請求の範
    囲第1項に記載のアルコキシシランの製造方法;
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