JP2551455B2 - 新規芳香族ポリスルホン及びその製造方法 - Google Patents

新規芳香族ポリスルホン及びその製造方法

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JP2551455B2 JP63084521A JP8452188A JP2551455B2 JP 2551455 B2 JP2551455 B2 JP 2551455B2 JP 63084521 A JP63084521 A JP 63084521A JP 8452188 A JP8452188 A JP 8452188A JP 2551455 B2 JP2551455 B2 JP 2551455B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ジハロジフェニルスルホン化合物とビスフ
ェノールからなる新規重合体及びその製造方法に関す
る。詳しくは耐熱性、流動性及び耐溶剤性に優れた新規
芳香族ポリスルホン及びその製造方法に関する。
(従来技術) 従来より耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチッ
クスとしてポリスルホンがよく知られている。例えばア
ール.エヌ.ジョンソン(R.N.Johnson)他ジャーナ
ル.オブ.ポリマー.サイエンス(J.Polym.Sci)
(A)−1(5)2375(1967)。
これらの芳香族ポリスルホンは、比較的高温における
機械的諸物性に優れ、しかも耐薬品性、電気的特性も良
好であるため多くの分野で実用化が成されて来ている。
近年、さらに耐熱性の向上を要求される分野へ使用さ
れることも多くなりガラス転移温度が数十度高く更に熱
安定性も従来と同等かそれ以上のものが望まれている。
しかし、ガラス転移点が高くなるとそれと共に流動性
が低下して成形加工性が大幅に悪くなる問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 芳香族ポリスルホンの重合体は前述のように機械的特
性や耐熱性に優れているものの成形時における成形流動
性は十分でないため精密成形材料の成形には難点が残さ
れている。これまでに、流動性を向上するために主鎖に
脂肪族鎖を入れる方法(特開昭60−53534,特開昭60−10
8425)またビスフェノールAの代わりに を用いる方法(特開昭58−10114)がある。しかし、こ
れらの方法では、流動性は向上されるものの、耐熱安定
性は劣る傾向にある。つまり熱分解温度の低下が見ら
れ、本来の芳香族ポリスルホンとしての特徴を失うとい
う問題点がある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の問題点より、芳香族ポリスルホ
ンの耐熱性、機械的特性、熱安定性を損なうことなく成
形流動性を改良することは、多くの分野で望まれている
ことであると考え、これらの欠点を改良するため鋭意検
討を行った。その結果1,3−ビス(4−ヒドロキシ−1
−イソプロピリデンフェニル)ベンゼンまたはその誘導
体と1,4−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデ
ンフェニル)ベンゼンまたはその誘導体とジハロジフェ
ニルスルホン化合物とを用いることで新規芳香族ポリス
ルホンを見い出し本発明を完成するに至ったものであ
る。
すなわち本発明は 1.一般式(I) で示される繰り返し単位のモル分率が1〜100モル%で 一般式(II) で示される繰り返し単位のモル分率が99〜0モル%(式
中R1〜R8は水素,炭素数1〜8の直鎖状または分岐状の
炭化水素基,ハロゲン原子を示し互いに同一又は異なっ
てもよい。a,bはそれぞれ1〜4の整数を表し互いに同
一又は異なってもよい。)であり該ポリマーの還元粘度
(ηsp/c)が25℃において0.2以上である新規芳香族ポ
リスルホンであることを特徴とし、その製造方法は二つ
考えられる。
2.第一の製造方法は、一般式(III) (ただし、XはハロゲンでR5,R6は水素,炭素数1〜8
の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原子を示
し互いに同一又は異なってもよい。a,bはそれぞれ1〜
4の整数を表し互いに同一又は異なってもよい。)で示
されるジハロジフェニルスルホン化合物と一般式(IV)
て示される二価フェノール 及び一般式(V)で示される二価フェノールの混合物に (ただし、R1,R2,R3,R4,R7,R8,R9,R10は、水素,炭素数
1〜8の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原
子を示し互いに同一又は異なってもよい。) アルカリ金属炭酸塩の存在下、溶媒中で反応させるこ
とを特徴とする前記1.記載の新規芳香族ポリスルホンの
製造方法である。
3.第二の製造方法は、一般式(III)で示されるジハロ
ジフェニルスルホン化合物と (ただし、XはハロゲンでR5,R6は水素,炭素数1〜8
の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原子を示
し互いに同一又は異なってもよい。a,bはそれぞれ1〜
4の整数を表し互いに同一又は異なってもよい。)一般
式(IV)で示される二価フェノール及び 一般式(V)で示される二価フェノールの混合物 (ただし、R1,R2,R3,R4,R7,R8,R9,R10は、水素,炭素数
1〜8の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原
子を示し互いに同一又は異なってもよい。) アルカリ金属塩形成剤を反応させて得られる二価フェ
ノールアルカリ金属二塩とを溶媒中で反応させることを
特徴とする前記1.記載の新規芳香族ポリスルホンの製造
方法である。
4.一般式(II)のR7,R8,R9,R10が水素原子またはメチル
基またはターシャリーブチル基である前記1.記載の新規
芳香族ポリスルホン。5.一般式(V)のR7,R8,R9,R10
水素原子またはメチル基またはターシャリーブチル基で
ある前記2.又は3.記載の新規芳香族ポリスルホンの製造
方法である。
本発明は、一般式(III)で表わされるジハロジフェ
ニルスルホン化合物としては、ビス(4−クロロフェニ
ル)スルホン,ビス(4−フルオロフェニル)スルホ
ン,ビス(4−ヨードフェニル)スルホン,ビス(2−
クロロフェニル)スルホン,ビス(2−フルオロフェニ
ル)スルホン,ビス(2−メチル−4−クロロフェニ
ル)スルホン,ビス(3,5−ジメチル−4−クロロフェ
ニルスルホン,ビス(3,5−ジメチル−1−フルオロフ
ェニル)スルホン等を挙げることができ、これらは、単
独でも2種以上の混合物としても使用できる。ジハロジ
フェニルスルホン化合物として特に好ましいものとして
ビス(4−クロロフェニル)スルホン,ビス(4−フル
オロフェニル)スルホンを挙げることが出来る。
また、本発明の一般式(IV)で表わされるビスフェノ
ールとしては、1,3−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソ
プロピリデンフェニル)ベンゼン,1,3−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチル−1−イソプロピリデンフェニル)
ベンゼン,1,3−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
−1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼン,1,3−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ターシャリブチル−1−イソプ
ロピリデンフェニル)ベンゼン等を挙げることが出来、
特に好ましいものとして1,3−ビス(4−ヒドロキシ−
1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼンを挙げること
が出来る。
また、本発明の一般式(V)で表わされるビスフェノ
ールとしては、1,4−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソ
プロピリデンフェニル)ベンゼン,1,4−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチル−1−イソプロピリデンフェニル)
ベンゼン,1,4−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
−1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼン,1,4−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ターシャリブチル−1−イソプ
ロピリデンフェニル)ベンゼン等を挙げることが出来、
特に好ましいものとして1,4−ビス(4−ヒドロキシ−
1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼンを挙げること
が出来る。
本発明は、一般式(I)の繰り返し単位1個または複
数個が直鎖状に連結して成る連結鎖と一般式(II)の繰
り返し単位1個または複数個直鎖状に連結して成る連結
鎖が互いに無秩序又は、秩序を持って直鎖状に結合し構
成され、また、一般式(I)のモル分率は、1〜100モ
ル%であり、好ましくは5〜100モル%である。一般式
(I)のモル分率が1モル%未満のものであると得られ
る芳香族ポリスルホンの流動性は悪くなる。
本発明の重合体は、粘度測定溶媒をN,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMAC)にし、25℃における還元粘度(ηsp
/c)が0.2以上であるような重合体である。ηsp/cが0.2
未満である重合体は耐熱性,耐溶剤性が低下する。
次に本発明の重合体は、更に詳しくは、以下に述べる
いずれかの実施態様においても製造することができる。
例えば、 イ) 有機極性溶媒中で、二価フェノールにアルカリ金
属塩形成剤をそのまま、もしくは、水溶液の状態で反応
させ系中の水分を加熱もしくは、共沸脱水溶剤を添加し
て、共沸脱水反応により除去したのち、ジハロジフェニ
ルスルホン化合物を添加して、所定温度にて重合させる
方法。
ロ) 有機極性溶媒中で、二価フェノールにアルカリ金
属塩形成剤をそのまま、もしくは、水溶液の状態で反応
させ、これに、共沸脱水溶剤およびジハロジフェニルス
ルホン化合物を添加して、所定温度にて、共沸脱水させ
ながら重合させる方法。
ハ) 有機極性溶媒中に、別途合成した二価フェノール
のアルカリ金属二塩とジハロジフェニルスルホン化合物
を仕込み、所定温度にて重合させる方法。
ニ) 有機極性溶媒中に、二価フェノール,ジハロジフ
ェニルスルホン化合物及びアルカリ金属炭酸塩を仕込
み、所定温度に昇温し、生成水を脱留去させながら重合
させる方法。
ホ) 有機極性溶媒中に、二価フェノール,ジハロジフ
ェニルスルホン化合物及びアルカリ金属炭酸塩を仕込
み、これに、共沸脱水溶剤を加えて所定温度にて共沸脱
水させながら重合させる方法。
などがあり、これらに限定されるものではないが本発明
の重合体の製造方法として前記2.又は3.の製造方法が好
ましい。
本発明において用いられるジハロジフェニルスルホン
化合物の使用量は、二価フェノールに対して90〜110モ
ル%の範囲内で使用するのが好ましい。より高分子量の
ポリマーを得る為には、95〜105モル%の範囲内で使用
するのが好ましい。
本発明において用いられる二価フェノールのアルカリ
金属二塩形成剤としては、二価フェノールと反応して二
価フェノールのアルカリ金属二塩を形成するものであれ
ば特に制限はないが、そのようなものの例として、アル
カリ金属,アルカリ金属水素化物,アルカリ金属水酸化
物,アルカリ金属硫化物,アルカリ金属硫化水素化物,
アルカリ金属アルコキシドなどを掲げることができる。
この中でも安価で、しかも反応性の高いアルカリ金属水
酸化物、特に、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムを用
いるのが好ましい。
本発明において用いられる二価フェノールのアルカリ
金属二塩形成剤の使用量は二価フェノールの水酸基1つ
に対して、反応するアルカリ金属原子が実質上1つ存在
する量で用いるのが好ましい。具体的には、二価フェノ
ールの水酸基1molに対して二価フェノールのアルカリ金
属二塩形成剤は0.95mol〜1.05molの範囲内で用いられ
る。この範囲より少ない場合には高分子量のポリマーが
得られにくく、一方この範囲より多い場合には、重合中
に副反応が生じて生成ポリマーの物性の低下や着色度が
大きくなって好ましくない。
本発明において用いられるアルカリ金属炭酸塩として
は、好ましくはフェノールと反応してフェノールのアル
カリ金属塩を形成しうるもので、具体的には炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウム,炭酸セシウムで
ある。特に好ましくは、炭酸カリウムもしくは炭酸ナト
リウムである。所望なら水和炭酸塩も使用出来るが、ア
ルカリ金属炭酸塩は無水のものが好ましい。また炭酸水
素カリウムもしくは炭酸水素ナトリウムも下記の理由に
より用いることが出来る。
本発明において用いられるアルカリ金属炭酸塩の使用
量は、二価フェノールもしくはハロフェノールとアルカ
リ金属炭酸塩との反応によって生成したアルカリ金属炭
酸塩を完全に分解するに十分高い反応温度で反応させる
のに依存する。アルカリ金属重炭酸塩の熱分解反応例を
次式(1)(2)に示す。
重炭酸カリウムは100〜200℃の範囲で分解し、重炭酸
ルビジウム及びセシウムは175℃で分解する。重炭酸ナ
トリウムは幾分安定であるが、270℃で分解する。重炭
酸リチウムはどの様な条件下でも分解しない。重炭酸塩
の分解が殆ど或いは全く起こらない場合には二価フェノ
ール1モルに対して少なくとも2モルのアルカリ金属炭
酸塩を使用しなければならない。しかしながら、反応温
度が上記重炭酸塩を実質上完全に分解するのに十分であ
れば、使用するアルカリ金属炭酸塩の量は二価フェノー
ル1モルに対して約1モル用いればよい。特に高分子量
ポリマーを得る為に、及び重合反応速度を高める為に
は、0.5〜200モル%過剰の炭酸塩を用いることが好まし
い。アルカリ金属炭酸塩の使用量が少ない場合にはフェ
ノールのアルカリ金属塩の生成反応が完了せず、フリー
なフェノール基の為に低分子量の生成物しか得られない
ので好ましくない。
本発明において用いられる溶媒としては、重合温度に
おいてアルカリの存在下において安定でしかも、二価フ
ェノール,ジハロジフェニルスルホン化合物及び生成重
合体に対する溶解性が高いものであれば、特に制限はな
いが、そのようなものの例として、N,N−ジメチルホル
ムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−
ピロリドン,1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン,ジ
メチルスルホキシド,スルホラン,ジフェニルスルホ
ン,クロロベンゼン,ジクロロベンゼンなどを掲げるこ
とが出来るが、これに限定されるものではない。
本発明において用いられる共沸脱水溶剤としては、水
と共沸して、共沸混合物を形成するもので、例えば、ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,クロロベンゼン,モノク
ロロエタン,ジクロロエタン,トリクロエタン,テトラ
クロロエタン,モノクロロエチレン,ジクロロエチレ
ン,トリクロロエチレンなどを掲げることができるが、
これに限定されるものではない。
本発明において重合反応温度は、反応原料成分の種
類,重合反応の形式等により変化するが、通常80〜400
℃の範囲であり、好ましくは100〜350℃の範囲で実施さ
れる。上記の温度範囲より反応温度が低い場合は、目的
とする重合反応は殆ど実用に耐える速度で進行せず、必
要とする分子量の重合体を得ることは困難である。一
方、上記の範囲より反応温度が高い場合は、目的とする
重合反応以外の副反応が無視できなくなり、得られる重
合体の着色も著しくなる。また、反応は一定の温度で実
施してもよいし、温度を徐々に変化させるか、又は温度
を段階的に変化させてもよい。
本発明の方法において、重合反応に要する時間は反応
原料成分の種類,重合反応の形式,反応温度などにより
大幅に変化するが、通常は10分〜100時間の範囲であ
り、好ましくは30分〜24時間の範囲で実施される。
本発明の方法において反応を実施する際の反応雰囲気
としては、酸素が存在しないことが好ましく、窒素もし
くはその他の不活性ガス中で行うと良い結果が得られ
る。二価フェノールのアルカリ金属塩は酸素の存在下で
加熱すると酸化されやすく、目的となる重合反応が妨げ
られ高分子量化が困難になる他、生成重合体の着色の原
因ともなる。
本発明の方法において重合反応を停止させるには通常
反応物を冷却すればよい。しかしながら、重合体の末端
に存在する可能性のあるフェノキサイド基を安定化させ
るために、脂肪族ハロゲン化物,芳香族ハロゲン化物等
を添加反応させることも必要に応じ実施される。上記ハ
ロゲン化物の具体的な代表例としては、メチルクロライ
ド,エチルクロライド,メチルブロマイド,4−クロロジ
フェニルスルホン,4−クロロベンゾフェノン,4,4′−ジ
クロロジフェニルスルホン,p−クロロニトロベンゼン等
を挙げることが出来る。
重合反応終了後の重合体の分離及び精製においては公
知の方法を適用できる。例えば、反応溶媒中に析出した
塩(アルカリハライド)及び過剰のアルカリ金属塩形成
剤もしくは、過剰のアルカリ金属炭酸塩をろ別した後、
ろ液である重合体溶液を通常は重合体の非溶媒に滴下す
るか、逆に重合体の非溶媒を重合体溶液中に加えること
により、目的とする重合体を析出させることが出来る。
重合体の非溶媒として通常用いられるものの代表例とし
ては、メタノール,エタノール,イソプロパノール,ア
セトン,メチルエチルケトン,水等を挙げることが出来
るが、これらは単独でも、二種以上の混合物として使用
してもよい。
本発明によって得られる重合体は、その優れた耐熱
性,熱安定性,流動性,高い機械強度等により、電気絶
縁用途,耐熱部品,調理用具,コーティング材料,精密
部品等に、さらには光学樹脂としても使うことが出来
る。
本発明を以下の実施例及び比較例にて詳細に説明する
が、これをもって本発明を制限するものではない。
(実施例) 実施例1 攪はん機,ガス導入管,温度計及び先端に受器を付し
た凝縮器とを備えた1SUS316フラスコ内に、1,3−ビ
ス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデンフェニル)
ベンゼン34.63gと1,4−ビス(4−ヒドロキシ−1−イ
ソプロピリデンフェニル)ベンゼン34.63gと無水炭酸カ
リウム55.28gと4,4−ジクロロジフェニルスルホン58.57
g及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)300gを仕込み
窒素置換を行った。次に窒素雰囲気下、攪はん及び昇温
を開始し、約1時間かけて系内温度をDMACの沸点である
166℃まで昇温し、この温度で約60gのDMACを約2時間か
けて留出させた。このに中に約3.6gのH2Oを含まれてい
た。その後、還流温度で、更に4時間反応を続けた。反
応終了後、反応液を100℃まで冷却し、反応液中に析出
した塩化カリウム等をろ別除去し、ろ液を室温まで冷却
した。次にこのろ液を多量のメタノール中に注いでポリ
マーを析出させた。ポリマーをろ別し、水洗を数回行っ
た後、減圧下にて150℃で加熱乾燥をした。得られたポ
リマーの還元粘度は0.50(25℃,DMF中,1重量%)であっ
た。また、前記式(I)及び(II)の組成比(モル分
率)は1H−NMRより50/50であることがわかった。
実施例2 1,3−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデン
フェニル)ベンゼン62.33gと1,4−ビス(4−ヒドロキ
シ−1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼン6.93gを
用いる以外は、実施例1と同様である。
得られたポリマーの還元粘度は、0.53(25℃,DMF中,1
重量%)であった。また、前記式(I)及び(II)の組
成比(モル分率)は1H−NMRより90/10であることがわか
った。
実施例3 1,3−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデン
フェニル)ベンゼン6.93gと1,4−ビス(4−ヒドロキシ
−1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼン62.33gを用
いる以外は、実施例1と同様である。
得られたポリマーの還元粘度は、0.48(25℃,DMF中,1
重量%)であった。また、前記式(I)及び(II)の組
成比(モル分率)は1H−NMRより10/90であることがわか
った。
実施例4 ビスフェノールとして1,3−ビス(4−ヒドロキシ−
1−イソプロピリデンフェニル)ベンゼン69.30gのみを
用いる以外は、実施例1と同様である。
得られたポリマーの還元粘度は、0.48(25℃,DMF中,1
重量%)であった。また、IR,1H−NMRより前記式(I)
で表わされる芳香族ポリスルホンであることが確認でき
た。
実施例5 1,4−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデン
フェニル)ベンゼンの代わりに1,4−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチル−1−イソプロピリデンフェニル)ベ
ンゼン37.45gを用いること以外は、実施例1と同様であ
る。
得られたポリマーの還元粘度は、0.44(25℃,DMF中,1
重量%)であった。また、前記式(I)及び(II)の組
成比(モル分率)は1H−NMRより50/50であることがわか
った。
実施例6 1,4−ビス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデン
フェニル)ベンゼンの代わりに1,4−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチル−1−イソプロピリデンフェニ
ル)ベンゼン40.25gを用いること以外は、実施例1と同
様である。
得られたポリマーの還元粘度は、0.43(25℃,DMF中,1
重量%)であった。また、前記式(I)及び(II)の組
成比(モル分率)は1H−NMRより50/50であることがわか
った。
実施例7 攪はん機,ガス導入管,熱電対,蒸留トラップ及び還
流冷却器を備えた1SUSフラスコ中に、ジメチルスル
ホキシド130g及びクロルベンゼン共沸混合物形成剤400g
を仕込んだ。ジメチルスルホキシド対クロルベンゼンの
比率は、1:3.1であった。次いで、反応フラスコに1,3−
ビス(4−ヒドロキシ−1−イソプロピリデンフェニ
ル)ベンゼン34.63gと1,4−ビス(4−ヒドロキシ−1
−イソプロピリデンフェニル)ベンゼン34.63g及び4,
4′−ジクロロジフェニルスルホン58.57gを同時に仕込
んだ。約75℃まで加熱したあと、49%の水酸化ナトリウ
ム水溶液43.0gを滴下漏斗から加えた。次に、反応液を1
20℃まで加熱すると、水−クロロベンゼン水沸混合物が
留出しはじめた。共沸混合物の蒸留を約30分間継続し、
温度が140℃まで徐々に上昇するとこの点で系中の全て
の水が本質的に除去された。約20分間にわたって温度を
徐々に約170℃まで高め過剰の共沸混合物形成剤を除去
した。この点において、ジメチルスルホキシド対クロル
ベンゼンの比率は、4:1であった。反応物の温度を150〜
160℃まで低下させ、この温度に約1時間かき混ぜなが
ら保った。次に、ガス状塩化メチルをもはや吸着されな
くなるまで導入した。その混合物にクロロベンゼンを添
加することにより、10〜15%固形分まで希釈した。副生
塩化ナトリウムをろ過で除去した後、ろ液を大量のメタ
ノール中に注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ
別し、水洗を数回行った後、減圧下にて、150℃で加熱
乾燥した。得られたポリマーの還元粘度は0.50(25℃,D
MF中,1重量%)であった。前記式(I)及び(II)の組
成比(モル分率)は1H−NMRより50/50であることがわか
った。
(発明の効果) 本発明の新規な芳香族ポリスルホン重合体は、耐熱
生、溶融流動性及び耐溶剤性に優れている。特に、溶融
流動性が優れていることから精密成形品用の樹脂として
有用である。
また、共重合組成を変えることにより得られる重合体
のガラス転移温度を適宜変化させることが出来、多様な
耐熱性の重合体を得ることが出来る。
本発明における製造方法は、高分子量の新規な芳香族
ポリスルホン重合体を高収率で製造することが出来る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) で示される繰り返し単位のモル分率が1〜100モル%で 一般式(II) で示される繰り返し単位のモル分率が99〜0モル%(式
    中R1〜R10は水素,炭素数1〜8の直鎖状または分岐状
    の炭化水素基,ハロゲン原子を示し互いに同一又は異な
    ってもよい。a,bはそれぞれ1〜4の整数を表し互いに
    同一又は異なってもよい。)であり該ポリマーの還元粘
    度(ηsp/c)が25℃において0.2以上である新規芳香族
    ポリスルホン。
  2. 【請求項2】一般式(III) (ただし、XはハロゲンでR5,R6は水素,炭素数1〜8
    の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原子を示
    し互いに同一又は異なってもよい。a,bはそれぞれ1〜
    4の整数を表し互いに同一又は異なってもよい。)で示
    されるジハロジフェニルスルホン化合物と一般式(IV)
    で示される二価フェノール 及び一般式(V)で示される二価フェノールの混合物に (ただし、R1,R2,R3,R4,R7,R8,R9,R10は、水素,炭素数
    1〜8の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原
    子を示し互いに同一又は異なってもよい。) アルカリ金属炭酸塩の存在下、溶媒中で反応させて得ら
    れる前記特許請求の範囲第1項記載の一般式(I)及び
    (II)で表される新規芳香族ポリスルホンの製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(III)で示されるジハロジフェニ
    ルスルホン化合物と (ただし、XはハロゲンでR5,R6は水素,炭素数1〜8
    の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原子を示
    し互いに同一又は異なってもよい。a,bはそれぞれ1〜
    4の整数を表し互いに同一又は異なってもよい。) 一般式(IV)で示される二価フェノール及び 一般式(V)で示される二価フェノールの混合物に (ただし、R1,R2,R3,R4,R7,R8,R9,R10は、水素,炭素数
    1〜8の直鎖状または分岐状の炭化水素基,ハロゲン原
    子を示し互いに同一又は異なってもよい。) アルカリ金属塩形成剤を反応させて得られる二価フェノ
    ールアルカリ金属二塩とを溶媒中で反応させて得られる
    前記特許請求の範囲第1項記載の一般式(I)及び(I
    I)で表される新規芳香族ポリスルホンの製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(II)のR7,R8,R9,R10が水素原子ま
    たはメチル基またはターシャリーブチル基である前記特
    許請求の範囲第1項記載の新規芳香族ポリスルホン。
  5. 【請求項5】一般式(V)のR7,R8,R9,R10が水素原子ま
    たはメチル基またはターシャリーブチル基である前記特
    許請求の範囲第2項又は第3項記載の新規芳香族ポリス
    ルホンの製造方法。
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