JP2550805Y2 - 温水洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は便座に着座した便器使用者の臀部に温水を噴
出して該臀部の洗浄を行なうための温水洗浄装置に関す
る。詳しくは、本考案は湯と水とをミキシングバルブに
て混合して所定温度の混合水とし、この混合水を洗浄ノ
ズルに供給するようにした温水洗浄装置において、洗浄
開始直後から適温の温水が噴出されるよう改良された温
水洗浄装置に関する。

［従来の技術］ この種の従来の温水洗浄装置の構成について第４図を
参照して説明する。

第４図において、給湯管１と給水管２とがストレーナ
３、４及び逆止弁５、６を介してミキシングバルブ７に
接続されている。このミキシングバルブ７は、その内部
に感温エレメントを備えたサーモスタットミキシングバ
ルブであり、該感温エレメントが伸縮することにより、
目標とする温度の混合水となるように湯水の混合割合が
自動的に調整される。

ミキシングバルブ７の混合水流出口は配管7a、８、９
を介してシャワーノズル10及びチャームノズル11に接続
されている。シャワーノズル10は男女兼用の洗浄ノズル
であり、チャームノズル11は女性専用の洗浄ノズルであ
る。これら配管８、９はそれぞれ操作バルブ12、13を介
してシャワーノズル10とチャームノズル11の給湯口14、
15に接続されている。なお、12a、13aはバルブのハンド
ルを示す。

前記操作バルブ12、13よりも下流側の配管８、９から
別の配管8a、9aが分岐しており、これら配管8a、9aはシ
ャワーノズル10とチャームノズル11の後端開口16、17に
接続されている。さらに、これら配管8a、9aからは配管
8b、9bが分岐しており、これら配管8b、9bの先端開口は
シャワーノズル10、11の先端部分の先端部分において開
口している。

なお、シャワーノズル10とチャームノズル11とは、そ
れぞれシリンダ18、19から突出自在なノズル本体20、21
と、該ノズル本体20、21をシリンダ18、19内に後退する
方向に付勢するリターンスプリング22、23と、ノズル本
体20、21に設けられた連通孔24、25等を備えて構成され
ている。

このように構成された温水洗浄装置において、シャワ
ー操作バルブ12を開弁させると、給湯管１及び給水管２
からの湯及び水はそれぞれミキシングバルブ７内に流れ
込んで混合される。適温となった混合水は配管８からシ
ャワーノズル10に送られる。この場合、まず配管8aから
後端開口16に給水圧が伝達され、ノズル本体20がシリン
ダ18から突出される。

ノズル本体20が所定位置まで前進すると、ノズル本体
20の内部が連通孔24を介して給湯口14と連通し、配管８
内の混合水がノズル本体20内に流れ込み、該ノズル本体
20の先端から人体臀部に向けて噴出される。なお、混合
水の一部は配管8bの先端から放出され、ノズル本体20の
外周面の洗浄が行なわれる。

シャワー操作バルブ12を閉弁操作すると、ノズル本体
20からの温水噴出が停止されると共に、リターンスプリ
ング22の付勢力によりノズル本体20がシリンダ18内に後
退する。この際、シリンダ18内に残留していた水はノズ
ル本体20に押され、配管8a、8bを通って該配管8bの先端
から放出される。

チャーム操作バルブ13が開弁操作された場合も、同様
にノズル本体21が前進し、連通孔25が給湯口15と一致す
るとノズル本体21の先端から混合水の噴出が行なわれ
る。チャーム操作バルブ13を閉弁すると、ノズル本体21
から温水の噴出が停止されると共に、ノズル本体21がシ
リンダ19内に後退する。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の温水洗浄装置においては、洗浄開始直後に
あっては、ミキシングバルブ７や配管7a内に残留してお
り、それ故に該ミキシングバルブ７の目標混合水温度よ
りも低温の水がシャワーノズル10、チャームノズル11に
供給される。このため、便器使用者の臀部に低温水がか
けられることになり、使用者が驚くなど使用感に劣るも
のとなっていた。（以下、このように洗浄初期に生ずる
低温水を初期低温水ということがある。） この対策として、便座への着座時にミキシングバルブ
７や配管7a内の残留水の水温が低いときには、この低温
水を便鉢に流すことが考えられる。ところが、このよう
に便鉢に初期低温水を排出するようにした場合には、便
鉢内の跳ね返り水が使用者にかかるおそれがある。ま
た、使用者が着座しただけで水の流通が開始するので、
当該使用者が温水洗浄装置に何らかの故障が生じたので
はないかと誤解するおそれもある。さらに、低温水を便
鉢に流すためには排出管の端部が便鉢に臨むことになる
が、尿や跳ね返り水がこの排出管の端部に掛り、排出管
内を逆流したり拡散侵入したりして内部汚染をひき起こ
すおそれがある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の温水洗浄装置は、便器の着座者の臀部に向っ
て温水を噴出する洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに供給流
路を介して接続されており、湯と水とを混合して所定温
度の混合水を供給するミキシングバルブと、該供給流路
から分岐しており、供給流路内の水を便器以外の箇所に
設けられた排水口又は排水管に直接に導く分岐流路と、
便座の着座者を検出する着座者検出手段と、該着座者検
出手段が着座者を検出したときに該供給流路内の水温が
所定温度よりも低い場合には該供給流路内の水を前記分
岐流路に流す流路切替器とを備える。

［作用］ かかる本考案の温水洗浄装置においては、便座に人が
座ったときにミキシングバルブからの混合水が低温であ
るときには、この低温水は分岐流路から便器以外の箇所
に設けられた排水口又は排水管に直接に廃棄される。な
お、ミキシングバルブからの混合水が所定温度よりも高
いときには、便器使用者の装置使用操作に伴なって混合
水が洗浄ノズルに供給される。

このように、初期低温水が便器以外の箇所に設けられ
た排水口又は排水管に直接に排出され、便鉢には排出さ
れないので、跳ね返り水が便器使用者にかかったり、便
器使用者が故障と誤認することもない。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る温水洗浄装置の構成を
示す系統図、第２図は温水洗浄装置を組み込んだ便器を
備えるトイレルームの縦断面図である。

図に示す如く、ミキシングバルブ７の出湯口に接続さ
れた配管7aの途中に電磁弁よりなる二方弁26が設けられ
ている。また、この二方弁26の下流側にはチャンバ27が
設置され、該チャンバ27に水温センサ28が設けられてい
る。このチャンバ27からは配管29、30が引き出されてお
り、配管29はその途中から配管８、９に分岐している。
また、配管30は、その先端部分がトイレルーム内の排水
口60（本実施例ではトイレ付きバスルームの排水溝61の
トラップ62の部分）内に開口している。該配管30の途中
には電磁弁よりなる二方弁32が設けられている。

前記二方弁26は便座33の着座スイッチ34により開閉駆
動される。また、二方弁32は水温センサ28の検出信号に
よって作動されるリレー35により開閉される。

なお、第２図において便器31はトイレルーム内のカウ
ンター36に取り付けられており、給湯管１及び給水管２
は該カウンター36内を引き通されている。便器31の上面
には便座ボックス37が設けられており、便座ボックス37
内には前記ストレーナ３、４、ミキシングバルブ７、二
方弁26、32、シャワー操作バルブ12、チャーム操作バル
ブ13等が設置されている。なお、これらバルブ12、13の
操作ハンドル12a、13aは、便座ボックス37の外面に突出
して設置されている。また、便鉢32の後面部分に前記シ
ャワーノズル10、及びチャームノズル11が取り付けられ
ている。

第２図の符号38は便蓋を示し、39はトラップ部を示
す。図示はしないが、便器31には別の給水管が接続され
ており、便器31のリム通水路40に洗浄水を供給を可能と
している。便器31の排水口41には排水管（図示略）が接
続されている。防水パン61の排水口60にトラップ62が設
けられている。

第１図のその他の符号は第４図に示すものと同一部分
を示している。

なお、前記着座スイッチ34は便座ボックス37内の便座
33の枢支用ヒンジ部分に設けられるか、あるいは便座33
の下面に設けられる。

このように構成された温水洗浄装置において、便器31
の使用者が便座33に着座すると、着座スイッチ34がオン
となり、二方弁26が開弁する。これにより、給湯管１及
び給水管２からの湯及び水がミキシングバルブ７内に流
れこみ、混合水が配管7aを通ってチャンバ27内に流れ込
む。なお、二方弁32はこの初期状態にあっては開弁状態
にされている。センサ28で検出される混合水の温度が所
定温度（例えば35℃）よりも低い時には、リレー35は二
方弁32を閉弁作動させず、この開弁状態が継続する。こ
のため、ミキシングバルブ７からの低温の混合水は配管
30から排水口60内に廃棄される。

混合水の温度が次第に上昇し、所定温度（例えば35
℃）よりも高くなると、リレー35は二方弁32を閉弁作動
させる。そうすると、混合水の水圧がノズル10、11側に
かかることになる。従って、この状態において、シャワ
ー操作バルブ12又はチャーム操作バルブ13ヲ開弁操作す
ることにより、シャワーノズル10又はチャームノズル11
からの温水が噴出される。操作バルブ12、13の開放操作
及び閉弁操作に伴うシャワーノズル10及びチャームノズ
ル11の作動は第４図に示した従来例と同様である。

このように、本実施例にあっては、ミキシングバルブ
７や配管7a内に残留していた低温の水はシャワーノズル
10、チャームノズル11には供給されないことになり、洗
浄開始直後から適温の混合水が人体臀部に向って噴出さ
れるようになる。しかも、本実施例にあっては、初期低
温水が排水口60に直接に排出されるので、便鉢内での水
の跳ね返りや、便器使用者が故障と誤認するおそれもな
い。加えて、本実施例にあっては、配管30の先端がカウ
ンター36内において排水口60に臨んでいるので、初期低
温水が流出することが便器使用者によって全く視覚され
ない。このため、この初期低温水の流出を視覚すること
による誤認（温水洗浄装置が故障したり誤作動したと思
い込むこと）が確実に防止される。もちろん、排出用の
配管30が視覚されないから見栄えもきわめて良い。

なお、配管29、８、９、ノズル10、11内に残留してい
た水は、洗浄開始直後に人体臀部に向って噴出される。
しかしながら、これら配管やノズル内に残留する水はき
わめて少量であると共に、これら残留水の後には適温の
混合水が供給されるので、人体臀部に注ぎかけられる低
温水はきわめて微量であり、注ぎかけられる時間もきわ
めて短い。従って、この実施例によると、洗浄開始直後
から実質的に適温の混合水のみが人体臀部に注ぎかけら
れるようになり、きわめて快適な臀部洗浄が可能であ
る。

第１図の実施例では、チャンバ27から配管29が引き出
され、この配管29が配管８、９に分岐しているが、本考
案にあってはチャンバ27に配管８、９を直接に接続する
ようにしても良い。また、本考案にあっては、センサ28
付きのチャンバ27を二方弁26よりも上流側に配置しても
良い。ただし、第１図の如くチャンバ27を二方弁26の下
流側に配置すると、該チャンバ27からノズル10、11に至
る管路が短くなり、それだけ該管路内の残留水が少なく
なるという効果が選られる。

第３図は本考案の別の実施例に係る温水洗浄装置の系
統図である。本実施例では、配管7aにセンサ28付きのチ
ャンバ27が設置され、チャンバ27の下流側に電磁弁より
なる三方弁42が設置されている。チャンバ27に設置され
た水温センサ28の検出信号と着座スイッチ34の検出信号
はリレー43に入力されており、このリレー43からの制御
信号により、三方弁42の流路切り換えが行なわれる。

第３図の実施例装置において、便座に人が着座してい
ないときには、着座スイッチ34はオフとなっており、水
温センサ28の検出信号の如何にかかわらず、三方弁42は
配管7aと配管29、30との連通を阻止している。従って、
ミキシングバルブ27からの混合水の流出は停止状態にあ
る。

便座に人が座ると着座スイッチ34はオンとなる。そう
すると、三方弁42は水温センサ28の検出温度に従って、
配管7aと配管29、30の一方とを連通させる。通常の場
合、チャンバ27内の残留水の水温は所定温度よりも低い
ものとなっており、三方弁42は配管7aと配管30とを連通
させる。これにより、チャンバ27、配管7a、ミキシング
バルブ７内の低温の残留水は配管30から排水口60に廃棄
される。水温センサ28の検出温度が所定温度以上になる
と、三方弁42は配管7aと配管29とを連通させ、ノズル1
0、11へ混合水を供給可能な状態となる。この状態にお
いて、操作バルブ12、13を操作することによりシャワー
ノズル10、チャームノズル11による臀部洗浄操作が行わ
れる。操作バルブ12、13の開放及び閉弁に伴うノズル1
0、11の作動は第４図の従来例と同様である。

第３図の実施例によっても、初期低温水が排水口に直
接に排出される。もちろん、臀部洗浄開始直後から適温
の温水が臀部に注ぎかけられるようになり、きわめて快
適な臀部洗浄が行なえる。

第５図はさらに別の実施例を示すものであり、前記配
管7aと配管29、30との分岐部に感温弁50が設置されてい
る。この感温弁は、水温に応じて伸縮する感温弁体を内
蔵しており、水温が所定水温よりも低いときには配管7
a、30を連通させ、水温が所定温度よりも高いときには
配管7a、29を連通させる。その他の構成は第１図と同様
である。本実施例によっても、初期低温水が排水口60に
直接に排出される。

なお、第６、７図は本考案の装置を組み込んだ便器を
有するユニットバストイレルーム70の内部正面図及び平
面図である。このユニットバストイレルーム70内には浴
槽71、便器72、カウンター73、洗面器74等が設置されて
おり、便器72の上面には便座ボックスタイプの温水洗浄
装置75が設置されている。76は給水管、77は給湯管、78
は電源コードを示す。このカウンター73の前面パネル73
aよりも奥側の位置において、防水パン79に排水口80が
設けられ、該排水口80に排水トラップ81が取り付けられ
ている。前記温水洗浄装置75から延設された初期低温水
排出用の配管（図示略）の先端はこの排水口80に臨んで
おり、初期低温水を直接に排水口80へ排出するよう構成
してある。

もちろん、第６、７図は本考案の一例であり、本考案
は図示以外のユニットバストイレルームにも適用できる
ことは明らかである。

上記実施例では排水口（排水溝）に初期低温水を排出
しているが、排水管に排出するようにしても良い。

［効果］ 以上の通り、本考案の温水洗浄装置によると、洗浄開
始直後から適温の混合水が人体臀部に向って噴出される
ようになり、きわめて快適な臀部洗浄を行なうことが可
能とされる。また、初期低温水が便器以外の箇所に設け
られた排水口又は排水管に直接に排出され、便鉢には排
出されないので、跳ね返り水が便器使用者にかかった
り、便器使用者が故障と誤認することもない。さらに、
初期冷水を便鉢内に排出するための排出管がないため、
排出管に尿や跳ね返り水が排出管にかかることがなく、
排出管内に尿や跳ね返り水が逆流あるいは拡散侵入して
汚染することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る温水洗浄装置の系統図、
第２図は実施例装置を備えた便器の側面図、第３図は別
の実施例に係る温水洗浄装置の系統図、第４図は従来の
温水洗浄装置の系統図である。第５図はさらに別の実施
例を示す系統図である。第６図はユニットルームの正面
図、第７図は同平面図である。 １……給湯管、２……給水管、３、４……ストレーナ、
５、６……逆止弁、７……ミキシングバルブ、８、９…
…配管、10……シャワーノズル、11……チャームノズ
ル、20、21……ノズル本体、26、32……二方弁、27……
チャンバ、28、水温センサ、31……便器、32……便鉢、
33……便座、34……着座スイッチ、35……リレー、42…
…三方弁、60……排水口。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】便器の着座者の臀部に向って温水を噴出す
   る洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに供給流路を介して接続
   されており、湯と水とを混合して所定温度の混合水を供
   給するミキシングバルブと、該供給流路から分岐してお
   り、供給流路内の水を便器以外の箇所に設けられた排水
   口又は排水管に直接に導く分岐流路と、便座の着座者を
   検出する着座者検出手段と、該着座者検出手段が着座者
   を検出したときに該供給流路内の水温が所定温度よりも
   低い場合には該供給流路内の水を前記分岐流路に流す流
   路切替器とを備えてなる温水洗浄装置。