JP2550353B2 - 半導体膜形成方法 - Google Patents

半導体膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Ge半導体薄膜を形成する方法に関するもの
であり、特に、原子層オーダで膜厚が制御可能なGe半導
体薄膜の形成方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、IV族半導体であるGeの薄膜を基板上に形成する
場合は、分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を用
い、真空中でGeの元素を加熱して蒸発させ、基板上に堆
積する方法、あるいは、CVD装置等を用い、GeH4ガス等
を基板上に導入し、熱分解または光分解によりGeの半導
体膜を堆積させる方法が用いられている。このような方
法でGe薄膜を形成する場合の膜厚の制御は、一般に、堆
積速度を一定にしておき堆積時間を調整することにより
行う。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このようなGe半導体膜形成方法において、所望の膜厚
を誤差無く得るためには、堆積速度を厳密に制御して正
確に一定にしておく必要がある。堆積速度の制御は、MB
Eを用いた場合は蒸着源の温度と基板温度を制御すれば
行うことができ、CVD法等を用いた場合はGeH4等の反応
ガスの分圧と基板温度等を制御すれば行うことができる
ので、理論上は堆積速度を一定にすることができる。し
かし、実際には基板温度や蒸着源の温度あるいはガスの
分圧等を正確に一定に保持することは難しく、したがっ
て、原子層オーダで所望の膜厚を得ることは困難であっ
た、また、従来方法による限り、たとえ原子層オーダで
の膜厚制御が可能となっても、第11図に示すように、基
板1上にGe原子2を1原子層だけ堆積することは困難で
あり、1原子層領域の他に、全く堆積されない領域や2
原子層以上堆積する領域が生じてしまう。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の半導体膜形成方法は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、Ge原子に対して解離しにくい基と解離
しやすい基または原子とを結合させたガスを基板表面に
供給し、前記解離しやすい基を脱離させることにより前
記解離しにくい基を有した状態で前記Ge原子を前記基板
表面に付着させる工程と、付着したGe原子が有する前記
解離しにくい基を脱離させる工程とを含むものである。
〔作用〕
Ge原子に対して解離しにくい基と解離しやすい基また
は原子とをそれぞれ結合させたガスを基板表面に導入
し、解離しやすい基または原子をGe原子から切り離す
と、解離しにくい基を残したままGe原子と基板とが結合
する。これにより、解離しにくい基が保護基としてつぎ
の層の堆積を阻止するため、1原子層の形成で反応が停
止する。1原子層形成後に、解離しにくい基を脱離すれ
ば、前記ガスを再び導入することにより、さらにつぎの
1原子層が重ねて形成される。
〔実施例〕
以下、実施例と共に本発明を詳細に説明する。
「実施例1」 第1図は本発明の半導体膜形成方法の第1の実施例を
示す模式図であり、Ge(C2H52H2ガスを用いた場合の
実施例を示す。
基板1としてSi、Ge、GaAs等の(100)面を用い、そ
の上にGe(C2H52H2ガス3を導入する(第1図
(a))。ここで、図中「Et」は、エチル基(C2H5基)
を示す。このとき、エチル基とGeとの結合力は強いため
解離しないが、GeとH原子(−H基)との結合力は弱い
ために、たとえば100〜300℃の温度で解離して基板1表
面にGe(C2H5)4が吸着する。このとき、Geは表面にエ
チル基を出した形で吸着するので、エチル基によりGeの
表面が覆われてエチル基が保護基として作用し、その上
でのGe(C2H52H2ガス3の分解反応は生じない。した
がって、Ge(C2H5)4の吸着は1原子層で自動的に停止
する(第1図(b))。
つぎに、未反応のGe(C2H52H2ガス3を排除した
後、基板1の温度を300℃以上に昇温すると、エチル基
5をGe表面から脱離させることができる(第1図
(c))。そして、脱離したエチル基5を排除すると、
Geが剥き出しの表面が得られる(第1図(d))。この
表面状態で再びGe(C2H52H2ガス3を表面に導入する
と、つぎのGe(C2H524′が1原子層吸収し、第2原子
層目のGeの半導体膜が形成される(第1図(e))。し
たがって、このプロセスを繰り返すことによって、1原
子層毎のGe膜形成ができることになる。
ところで、第1図(b)で、保護基となるエチル基
が、Ge 1原子当たり2つずつ結合しているモデルを用い
たが、第2図(a)に示すような、Ge 1原子当たり1個
のエチル基が結合した形であっても、エチル基が次の原
子層の形成を阻止できれば十分であることは言うまでも
ない。また、第2図(b)のように、表面のGe 1原子層
目が再配列を起こし、2個のGeがダイマー構造を作り、
エチル基を1個ずつ有した形となっても同様である。
つぎに、本実施例を具体的数値をもってさらに詳細に
説明する。
基板として、Siの(100)面またはGeの(100)面を用
い、石英製反応炉内に設置する。この反応炉内は、ター
ボ分子ポンプにより、初期に10-8Torr台以下の真空に排
気される。この基板1上にGe(C2H52H2ガス3を導入
し、一定時間後に導入を停止して真空に排気する。その
後、反応炉外からの赤外線照射ランプによって基板加熱
を行い、基板温度を30℃/分の一定速度で昇温しながら
基板1から脱離してくるガスを四重極質量分析器でモニ
タした。
第3図は、このときの基板から脱離してくるエチル基
の脱離量(ある時点までの脱離強度を昇温開始時から時
間で微分したもの)の基板温度依存性を示したものであ
る。400℃付近の温度からエチル基の脱離が始まり、数
分後に脱離しつくしてしまうことが判る。この脱離の始
まる温度は、初期のGe(C2H52H2ガス3の導入圧力、
導入時間、導入時の基板の温度に依存しないが、脱離総
量(第3図のグラフの飽和値に相当する)は、ガス導入
圧力、導入時間、導入時の基板温度に依存する。
第4図は、エチル基の脱離総量のガス導入量依存性を
示すグラフであり、ガス導入量をガス導入圧力と導入時
間の積で表し、10-6Torr・秒=1L(ラングミュア)と
し、単位として「L」を用いて表してある。ガス導入時
の基板温度TIは220℃とした。同図からわかるように、
ガス導入量が105L以上で脱離総量が飽和する。すなわ
ち、表面へのGe(C2H524の吸着が飽和していることを
示している。これは、Ge(C2H524の吸着が1原子層で
飽和していることに他ならない。
第5図は、脱離総量のガス導入時の基板温度TI依存性
を示すグラフである。ガス導入量は106L一定とした。同
図から明らかなように、TI=100℃〜300℃の広い範囲で
脱離総量が一定であることがわかる。これは、Ge(C
2H52H2ガス3からHが解離し、表面にGe(C2H524が
吸着する反応が100℃以下の基板温度から生じているこ
とを意味している。この実験で、ガス導入量を106Lより
多くしていけば、100℃以下の基板温度でも脱離総量の
減少は緩和されると考えられる。また、300℃以上で
は、脱離総量は減少する。これは、第3図に示したエチ
ル基の脱離が300℃以上でゆっくりと始まるためであ
る。この温度は、Ge(C2H52H2ガス3の熱分解による
連続的なGeの膜形成が300℃以上から生じる事実とも対
応している。なお、300℃以下ではGeの連続的な膜形成
がほとんど生じないことを確認している。
以上の結果をもとに、Ge(C2H52H2ガス3の導入と
排除(10-7Torr以下の圧力に排気)および基板温度の昇
降と降温のシーケンスを用いてこれを数百回繰り返し、
Ge基板上へのGeの1原子層毎の成長を試みた。第6図
(a)はこのときのガス圧力の時間変化を示し、同図
(b)は基板温度の時間変化を示している。各プロセス
の時間toを90秒とし、1サイクルに要する時間を360秒
とした。その結果、第6図のプロセスサイクルの繰り返
し数とGeの膜厚増加分とが比例すること、さらに1サイ
クル当たりのGeの膜厚増加分は、ほぼGeの1原子層の厚
さに相当することが確認できた。また、形成されたGe膜
はエピタキシャル成長していることが電子線回折で確か
められた。
第4図および第5図のデータから考えられると、第6
図のシーケンスで用いたGe(C2H52H2ガス3の導入時
間と導入圧力の積(導入量)は、9×105Lであるが、こ
れは105L以上であれば十分である。また、ガス導入時の
基板温度は、導入量が106Lの場合、ほぼ室温〜300℃の
範囲であればよい。一方、基板温度を上昇させエチル基
を脱離させるのに要する時間は、容易に実験的に求めら
れる。すなわち、四重極質量分析器でエチル基の脱離が
終了したことを確認するか、あるいは実際に第6図のよ
うなプロセスサイクルを繰り返し、1サイクル当たりの
Geの膜厚増加がGeの1原子層に相当することを確認すれ
ばよい。第6図のシーケンスでは、to=90秒でエチル基
が十分脱離しつくすことを四重極質量分析器により確認
している。
1サイクルに要する時間を比較的短くするためには、
排気ポンプの排気速度を速くし、排気時間を短くするこ
とと、昇降温が高速に行える赤外線加熱方式を用いるこ
とによって昇降温時間を短縮することが必要となる。
なお、昇温する場合は、表面のGeと下地のGe(あるい
はSi)との結合が切れてGeが脱離してしまう温度以下に
基板温度を留める必要があることは言うまでもない。
また、本実施例方法では、SiO2上ではGeの膜形成は生
じない。これは、SiO2上ではGe(C2H52H2ガスの分解
反応が生ぜず、Ge(C2H5の付着層が形成されないた
めである。したがって、SiO2膜をマスク膜として、Geを
SiあるいはGe上に選択成長させることができる。なお、
このことは、後述するその他の実施例においても同様で
ある。
「実施例2」 第1の実施例では、Si、Ge、GaAs等の(100)面上で
のGe(C2H52H2ガスを用いたGeの1原子層毎の成長に
ついて説明した。これに対して本実施例は、(110)面
上でのGeの1原子層毎の成長を行うものである。理想的
なGeの(110)面では、表面のGeから上向きに出る結合
の手は1本である。従って、第7図に示すようにGe(C2
H5)H3ガス7を用いることによって、Geの1原子層毎の
成長が可能となる。
基板1表面にGe(C2H5)H3ガス7を導入すると、3つ
のHが解離され、Geの1原子層が形成される(第7図
(b))。このとき表面にエチル基が残るので、その上
でのGe(C2H5)H3ガス7の分解によるGeの付着は生じな
い。この表面の1原子層形成が生じる温度、ガスの圧
力、ガスの導入時間等は、Geの(100)面上にGe(C
2H52H2ガスを導入した場合とほぼ同じである。
つぎに、基板1温度を300℃以上に昇温することによ
って、エチル基を表面から解離し(第7図(c))、解
離したエチル基を真空ポンプで排気することにより、あ
るいは、不活性なガスを流すことによって雰囲気から排
除する(第7図(d))。ここで、エチル基の表面から
の離脱反応の生じる温度特性は、第1の実施例における
第3図の特性とほぼ同じである。その後、再びGe(C
2H5)H3ガス7を導入すれば次のGe1原子層が形成でき
る。
「実施例3」 第1および第2の実施例では、保護基としてエチル基
を用いているが、他のアルキル基を使用することもでき
る。
たとえば第1の実施例において、Ge(C2H52H2ガス
3の代わりにGe(CH32H2ガスを用いると、Si、Ge等の
基板の(100)面上でCH3(メチル基)を保護基として第
1図(b)と同様なGeの1原子層形成を行うことができ
る。また、この表面のメチル基は、エチル基と同様に基
板温度を上昇させることにより解離させることができ
る。たとえば、第3図と同一の条件で昇温脱離の実験を
行うと、メチル基が表面より脱離してくることが判っ
た。ただし、第3図の結果と比較すると、Ge(CH32H2
ガスを用いた場合には、メチル基の脱離の開始温度は50
0℃であり、エチル基の場合と比べてほぼ100℃だけ高
い。したがって、第1の実施例と比べてメチル基を脱離
させるための温度条件を100℃だけ高く設定する必要が
ある。
また、第4図に対応するGe(CH32H2ガス導入量と脱
離総量との関係は、ほぼ第4図と同一の結果が得られて
いる。したがって、1原子層の形成のためのGe(CH32
H2ガスの導入条件は、第1の実施例のGe(C2H52H2
スを用いた場合とほぼ同じと考えてよい。ただし、メチ
ル基の脱離温度が100℃だけ高いので、ガス導入温度の
上限も100℃だけ高くできることになる。
同様に、(110)面上ではGe(CH3)H3ガスを用いれば
よい。また、エチル基の表面からの脱離温度の傾向およ
びメチル基の表面からの脱離温度の傾向から判断して、
(CnH2n+1)基を保護基として用いた場合、nの値が大
きいほど低い温度で脱離する可能性がある。
また、(CnH2n+1)基の水素の一部をハロゲン(Cl、
F、Br等)に置換した(CnHmX2n+1-m)基を用いてもよ
い。
さらに、長いアルキル基等を保護基とした場合には、
2重結合等を有するものでもよい また、たとえばGe(CH3)(C2H5)H2ガスのような2
種類の異なるアルキル基を有した構造のガスを用いても
よい。
「実施例4」 第1〜第3の実施例では、保護基の離脱を昇温によっ
て行っているが、本実施例では、これを基板表面に光照
射を行い、光励起により行うものである。
ここでは、反応ガスとしてGe(CH32H2ガスを用いた
例を第8図に基づいて説明する。1原子層の形成、すな
わち、Ge(CH3層8の形成条件は、第3の実施例で
説明した通りであり、第8図(a)の構造が実現できる
(ここで、第8図の「Me」はメチル基を示す。このよう
なGe(CH3層8が形成された表面に、超高圧水銀灯
から出る紫外線を照射すると、表面よりメチル基が脱離
し(第8図(b))、表面のメチル基が除去されGa表面
が現れる(第8図(c))。ここで、再びGe(CH32H2
ガスを導入すれば、つぎのGe(CH3層が形成され
る。すなわち、このプロセスを繰り返すことによりGeの
1原子層毎の膜形成が可能となる。
つぎに、このような光励起によるメチル基の脱離を確
認する実験結果を示す。Geの(100)表面上に、Ge(C
H32H2ガスを0.04Torrで60秒間(導入量にすると2.4×
106Lになる)を導入し、Ge(CH3の1原子層を形成
する。なお、導入量は1×105L以上であれば十分である
ことは既に述べた通りである。その後、ガスを排気し、
10-8Torrの高真空にした後、表面に超高圧水銀灯から出
る紫外線を照射し、表面から脱離するメチル基を四重極
質量分析器により測定した。その結果、光照射と同時に
メチル基が表面から脱離してくることを確認できた。
つぎに、本実施例の方法を用いてGeの1原子層毎の成
長を実際に行った。成長に用いたGe(CH32H2ガスの導
入と排気および紫外線の照射(超高圧水銀灯)のオンオ
フシーケンスの例を第9図に示す。同図(a)はガスの
圧力の時間変化の様子を示すものであり、同図(b)は
紫外線照射タイミングを示すものである。Ge(CH32H2
ガスを導入圧力4×10-2Torrで時間t1だけ導入し排気す
る。本実験に用いた反応炉では、ガスの導入を停止し排
気すると数秒後には10-7Torr以下の真空となる。t2時間
の排気後に超高圧水銀灯からの紫外線をt3時間だけ照射
し、t4時間の間隔の後に再びGe(CH32H2ガスを導入
し、以後同じプロセスを繰り返した。用いた基板はSiの
(100)基板であり、ガス導入前に公知の方法で表面の
薄い自然酸化膜を超高真空中で除去し、清浄な表面が得
られている。
このようにして、第9図のプロセスを繰り返すことに
より基板上に形成されたGeの膜を公知のX線光電子分光
(XPS)法により測定し、形成されたGeの膜厚を求め
た。形成されたGeの層数(Geの1原子層は約1.41Åに対
応する)とサイクル数との関係を第10図に示す。ここで
は、t1=20sec、t2=30sec、t3=5sec、t4=25secとし
た。同図から明らかなように、形成されたGeの層数とサ
イクル数は比例しており、且つ、1サイクル当たりのGe
膜厚の増加は1原子層となっている。また、図より、光
照射を行わずにガス挿入と排気のサイクルを繰り返して
も、Ge層は1原子層以上増えないことがわかる。この結
果は、光照射時間t3を15secとしても全く同じであっ
た。また、ガス導入時の基板温度については、室温から
400℃程度で同一の結果が得られる。なお、ガス導入時
の基板温度が400℃を越えると、メチル基の熱脱離がゆ
っくりと生じ始めるので、ガス導入期間内にメチル基の
脱離が生じ、2原子層以上の膜形成が生じる領域が現れ
てくる。
なお、ここでは、Siの(100)表面にGeを1原子層ず
つ成長させた例を示したが、初期の基板としてGeの(10
0)表面を用いても同様に表面にGeを1原子層ずつ成長
させることができる。
「実施例5」 第2の実施例と同様に、GeあるいはSiの(110)面上
にGeを1原子層ずつ形成する場合は、たとえばGe(C
H3)H3ガスを用いればよい。この場合、1原子層のGe層
がメチル基を残して形成され、第7図(b)のエチル基
(Et基)をメチル基に置き換えた構造となる。そして、
このメチル基は第4実施例で説明したように、紫外線を
照射することによって脱離するので、第7図(d)と同
様の表面が得られる。したがって、引き続いてGe(C
H3)H3ガスを導入すればつぎの1原子層の形成を行うこ
とができる。
「実施例6」 第4の実施例で、Ge(CH32H2ガスの代わりに、Ge
(C2H52H2ガスを用いても、第3の実施例とほぼ同様
の結果が得られることを確認した。したがって、第4お
よび第5の実施例で、メチル基の代わりにその他のアル
キル基(CnH2n+1基)例えばエチル基、C3H7基等を用い
ても、同様の結果を得ることができると考えられる。こ
れは、アルキル基の長さを多少変化させても、光励起脱
離を引き起こすための光の波長はそれほど大きく変化す
ることは考え難いからである。同様に、ハロゲン化炭化
水素(CnHmX2n-m+1)基を用いてもよい。
「実施例7」 第4〜第6の実施例において、光を照射しないとGeの
膜形成は1原子層で止まり、それ以上増加しないのは第
10図の結果から明らかである。したがって、レーザ光あ
るいは光を特定の領域のみ透過させるマスクを用いて、
基板の所望の領域上にのみ光を照射すれば、その領域の
みに次のGeの1原子層が形成されることになる。すなわ
ち、通常のフォトリソグラフィやエッチング等のプロセ
スを経ることなしに、所望の領域にのみGeの膜を1原子
層ずつ形成することができる。このとき、光照射しない
領域にもGeの1原子層が形成されるが、実用的には十分
薄いので問題ない。
また、先に述べたように、SiO2上においては、Ge(C2
H52H2ガスやGe(CH32H2ガスの表面反応は生じず、
表面にGe(C2H5層やGe(CH3層のようなGe付着
層が形成されない。したがって、光照射の有無に係わら
ずSiO2上にはGeの膜は形成されない。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明の半導体膜形成方法によれ
ば、Ge成長が保護基(解離しにくい基)の存在により1
原子層で自動的に停止し、続いてこの保護基を脱離させ
ることにより、つぎのGe 1原子層の成長が可能となる。
したがって、この工程を繰り返すことにより、Geの1原
子層毎の膜成長を行うことができ、Ge膜形成の膜厚制御
性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示す模式工程図、第2
図は第1図(b)以外に考えられる表面模式図、第3図
はGe(100)基板表面にGe(C2H52H2ガスを導入し、未
反応ガスを排除した後基板温度を30℃/分で上昇した時
に表面から脱離してくるエチル基の昇温脱離スペクト
ル、第4図はエチル基の脱離総量のGe(C2H52H2ガス
の導入量依存性を示す特性図、第5図は、エチル基の脱
離総量のGe(C2H52H2ガス導入の再の基板温度依存性
を示す特性図、第6図は第1の実施例におけるガスの導
入・排気および基板の昇降温のシーケンスを示す図、第
7図は本発明の第2の実施例を示す模式工程図、第8図
は本発明の第4の実施例を示す模式工程図、第9図は第
4の実施例におけるガスの導入・排気および基板の昇降
温のシーケンスを示す図、第10図は繰り返しサイクル数
とGeの層数との関係を示す図、第11図は従来方法による
Geの膜形成を示す模式図である。 1……基板、2……Ge原子、3……Ge(C2H52H2ガス
分子、4,4′……Ge(C2H5、5……エチル基、7…
…Ge(C2H5ガス分子、8……Ge(CH3

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ge原子に対して解離しにくい基と解離しや
    すい基または原子とを結合させたガスを基板表面に供給
    し、前記解離しやすい基を脱離させることにより前記解
    離しにくい基を有した状態で前記Ge原子を前記基板表面
    に付着させる工程と、付着したGe原子が有する前記解離
    しにくい基を脱離させる工程とを含む半導体膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】解離しにくい基として炭化水素基またはハ
    ロゲン化炭化水素基を用い、解離しやすい基または原子
    として水素を用いた特許請求の範囲第1項記載の半導体
    膜形成方法。
  3. 【請求項3】付着したGe原子が有する解離しにくい基を
    光照射することにより脱離させる特許請求の範囲第1項
    記載の半導体膜形成方法。
  4. 【請求項4】付着したGe原子が有する解離しにくい基を
    基板温度を昇温することにより脱離させる特許請求の範
    囲第1項記載の半導体膜形成方法。
  5. 【請求項5】基板表面の所望の領域にのみ光を照射する
    ことにより光の照射された領域の基板表面に付着したGe
    原子が有する解離しにくい基を脱離させる特許請求の範
    囲第3項記載の半導体膜形成方法。
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