JP2546303B2 - 硬貨入出金装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 《発明の分野》 この発明は、金融機関に設置されるATM（自動預金支
払機）等として好適な硬貨入出金装置に関する。

《発明の概要》 この発明は、硬貨入出金装置の支払用補充硬貨を各金
種毎の収納筒へ自動補給する際、補充された硬貨に異金
種硬貨が含まれているか否かを検知し、異金種の含まれ
ている収納筒の全硬貨を入金硬貨の鑑別機構を利用して
鑑別し、異金種硬貨を排除した後、同一金種硬貨のみを
再び収納筒へ回収できるようにしたものである。

《従来技術とその問題点》 従来、硬貨入出金装置（以下「ATM」という）は、入
出金硬貨を受け入れるための硬貨受皿と、硬貨受皿の排
出動作により装置内に取込まれた硬貨を鑑別する鑑別機
構と、鑑別機構で偽貨と鑑別された硬貨をリジェクトす
るリジェクト機構と、鑑別機構で正貨と鑑別された硬貨
を一時貯溜する一時ストアと、一時ストアの排出動作に
より排出された硬貨を各金種毎に選別する選別機構と、
選別された各硬貨を各金種毎に収納するための複数の収
納筒と、収納筒へ収納される硬貨を計数するためのセン
サと、収納筒内の硬貨を任意枚数排出するための排出機
構と、排出機構から排出された硬貨を硬貨受皿に搬送す
るための出金用搬送機構と、出金用の補充硬貨を受け入
れるためのホッパと、ホッパ内の補充硬貨を選別機構へ
送出するための送出機構とを備えて構成されている。

この従来の入出金装置は、入金モードのときに硬貨受
皿内の入金硬貨を鑑別機構で鑑別し、正貨は一時ストア
に貯溜したのに選別機構を介して各金種毎の収納筒に収
納し、かつ偽貨はリジェクト機構の動作により排出した
のち出金用搬送機構を介して硬貨受皿へ返却して入金処
理を行ない、また出金モードのときに支払要求金額に応
じた硬貨を収納筒から排出機構を介して放出し、放出さ
れた硬貨を出金用搬送機構を介して硬貨受皿に搬送して
出金処理を行ない、さらに補充モードのときホッパ内に
供給された補充硬貨を選別機構を介して選別し、各金種
毎の収納筒へ収納して支払用硬貨を補充するようにして
いた。

しかしながら、上記従来のATMにおいては、支払硬貨
を補充する際、ホッパ内に供給された硬貨を選別機構に
より選別し、各金種毎の収納筒へ収納するようになって
いるため、選別機構が硬貨を他の金種に誤って選別した
ときには、金種毎の収納筒に異金種が収納されることが
あった。特に１円硬貨は変形を受けやすく50円硬貨とし
て誤って選別されて50円硬貨の収納筒へ収納されること
があった。

従って異金種硬貨を含む硬貨が顧客の要求によって出
金されたときには、出金金額に不一致が生じるという金
銭障害の問題があった。

またこのような不都合を回避するために、出金硬貨を
全て入金時の鑑別部を経由させて出金動作を行なうこと
も考えられるが、このようにすると出金に長時間要する
という問題点があった。

《発明の目的》 この発明は、この種ATMにおいて出金用の各金種別の
収納筒に異金種硬貨が含まれているときには、その異金
種硬貨を自動的に排除できるようにし、出金時の金銭障
害を防止できるようにしたATMの提供にある。

《発明の構成と効果》 この発明は、上記目的達成のため、入出金硬貨を受け
入れるための硬貨受皿と、該硬貨受皿の排出動作により
装置内に取込まれた硬貨を鑑別する鑑別機構と、該鑑別
機構で偽貨と鑑別された硬貨をリジェクトするリジェク
ト機構と、前記鑑別機構で正貨と鑑別された硬貨を一時
貯溜する一時ストアと、該一時ストアの排出動作により
排出された硬貨を各金種毎に選別する選別機構と、該選
別された硬貨を各金種毎に収納するための複数の収納筒
と、該収納筒へ収納される硬貨を計数するためのセンサ
と、前記収納筒内の硬貨を任意枚数排出するための排出
機構と、該排出機構から排出された硬貨を前記硬貨受皿
に搬送するための出金用搬送機構と、出金用の補充硬貨
を受け入れるためのホッパと、該ホッパ内の補充硬貨を
前記選別機構へ送出するための送出機構とを備え、 入金モードのときは、前記硬貨受皿内の入金硬貨を前
記鑑別機構で鑑別し、正貨は前記一時ストアに貯溜した
のち前記選別機構を介して前記各金種毎の収納筒に収納
し、かつ偽貨は前記リジェクト機構の動作により排出し
たのち前記出金用搬送機構を介して前記硬貨受皿へ返却
して入金処理を行ない、 出金モードのときは、支払要求金額に応じた硬貨を前
記収納筒から排出機構を介して放出し、放出された硬貨
を前記出金用搬送機構を介して前記硬貨受皿に搬送して
出金処理を行ない、 補充モードのときは、各金種毎に一定の枚数で前記ホ
ッパ内に供給された補充硬貨を前記選別機構を介して選
別し、各金種毎の収納筒へ収納して支払用硬貨を補充処
理するようにした硬貨入出金装置において、 前記補充モードのときに、前記センサで計数された化
各収納筒内の硬貨枚数と前記ホッパ内に供給された各金
種毎の一定枚数とを比較し、該比較により収納された硬
貨枚数が前記一定枚数より多い収納筒が存在するとき、
該収納筒内の全硬貨を前記出金モード動作により前記硬
貨受皿に搬送し、該搬送された硬貨を前記入金モードの
動作により前記鑑別機構で鑑別した後正貨のみを前記既
知枚数より多い硬貨が収納されていた収納筒へ回収する
ようにしたことを特徴とする。

このような構成によれば、各金種毎の硬貨が収納され
た収納筒に既知枚数より多い硬貨が収納された収納筒が
検知されると、その収納筒内の異金種硬貨は入金モード
動作により排除され、正貨のみ収納筒へ回収される。従
って誤った硬貨が出金されて顧客へ迷惑を与えるような
不都合を防止できる効果がある。

《実施例の説明》 第１図は本発明に係るATMの一実施例を示す概略断面
図であって、特に補充モード字の硬貨の流れが示されて
いる。

ATM本体ａの裏側には、補充硬貨投入部ｂが設けられ
ている。

補充硬貨投入部ｂは係員によって供給される補充硬貨
を受け入れるための補充金庫室すなわちホッパ１と、こ
のホッパ１内の硬貨を後述の選別機構に送出するための
補充モータ（図示せず）によって駆動されるベルトコン
ベア2,補充ゲート３の付設されたシュータ３′から形成
される送出機構とを有している。

ホッパ１への補充硬貨は各金種（１円,5円,10円,50
円,100円,500円）毎に定まった枚数、例えば50枚の合計
300枚がATMの稼動に先立って投入される。

選別機構ｃの詳細は第２図に示されている。すなわち
ホッパ１から供給された硬貨を１枚ずつ放出するための
選別フィーダ4a,この選別フィーダ4aから放出された硬
貨を搬送するためのチェーン4b,搬送途中の硬貨の金種
を外径により判断する選別機５および選別された各硬貨
を所定の位置に放出するためのソレノイド６とから構成
される。

選別フィーダ4aは選別モータ4cにより回転され、内部
に有する２枚の整流板7,8とピン９とにより構成されて
いて、選別フィーダ4a内の硬貨を１枚ずつ放出するよう
に作動する。

チェーン4bは２つのスプロケット9,10間に懸架され、
このうちスプロケット９は選別フィーダ4aの外周に設け
られた歯車と噛み合わされて構成されているので、選別
フィーダ4aが回転するとチェーン4bも回動される。この
チェーン4bには、図示しないピンが植設されており、選
別フィーダ4aから放出された硬貨を１枚ずつ搬送するよ
うに形成されている。

選別機５は、チェーン4bにより移動されてくる硬貨に
よって上方へ移動可能なベアリング11と、このベアリン
グ11の移動により回動する遮光板12で光電式センサ13を
遮光するように形成され、硬貨の径に応じた遮光量で金
種が判定される。

ソレノイド６は各金種毎および偽貨用の計７個がチェ
ーン4bの移動方向に所定間隔保ち、かつチェーン4bが移
動してきた硬貨を支持するように配置されている。

収納筒14は、各金種毎に硬貨を収納できるように形成
され、ソレノイド６の真下に開口部を位置させて設けら
れている。このため、ソレノイド６が作動し、その硬貨
が落下してきたときには、その硬貨を収納することがで
きる。

ソレノイド６と収納筒14間にはセンサ15が設けられて
いる。このため収納筒14に収納される硬貨はこのセンサ
15により検出され、その検出信号は図示しない制御部へ
送出されて、収納枚数がチェックされる。

選別タイミング検出器16は、チェーン4bによって回動
され、選別器５が選別した硬貨の種類により、どのソレ
ノイド６を作動させるかのタイミングをとるように作動
する。

第３図には補充硬貨の収納タイミングチャートが示さ
れている。

すなわち、補充モータ，補充ゲート3,選別モータ4cが
作動して補充動作が開始されると選別タイミング検出器
16でタイミングがとられ、選別器５が所定の硬貨を選別
すると、所定時間経過後、所定のソレノイド６を作動さ
せる。

例えば、選別器５が500円硬貨を選別したときには次
のタイミングにより500円硬貨用のソレノイド６が作動
し、500円硬貨は500円硬貨収納筒14に落下し収納され
る。

第４図は、異金種硬貨を含む収納筒内硬貨を入金モー
ド時の動作を利用して鑑別する際の硬貨の流れが示され
た断面図である。

すなわち収納筒14に収納された硬貨枚数がホッパ１内
へ供給した硬貨枚数と不一致のとき、例えば各金種毎に
50枚ずつ補充した際、収納筒14の１つが51枚計数された
とき等に行なわれる。

この不一致現象はその収納筒14に異金種硬貨が存在し
ている（50円硬貨に１円硬貨が混入することがほとんど
である）ことを意味している。

不一致が生じた収納筒14内から異金種硬貨を排出する
には、収納筒14の底部に設けられている排出機構17を作
動させて行なわせる。

排出された不一致収納筒（以下50円硬貨収納筒とす
る）の全硬貨は出金用搬送機構18上に落下し、この出金
用搬送機構18の端部は、入出金口19の近くに設けられた
硬貨受皿20に臨ませた位置とされているので、異金種硬
貨（以下１円硬貨とする）を含んだ全50円硬貨は硬貨受
皿20に受け入れられる。

硬貨受皿20内の硬貨は、入金フィーダ21に排出され、
この入金フィーダ21から１枚ずつ鑑別器22に供給されて
鑑別される。

ここで１円硬貨と鑑別されたときはリジェクトソレノ
イド23が作動し、再び出金用搬送機構18により硬貨受皿
20に返送され係員によって回収される。勿論、この場合
１円硬貨をATMa内の金庫に収納するようにしてもよい。

鑑別器22により50円硬貨と鑑別された硬貨は一時スト
ア24を経由して搬送ベルト24aを介して選別機構ｃの選
別フィーダ4aに供給される。

選別フィーダ4a内の硬貨は１円硬貨を含まない50円硬
貨のみであり、これら硬貨は上述したような選別機構ｃ
の動作により、50円硬貨収納筒14内に収納される。

本実施例の動作を第５図のフローチャートを参照しな
がら説明する。

今、係員によりATMaが補充モードに設定されると50円
硬貨カウンタ計数値がクリアされ（ステップ100,10
2）、ホッパ１へ各金種毎の所定枚数（例えば50枚ずつ
の計300枚）が一括投入される。

供給された硬貨は選別フィーダ4aにより１枚ずつ選別
器５に送られて選別され、各収納筒14に収納される（ス
テップ104）。

ホッパ１へ供給された枚数は固定された既知の枚数で
あり、この枚数とセンサ15によって検出された実際の収
納枚数が比較される（ステップ108〜112）。

検出された枚数が供給した既知枚数より多いとき（ス
テップ112肯定）、例えば供給枚数より大きいときは、5
0円硬貨に１円硬貨が含まれていることであるから、こ
の50円硬貨の収納筒14内の全硬貨を排出機構17,出金用
搬送機構18を介して硬貨受皿20へ搬送し（ステップ114,
116）、次いでその硬貨を入金モード動作により鑑別す
る（ステップ118）。

すなわち鑑別器22によって鑑別し、１円硬貨が鑑別さ
れたらそれをリジェクトソレノイド23により排出し、硬
貨受皿19に返送する（ステップ120否定,122,124）。

一方、50円硬貨は再び選別フィーダ4aに送られた後、
再び50円硬貨収納筒14に回収されて終了する（ステップ
120肯定,124,126）。

なお、上述の説明では50円硬貨のみを検出するように
したが、勿論他の硬貨についても行なってもよい。

以上説明したように、この実施例によれば、各金種毎
の収納筒へ収納された硬貨枚数が補充供給枚数よりも多
いときは、その収納筒内の全硬貨を入金モード動作を利
用して鑑別処理し、異金種硬貨を排除するようにしたの
で、顧客が出金するときに誤った金額が支払われるとい
う不都合が防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の補充モード時の硬貨の流れが示さ
れた概略断面図、第２図は選別機構の構成図、第３図は
硬貨選別タイミングを示すタイミングチャート図、第４
図は入金モード時の硬貨の流れが示された概略断面図お
よび第５図は動作を示すフローチャートである。 ａ……硬貨入出金装置（ATM）本体 ｂ……補充硬貨投入部 ｃ……選別機構 ｄ……鑑別機構 １……補充金庫室（ホッパ） 4a……選別フィーダ ５……選別器 ６……ソレノイド 13,15……センサ 14……収納筒 16……選別タイミング検出器 17……排出機構 18……出金用搬送機構 20……硬貨受皿 22……鑑別器 23……リジェクトソレノイド 24……一時ストア 24a……搬送ベルト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入出金硬貨を受け入れるための硬貨受皿
   と、該硬貨受皿の排出動作により装置内に取込まれた硬
   貨を鑑別する鑑別機構と、該鑑別機構で偽貨と鑑別され
   た硬貨をリジェクトするリジェクト機構と、前記鑑別機
   構で正貨と鑑別された硬貨を一時貯溜する一時ストア
   と、該一時ストアの排出動作により排出された硬貨を各
   金種毎に選別する選別機構と、該選別された硬貨を各金
   種毎に収納するための複数の収納筒と、該収納筒へ収納
   される硬貨を計数するためのセンサと、前記収納筒内の
   硬貨を任意枚数排出するための排出機構と、該排出機構
   から排出された硬貨を前記硬貨受皿に搬送するための出
   金用搬送機構と、出金用の補充硬貨を受け入れるための
   ホッパと、該ホッパ内の補充硬質を前記選別機構へ送出
   するための送出機構とを備え、 入金モードのときは、前記硬貨受皿内の入金硬貨を前記
   鑑別機構で鑑別し、正貨は前記一時ストアに貯溜したの
   ち前記選別機構を介して前記各金種毎の収納筒に収納
   し、かつ偽貨は前記リジェクト機構の動作により排出し
   たのち前記出金用搬送機構を介して前記硬貨受皿へ返却
   して入金処理を行ない、 出金モードのときは、支払要求金額に応じた硬貨を前記
   収納筒から排出機構を介して放出し、放出された硬貨を
   前記出金用搬送機構を介して前記硬貨受皿に搬送して出
   金処理を行ない、 補充モードのときは、各金種毎に一定の枚数で前記ホッ
   パ内に供給された補充硬貨を前記選別機構を介して選別
   し、各金種毎の収納筒へ収納して支払用硬貨を補充処理
   するようにした硬貨入出金装置において、 前記補充モードのときに、前記センサで計数された各収
   納筒内の硬貨枚数と前記ホッパ内に供給された各金種毎
   の一定枚数とを比較し、該比較により収納された硬貨枚
   数が前記一定枚数より多い収納筒が存在するとき、該収
   納筒内の全硬貨を前記出金モード動作により前記硬貨受
   皿に搬送し、該搬送された硬貨を前記入金モードの動作
   により前記鑑別機構で鑑別した後正貨のみを前記既知枚
   数より多い硬貨が収納されていた収納筒へ回収するよう
   にしたことを特徴とする硬貨入出金装置。