JP2545713B2 - 超音波トランスジューサとその製造方法 - Google Patents

超音波トランスジューサとその製造方法

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JP2545713B2 JP63095780A JP9578088A JP2545713B2 JP 2545713 B2 JP2545713 B2 JP 2545713B2 JP 63095780 A JP63095780 A JP 63095780A JP 9578088 A JP9578088 A JP 9578088A JP 2545713 B2 JP2545713 B2 JP 2545713B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は超音波トランスジューサに関するものであ
り、例えば産業用ロボットの近接覚の検出や自動車のバ
ックセンサ等に利用することのできる高性能かつ小型軽
量の静電型超音波トランスジューサの構造とその製造方
法に関するものである。
(従来の技術) 従来、産業用ロボットの分野においては対象物体の距
離、大きさ、形状等の認識にCCD等の可視光を用いる固
体撮像センサが多く用いられてきた。しかし、可視光を
用いるセンサでは、対象物体が透明であるときやセンサ
と対象物体との間の媒体が塵等で汚れているとき等に用
いることができないという欠点がある。従って、近年、
可視光にかわって超音波を対象物体の認識に利用しよう
とする技術が登場した。超音波トランスジューサにおい
ては、一つあるいは複数個のデバイスにより超音波の送
波および受波を行なうので、超音波の発信および受信を
行う機械的要素とこれを助ける発振回路、受信回路等の
電気的要素をうまく組み合わせて構成する必要がある。
特に、ある面を振動させて空気中に超音波を放射しよう
とするとき、その面に対する空気の手ごたえ(音響イン
ピーダンス)は液体や固体に比べて非常に小さいので、
大きな強度をもつ超音波の放射が困難である。従って、
先に述べた機械的要素において効率よく超音波が放射さ
れるように設計することはもちろん、電気的要素におい
ても増幅補償回路により小信号を補償して受信する等の
工夫が必要である。しかし、現在一般に用いられている
超音波トランスジューサは、この機械的要素の特性のデ
バイス間ばらつきがかなり大きく、必らずしも最適に設
計されているとは言えなかった。さらに、機械的要素と
電気的要素とが一体の構造にされていないため、装置の
小型軽量化が困難であるという欠点も有していた。以
下、従来例を図をあげて説明する。
第4図は従来の超音波トランスジューサの構成例の断
面を示す図である。図中47は、円形のアルミ合金の板
で、表面に数〜数十μmの深さを持つ複数個の穴101が
機械加工により形成されている。この穴101の上面に
は、厚さ約12μmのポリエステルの膜48が金属ケース41
とアルミ合金の板47により挟まれて固定されている。ポ
リエステルの膜48の表面は、アルミ合金の板47と接する
面と反対の側の表面に、金等による上部電極49が蒸着さ
れている。図中の43は保護スクリーンで金属ケース41に
固定されており、ポリエステルの膜48が外部より破損さ
れるのを防いでいる。一方、アルミ合金の板47の裏面に
は、金属よりなる板バネ46が取りつけられており、アル
ミ合金の板47を金属ケース41に押しつけている。また、
板バネ46はプラスチックケース42に固定されている。4
4、45は電極端子で、44は板バネ46と一体に構成されて
おり、一方、45は金属ケース41と一体に構成されてい
る。従って、電極端子44の電位は、板バネ46を介してア
ルミ合金の板47と等しく、一方、電極端子45の電位は、
金属ケース41を介して上部電極49と等しいことになる。
第5図は、前記第4図で述べた静電型超音波トランス
ジューサの動作原理を説明するための図で、振動をおこ
す機械的要素51とこれ以外の電気的要素52から構成され
ている。機械的要素51は振動板51aと固定板51bから構成
されており、例えば第4図に示す構造をもつ。一方、電
気的要素52は、超音波の送波の場合にはバイアス電源5
3、抵抗54、発振回路55から構成される。今、発振回路5
5から信号が生じていないときには、振動板51aはバイア
ス電源53によって印加されるバイアス電圧により固定板
51bに引かれ撓んでいる。続いて、発振回路55にバイア
ス電圧よりも振幅の小さい交流電圧を印加した場合に
は、発振回路55の両端の電圧の極性により以下のように
変化する。すなわち、発振回路55の両端に印加された電
圧の極性がバイアス電圧と同じときには、これら電圧の
和に等しい電位差が振動板51aと固定板51bに加わるため
に振動板51aの撓みは大きくなる。一方、発振回路55の
電圧の極性がバイアス電圧と逆の場合には、これらの電
圧の差に等しい電位差が振動板51aと固定板51bに加わる
ために、振動板51aの撓みは小さくなる。従って、発振
回路55により発振回路の両端の電圧を周期的に変化させ
るとき、振動板51aが振動し、超音波が前面に放射され
る。なお、抵抗54は、振動板51aと固定板51bの間で放電
等が生じた場合に、回路に大きな電流が流れないように
回路を保護する機能をもっている。以上超音波の送波の
場合について述べたが、受波の場合には、第5図の55を
増幅補償等を行なう受信回路とすれば良い。このとき、
外部から侵入した超音波により、振動板51aが振動し
て、振動板51aと固定板51bの間の容量が変化する。従っ
て、受信回路55に交流電流が流れ、これを増幅補償して
やることにより超音波の受波が可能となる。
(発明が解決しようとする課題) 以上、例を用いて従来の静電型超音波トランスジュー
サの説明を行った。この中で、第4図に示す穴101を加
工する際に、従来の機械加工による方法では穴の寸法や
形状のばらつきを避けることができなかった。この穴10
1は、第5図に示す振動板51aと固定板51bの間の間隙に
対応するもので、その寸法や外形がばらつくときには、
振動板51aを駆動する力がばらつき、結局、超音波の送
受波諸特性が一定にならないという欠点があった。
また、ポリエステルの膜48(第4図)の厚さは薄い方
が感度が高い。それは上部電極49と下部電極であるアル
ミ合金の板47の距離が小さくなるからである。しかしポ
リエステルの膜48を薄くしていくと膜中に微小な穴が製
造上発生するため、高いバイアス電圧により、電極49と
アルミ合金の板47との間に放電が生じて、デバイスが破
壊するということがしばしば起こった。この放電は、ア
ルミ合金の板47の周縁部とポリエステルの膜48が接触す
る箇所でよく生ずる。これは板バネ46がポリエステルの
膜48を金属ケース41に押しつけているため、電極49とア
ルミ合金の板47の距離が短くなるためである。そのため
周縁部で放電が起こりやすく、ポリエステルの膜48が破
れたり電極49が蒸発したりする。従ってポリエステルの
膜48の厚さを薄くできず感度を高くできないという困難
があった。
さらに、先に述べたように、超音波トランスジューサ
において、機械的要素と電気的要素の組み合せが必要不
可避なものであり、従来の構造を用いて、さらに高性能
のデバイスを実現しようとすると、ますますこの電気的
要素の占める領域が大きくなり、装置が大型なものにな
るという傾向があった。実際、アレイ化されたトランス
ジューサの電極を結ぶ配線は、これだけでかなりの大き
さとなることが知られている。このように、従来の技術
では、さらに高性能のデバイスを作製しても、デバイス
の小型軽量化をはかることができないという欠点があっ
た。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を除去し、放電
を減少させ、特性が均一でしかも、高感度、小型軽量の
超音波トランスジューサとその製造方法を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、一方の面に第一の電極を有する薄膜
と、表面に穴を有する半導体基板の表面上に設けた第二
の電極とを備え、当該第一の電極と当該第二の電極との
間に絶縁膜が第二の電極に固着するように設けた超音波
トランスジューサであって、第一の電極を有する薄膜と
接する半導体基板の周縁部の表面にも絶縁膜が設けられ
ていることを特徴とする超音波トランスジューサが得ら
れる。
また本発明によれば、一方の面に第一の電極を有する
薄膜と、表面に穴を有する半導体基板の表面上に設けた
第二の電極とを備え、当該第一の電極と当該第二の電極
との間に絶縁膜を第二の電極に固着するように設けた超
音波トランスジューサを製造する方法であって、前記半
導体基板表面に異方性エッチング技術を用いて穴を形成
する時に、後に個々のデバイスに分離する際の周縁とな
る部分に溝を同じ工程で形成しておき、次いで基板表面
に絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする超音波
トランスジューサの製造方法が得られる。
さらに本発明によれば、一方の面に第一の電極を有す
る薄膜と、表面に穴を有する半導体基板の表面上に設け
た第二の電極とを備え、当該第一の電極と当該第二の電
極との間に絶縁膜が第二の電極に固着するように設けた
超音波トランスジューサを複数個アレイ状に配置し、個
々の超音波トランスジューサの前記第一及び第二の電極
側の少なくとも一方の電極が個々の超音波トランスジュ
ーサ間で互いに分離されている超音波トランスジューサ
であって、前記第一の電極を有する薄膜と接する前記半
導体基板の周縁部の表面にも絶縁膜が設けられているこ
とを特徴とする超音波トランスジューサが得られる。
(作用) 本発明の超音波トランスジューサは、シリコン等のIC
プロセス技術に合致した製法と周辺回路の集積化を可能
とした静電型超音波トランスジューサであり、例えば第
1図に示すように弾性振動体である有機体薄膜10が、シ
リコン基板1上に設けられたSiO2膜3の上下の電極49、
6に加えられた電位差の変化に従って上下に可動するこ
とにより、超音波が送波される。一方、このデバイスを
超音波の受波に用いる場合には、外部超音波の圧力によ
り上記有機体薄膜10が振動し、この結果、上記SiO2膜3
の上下の電極間の静電容量が変化することを利用して、
外部超音波の圧力を(バイアス電圧が印加された)電気
回路に流れる電流値の変化として検出することが可能で
ある。この際、トランスジューサの送受波特性の感度を
大きくするために、有機体薄膜10に蒸着された上部電極
49とシリコン基板1上に設けられた下部電極6との距離
を小さくすることが必要となる。本発明では、第1図に
一例として示すように、下部電極6の表面をSiO2膜3で
覆うことにより、上部電極49と下部電極6との絶縁を良
好に保ちつつ、両者の距離を減少させて感度を高めるこ
とを可能とした。更にまたシリコン基板1の周縁部の表
面にもSiO2膜3を設けることにより上部電極49と基板1
表面との間にある程度の距離を設け、周縁部に電界集中
が生じないようにして放電を防いでいる。また、本発明
の超音波トランスジューサは、半導体基板を用いるた
め、(1)半導体の微細エッチング加工技術を用いて半
導体基板上に精度良くしかも同時に穴及び周縁部の溝を
開けることができ、製造工程を増やすことがなくしかも
製造プロセス上生じるデバイス特性のばらつきを抑える
ことが可能、(2)発振回路および受信回路を半導体IC
プロセス技術を用いて集積化することができ、従って高
性能超音波トランスジューサを小型軽量に製造すること
が可能となった。
(実施例) 以下、本発明の実施例である静電型超音波トランスジ
ューサについて図面を参照して説明する。
第1図および第2図は、本発明の一実施例を示すもの
であり、それぞれ断面図および平面図である。第1図は
第2図のA−A′での断面を示している。本実施例では
超音波の送波および受波を行うポリエステル等の有機体
薄膜10の下面に金、アルミ等の上部電極49が蒸着されて
いる。この有機体薄膜10は、第2図に示すようにシリコ
ン基板1に規則的に開けられた未貫通のエッチング穴12
の上で上下に振動して超音波の送受波を行う。有機体薄
膜10の下方に設けられたSiO2膜3の両側には、上部電極
49および下部電極6が配置されていて、送波のときは交
流電圧を印加して有機体薄膜10を振動させる。受波のと
きは有機体薄膜10が振動することによって電圧が発生す
る。SiO2膜3は、上部電極49と下部電極6との間の電気
的絶縁を良好に保つのに役立つ。さらに、SiO2膜3の厚
さを1μm程度としたとき、上部電極49と下部電極6と
の空間的距離も1μm程度となり、従来、第4図に示す
ように両者の電極49および47との間の距離がポリエステ
ルの膜48の厚さ(12μm)程度であったのに比べて、大
幅に電極間の距離を減少させることができるという利点
がある。上部電極49に働く静電的な力は二つの電極49お
よび6との間の距離の二乗にほほ反比例するため、デバ
イスの送受波特性の感度を大きくすることができる。シ
リコン基板1の周縁部には、第1図に示すようにテーパ
15が設けられており、この上にSiO2膜3がシリコン基板
1をほぼ被覆するように設けられている。これにより、
上部電極49は、シリコン基板1と直接接することがなく
なり基板1表面と少なくともSiO2膜3の膜厚分だけ距離
を保ってパッケージのステム22に接着することができる
ため、シリコン基板1を介した上部電極49と下部電極6
との間の放電のトラブルがほぼ解消した。なお下部電極
6とシリコン基板1の間にもSiO2膜20が挿入されてお
り、下部電極6とシリコン基板1の間に電流が漏れるの
を防いでいる。下部電極6は、これもSiO2膜3の上に形
成されたアルミ配線(図示せず)を介してシリコン基板
1に作製された駆動および受信のための集積回路8と電
気的に接続している。また、前記エッチング穴12および
デバイスの周縁部のテーパ15は、寸法および形状を精度
良く仕上げるために、シリコンの異方性エッチング技術
を応用して作製する。これは、例えば、主面を(100)
方向に持つシリコン基板1の一方の面に、一辺が<110
>方向に目合せされた複数個の正方形のSiO2膜のパター
ンをフォトリソグラフィ技術を用いて形成した後、試料
をヒドラジン等の異方性エッチング液中に浸して行う。
この場合には、ピラミッド型の四角錐の形状をしたエッ
チング穴12ができた段階で、シリコンのエッチングが自
動的に停止するという特長がある。また、先に述べたよ
うに、フォトリソグラフィ技術を用いてエッチング穴12
の形状を作製するために、微細な形状を高い精度で形成
することができること、さらに、試料を液中に浸してエ
ッチングを行うので、一度に多量の試料を処理すること
ができるという利点がある。
第3図(a)〜(e)は、本発明の実施例の超音波ト
ランスジューサを製造する手順の一例を示した断面図で
ある。図において、先に本発明の一実施例として示した
第1図および第2図と同一番号は同一構成要素を示して
いる。同図(a)は、(100)面をもつシリコン基板1
の表裏に熱酸化法でSiO2膜3をつけたものにフォトリソ
グラフィ技術を用いて前記第1図に示したデバイスの周
縁部となる開口31および前記第2図のエッチング穴12と
同じ形状の一辺が数十μmの長さの正方形の開口30を形
成したものである。開口30を形成する際には、第2図の
エッチング穴12の辺が<110>方向に向くように配置す
る必要がある。開口31の幅は数十〜数百μmである。こ
の試料をEDP(エチレンジアミンピロカテコール)ある
いはヒドラジン等の水溶液に浸して、シリコンの異方性
エッチングを行う(第3図(b))。EDP、ヒドラジン
等の水溶液は、シリコンの(111)面に対するエッチン
グ率に比べて(100)面に対するエッチング率が著しく
大きいという性質(異方性)をもっている。従って、同
図(a)の試料を前記水溶液に浸すことにより、同図
(b)に示すエッチング穴12および周縁部溝32を作製す
ることができる。この方法ではエッチング穴12と周縁部
溝32を同一工程で作れるので工程が長くなることがな
い。周縁部溝32でシリコン基板1を割って個々のデバイ
スに分離するので、割りやすいように溝32の深さは基板
1の厚さの半分以上であることが望ましい。続いて、エ
ッチング穴12および周縁部溝32にSiO2膜20をつけるため
に試料を再び酸熱化し、その後、通常のシリコンICプロ
セス技術を用いて、送受信用の集積回路8を形成する
(同図(c))。続いて下部電極6および集積回路8に
接続する配線(図示せず)を形成するため集積回路8上
のSiO2膜20を一部除去してアルミを蒸着し通常のリソグ
ラフィ技術を用いて配線としてパターニングする。この
後CVD法でSiO2膜3を形成する(同図(d))。なお周
縁部溝32とその近辺はSiO2膜20の上にSiO2膜3が積層さ
れるが第3図では繁雑になるのでSiO2膜3のみを示して
ある。下部電極6は、SiO2膜3との接着を良くするため
にCrの下地にAuを上においたものが望ましいが、必ずし
もこれに限定されることなく、アルミ等の金属で代用し
ても良い。周縁部溝32に沿って、個々のチップに分離し
た後、上部電極49を蒸着した有機体薄膜10をパッケージ
の台座(ステム)22に直接接着する(同図(e))。
第1図および第2図に示した本発明の一実施例では、
上部電極49がSiO2膜3に直接接触した構成が示されてい
る。一方、この上部電極49と有機体薄膜10との位置関係
を逆転させ、従来例の第4図と同様にした構成も本発明
に含まれる。この場合、先の実施例に比べれば上部電極
49と下部電極6の距離が大きくなるので、感度が低くな
るという欠点があるが、両電極の間にSiO2膜3と有機体
薄膜10の両方が存在するので両電極間電気的絶縁が充分
に補償される。従って両電極間の短絡事故が減りデバイ
スの信頼性は向上する。またSiO2膜3があるので有機体
薄膜10の厚さは薄くできるので従来技術に比べて感度を
高くすることができる。また有機体薄膜の厚さを厚くも
薄くもできることから設計の自由度が増大するという利
点が生ずる。また、有機体薄膜10にかえて、金、チタン
等の金属薄膜を使用することも可能である。このとき、
金属の融点が有機体よりも高いため、高い温度でトラン
スジューサを動作することが可能になるという利点があ
る。
また、本実施例のように有機体薄膜10を台座22に接着
するのではなくおさえの治具で両者をはさんでもよい。
第6図および第7図は本発明の他の実施例を示す平面
図である。図において、第1図および第2図と同一番号
は同一構成要素を示している。これらの実施例におい
て、破線で示された矩形70は、第1図および第2図に示
す同一下部電極6上に含まれる振動体要素を示してい
る。ただし集積回路8は含まれない。また、振動体要素
70の上下面に形成された電極は集積化された周辺回路
8′の一部とアルミ配線を介して接続されている(図示
せず)。第6図および第7図の実施例に示すように振動
体要素70を複数個並べたときには、超音波を前面の小さ
な角度に強く放射したり、前面の小さな角度のみの超音
波を強く受信したりすることができ、周囲の雑音に惑わ
されることが少なくなる。また、先に述べたシリコンの
異方性エッチングの技術を用いると、正確に形状の等し
い振動体要素70を同時に形成することができるため、品
質は安定ししかも製造に要する時間も短い。ここに示し
た実施例の他にも、中央の振動体要素70の面積を大きく
とり、周辺に行くに従って振動体要素70の面積を小さく
した実施例もある(図示せず)。この場合には、上記し
た指向性がさらに改善され、雑音のより少ない高品質の
デバイスを提供することができるという利点がある。
第8図は、本願第3の発明の実施例の平面図を示した
ものである。図において、第6図と同一番号は同一構成
要素を示している。本発明の実施例においては、振動体
要素70に形成された下部電極6が互いに分離して配置さ
れており、それぞれアルミ配線を介して周辺回路8′に
接続されている。従って、本実施例の構成をとる超音波
トランスジューサにおいては、各振動体要素70ごとに異
なった強度および位相をもつ電圧を印加することが可能
となる。特に、各振動体要素70に異なった位相をもつ電
圧を印加することにより、超音波の送波および受波の方
向を変化させることができ、従って、電気的に走査を行
う高性能な超音波トランスジューサを提供できる。この
実施例においては、振動体要素70の下面の電極を各振動
体要素70について分離したが、逆に、各振動体要素70の
下面の電極を共通にして、各振動体要素70の上面の電極
49を各振動体要素70ごとに分離しても上と同様の効果を
もつデバイスを実現することができる。第8図において
は1行5列のアレイ状の超音波トランスジューサを示し
たが、振動体要素70の個数について何ら制限する必要は
ない。例えば前記第7図の実施例において、振動体要素
70上下面の電極を各振動体要素70ごとに分離して配置
し、それぞれの電極を周辺回路8′に接続すると二次元
の方向に電気的に走査することのできる二次元超音波ト
ランスジューサを実現することができる。また、本実施
例で述べた超音波トランスジューサにおいては、各振動
体要素70の下部電極は通常のICプロセス技術を用いて同
時にかつ容易に形成することができるという点も従来技
術に比べて大きな長所である。
なお下部電流あるいは上部電極が分離された実施例に
おいて、一つの振動体要素70は第1図、第2図に示した
ような複数のエッチング穴を持つものとして説明したが
これに限らず第1図、第2図中のエッチング穴一個が一
つの振動体要素に対応するものと考えてもよい。
以上、本発明について例を挙げ詳細な説明を行った。
なお、本発明の構成は、信号として使用する超音波が連
続的に変化するか、あるいは一乃至数個の波長のみでパ
ルス的に変化するか等に関係なく成り立つものである。
また、超音波の波長が単一かあるいは複数個かにも関係
なく成り立つものである。また、本発明の実施例におい
ては、振動体の下の穴中に空気が閉じこめられていた
が、この構成の他に、穴の底に開口穴を開けて貫通口と
ししかも穴のあいた台座に実装して外部との空気の流動
を可能とした構成もある。さらには、穴の外側にスポン
ジ等の音を吸収する物質を置く等の方法によりデバイス
の裏側の影響を少なくした構成、および振動体の前面に
ホーンを配置して感度を高くした構成も本発明に含まれ
る。
なお、上記実施例において振動に寄与する有機体薄膜
の面積を大きくしたり、厚さを薄くしたりすることによ
り超音波の送波および受波の感度を大きくすることがで
きる。さらに、有機体薄膜と下部電極との間のSiO2膜を
薄くすることによっても感度を増大させることが可能で
ある。しかし、この場合には、同時にデバイスの周波数
特性等の変化が生ずるので、超音波センサを設計する際
には、以上の効果を考慮して、感度および周波数特性や
電気音響変換効率等を最適にするように振動体及びSiO2
膜の寸法を決めなければならない。
なお前記実施例ではSiO2膜3を用いたが、これに限ら
ず、Si3N4、SiOxNy、ポリイミドなど下部電極表面にCV
D、スパッタ、塗布などの方法で薄膜状に固着できるも
のならば使うことができる。
(発明の効果) 以上説明したとおり、本発明によれば特性のばらつき
が少なく高感度、かつ小型軽量の集積化超音波トランス
ジューサを供給することが可能となった。さらに、デバ
イスを破壊する放電のトラブルがほぼ解消した。その結
果、産業用ロボット等の分野で近接覚等の検出に高性能
な超音波トランスジューサを利用することができるよう
になった。また、本発明の超音波トランスジューサは従
来の半導体IC製造プロセス技術と合致した製法で大量に
製造することができるため、製造コストを低減すること
ができる。これらの効果は著しいものであり、本発明は
有効なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ本願第1の発明の一実施
例の断面図および平面図、第3図(a)〜(e)は本願
第2の発明の実施例を示す概念図、第4図は従来の超音
波トランスジューサの断面図、第5図は従来の静電型ト
ランスジューサの原理図、第6図および第7図は本願第
1の発明の他の実施例を示す平面図、第8図は本願第3
の発明による超音波トランスジューサアレイの一実施例
を示す平面図。 1……シリコン基板、3,20……SiO2膜、6……下部電
極、8……集積回路、8′……周辺回路、10……有機体
薄膜、12……エッチング穴、22……台座、30,31……開
口、32……周縁部溝、41……金属ケース、42……プラス
チックケース、43……保護スクリーン、44,45……電極
端子、46……板バネ、47……アルミ合金の板、48……ポ
リエステルの膜、49……上部電極、51……機械的要素、
51a……振動板、51b……固定板、5……電気的要素、53
……バイアス電源、54……抵抗、55……発振回路(ある
いは受信回路)、70……振動体要素。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面に第一の電極を有する薄膜と、表
    面に穴を有する半導体基板の表面上に設けた第二の電極
    とを備え、当該第一の電極と当該第二の電極との間に絶
    縁膜が第二の電極に固着するように設けた超音波トラン
    スジューサであって、前記第一の電極を有する薄膜と接
    する前記半導体基板の周縁部の表面にも絶縁膜が設けら
    れていることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  2. 【請求項2】一方の面に第一の電極を有する薄膜と、表
    面に穴を有する半導体基板の表面上に設けた第二の電極
    とを備え、当該第一の電極と当該第二の電極との間に絶
    縁膜を第二の電極に固着するように設けた超音波トラン
    スジューサを製造する方法であって、前記半導体基板表
    面に異方性エッチング技術を用いて穴を形成する時に、
    後に個々のデバイスに分離する際の周縁となる部分に溝
    を同じ工程で形成しておき、次いで基板表面に絶縁膜を
    形成する工程を含むことを特徴とする超音波トランスジ
    ューサの製造方法。
  3. 【請求項3】一方の面に第一の電極を有する薄膜と、表
    面に穴を有する半導体基板の表面上に設けた第二の電極
    とを備え、当該第一の電極と当該第二の電極との間に絶
    縁膜が第二の電極に固着するように設けた超音波トラン
    スジューサを複数個アレイ状に配置し、個々の超音波ト
    ランスジューサの前記第一及び第二の電極側の少なくと
    も一方の電極が個々の超音波トランスジューサ間で互い
    に分離されている超音波トランスジューサであって、前
    記第一の電極を有する薄膜と接する前記半導体基板の周
    縁部の表面にも絶縁膜が設けられていることを特徴とす
    る超音波トランスジューサ。
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US7569906B2 (en) 2006-03-29 2009-08-04 Panasonic Corporation Method for fabricating condenser microphone and condenser microphone

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