JP2541457Y2 - 印字装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、差込まれた印字用紙（印字カード）の側部
に、時刻データとか通し番号（ナンバリング）等を印字
用紙の差込方向に沿って印字する所謂サイドプリンタと
称される印字装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

上記のサイドプリンタと称される従来の印字装置は、
活字輪とハンマーとの間に印字用紙を挿入して、時刻と
か通し番号等を打刻印字する方法が取られていた。

しかし、上記構成の印字装置は、打刻によって印字を
行う関係で、印字音が大きいとか、活字輪が取付けたも
のに特定化されているため、例えば１台の印字装置を時
刻印字とナンバリング印字の双方に兼用することができ
ず、印字を変更するにはいちいち活字輪を交換する必要
があって、使用上大変不便であると云った欠点があっ
た。

そこで、最近は上記の活字輪に代えて印字手段として
ドットプリンタの様なプリンタを用いることにより、上
記の各問題を解決していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述したプリンタは、活字輪を用いた印字装置に比較
して印字音が小さく、また、印字モードを変更するだけ
で、１台の印字装置を例えば時刻印字機とナンバリング
印字機の双方に簡単に変更して使用できる多様性を備え
ているが、しかし、このプリンタを用いた印字機に付い
ては、プリンタヘッドと印字用紙の間隔を常時一定に保
たないと、印字圧に変化が生じて印字に濃淡むらが生じ
るため、予め定めた紙厚の印字用紙のみを使用するか、
印字装置に上記の間隔を調整する調整手段を設け、使用
する印字用紙の紙厚に応じて間隔を調整しながら印字を
行う必要があるから、使用する印字用紙が限られて汎用
性に欠けるとか、使用操作が面倒であると云った各種の
問題があった。

従って本考案の技術的課題は、あらゆる紙厚の印字用
紙を使用でき、而も、面倒な紙厚調節操作を一切行うこ
となく、印字用紙を差込むだけで時刻印字とかナンバリ
ング印字を同じ印字濃度で印字することができる印字装
置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の技術的課題を解決するために本考案で講じた手
段は以下の如くである。

（１） 基台上に立設したガイド軸にフレーム板を上下
作動自在に取付けて、これ等基台とフレーム板の間隔を
印字用紙の差込通路と成すこと。

（２） 上記のフレーム板には、差込まれた印字用紙に
対し時刻印字とかナンバリング等を行うためのプリンタ
と、このプリンタを往復移動するためのカム軸と、該カ
ム軸を回転するためのモータを搭載すること。

（３） 上記フレーム板と基台の間には、フレーム板を
常時基台側に牽引するスプリングを張設し、また、フレ
ーム板の底面にはプリンタヘッドと印字用紙面との間隔
を常時一定に保つゴムストッパーを設けること。

（４） 上記カム軸の一端には、カム面を基台側に設け
た支持ローラに押接しながら回転して、プリンタが上記
のカム軸によって印字開始位置に向けて往動されている
時に、フレーム板の全体をスプリングの牽引力に抗して
上方に押し上げて差込通路の間隔を広げ、また、プリン
タが印字作動しながらスタート位置に向けて復動する時
には、上記フレーム板に対する押上げを解いてフレーム
板を基台側に降下させることができるカム円盤を設ける
こと。

〔作用〕

上記の手段は以下の如く作用する。

上記（１）の要素は、フレーム板をガイド軸に沿っ
て上下動することによって、差込通路の間隔を広狭調節
自在と成し、以って、あらゆる紙厚の印字用紙をも差込
可能にする。

上記（２）の要素は、印字手段としてプリンタを使
用することによって、１台にて時刻印字とかナンバリン
グ印字と云った各種の印字を行うことができると共に、
このプリンタと、プリンタを移動するためのカム軸と、
カム軸を回転するためのモータとから成る印字ユニット
の全体をフレーム板に取付けた関係上、この印字ユニッ
トをフレーム板と一緒にガイド軸に沿って上下作動する
ことを可能にする。

上記（３）の要素は、スプリングの牽引力によって
フレーム板を引下げて、プリンタヘッドを常時印字位置
にセット可能にする一方、スプリングによって引下げら
れたフレーム板は、ゴムストッパーによって差込まれた
印字用紙との間隔、即ち、プリンタヘッドと印字面との
間隔を一定に保つため、差込まれた印字用紙の紙厚に関
係なく上記の間隔が一定に保たれて、常時一定の印字圧
で一定濃度の印字を行うことを可能にする。

上記（４）の要素は、プリンタが印字開始位置に向
けて往動する時は、カム円盤がスプリングの牽引力に抗
してフレーム板の全体を押上げて差込まれた印字用紙と
の間隔を広げるため、プリンタヘッド（印字リボン）と
印字用紙面との接触を防止する一方、プリンタが印字作
動しながら復動する時は、上記の押上げを解いてフレー
ム板をスプリングの牽引力で降下させ、且つ、ゴムスト
ッパーが印字用紙の用紙面を押圧して一定間隔を保持す
るため、一定印字圧による鮮明な印字を可能にする。

以上の如くであるから、上記の手段によって上述した技
術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消す
ることができる。

〔実施例〕

以下に、上述した本考案に係る印字装置の好適な実施
例を添付した図面と共に詳細に説明する。

第１図と第２図は本考案に係る印字装置（サイドプリ
ンタ）の側面図と正面図であって、図中、１は機体、２
は印字用紙Ｔの差込口、３は差込まれた印字用紙Ｔに押
されてオンする印字モータ（後述する）用のスイッチ、
４は日付と時刻を表示する表示部、1aは機体１の一部に
設けた覗窓部を示す。

第３図と第４図は上記印字装置の内部構造を示した側
面図と平面図であって、これ等の図面に於いて、５は機
体１内の底部に固定した基台、６はこの基台５の背面部
に立設した支持フレームで、基台５の左右に立設したガ
イド軸8,8の上端部が、内側に直角に屈曲した上記支持
フレーム６の支持片6aに支持されている。

次に、７は後端部側を上記左右のガイド軸8,8に片持
ち式に支持させて、基台５に対して上下作動自在に取付
けたフレーム板であって、7aと7dはこのフレーム板の前
板と後板で、後板7dの上部に凸設した取付片7bと、前記
支持フレーム６の下側部側に突設した取付片6bの間に、
フレーム板７の全体を常時基台５側に引き下げる牽引作
用を発揮するスプリング９が張設されている。

また、10,10は基台５に連設した各種部材の取付板、1
1は減速機11aと一体に上記フレーム板７に取付けた印字
モータで、12はこの印字モータ11によって駆動回転され
るギヤを示し、13は該ギヤ12を一体に連設したカム軸、
13aはギヤ12とカム軸13をフレーム板７に回転自在に取
付けた取付軸、13bは上記カム軸13の周面に凹設したプ
リンタ移動用のカム溝を示す。

次に、14は上記フレーム板７の前後の板7a,7d間に架
設したガイド軸で、15はこのガイド軸14に移動自在に取
付けた枠体を示し、15Rと15Pは該枠体15内に取付けた印
字リボンケースと、プリンタ（ドットプリンタ）を示
す。また、15Gは上記枠体15の背面部に突設したガイド
ローラで、このガイドローラ15Gが上記カム軸13のカム
溝13b内に嵌込まれていて、カム軸13の１回転に従って
上記プリンタ15Gと印字リボンケース15Rを取付けた枠体
15を、ガイド軸14に沿って往復移動して、その復動時、
即ち、第６図に於いて右方向に移動する時にプリンタ15
Pが差込まれた印字用紙Ｔに時刻データとか通し番号等
を印字する仕組に成っている。

尚、7eは上記フレーム板７に設けたラックで、これに
は上記印字リボンケース15Rのリボン送りギヤ16が噛合
して、枠体15がカム軸13によって印字開始位置に向けて
往動する時、即ち、第３図に於いて左方向に移動する時
に、ワンウエイクラッチ（図示せず）の働きによって印
字リボンを送り、反対に枠体15が図面上右方向に移動す
る時は、上記のリボン送りを行わないように構成されて
いる。尚、16aはギヤ送り摘みである。

また、15Sと15Sは上記枠体15の底面に突設したガイド
ストッパー、17と17は上記フレーム板７の底面に設けた
ゴムストッパーであって、これ等のストッパー15Sと17
がプリンタ15Pの印字作動時に差込まれた印字用紙Ｔの
上面を押接して、プリンタヘッド15Paと紙面との間隔を
常時一定に保つ仕組に成っている。

一方、18は上記カム軸13の一端面に突出形成したカム
円盤であって、カム軸13と一体回転するこのカム円盤18
の周面は、前記スプリング９の牽引作用とフレーム板７
の自重によって、基台５側に設けた支持ローラ19の周面
に常時押接されていて、回転に従ってフレーム板７を基
台５に対して上下動するように構成されている。

即ち、第７図と第８図に於いて18aと18bはカム円盤18
の大径部と小径部を、また、18cと18dは同じくカム円盤
18の大径部18aと小径部18bの各間に形成した印字開始位
置部とスタート位置部であって、フレーム板７の全体
は、カム軸13の回転に従ってプリンタ15Pが第５図のよ
うに印字開始位置に向かって往動している時は、第７図
の如くカム円盤18のスタート位置部18dと、印字開始位
置部18cとの間の大径部18aによって押上げられて基台５
との間隔、即ち、差込口２の間隔を第５図のように広げ
る一方、同じくカム軸13の回転によってプリンタ15Pが
第６図のようにスタート位置に向かって復動している時
は、第８図の如くカム円盤８の小径部18bが支持ローラ1
9に接して押上げを解くため、フレーム板７の全体は同
じく第６図のように降下してプリンタヘッド15Paを差込
まれた印字用紙Ｔの印字面に近接し、プリンタ15Pによ
る印字を可能にする仕組に成っている。

尚、第７図と第８図に於いて7fはフレーム板７に切欠
した上記支持ローラ19用の挿入穴を示す。

本考案に係る印字装置の構成は以上述べた如くである
から、印字用紙Ｔを第５図の如く差込口２内に挿入して
スイッチ３をオンすると、モータ11が駆動してカム軸13
を第７図と第８図に於いて反時計回転方向に回転し、カ
ム円盤18によって同じく第５図の如くフレーム板７の全
体を基台５より押上げた状態で、プリンタ15Pと印字リ
ボンケース15Rを取付けた枠体15を印字開始位置に向け
て図面上左方向に往動する。

次いで、カム軸13の回転に従って枠体15が第６図に於
いて右方向に復動する時は、カム円盤18による押上げが
解かれて、フレーム板７の全体はスプリング９の牽引力
と自重によってゴムストッパー17が印字用紙の面に接す
る迄降下し、プリンタ15Pによる印字を一定の印字圧力
とクリアランスで濃淡無く均一に行うことができる。

また、以上の如くカム軸13の１回転によって枠体15と
共に往復移動したプリンタ15Pは、フレーム板７の全体
がカム円盤18の１回転によって少し押上げられた位置で
その移動が停止され、印字済み印字用紙Ｔの引抜きと、
次の印字用紙Ｔの差込みを可能にする。

〔効果〕

以上述べた次第で、本考案に係る印字装置によれば、
印字用紙の差込みに従ってプリンタがスタート位置より
印字開始位置に向けて往動する時は、このプリンタを搭
載したフレーム板の全体をカム円盤で押上げて、プリン
タヘッドと印字用紙面との間隔を広げる一方、プリンタ
が印字開始位置よりスタート位置に向けて復動する時
は、上記フレーム板の全体を降下させてプリンタヘッド
を印字用紙面に近接させ、而も、プリンタヘッドと印字
用紙面の間隔をゴムストッパーで一定圧に保って印字圧
を一定に保つから、如何なる紙厚の印字用紙に対して
も、常時一定圧で濃淡むらのない鮮明な印字を無調整で
行うことができるものであって、タイムスタンプとかタ
イムレコーダと云った各種印字機に用いて洵に好適なも
のである。

【図面の簡単な説明】 第１図と第２図は本考案に係る印字装置の外観を示した
側面図と正面図、第３図と第４図は本考案の内部構造を
示した側面図と平面図、第５図と第６図はプリンタの往
動時と復動時の状態を示した側面図、第７図と第８図は
カム円盤による押上げ時と押上げ解除時の状態を説明し
た構成図である。 １は機体、２は差込口、Ｔは印字用紙、５は基台、７は
フレーム板、８はガイド軸、９はスプリング、11はモー
タ、13はカム軸、13bはカム溝、15は枠体、15Pはプリン
タ、17はゴムストッパー、18はカム円盤、18aは大径
部、18bは小径部、19は支持ローラ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台上に立設したガイド軸にフレーム板を
   上下作動自在に取付けて、これ等基台とフレーム板の間
   隔を印字用紙の差込通路と成す一方、上記のフレーム板
   には、差込まれた印字用紙に対して時刻印字とかナンバ
   リング等を行うためのプリンタと、このプリンタを往復
   移動するためのカム軸と、該カム軸を回転するためのモ
   ータを搭載して、上記フレーム板と基台の間には、フレ
   ーム板を常時基台側に牽引するスプリングを張設し、ま
   た、フレーム板の底面にはプリンタヘッドと印字用紙面
   との間隔を常時一定に保つゴムストッパーを設けると共
   に、上記カム軸の一端には、カム面を基台側に設けた支
   持ローラに押接しながら回転して、プリンタが上記のカ
   ム軸によって印字開始位置に向けて往動されている時
   に、フレーム板の全体をスプリングの牽引力に抗して上
   方に押し上げて差込通路の間隔を広げ、また、プリンタ
   が印字作動しながらスタート位置に向けて復動する時に
   は、上記フレーム板に対する押上げを解いてフレーム板
   を基台側に降下させることができるカム円盤を設けたこ
   とを特徴とする印字装置。