JP2538500Y2 - 隠蔽情報表示用カード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、預金残高、ローン残高、クレジットカード
の使用明細等の隠蔽すべき情報（以下、隠蔽情報とい
う）が表示されるとともに、この隠蔽情報が被覆隠蔽さ
れた隠蔽情報表示部を有し、この隠蔽情報表示部に表示
された隠蔽情報を確認したうえ、再度確実に隠蔽できる
隠蔽情報表示用カード（本明細書においてカードとは、
一般的なカードのほか、葉書等の各種情報を表示し得る
すべてのシート状部材を含む）に関する。

従来の技術 従来から、この種のカードは種々の構成のものが知ら
れているが、表示された隠蔽情報の隠蔽は不透明なラベ
ルを剥離自在に接着することにより行っている。そし
て、秘密漏洩を確認するために、一旦剥離したラベルは
再度接着することが不可能に構成されている。したがっ
て、従来において、隠蔽情報の宛名人がこの隠蔽情報を
確認したうえ再度被覆隠蔽することを可能にするには、
前記ラベルとは別にカードに切り離し可能に連接され、
あるいは、カードとは別体に設けられた、新たなラベル
を利用しなければならない。

考案が解決しようとする課題 このため従来においては、再被覆隠蔽用のラベルをカ
ードに切り離し可能に連接した場合には、使用に際して
前記ラベルを切り離す動作が煩雑であり、また、別体と
した場合には保管中に損失する等の問題があり、取り扱
いが不便であるという不都合があった。

本考案は、このような不都合を解消した隠蔽情報表示
用カードを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、少なくともその
一部に隠蔽すべき情報が表示された隠蔽情報表示部に
は、前記隠蔽すべき情報部分を少なくとも含む部分に、
透視可能なフィルムが接着され、このフィルムの表面側
には、裏面側を剥離面としてなる不透明な被覆部材が剥
離可能に接着される一方、前記隠蔽情報表示部に対して
折り重ねられる重ね合わせ部には、互いに剥離可能に接
着された２枚の透視可能なフィルムの一方が接着され、
他方のフィルムの表面側には透視可能な剥離シートが剥
離可能に接着されたものである。

前記接着構造として、例えば、透視可能な２枚の樹脂
フィルムを互いに剥離可能に不完全に溶着したり、粘着
剤等の接着手段により剥離可能に接着する一方、これら
樹脂フィルムをカードに対して粘着剤等の接着手段によ
り接着した構造がある。そして、接着手段として使用さ
れる接着剤や粘着剤も透視可能なものを用いる。

作用 隠蔽情報表示部に表示された隠蔽情報を確認した後、
必要に応じて新たな隠蔽情報を記載し、剥離シートを剥
離して、カードの重ね合わせ部を折り返すことにより、
露出した接着構造によって前記隠蔽情報表示部に接着す
れば、ここに表示された隠蔽情報は外部から視認不能と
なる。また、前記重ね合わせ部を剥離すれば、前記接着
構造は透視可能なので隠蔽情報が再び視認可能となる。

実施例 以下、本考案を往復葉書に適用した場合の好適な一実
施例について添付図面の第１図〜第７図に基づき詳細に
説明する。

ここにおいて、第１図は往復葉書の平面図、第２図は
同じく背面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第４
図は返信用葉書の被覆されていた隠蔽情報を視認可能と
し、往信用葉書の重ね合わせ部以外の部分を切り取った
状態を示す平面図、第５図は往復葉書の返信時を示すも
ので新たな隠蔽情報を記入し、あらかじめ表示されてい
た別の隠蔽情報とともに被覆隠蔽した返信用葉書の裏面
側を示す平面図、第６図は第５図のＢ−Ｂ線断面図、第
７図は返信用葉書の隠蔽情報を視認可能にした状態を示
す裏面側の平面図である。

第１図及び第２図に示すように、往復葉書１は折り兼
切り用ミシン目２を境として往信用葉書３と返信用葉書
４に区分けされ、前記折り兼切り用ミシン目２と反対側
端には、それぞれマージナル孔5,6が等間隔に透設され
たマージナル部7,8が、切り用ミシン目9,10を境にして
設けられている。また、前記往信用葉書３には各ミシン
目2,9と直交すべく横方向に伸びる切り用ミシン目11が
設けられ、表裏両面がそれぞれ表示部3a,3cと隠蔽部3b,
3dとに区分けされている。なお、図示してはいないが、
通常、往復葉書１は第１図及び第２図上、上下方向に折
り兼切り用ミシン目を介して多数連接されているもので
ある。

第１図で明らかなように、往信用葉書３の表面側の表
示部3aには、往復葉書１の往信時の宛先を示す往信用宛
先表示12が表示される一方、隠蔽部3bには「この葉書の
使い方」なる標題の下に、使用方法に関する説明文13が
表示されている。第２図で明らかなように、前記往信用
葉書３の裏面側の表示部3cには、往復葉書１の差出人表
示14と、「預金残高確認のお願い」なる標題の下に受領
人に対して預金残高確認を依頼する依頼文15が表示され
ている。また、同じく裏面側の隠蔽部3dには「新商品△
△△△のご案内」なる標題の下に、新金融商品に関する
説明や購入案内等の案内文16が表示されている。

第１図に示すように、返信用葉書４の裏面側には、往
信用葉書３の表示部3aに対応する部分に、「預金残高確
認書」なる標題の下に、確認日付記入欄18と、返信人の
住所、電話番号、氏名を記入し、確認印を捺印する返信
用葉書差出人記入欄17とが設けられている。

一方、前記返信用葉書４の裏面側における往信用葉書
３の隠蔽部3bに対応する部分は隠蔽情報表示部となり、
ここの切り用ミシン目10側には第３図及び第４図で明ら
かなように、他人には知られたくない隠蔽情報である口
座番号、名義人、預金残高からなる預金残高情報19があ
らかじめ印字されるとともに、剥離不能に透明フィルム
20が粘着剤21で接着された上に、裏面側に剥離処理を施
したラベル22が前記透明フィルム20に対して透明または
半透明な粘着剤23を介して剥離可能に接着され、前記ラ
ベル22によって前記預金残高情報19は被覆隠蔽され、外
部からは視認不能となっている。前記ラベル22の表面に
は、第１図に示すように、「このラベルをはがして残高
を確認して下さい」と表示されている。また、このラベ
ル22で被覆隠蔽された預金残高情報19の左側には、残高
の確認結果を記入するための確認情報記入欄24が設けら
れている。

そして、往信用葉書３の表面側に隠蔽部3bが、前記預
金残高情報19及び前記確認情報記入欄24を被覆するよう
に重ねられる重ね合わせ部を構成する（第４図〜第６図
参照）。また第２図で明らかなように、返信用葉書４の
表面側には、往復葉書１の返信時の宛先を示す返信用宛
先表示25が表示されている。

第１図及び第３図に示すように、往信用葉書３の隠蔽
部3bには、透明な剥離シート26が透視可能な接着構造を
介して接着されている。この接着構造を説明すると、ポ
リエチレン、ポリエステル等の合成樹脂製の透明フィル
ム27と同じくポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂
製の透明フィルム28とが、不完全な溶着等の手段により
剥離可能に接着され、前記透明フィルム28が前記隠蔽部
3bに透視可能な粘着剤29によって接着されてなるもので
ある。そして、前記透明フィルム27には、剥離シート26
が透視可能な接着力の弱い粘着剤30によって剥離可能に
接着されている。また、前記剥離シート26にはスリット
31が設けられ、このスリット位置を容易に認識できるよ
うに、前記スリット31に沿って青、赤等の色彩を施した
識別線32が設けられている。なお、前記剥離シート26及
び前記各透明フィルム27,28は半透明なフィルムであっ
てもよい。また、前記識別線32はスリット31の両側に沿
って設けてもよいほか、スリット31の片側あるいは両側
の近傍にその一部に沿う長さに設定して設けてもよい。
さらに、識別線32に換えて矢印等の識別マークを設ける
ことも可能である。前記剥離シート26は透明であり、ま
た接着構造も透視可能であるから、隠蔽部3bに表示され
た説明文13は透視可能である。

次に、上述した往復葉書１の使用法について説明す
る。

第１図〜第３図図示状態において、各切り用ミシン目
9,10からマージナル部7,8を切り離し、折り兼切り用ミ
シン目２で往信用葉書３の表面側、すなわち第１図図示
側が表面となるように折り畳むと、往復葉書１として投
函可能状態になる。

この往復葉書１を受領した受領人、すなわち往信時の
宛先人は、剥離シート26を通して説明文13を読み、ラベ
ル22を剥がし、透明フィルム20を通して預金残高情報19
を確認したうえ、確認結果を確認情報記入欄24に記入す
る。ここで、預金残高情報19が自己の保管する預金通帳
の残高と同一であれば、前記確認情報記入欄24の“1"を
○で囲み、相違する場合には“2"を○で囲んで自己の保
管する預金通帳の残高を記入する。そして、各ミシン目
2,11から往信用葉書３の表示部3a,3cを切り離す一方、
返信用葉書差出人記入欄17及び確認日付記入欄18にそれ
ぞれ所定事項を記入し、捺印する（第４図参照）。さら
に、剥離シート26を識別線32に沿ったスリット31部分か
ら開くように剥離し、透明フィルム27上の粘着剤30を露
出させて折り兼切り用ミシン目２から返信用葉書４の記
入済の確認情報記入欄24と預金残高情報19を被覆する透
明フィルム20に対して折り返すと、前記粘着剤30で接着
されて、第５図及び第６図図示状態となり、返信用葉書
４は投函可能状態となる。この投函可能状態では、預金
残高情報19と確認情報記入欄24に記入された隠蔽情報
（第４図及び第６図参照）は往信用葉書３の隠蔽部3b,3
dに隠蔽されて外部から視認不能となる。

この第５図及び第６図図示状態で返信用葉書４を受領
した往復葉書１の差出人が隠蔽部3b,3dを開くと、接着
状態にあった各透明フィルム27,28が互いに剥離され、
第７図に示すように、前記透明フィルム27を通して隠蔽
情報である預金残高情報19と確認情報記入欄24が視認可
能な状態となる。

第８図は、接着構造に関する他の実施例を示すもの
で、本実施例が上述した実施例と相違するのは、一方の
透明フィルム27aの幅方向の長さを、他方の透明フィル
ム28aよりも長く形成した点にある。その他の構成につ
いては上述した実施例と同一であるからその説明は省略
する。本実施例によれば、各透明フィルム27a,28aの剥
離が容易になるという利点がある。この長さの相違は幅
方向の一端側のみについて設定してもよく、また、透明
フィルム28aを透明フィルム27aよりも長く形成してもよ
い。

上記各実施例によれば、剥離シート26が透視可能に構
成されるとともに、接着構造も透視可能であるから、重
ね合わせ部に各種情報を表示して、これを視認できると
いう利点がある。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるものでは
なく、例えば、剥離シート26には必ずしもスリット31や
識別線32を設ける必要はない。さらに、ラベル22を剥離
可能に接着する接着構造も２枚の透明フィルムを剥離可
能に接着した構造を利用してもよい。またさらに、本考
案が適用されるカードが上述した往復葉書１に限定され
ないことはもちろんである。

さらに、隠蔽情報表示部の透視可能なフィルム20と不
透明な被覆部材22を接着する部分は、前記実施例のよう
に、隠蔽すべき情報部分のみだけでなく、隠蔽情報表示
部全体、あるいは隠蔽情報表示部の一部であって、かつ
隠蔽すべき情報部分と隠蔽すべき情報が存在しない部分
を含むものでもよい。

効果 以上説明したところで明らかなように、本考案によれ
ば、隠蔽情報を再被覆するために重ね合わせ部に設けた
接着構造を透視可能に構成したので、隠蔽情報表示部に
あらかじめ表示された隠蔽情報を確認した後、必要に応
じて新たな隠蔽情報を記載し、前記重ね合わせ部を折り
重ねれば再び前記隠蔽情報を被覆隠蔽でき、また前記重
ね合わせ部を剥離すれば被覆隠蔽されていた隠蔽情報を
再び視認できるから、隠蔽情報表示用カードとしての利
用範囲が拡大されるとともに、その取扱も容易であると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示し、第１図〜第７図は第
１実施例を示すものであって、第１図は往復葉書の平面
図、第２図は同じく背面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第４図は返信用葉書の被覆されていた隠蔽情報
を視認可能とし、往信用葉書の重ね合わせ部以外の部分
を切り取った状態を示す平面図、第５図は往復葉書の返
信時を示すもので新たな隠蔽情報を記入し、あらかじめ
表示されていた別の隠蔽情報とともに被覆隠蔽した返信
用葉書の裏面側を示す平面図、第６図は第５図のＢ−Ｂ
線断面図、第７図は返信用葉書の隠蔽情報を視認可能に
した状態を示す裏面側の平面図、また、第８図は他の実
施例を示す断面図である。 １……往復葉書、２……折り兼切り用ミシン目、３……
往信用葉書、3a,3c……表示部、3b,3d……隠蔽部、４…
…返信用葉書、19……預金残高情報、20……透明フィル
ム、22……ラベル、24……確認情報記入欄、26……剥離
シート、27,28……透明フィルム、29,30……粘着剤、27
a,28a……透明フィルム

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくともその一部に隠蔽すべき情報が表
   示された隠蔽情報表示部には、前記隠蔽すべき情報部分
   を少なくとも含む部分に、透視可能なフィルムが接着さ
   れ、このフィルムの表面側には、裏面側を剥離面として
   なる不透明な被覆部材が剥離可能に接着される一方、前
   記隠蔽情報表示部に対して折り重ねられる重ね合わせ部
   には、互いに剥離可能に接着された２枚の透視可能なフ
   ィルムの一方が接着され、他方のフィルムの表面側には
   透視可能な剥離シートが剥離可能に接着されたことを特
   徴とする隠蔽情報表示用シート。