JP2537675Y2 - プレハブ住宅における玄関庇の組付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ポーチ柱が不要なプレハブ住宅における玄
関庇の組付け構造に関する。

〔従来の技術〕

プレハブ住宅における玄関庇の組付け構造として、従
来、第４図に示すように、玄関Ｇの玄関柱11にまぐさ12
の根端部12aを取り付け、そのまぐさ12の先端部12bをポ
ーチ柱13で支えてポーチＰの上にまぐさ12を水平に固定
し、そのまぐさ12の上に玄関庇14を固定したものが知ら
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の玄関庇の組付け構造では、玄関Ｇの出入り
に際してポーチ柱13が何かと邪魔になり、またポーチＰ
を広く使えないという不都合がある。ポーチ柱13を無く
すればこのような不都合は解消されるが、従来の構造で
あると、ポーチ柱13は玄関庇14の荷重を大きい比率で負
担しているため、玄関庇14の支持強度上ポーチ柱13を省
くことができない。

ところで、住宅本体の屋根パネルの軒の出を大きくし
て玄関庇に代用すればポーチ柱が不要となるが、この場
合、軒の出を大きくすることは強度の面で好ましくな
く、玄関庇が小さく限定される。

本考案はポーチ柱が不要でポーチを広く使うことがで
きるプレハブ住宅における玄関庇の組付け構造を提供す
ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案は、全長のほぼ
半分を占める固定部と残りのほぼ半分を占める突出部と
からなるまぐさを、玄関の側壁パネルおよびこの側壁パ
ネルのポーチ側に設けられた玄関柱の上に固定部を載
せ、かつポーチの上方に突出部を突き出して側壁パネル
および玄関柱に固定部を固定して設け、該まぐさの突出
部の上に玄関庇をポーチを覆って固定した構成とした。

〔作用〕

まぐさの固定部を上に載せて固定した側壁パネルおよ
び玄関柱が玄関庇の全荷重を受ける。まぐさの固定部は
まぐさ全長のほぼ半分を占めるので、玄関庇の荷重は側
壁パネルおよび玄関柱の全体にかかることになり、十分
に強い支持力が得られる。このためポーチ柱が不要で玄
関の出入に支障となるものはなく、ポーチを広く使うこ
とができる。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示すもの
で、図中符号１は側壁パネルである。側壁パネル１は土
台２の上に垂直に立てられてアンカーボルト３で固定さ
れ、玄関Ｇの側面を構成している。側壁パネル１の前
（第１図で右）には玄関柱４がこれも土台２上に垂直に
立てられて固定されている。側壁パネル１と玄関柱４の
高さは同一に揃えられ、玄関柱４に側壁パネル１が一体
に固定されている。

また、符号５はまぐさであり、これは全長の半分を占
める固定部5aと残る半分を占める突出部5bとからなる。
まぐさ５は、固定部5aを側壁パネル１と玄関柱４の上に
載せるとともに、突出部5bをポーチＰの上方に突出さ
せ、固定部5aを側壁パネル１と玄関柱４に釘やボルト等
の周知の固定手段（図示せず）で固定して水平に設けら
れる。そして、上記まぐさ５の上に玄関庇６がポーチＰ
を覆って支持され、釘やボルト等の固定手段（図示せ
ず）でまぐさ５に固定される。

側壁パネル１と玄関柱４に対するまぐさ５の上記固定
手段による固定、及びまぐさ５に対する玄関庇６の上記
固定手段による固定のほかに、側壁パネル１とまぐさ
５、及び玄関庇６は、それらに形成された固定孔1a,5c,
6aにボルト７を挿通し、該ボルト７にナット８を螺着し
て一体に固定されている。なお、ボルト７及びナット８
による固定は１個所しか示されていないが、２個所以上
を固定することもできる。また、第１図には玄関庇６の
手前側の組付け構造しか示されていないが、玄関庇６の
向う側は、手前側と同一の組付け構造、或は、玄関庇６
の向う側が住宅本体の壁パネル９に接しているような場
合、その壁パネル９に固定することもできる。

側壁パネル１は住宅本体側の壁パネル10に釘やボルト
等の固定手段（図示せず）で一体に取り付けられる。側
壁パネル１の高さはまぐさ５の高さ分壁パネル10より低
くされている。

上記の構造では、側壁パネル1,1と玄関柱４がまぐさ
５と玄関庇６の全荷重を受ける。なお、壁パネル９に玄
関庇６を固定した場合は壁パネル９も玄関庇６の荷重を
受けることは言うまでもない。側壁パネル1,1と玄関柱
４に固定されたまぐさ５の固定部5aはまぐさ全長の半分
とされており、しかもボルト７が固定孔1a,5c,6aに挿通
されて側壁パネル１とまぐさ５、及び玄関庇６の三者を
まぐさ５の根端部において一体に結合しているため、玄
関庇６の軒先側に加わる雪や風圧等の荷重に耐えること
ができる十分な組付け強度が得られる。したがってまぐ
さ５の自由端をポーチ柱で支える必要がなく、これを省
くことができる。

図の実施例では玄関柱４を側壁パネル１と別体に設け
たが、これを側壁パネル１に一体に組み込むこともでき
る。この場合は、玄関柱として表面には現れない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るプレハブ住宅におけ
る玄関庇の組付け構造は、全長のほぼ半分を占める固定
部と残りのほぼ半分を占める突出部とからなるまぐさ
が、玄関の側壁パネルおよびこの側壁パネルのポーチ側
に設けられた玄関柱の上に固定部を載せ、かつポーチの
上方に突出部を突き出して玄関柱および側壁パネルに固
定部を固定して設けられ、該まぐさの突出部の上に玄関
庇がポーチを覆って固定された構成とされているので、
玄関庇の強固な組付けが得られる。特に、最も荷重がか
かると予想される側壁パネルのポーチ側に玄関柱を配設
したことによって、玄関庇の重量だけでなく、突出した
軒先により作用する偶力や玄関庇に加わる雪や風圧等に
よって作用する荷重に耐えることができる。このため従
来のようなポーチ柱が不要であり、玄関の出入りに支障
がなくなるとともに、ポーチを広く使うことができる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示すもので、
第１図はプレハブ住宅における玄関庇の本考案の組付け
構造を示す正面図、第２図は側壁パネルとまぐさ、及び
玄関庇のボルト及びナットによる結合構造を示す正面
図、第３図は第２図のIII−III線部分の断面図である。
第４図はプレハブ住宅における玄関庇の従来の組付け構
造を示す正面図である。 Ｇ……玄関、Ｐ……ポーチ １……側壁パネル、1a……固定孔 ２……土台、３……アンカーボルト ４……玄関柱、５……まぐさ 5a……固定部、5b……突出部 5c……固定孔、６……玄関庇 6a……固定孔、9,10……壁パネル

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】全長のほぼ半分を占める固定部と残りのほ
   ぼ半分を占める突出部とからなるまぐさが、玄関の側壁
   パネルおよびこの側壁パネルのポーチ側に設けられた玄
   関柱の上に固定部を載せ、かつポーチの上方に突出部を
   突き出して側壁パネルおよび玄関柱に固定部を固定して
   設けられ、該まぐさの突出部の上に玄関庇がポーチを覆
   って固定されたことを特徴とするプレハブ住宅における
   玄関庇の組付け構造。