JP2535444B2 - 耐食性に優れた蒸着Cu合金めっき材、及びそれを製造する方法 - Google Patents

耐食性に優れた蒸着Cu合金めっき材、及びそれを製造する方法

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JP2535444B2 JP2252974A JP25297490A JP2535444B2 JP 2535444 B2 JP2535444 B2 JP 2535444B2 JP 2252974 A JP2252974 A JP 2252974A JP 25297490 A JP25297490 A JP 25297490A JP 2535444 B2 JP2535444 B2 JP 2535444B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐食性に優れた蒸着Cuめっき材に関するもの
であり、本発明の蒸着Cuめっき材は建築材料、家庭電化
製品、電子材料、自動車等の広範な分野において利用す
ることができる。
[従来の技術] Cuは優れた光沢、色調、潤滑性、ろう付け性を有して
いるので、Cuめっき材料は上記分野において幅広く使用
されている。現在Cuめっき材料は一般に電気めっき法に
より製造されているが、電気めっき法により作られため
っき層にはピンホールが存在するので、めっき基材がCu
よりも卑な電位を有する材料の場合には、ガルバニック
腐食によりめっきピンホールからめっき基材の腐食が発
生し、めっき材の美観や性能を早期に劣化させるという
問題点がある。
そこで耐食性の要求される用途ではめっき基材に優れ
た耐食性を有する材料、例えば高Cr含有鋼やステンレス
鋼を使用することにより腐食の発生を抑制しているが、
この様なめっき基材の使用はCuめっき材のコストアップ
につながるとともに、Cr含有鋼であるために加工性が悪
く用途が限定されるという問題があった。
本発明者らは上記問題を解決するための手段として特
開昭64−75663号公報に示される純Cuの蒸着めっきを施
した高耐食性Cuめっき材を提案したが、使用環境及び用
途の多様化に伴なって一層の耐食性の改善が求められる
ようになっている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであっ
て、使用環境及び用途の多様化に対応し得る優れた耐食
性を有する蒸着Cu合金めっき材を提供しようとするもの
である。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた本発明の耐食性に優
れた蒸着Cu合金めっき材は、基材表面に、Al,Zn,Mn,Mg,
Ni及びSnよりなる群から選択される1種または2種以上
の合金化元素を含有する蒸着Cu合金めっき層を有し、且
つ該めっき層中の前記基材側との界面部における前記合
金化元素の含有率が20〜100重量%であり、該界面部か
らめっき層の表面部に向けて、前記合金化元素の含有率
が徐々に低く或は高くなる濃度勾配を有するものである
ことを要旨とする。
また本発明の耐食性に優れた蒸着Cu合金めっき材を製
造する方法は、るつぼに入れられためっき用金属を真空
室内で蒸発させ金属蒸気として上方へ分散放出させ、該
金属蒸気を前記るつぼ内のめっき用金属と対向した基材
表面に蒸着させて蒸着めっき層を形成するに当たり、前
記基材が上記るつぼの上方を略水平方向に移動して前記
対向した基材表面に蒸着めっきされるものであり、Al,Z
n,Mn,Mg,Ni及びSnよりなる群から選択される1種または
2種以上の合金化元素が入れられたるつぼと、Cuが入れ
られたるつぼを、前記基材の移動方向に沿って配置し、
前記各るつぼ内の各金属が蒸気となって上方へ分散放出
されることによって夫々の蒸気が前記るつぼの上方で混
ざり合い、該混ざり合った蒸気中の上記各金属蒸気の濃
度がるつぼ配置方向に見て漸次変化している様な状態を
形成し、るつぼの上方を移動する基材の前記表面に、濃
度がるつぼ配置方向に見て漸次変化をしている金属蒸気
を順次蒸着させていくことによってめっき層を形成する
ことを要旨とする。
[作用] 本発明者らはCuめっき材の耐食性を向上させることを
目的として、合金組成のコントロールが容易な蒸着めっ
きを採用し各種組成のCu合金めっき材を作成することを
検討した。その結果、Al,Zn,Mn,Mg,Ni,Snから選択され
る1種または2種以上の合金化元素を含有するCu合金め
っき材が著しい耐食性の向上を示すことを見いだした。
これはCuめっき層中に上記合金化元素が添加されるこ
とにより、Cu合金めっき層がめっき基材よりも電気化学
的に卑な電位を有するようになった結果、犠牲防食効果
によりめっき基材の腐食を抑制するためであると考えら
れる。
しかし合金化することにより純Cuの有する光沢、色調
或は潤滑性、自己ろう付け性が損なわれる場合があり、
使用目的によっては上記Cu合金めっき材が使用できない
こともある。また表層部に対して上記以外の特別の機能
性を与えることが要求される場合もある。そこで本発明
者らは更に検討を重ねた結果従来のような均一なめっき
層ではなく、めっき層深さによってめっき組成を変化さ
せることにより、上記問題を解決した。即ち、めっき層
のめっき基材側の界面部を上記Cu合金とすることによっ
て優れた耐食性を得、めっき層表層部の合金化元素の含
有率を界面部と違えて適宜設定(高くまたは低く)する
ことによって目的とする光沢、色調、潤滑性等を得るこ
とができる。
以下更に詳しく説明する。
めっき層の合金化元素含有率は、めっき基材側の界面
部においては20〜100重量%、より好ましくは50〜100重
量%とする。合金化元素含有率が20重量%未満では十分
な耐食性が得られない。上限は耐食性に関しては特に制
限されるものではないが、合金化元素としてZn,Mg及びS
nを使用した場合には100重量%近い含有率になると、め
っき剥離等が起こる場合もあるので、80重量%以下とす
ることが好ましい。
上記合金化元素含有率は使用目的に応じ、めっき層の
表層部に向かうにつれて段階的に或は連続的に変化させ
て濃度勾配を設ける。即ち、基材側界面部からめっき層
の表面部に向けて、合金化元素の濃度を徐々に低く或い
は高くする。尚、ここに言うめっき層の表面部とは、最
表面或いは表面近傍を指す。
第3図に合金化元素の1つであるAlの含有量と半田付
けの際の接触角の関係を示す。図に示される様にAl含有
量が低い方が接触角が小さく半田付けに適していること
がわかる。また前記の様に純Cuの光沢や色調等が必要と
される用途においては、最表層部を純Cuとすればよく、
一方装飾用途などで純Cu以外の光沢や色調が必要とされ
る場合には目的に応じて適宜合金化元素の種類及び含有
率を選択すればよい。合金化元素としてZnを用いた時の
Zn含有量とめっき層の色彩の関係を第4図に示す。含有
量を変化させることによって様々な色彩が得られること
がわかる。
上記Cu合金めっき層を形成する方法としては蒸着めっ
き法が最適である。電気めっき法では使用できる合金化
元素の種類及び含有率が限定されるのみならず、浴管理
が難しい等の問題がある。
真空蒸着めっき法による製造方法の一例を第1図に示
す。図に示されるように、矢印方向へ走行する鋼板1の
下方部に2個のるつぼ2a,2bを配列し、走行方向上流側
のるつぼ2a内には合金化元素を装入するとともに2b内に
Cuを装入する。そして合金化元素、Cuをおのおの加熱蒸
発させて各蒸気雰囲気をラップさせながら蒸着を行な
う。そうすれば鋼板1にまず合金化元素比率の最も高い
蒸気が蒸着され、鋼板1が移動するにつれてCu蒸気比率
が徐々に高くなった蒸気が蒸着される。その結果、鋼板
との界面部の合金化元素が最も高く、表層部の合金化元
素含有率が最も低い、又はまったく含有しないなだらか
な濃度勾配を有する蒸着Cu合金めっき層が形成される。
合金化元素の濃度勾配を逆に鋼板との界面部において最
も低く、表層部において最も高くする場合は、るつぼ2a
にCuを、また、るつぼ2bに合金化元素を装入すればよ
い。濃度の調節はるつぼ2a,2bの加熱条件や真空度、ま
た、鋼板の予熱温度により自由にコントロールすること
ができる。めっき層厚さも鋼板1の走行速度を調整する
ことにより任意に設定可能である。各金属の加熱にはど
の様な手段を用いても良いが、比較的融点の高い金属を
溶解できコントロールも容易な電子ビームなどの高エネ
ルギービームを用いる方が好ましい。
尚、本発明における蒸着めっき法とは、めっき基材に
マイナス電圧をかけ金属蒸気をイオン化させてめっきす
るイオンプレーティング法なども含むものである。
第2図には上記真空蒸着めっき法により得られた蒸着
Cu−Mnめっき鋼板のめっき厚さ方向のMn濃度変化の例を
示す。めっき層−鋼板界面部のMn含有量は50wt%であ
り、表面層側に向かうにつれてMn濃度が減少し、最表層
部ではMnをまったく含有しない。
以下実施例によって本発明を更に詳述するが、下記実
施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨
を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技
術範囲に包含される。
[実施例] 電解脱脂後水洗し、表面を清浄化した各種鋼板上に、
第1図に示した方法に準じて各種Cu合金めっき層を形成
した。このとき付着量は20g/m2とし、比較例として、純
Cu蒸着めっき材、純Cu電気めっき材、本発明の規定範囲
外での蒸着Cu合金めっき材を製作した。
第1表、第2表に上記蒸着めっき材について耐食性を
調査した結果を示す。
尚耐食性は下記の方法により調べた。
(耐食性) 室温下で5%食塩水の噴霧試験を継続し、赤錆が発生
するまでの時間で評価した。
◎:24h〜 ○:8〜24h △:3〜7h ×:〜3h 第1表に示される実施例1〜20はめっき層のめっき基
材側の界面部における合金化元素含有率が20重量%以上
であり、優れた耐食性を示していた。一方第2表に示さ
れる比較例1〜6は上記含有率が20重量%未満であるの
で、比較例7の蒸着純Cuめっき材と同等の耐食性しか得
られていない。尚比較例8は電気めっきによる純Cuめっ
き材でありピンホールが存在するので、純Cu蒸着めっき
材よりも耐食性に劣っていた。
[発明の効果] 本発明は以上のように構成されており、優れた耐食性
を有するとともに、光沢、色調、潤滑性、自己ろう付け
性などを調整することにより幅広い用途に対応できるCu
合金めっき材を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法の一例を示す模式図、第2図
は本発明のCu合金めっき層の組成変化の一例を示すグラ
フ、第3図はめっき層中のAl含有量と半田付けの際の接
触角の関係を示すグラフ、第4図はめっき層中のZn含有
量とめっき層の色彩の関係を示すグラフである。 1…鋼板、2a…るつぼ 2b…るつぼ、3…めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−160958(JP,A) 特開 昭61−276994(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に、Al,Zn,Mn,Mg,Ni及びSnよりな
    る群から選択される1種または2種以上の合金化元素を
    含有する蒸着Cu合金めっき層を有し、 且つ該めっき層中の前記基材側との界面部における前記
    合金化元素の含有率が20〜100重量%であり、 該界面部から前記めっき層の表面部に向けて、前記合金
    化元素の含有率が徐々に低くなるか、或は高くなる濃度
    勾配を有するものであることを特徴とする耐食性に優れ
    た蒸着Cu合金めっき材。
  2. 【請求項2】るつぼに入れられためっき用金属を真空室
    内で蒸発させ金属蒸気として上方へ分散放出させ、該金
    属蒸気を前記るつぼ内のめっき用金属と対向した基材表
    面に蒸着させて蒸着めっき層を形成するに当たり、 前記基材は上記るつぼの上方を略水平方向に移動させて
    前記対向した基材表面に蒸着めっきされるものであり、 Al,Zn,Mn,Mg,Ni及びSnよりなる群から選択される1種ま
    たは2種以上の合金化元素が入れられたるつぼと、Cuが
    入れられたるつぼを、前記基材の移動方向に沿って配置
    し、 前記各るつぼ内の各金属が蒸気となって上方へ分散放出
    されることによって夫々の蒸気が前記るつぼの上方で混
    ざり合い、該混ざり合った蒸気中の上記各金属蒸気の濃
    度がるつぼ配置方向に見て漸次変化している様な状態を
    形成し、 るつぼの上方を移動する基材の前記表面に、濃度がるつ
    ぼ配置方向に見て漸次変化をしている金属蒸気を順次蒸
    着させていくことによって請求項1に記載の耐食性に優
    れた蒸着Cu合金めっき材を製造する方法。
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