JP2534589B2 - 薄肉化深絞り缶用ポリエステル樹脂被覆鋼板および原板 - Google Patents

薄肉化深絞り缶用ポリエステル樹脂被覆鋼板および原板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、飲料缶等の缶容
器材料に関し、特に耐肌荒れ性が良く、加工密着性、耐
食性の優れた薄肉化深絞り缶用ポリエステル樹脂被覆鋼
板および原板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来側面無継目(サイドシ−ム)缶の有
機被覆鋼板として、一般には成形後の缶に有機塗料を施
す方法と成形前の金属板にあらかじめ樹脂フイルムを被
覆する方法とがある。後者の例としては、テインフリ−
スチ−ルを原板としてこれに二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレ−トを被覆した鋼板がある(特公昭63−138
29号公報)。また、絞りしごき缶用樹脂被覆金属板と
しては、絞りしごき缶の内面となる面にあらかじめポリ
エステルフイルムを被覆した金属板がある(特開平2−
70430号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
あらかじめ樹脂フイルムを被覆した金属板を用いて薄肉
化絞り缶を成形すると、成形後の缶側壁が極めて肌荒れ
しやすいという問題がある。
【0004】通常、薄肉化絞り缶は被覆金属板を円板状
に打ち抜き、これを二段階の絞り加工によって成形され
る。この二段目の絞り加工時においては、フランジ部に
高いしわ押え力を加え、缶側壁の絞り−張り出し加工を
行なうことにより、缶側壁の厚みを減少させている。
【0005】すなわち、ダイスとポンチのクリアランス
が缶側壁の厚みより大きく、加工時において缶側壁がポ
ンチとダイスに拘束されず、いわゆる自由表面となって
いるので、DI(Draw and Ironing)
成形法と比べ缶側壁が肌荒れしやすいという問題があ
る。この肌荒れ状態が生ずると、原板とフィルムの密着
力が減少し、フィルム剥離の一因ともなる。また肌荒れ
は、輸送中の缶同士の接触などの外部からの衝撃が引き
金になり、フィルム面に微細なクラックを生じさせ、ひ
いては耐食性の劣化を招くという問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願は、このような問題
を解決するため、請求項1の発明は、原板の平均結晶粒
径及び原板の平均表面粗さRaを特定した樹脂被覆鋼板
を提供するものであり、請求項2の発明は、その用途に
適した原板を提供するものである。本発明製品であるポ
リエステル樹脂被覆鋼板は、加工密着性、加工耐食性な
どの多くの優れた特性を有しているため、薄肉化深絞り
缶用素材として優れている。
【0007】すなわち本願の薄肉化深絞り缶用ポリエス
テル樹脂被覆鋼板は、原板の平均結晶粒径が5μm以下
でありかつ原板の平均表面粗さRaが0.5μm以下で
あって、原板の片面または両面にポリエステル樹脂を被
覆したことを特徴とする。上記被覆鋼板に適した原板
は、平均結晶粒径が5μm以下でありかつ原板の平均表
面粗さRaが0.5μm以下であることが望ましい。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。 原板の鋼成分 本発明の原板の鋼成分はC:0.10〜0.20%、S
i≦0.03%、Mn:0.15〜1.5%、P≦0.
03%、S≦0.03%、Al:0.02〜0.20
%、N:0.001〜0.020%、残部Feおよび不
可避的不純物より成る。
【0009】Cは原板に高い調質度を与えるために重要
な成分である。少なくともCは0.10%に達しないと
本発明目的において必要な原板の耐力を保証出来ない。
また0.10%以上にすると結晶粒の細粒化に有効であ
る。従ってC成分下限値を0.10%とした。一方でC
成分が0.20%を越えると炭化物析出量が増大し原板
の耐食性の低下をもたらすため、本発明ではC成分の上
限値を0.20%とした。
【0010】Mnは不純物であるSによる熱延中の赤熱
脆性を防止するために必要な成分である。本発明では原
板の耐力保証の見地および結晶粒の細粒化の見地からM
n成分下限値を0.15%とし、一方1.5%を越える
とスラブ圧延中に割れを生ずるので、上限値を1.5%
とした。
【0011】Pは結晶微細化成分であり、また原板の強
度を高めることから一定の割合で添加されるが、一方で
耐食性を阻害する。本発明用途の缶用鋼板としては、P
が0.03%を超えると耐食性、特に耐孔明性が著しく
低下するため上限値を0.03%とした。
【0012】Sは熱延中において赤熱脆性を生じる不純
物成分であり、極力少ないことが望ましいが、鉄鉱石等
からの混入を完全に防止することができず、工程中の脱
硫も困難なことからある程度の残留もやむをえない。小
量の残留Sによる赤熱脆性はMnにより軽減できるた
め、S成分の上限値は0.03%とした。
【0013】Alは製鋼に際し脱酸剤として鋼浴中に添
加され、スラグとして除かれるが、添加量が少ないと安
定した脱酸効果が得られないため、0.02%以上必要
である。またAlは固溶Nと反応してAlNとして析出
し結晶粒の細粒化に寄与する。一方で0.20%以上の
添加は技術上の効果が少なく、経済上好ましくないので
上限値を0.20%とする。
【0014】NはC,Mnと同様に原板に高い調質度を
与える。耐力強化のために必要な成分であるが、0.0
01%より少なくすることは製鋼上の困難を生じ、また
一方0.020%を超える添加は製鋼時に添加するフェ
ロ窒化物の歩留の低下が著しく、安定性に欠ける。さら
に連続鋳造片の表面に割れが生じ、鋳造欠陥となるため
本発明ではN成分範囲を0.001〜0.020%とし
た。
【0015】Siは展伸性および耐食性を阻害する不純
物成分として鋼中に残留するが、通常Alキルド連鋳鋼
に含有する程度であれば缶用材料として用いるのには差
し支えない。このためSi成分は、通常のAlキルド連
鋳鋼の範囲である0.03%以下とした。
【0016】熱間圧延 熱間圧延工程における鋼片加熱温度は本発明において特
定するものではないが、Nの積極的分解固溶および熱間
仕上圧延温度の安定的確保の見地から1100℃以上と
するのが望ましい。
【0017】熱間圧延仕上温度をAr3 点以下にする
と、熱間鋼帯の結晶組織が混粒化するとともに粗大化
し、製品冷延鋼板において肌荒れが生じかつ耐力が低下
するので熱間圧延仕上温度はAr3 点以上とした。
【0018】巻き取り温度は450℃〜650℃とす
る。熱延時のコイルの幅方向および長手方向の品質安定
性を考慮して450℃を下限とする。また巻取温度が6
50℃を超えると、熱延時および連続焼鈍時で結晶粒径
が大きくなり、肌荒れが生じるため、巻取温度は650
℃以下とした。
【0019】一次冷間圧延 一次冷間圧延率が75%未満では焼鈍工程で粗大化もし
くは混粒化した結晶粒を十分微細化することができない
為、一次冷間圧延率は75%を下限とすることが望まし
い。通常、平均結晶粒径を5μm以下にするには、実施
上の経済性も考慮して85〜90%で行うことがさらに
好ましい。
【0020】連続焼鈍 本発明においては、再結晶温度以上A1変態点以下で連
続焼鈍(CA)を行なうことが、平均結晶粒径を5μm
以下にするために必要である。再結晶温度やA1変態点
は、原板の組成でその値が異なる。一方、箱型焼鈍(B
A)では、その製法上高温にさらされる時間が長くなる
ために、結晶粒が粗大化し、薄肉化絞り加工を行うと肌
荒れ性が悪くなる。また、薄肉化絞り加工後のフランジ
加工時にフランジ割れが発生しやすくなるため、連続焼
鈍は必須となる。ここで、平均結晶粒径を5μm以下に
するためには、上記一次冷間圧延率とこの連続焼鈍での
組合せ処理が重要な工程である。中でも上記した再結晶
温度以上A1変態点以下の温度管理は最も重要な管理項
目である。
【0021】調質圧延または二次冷間圧延 この工程は、鋼板表面の平均粗さRaを調整し、ストレ
ッチャ−ストレインの防止、缶強度の付与などの目的を
有し、選択的に調質圧延または二次冷間圧延が採用され
る。調質圧延を行う場合は、伸び率は0.5〜2.0%
が適当である(SR材ーSingle Cold−Re
dused Product)。特に成形後の缶強度を
もたせるためには二次冷間圧延を採用するが、この場合
は圧下率を調質圧延の場合より増し5〜40%とする
(DR材ーDouble Cold−Redused
Product)。
【0022】平均表面粗さ 平均表面粗さの特定について図1に基づいて説明する。
平均表面粗さは調質圧延または二次冷間圧延工程におい
て調整される。すなわちロールの表面粗さが圧延時に原
板に転写されるのである。原板の表面粗さを小さくしよ
うとすれば、表面がブライトのロールを準備すればよ
い。次に、図1に原板の平均表面粗さとポリエステルフ
ィルムとの密着力の関係について示す。図1において原
板の表面粗さが0.5μmを越えると、密着力が急激に
低下することがわかる。この原因は原板の平均表面粗さ
が0.5μmより大きくなると、フィルムと原板との接
触状態が板表面の山の部分においてのみ接着した状態を
呈するからであると考えられる。密着力の低下は、原板
にフィルムを被覆する工程においてフィルムに張力を付
与することから特に助長される。このような状態では原
板とフィルム間に接着剤を塗布しても接着剤が十分原板
の谷の部分を充填しきれない。また、平均表面粗さの大
きい原板は、薄肉化深絞り加工によりさらに表面粗さが
増し、肌荒れを生ずるという事実がある。この肌荒れが
生ずると、外部からの衝撃により容易にフィルム面に微
細クラックが入り、ひいては製品である被覆鋼板の耐食
性を劣化させる。さらに鋼板搬送時のフィルム傷つき性
防止の点からも表面粗さは限りなく零が好ましい。しか
し製造上平均表面粗さを零にするのは困難であることか
ら0.5μmまで許容することとした。
【0023】平均結晶粒径 平均結晶粒径の特定について図2および図3に基づいて
説明する。図2は平均結晶粒径と製缶加工後の缶側壁の
肌荒れ性との関係を示したものである。図2から平均結
晶粒径が大きくなると製缶加工後表面の肌荒れがひどく
なることがわかる。また図3は平均結晶粒径と耐食性と
の関係について調査した結果を示したものである。耐食
性の評価は次のようにした。すなわち缶側壁に鋼球を接
触させ、その上に重さ1kgのおもりを落として外部か
ら衝撃を与えた。その衝撃を受けた部分を、0.1%食
塩水に0.2%界面活性剤を加えた溶液中につけ、6.
3Vの電圧をかけ、その時流れた電流値で評価した。図
3において平均結晶粒径が5μmを越えると電流値が急
激に増大することがわかる。図2および図3から平均結
晶粒径が大きくなると肌荒れ性および耐食性は悪くな
り、特に平均結晶粒径が5μmを越えると急激に悪くな
ることがわかった。従って本発明においては平均結晶粒
径を5μm以下とした。
【0024】つぎに、本発明に用いられる鋼板として
は、シ−ト状およびコイル状の鋼板、鋼箔およびそれら
の鋼板に表面処理を施したものがあげられる。特に、下
層が金属クロム、上層がクロム水和酸化物の2層構造を
もつ電解クロム酸処理鋼板あるいは極薄錫めっき鋼板、
ニッケルめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板およびこれらのめ
っき鋼板にクロム水和酸化物あるいは上層がクロム水和
酸化物、下層が金属クロム層からなる2層構造をもつ表
面処理をほどこしたものがポリエステル樹脂との接触性
に優れている。
【0025】樹脂皮膜 本発明の被覆鋼板の被覆材として必要なポリエステル樹
脂の特性について説明する。まず、ポリエステル樹脂の
種類としては、少なくともエステル反復単位の75%〜
99%がエチレンテレフタレ−ト単位からなり、残りの
1〜25%のエステル反復単位は、フタ−ル酸、コハク
酸、アゼライン酸、アジピン酸、セパシン酸、ドデカン
ジオン酸、ジフェニルカルボン酸、2.6ナフタレンジ
カルボン酸、1.4シクロヘキサンジカルボン酸、無水
トリメット酸の一種あるいは二種以上の酸成分とエチレ
ングリコ−ル、1.4ブタンジオ−ル、1.5ペンタン
ジオ−ル、1.6ヘキサンジオ−ル、プロピレングリコ
−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、トリメチレング
リコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリ
コ−ル、1.4シクロヘキサンジメタノ−ル、トリメチ
ロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル、の1種あるい
は2種以上の飽和多価アルコ−ルが使用される。かかる
ポリエステル樹脂は、公知の押出機によりフィルム成形
され、未延伸ポリエステルフィルムとしても供し得る
が、フィルム成形後、たて、横二方向に延伸した後、熱
固定工程を経たものの方が、ポリエステルフィルムのバ
リヤ−性を向上させるのでより好ましい。
【0026】つぎに、ポリエステルフィルムの機械的性
質も重要な要因の一つで、特に、ポリエステルフィルム
の破断伸びは、通常の引張り試験機により、25℃の一
定温度下で引張り速度100mm/minで引張り試験
を行い求める。ポリエステルフィルムの破断伸びが15
0%以下になると、ポリエステルフィルムの加工性が乏
しくなり、深絞り加工、張り出し加工のような厳しい加
工を施すと、フィルムに延性がないためクラックが入り
やすくなる。一方、破断伸びが400%以上になると、
フィルム成形時に厚みやむらが生じやすくなり、特に、
二軸延伸工程などで 破断しやすくなり実用的でない。
【0027】つぎに、ポリエステルフィルムの片面に塗
布される重合体組織物としては、分子内にエポシキ基、
ウレタン基、アクリル基、アミノキ基の1種類以上を含
んだものが好ましい。これらの重合体組織物は一例とし
て、エボキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ナイロン樹脂、ポ
リエステル樹脂、変性ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、ユリヤ樹脂などがあげられる。かかる重合体
組成物の形態は、特に規制するものではないが、ポリエ
ステルフィルムの上に薄膜塗装するためには、ロ−ルコ
−トあるいはスプレ−塗装可能な溶液状態が好ましい。
【0028】ポリエステルフィルムの厚みとしては、特
に制限するものではないが5〜50μmの範囲が好まし
い。厚みが5μm以下になると、ラミネ−ト作業性が著
しく低下するとともに、充分な加工耐食性が得られず、
一方、50μm以上になると製缶分野で広く使用されて
いるエポキシ系塗料などと比較して経済的でない。
【0029】次にポリエステルフィルムの結晶融解温度
は200〜250℃の範囲内が好ましい。ポリエステル
樹脂の結晶融解温度が250℃を超えると、ポリエステ
ルフィルム自体は非常に剛直となり加工性が極端に乏し
くなる。一方、結晶融解温度が200℃以下になると、
ポリエステルフィルム自体のラミネ−ト性が著しく低下
し、特に10μm以下の薄膜ポリエステルフィルムを高
速でラミネ−トすることは非常に難しくなる。
【0030】ラミネ−ト条件 ラミネ−トされる直前の金属板の温度は(結晶融解温度
−50)℃〜(結晶融解温度+50)℃の範囲内である
ことが好ましい。ここでラミネ−ト温度がポリエステル
フィルムの(結晶融解温度+50)℃以上になれば、ポ
リエステルフィルムは部分的に熱劣化しやすくなり、缶
用材料として適用した場合、内容品に対してバリヤ−性
がなくなり金属板が腐食しやすくなる。一方、ラミネ−
ト温度がポリエステルフィルムの(結晶融解温度−5
0)℃以下になると、ポリエステルフィルムと金属板の
加工密着力が低下する傾向にあり、深絞り加工を施すと
ポリエステルフィルムは金属板より剥離しやすくなる。
ラミネ−ト後は、急冷、徐冷のいずれのプロセスを経て
も差支えない。
【0031】
【実施例】本発明の鋼板の製造に供した材料成分の代表
的な組成3種類を表1に示す。表2において、本発明の
実施例である供試材No.1〜10は、原板の平均結晶
粒径および平均表面粗さがそれぞれ5μm、0.5μm
以下であるので、肌荒れ性、耐食性ともに良好である。
一方、比較例の供試材No.12は、熱処理を箱型焼鈍
で行ったので、温度は比較的低いが均熱時間が約8時間
にもなり、平均結晶粒径が粗大化してしまっている。比
較例の供試材No.11は、連続焼鈍であるが、A1変
態点を超えた温度で熱処理したので平均結晶粒径が5μ
mを超えた。比較例の供試材No.13は、連続焼鈍で
A1変態点を超えない温度で熱処理したが、平均表面粗
度(Ra)が0.5を超えているので、製缶後の特性が
劣っている。比較例の供試材No.14は、連続焼鈍で
あるが、A1変態点を超えた温度で熱処理し平均表面粗
度(Ra)も0.5を超えているので、製缶後の特性が
劣っている。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、厳しい加工を
施される薄肉化絞り缶用素材として適したポリエステル
樹脂被覆鋼板が得られる。また、リベット加工などの厳
しい加工を施したイージーオープン蓋、軽しごき缶、王
冠、キャップ類などの容器用素材としても広く適用でき
るものである。また請求項2の発明によれば、耐肌荒れ
性が良く、加工密着性、耐食性の優れた被覆鋼板用原板
が得られる。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】平均表面粗さとフィルム密着力の関係を示した
説明図である。
【図2】平均結晶粒径と缶側壁粗さの関係を示した説明
図である。
【図3】平均結晶粒径と電流値との関係を示した説明図
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板の片面または両面にポリエステル樹
    脂フィルムを被覆した樹脂被覆鋼板であって、 前記被覆鋼板の原板の平均結晶粒径が5μm以下であ
    り、かつ、平均表面粗さRaが0.5μm以下であり、 前記樹脂フィルムがエステル反復単位の75〜99%が
    エチレンテレフタレート単位からなり、かつ、縦横二軸
    方向に延伸されていることを特徴とする薄肉化深絞り缶
    用ポリエステル樹脂被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 原板の片面または両面にポリエステル樹
    脂フィルムを被覆した樹脂被覆鋼板であって、 前記被覆鋼板の原板の平均結晶粒径が5μm以下であ
    り、かつ、平均表面粗さRaが0.5μm以下であり、 前記樹脂フィルムがエステル反復単位の75〜99%が
    エチレンテレフタレート単位からなり、かつ、縦横二軸
    方向に延伸されており、 前記原板を、前記樹脂フィルムの(結晶融解温度−50
    ℃)〜(結晶融解温度+50℃)の範囲に加熱して、前
    記原板に被覆したことを特徴とする薄肉化深絞り缶用ポ
    リエステル樹脂被覆鋼板。
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