JP2534506Y2

JP2534506Y2 - キャップの構造

Info

Publication number: JP2534506Y2
Application number: JP1990074881U
Authority: JP
Inventors: 登美雄田原
Original assignee: 釜屋化学工業株式会社
Priority date: 1990-07-13
Filing date: 1990-07-13
Publication date: 1997-04-30
Anticipated expiration: 2005-07-13
Also published as: JPH0432953U

Description

【考案の詳細な説明】「産業上の利用分野」本考案はシャンプー、化粧料等を収納する容器のキャ
ップの構造に関する。

「従来の技術」従来、この種のキャップの構造の一例として、第７図
及び第８図に示すものが提供されている（特公昭50-242
6号公報）。

図中、符号１は収納容器の口部に装着される蓋本体、
符号２は蓋本体１の注出口３を閉塞する可動蓋である。
前記蓋本体１の壁部縁部には可動蓋２の回動軸４を両脇
から軸支する一対の軸受用凸部５、５が突設され、軸受
用凸部５、５間には可動蓋２の回動途中で断面楕円形状
の回動軸４外面により下方へ弾性変形させられる弾性支
持片６が蓋本体１の壁部から水平に延びている。

かかる構成のキャップは、可動蓋２を閉じた状態から
開方向へ回動させると、その途中で断面楕円形状の回動
軸４により弾性支持片６が弾性変形させられ、さらに可
動蓋２を同一方向に回動させると弾性支持片６に蓄えら
れた付勢力により可動蓋２が開方向へ勢い良く回動させ
られ、開蓋するようになっている。また閉蓋方向に可動
蓋２を回動させた場合にも、回動軸４と弾性支持片６と
による同様なスナップアクション効果を利用して、閉蓋
するようになっている。

「考案が解決しようとする課題」しかしながら、前記従来例によれば、弾性支持片６を
水平に延設したので、弾性支持片６を蓋本体１の壁部か
ら突出させているにも拘わらず、弾性支持片６の長さが
制限されて高い弾性効果を得にくいという問題があっ
た。また、可動蓋２の回動軸４を軸支する軸受用凸部
５、５、および可動蓋２に付勢力を与える弾性支持片６
が、それぞれ蓋本体１の壁部から突出させられた形態で
形成されているため、開閉状態のキャップの美観を損ね
るという意匠的な問題もあった。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであって、優
れたスナップアクションによって開閉でき、かつ意匠的
にも優れたキャップの構造を提供することを目的として
いる。

「課題を解決するための手段」本考案は、収納容器の口部に装着する下蓋と、該下蓋
の天板部に形成した内容物の注出口を閉塞する上蓋とを
具備し、前記下蓋の壁部に上方及び後方に開口する凹所
を形成し、前記上蓋の壁部には前記凹所内に軸部を介し
て縦回動自在に支持される凸部を垂設したキャップの構
造であって、前記凹所には、両側に形成された縦スリッ
トにより前後に弾性が付与され、かつその上部が奥方か
ら手前に向けて下方傾斜する弾性片を前記軸部の下方位
置に立設し、該弾性片は前記上蓋の回動途中で前記凸部
に圧接される構成としたものである。

なお上記弾性片は前記凹所の底面縁部から立設する片
持ちバネ、あるいは前記凹所の奥面と底面縁部に両端が
連結された薄肉の板バネから構成することが望ましい。

「作用」上蓋を閉状態から開方向に回動させると、回動途中で
下蓋の凹所内に軸支された上蓋側の凸部が凹所内の回動
軸下方に設けられた弾性片に圧接して、弾性片が弾性変
形させられ、上蓋をさらに開方向に回動させると、弾性
片に蓄えられた付勢力により上蓋が開方向へ勢いよく回
動し開状態となる。開状態となった上蓋は、90度以上回
動した後、凹所の奥方から手前に向けて下方傾斜する弾
性片の外面に凸部が係止してそれ以上の回動が阻止さ
れ、上蓋は当該回動位置に停止する。

また、開状態の上蓋を閉方向に回動させると、上蓋の
凸部と凹所内の弾性片との上記同様なスナップアクショ
ン効果により上蓋が勢いよく回動し閉状態となる。

「実施例」以下、本考案に係るキャップの構造の実施例について
図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図は、本考案の第１実施例を示す図
であって、図中、符号10はシャンプー、液状化粧料等を
収納する有底筒状の収納容器、符号11は収納容器10の口
部13に装着される下蓋、符号12は下蓋11の天板部14に形
成された内容物の注出口15を閉塞する上蓋をそれぞれ示
している。

前記下蓋11は、第１図および第２図に示すように、天
板部14を有する樹脂製の角筒体で、天板部14には収納容
器10内の内容物の出口である凸形の注出口15が形成さ
れ、天板部14の裏面には口部13に外嵌される筒部16およ
び口部13に嵌入される内筒17がそれぞれ垂設されてい
る。前記筒部16の内周面には口部13の外周面に突設され
たねじ部13aに螺合するねじ部16aが突設されている。ま
た下蓋11の後壁部上端には上方及び後方に開口する凹所
18が形成されている。該凹所18の上部両側面には上蓋12
を下蓋11の後壁部にヒンジ結合するための回動軸19が突
設されている。また凹所18内には上蓋12の開閉動作中に
凸部（後述する）25の外面により前後に弾性変形させら
れて上蓋12にスナップアクション効果を発揮させる片持
ちバネ（弾性片）20が設けられている。該片持ちバネ20
は凹所18の底面縁部18aから立ち上がる垂直部21と、該
垂直部21の上端から回動軸19の下方位置を通り凹所18の
奥面18bへ向けて斜め上方に延びる屈曲部22とから構成
されている。したがって屈曲部22の上面は前下がりの傾
斜面22aとされ、さらに屈曲部22の上端は自由端とされ
ている。また、垂直部21の外面は下蓋11の壁面と面一と
され、垂直部21の両脇には片持ちバネ20の弾性効果を得
るための縦スリット23が穿設されている。

前記上蓋12は、第１図および第２図に示すように、裏
面に下蓋11の注出口15を閉塞する栓24を備えた樹脂製の
蓋で、上蓋12の後端部には下蓋11の凹所18内に縦回動自
在に軸支される凸部25が垂設されている。該凸部25の両
側面には凹所18内の回動軸19を支持する凹状の軸受26が
穿孔され、該軸受26には回動軸19を軸受26内に案内する
ガイド溝26aが連通し、さらに凸部25は軽量化のため下
端面から肉抜きされている。なお、符号27は蓋本体11の
前壁部上端に形成された開蓋用の指掛部である。

上記凸部25を詳述すると、第３図に示すように、回動
軸19から凸部25の後端部25aにおける最遠部までの半径
距離Ａは、回動軸19から片持ちバネ20の傾斜面22aまで
の垂直距離Ｂよりも大きくなるように設定され、回動軸
19から凸部25の後端面25bまでの垂直距離Ｃは、前記垂
直距離Ｂと略一致するように設定されている。

次に、本実施例のキャップの作用について説明する。

第１図に示す閉状態の上蓋12を開方向に回動させる
と、回動途中で、第３図２点鎖線の如く凸部25の後端部
25aが片持ちバネ20の傾斜面22aに圧接し片持ちバネ20が
弾性変形させられる。そして凸部25の後端部25aが傾斜
面22aを越えた時に片持ちバネ20に蓄えられた付勢力に
より凸部25が開方向へ勢いよく回動され、第３図１点鎖
線の如く上蓋12が90度以上回動して大きく開いて停止
し、注出口15が開口する。この停止状態では凸部25の後
端面25bが片持ちバネ20の傾斜面22aに当接して凸部25が
仮固定されている。したがって上蓋12が大きく開いて停
止した状態では、一般的なスナップアクション式の蓋と
同様に使用時（容器を立てた時、容器を傾けて内容物を
注出する時）に上蓋12が閉方向に回動して注出口15を閉
塞することがないので、使用の邪魔とならず、内容物を
良好に注出できる。

また上記開状態の上蓋12を片持ちバネ20の弾性力に抗
して閉方向に回動させると、凸部25と片持ちバネ20の前
記同様なスナップアクション効果により、上蓋12が勢い
よく閉方向に回動し、第１図に示すような完全閉状態と
なる。

本実施例のキャップの構造によれば、凸部25と片持ち
バネ20との良好なスナップアクションを利用して上蓋12
の開閉操作を容易に行うことができるだけでなく、片持
ちバネ20は凹所18内に完全に収納し、上蓋12の閉状態
で、片持ちバネ20の垂直部21外面と凸部25の後端面25b
とを下蓋11の後壁面と面一形状とすることができる。し
たがって、キャップの外表面に何等の突部を形成せず、
また凹部も略閉塞し得て、意匠的に優れたコンパクトな
キャップが得られる。しかも、片持ちバネ20が凹所18内
に立設されているため、狭いスペースでも弾性片の長さ
が確保され、高い弾性効果を得ることができる。

また本実施例のキャップは、片持ちバネ20の傾斜面22
aの作用により上蓋12の開度を90度以上得ることがで
き、内容物の取り出しが容易となる利点がある。この使
用時には、凸部25の後端面25bが片持ちバネ20の傾斜面2
2aに当接して仮固定され、上蓋12は簡単には閉方向へ回
動しないから、上蓋12が注出口15を閉じたり、注出の邪
魔となる不具合が生ぜず、使用勝手が極めて良好とな
る。

第４図ないし第６図は本考案の第２実施例を示してい
る。本実施例において、前記実施例と同一部材には同一
符号を付してある。

本実施例のキャップの構造は、弾性片の構造が前記実
施例と大きく異なっている。すなわち、凹所18内には薄
肉の板バネ（弾性片）30が設けられている。該板バネ30
はヘ字形に屈曲する縦断面形状を有し、板バネ30の上端
は凹所18の奥面18bの回動軸19下方位置に薄肉ヒンジ31
を介して一体に連結され、板バネ30の下端は凹所18の底
面縁部18aに薄肉ヒンジ31を介して一体に連結されてい
る。したがって板バネ30の上面には凹所18の奥方から手
前に向けて下方傾斜する傾斜面30aが形成されている。
また、上記板バネ30は上端から下端にかけて両脇が凹所
18の両側面から切欠きされている。

本実施例の上蓋12の凸部25も、第６図に示すように、
前記実施例の凸部25同様に、回動軸19から凸部25の後端
部25aの最遠部までの半径距離Ａが、回動軸19から板バ
ネ30の傾斜面30aまでの垂直距離Ｂよりも大きく設定さ
れ、回動軸19から凸部25の後端面25bまでの垂直距離Ｃ
が前記垂直距離Ｂと略一致する寸法に設定されている。

本実施例の板バネ30も前記実施例の片持ちバネ20と同
様に、上蓋12の回動途中で、第６図２点鎖線の如く傾斜
面30aに凸部25の後端部25aが圧接し、両薄肉ヒンジ31を
弾性変形せしめるとともに、板バネ30が開くように屈曲
変形する。そして板バネ30に蓄えられた付勢力により上
蓋12を開閉方向へ勢いよく回動させ、第６図１点鎖線の
如く上蓋12が90度以上開いて停止するようになってい
る。

「考案の効果」本考案のキャップの構造によれば、上蓋の凸部と下蓋
の壁部の凹所内に設けた弾性片との良好なスナップアク
ションにより開閉操作を容易に行うことができ、また閉
蓋時には前記弾性片と凸部は凹所内に収納される構造で
あるから、閉蓋時のキャップの外表面に何等の突部を形
成させず、意匠的にも優れたコンパクトなキャップが得
られる。しかも、弾性片が凹所内に立設されているた
め、狭いスペースでも弾性片の長さが確保され、高い弾
性効果を得ることができる。さらには弾性片を凹所の奥
方から手前に向けて下方傾斜する構成としたから、上蓋
の開度を90度以上得ることができ、内容物取出しを容易
とすることができる。しかも開蓋時には凸部が弾性片に
より仮固定されるから、使用時に容易に上蓋が閉方向へ
回動して注出口を閉じたり、注出の邪魔となるような不
具合が生ぜず、使用勝手に優れる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の第１実施例を示すもの
で、第１図はキャップの断面図、第２図はキャップの分
解斜視図、第３図は作用を示す要部断面図、第４図ない
し第６図は本考案の第２実施例を示すもので、第４図は
キャップの断面図、第５図はキャップの分解斜視図、第
６図は作用を示す要部断面図、第７図および第８図は本
考案の従来例を示すもので、第７図はキャップの分解斜
視図、第８図は作用を示す要部断面図である。 10……収納容器、11……下蓋、12……上蓋、13……口
部、14……天板部、15……注出口、18……凹所、18a…
…底面縁部、18b……奥面、19……回動軸（軸部）、20
……片持ちバネ（弾性片）、25……凸部、30……板バネ
（弾性片）。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】収納容器（10）の口部（13）に装着される
下蓋（11）と、該下蓋の天板部（14）に形成された内容
物の注出口（15）を閉塞する上蓋（12）とを具備し、前
記下蓋（11）の壁部には上方及び後方に開口する凹所
（18）が形成され、前記上蓋（12）の壁部には前記凹所
（18）内に軸部（19）を介して縦回動自在に支持される
凸部（25）が垂設されたキャップの構造において、前記
凹所（18）には、両側に形成された縦スリット（23）に
より前後に弾性が付与され、かつその上部が奥方から手
前に向けて下方傾斜する弾性片（20、30）が前記軸部
（19）の下方位置に立設され、該弾性片（20、30）の上
部は上蓋（12）の回動途中で前記凸部（25）に圧接され
ることを特徴とするキャップの構造。
【請求項２】前記弾性片は、前記凹所（18）の底面縁部
（18a）から立設する片持ちバネ（20）から構成されて
いることを特徴とする請求項１記載のキャップの構造。
【請求項３】前記弾性片は、前記凹所（18）の奥面（18
b）と底面縁部（18a）に両端が連結された薄肉の板バネ
（30）から構成されていることを特徴とする請求項１記
載のキャップの構造。