JP2533266Y2

JP2533266Y2 - シートロック機構

Info

Publication number: JP2533266Y2
Application number: JP1991009970U
Authority: JP
Inventors: 健義三木
Original assignee: Araco Corp
Current assignee: Araco Corp
Priority date: 1991-02-01
Filing date: 1991-02-01
Publication date: 1997-04-23
Anticipated expiration: 2006-02-01
Also published as: JPH0498629U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、車両におけるシート
のロック機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のシートのロック機構、例
えばワンボックス車両等において図７に示すリヤシート
１の場合、同リヤシート１はシートクッション２とシー
トバック３とがヒンジピン４により枢着連結され、この
シートバック３のサイドボデー側となるサイド面３ａの
上部の背面側にはサイドボデー側に取り付けられたスト
ライカ５のために逃し凹部３ｂが凹設されるとともに、
この逃し凹部３ｂと対応するサイド面３ａにはフック部
材６がピン７により枢着され、同フック部材６にはリン
ク部材８が連結されて、同リンク部材８の端部に取付け
られたノブ９を摘んで押し引き操作してフック部材６を
ストライカ５と係脱してシートバック３を所定の角度に
係着保持し、また、前倒しする構成のものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成のものではフック部材６およびストライカ５が相互
に干渉してシートバック３は前倒しのみしかなされず、
シートバック３を後倒ししてリヤシート１をフルフラッ
トにすることの出来ない問題点があった。

【０００４】本考案は、上記従来の問題点を解消すべく
なされたもので、フック部材とストライカとが干渉する
ことなくシートバックを前後方向に傾倒操作することの
できるシートのロック機構を提供することを目的とする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記技術課
題を解決するため、サイドボデー側に取付けられるスト
ライカピンを有するストライカとシートクッションにヒ
ンジプレートを介して枢着されたシートバックのサイド
ボデー側に取付けられて前記ストライカピンと係脱可能
なロック装置とからなるシートロック機構であって、前
記ロック装置は所定の間隔で対設されるロックベースと
このロックベース間においてその中心線上の下部側の所
定位置には軸ピンを介して前記中心線に沿って下部に前
記ストライカピンと係脱可能に係合する係合凹部と上部
にＶ溝を有するフックを回動可能に設け、また、前記ロ
ックベースの下縁側には前記軸ピンを中心とする円弧部
とこの円弧部の両側に水平部とを有する指向凸部を形成
するとともに、前記フックには前記軸ピンと係合凹部と
の間に前記指向凸部に近接して係止ピンを突設し、ま
た、ロックベースの上部側の中心線の対称位置には前記
Ｖ溝と係脱可能に係合するラッチを設け、このラッチの
対応する所定の位置には作動用リンク部材に枢着した対
をなすリンクを係止ピンを介して枢着し、この係止ピン
と前記フックの係止ピンには略Ｖ形状のばね部材を弾着
する構成としたシートロック機構に存する。

【０００６】

【作用】上記構成としたことにより、ラッチとフックの
Ｖ溝との係合を解くことによりフックはフリー状態にし
てシートバックを前倒し、後倒しいずれの側にでも倒す
ことが可能となるとともに、前倒し、後倒しすることで
フックの係合凹部を指向凸部を介して倒し側とは反対側
に指向保持することができて、シートバックを起立した
際に自動的にロックすることができる。

【０００７】

【実施例】次に、本考案の一実施例を図面にしたがって
説明するすると、図中１１はシートバック３のシートフ
レームであって、例えばパイプ材を略方形状に折曲形成
してなるもので、同シートフレーム１１の左右の枠１１
ａ，１１ｂの下部にはシートクッション２と枢着連繋す
るヒンジピン１３を有するヒンジプレート１２が取付け
られているとともに、同シートフレーム１１のサイドボ
デー側となる枠１１ｂの上端部側にはロック装置２３の
取付部材１４が取付けられている。

【０００８】この取付部材１４はロック装置２３を取付
ける平面部１６を有する取付凹部１５がシートフレーム
１１の内方へ凹状に形成され、この凹部１５の図示上部
にはロック装置２３の作動用のリンク部材３５を挿通す
る孔１７が貫設されている。なお、１８はシートフレー
ム１１に取付けられた例えば合成樹脂、ハードボード等
からなるフレーム用プレートである。このように形成さ
れたシートフレーム１１の取付部材１４にはロック装置
２３が取付けられているとともに、このシートバック２
を所定の角度に係着保持するサイドボデー側にはストラ
イカ１９が取付けられている。

【０００９】このストライカ１９は取付部２０と同取付
部２０の中央には所定の長さで突出するストライカピン
２１が突設され、同ストライカピン２１の先端には頭部
２２が形成されている。

【００１０】また、ロック装置２３は対をなすロックベ
ース２４Ａ，２４Ｂと、このロックベース２４Ａ，２４
Ｂ間に介装されるフック２６と対をなすラッチ２７Ａ，
２７Ｂとこのラッチ２６Ａ，２６Ｂに連繋する対をなす
リンク２８ａ，２８ｂとばね部材２９とより構成されて
いる。

【００１１】このロックベース２４Ａ，２４Ｂは同形状
に形成されるもので、略梯形状に形成され、このロック
ベース２４の中心線Ｃの上縁２４ａ側の所定の寸法の対
称位置にはラッチ２７Ａ，２７Ｂの取付孔２４ｂが貫設
され、この取付孔２４ｂ間の対称位置には図示下方へ所
定の角度で開拡状にラッチ２７Ａ，２７Ｂを作動するた
めの長孔２４ｃが貫設されている。また、下縁２４ｄ側
の所定の寸法の対称位置には装置２３の取付孔２４ｅが
それぞれ貫設され、また、中心線Ｃ上の取付孔２４ｅの
位置より若干下方の位置にはフック２６の取付孔２４ｆ
が貫設されている。また、下縁２４ｄの中央部にはフッ
ク用取付孔２４ｆを中心として所定の半径で円弧部２５
ａを有し、この円弧部２５ａの両側に水平部２５ｂ，２
５ｃを有するフック２６の指向凸部２５が突設されてい
る。このように形成されたロックベース２４Ａ，２４Ｂ
間にはフック２６およびラッチ２７Ａ，２７Ｂが取付け
られている。

【００１２】このフック２６は所定の肉厚を有する略ハ
ート形状の板状に形成されるとともに、その中心線Ｃ´
はロックベース２４Ａ，２４Ｂの中心線Ｃと整合される
もので、同中心線Ｃ´上の下部側にはストライカピン２
１と係脱する係合凹部２６ａが凹設され、また、同線Ｃ
´上の上部側にはラッチ２７Ａ，２７Ｂと係脱する略Ｖ
字形状のＶ溝２６ｂが凹設されている。また、同中心線
Ｃ´上の所定の位置には軸ピン３０と回動可能に嵌合す
る軸孔２６ｃが貫設されている。また、この軸孔２６ｃ
と係合凹部２６ａとの間の中心線Ｃ´上の所定位置には
カシメ手段等によりばね部材２９を係止する所定長さを
有する係止ピン３１が突出状に取付けられている。

【００１３】このように形成されたロックベース２４
Ａ，２４Ｂはその取付孔２４ｅに円筒状のカラー３２が
嵌着されて所定の間隔で対設されるとともに、フック用
取付孔２４ｆ間にはフック２６がその軸孔２６ｃに回動
可能に嵌合する大径部３０ａと両端に取付孔２４ｆに嵌
合される小径部３０ｂとからなる軸ピン３０を介してカ
シメ手段により取付けられ、この状態でフック２６に取
付けられた係止ピン３１は例えば一方のロックベース２
４Ａに形成した指向凸部２５の円弧部２５ａに近接して
位置され、フック２５が軸ピン３０を中心として左右に
揺動すると円弧部２５ａの左右の水平部２５ｂ，２５ｃ
に当接されて、フック２６の係合凹部２６ａを中心線Ｃ
に対し所定の角度α，α´に指向するように設けられて
いる。

【００１４】また、ラッチ２７Ａ，２７Ｂはロックベー
ス２４Ａ，２４Ｂの取付孔２４ｂ間にそれぞれ取付けら
れるもので、ほぼ同形状に形成され、その基部２７ａ側
は軸ピン３３を介してカシメ手段により取付けられて回
動可能に設けられ、同先端側にはフック２６に形成した
Ｖ溝２６ｂに係脱可能に係合する係合爪２７ｂが形成さ
れ、また、ラッチ２７Ａ，２７Ｂの所定の位置にはリン
ク２８ａ，２８ｂを取付ける取付部２７ｃが形成され
て、係止ピン３４を介してリンク２８ａ，２８ｂの一端
部が枢着されるとともに、同係止ピン３４を介してロッ
クベース２４Ａ，２４Ｂの長孔２４ｃに沿ってスライド
可能に取付けられている。この係止ピン３４はフック２
６に設けた係止ピン３１とほぼ対応する長さを有してば
ね部材２９の係止を兼ねるもので、係止ピン３１，３４
間にはばね２９が掛着されている。

【００１５】このばね部材２９は略Ｖ字形状に形成さ
れ、左右の対称位置には所定のばね圧を有するコイルば
ね部２９ａが形成されるとともに、両コイルばね部２９
ａの上端にはフック部２９ｂが形成されている。このよ
うに形成されたばね部材２９は係止ピン３１，３４に掛
着され、これによりラッチ２７Ａ，２７Ｂは係止ピン３
４を中心としてそれぞれ実線矢印方向（時計方向および
反時計方向）へそれぞれ付勢されて常時にはフック２６
のＶ溝２６ｂに係合されている。

【００１６】また、ラッチ２７Ａ，２７Ｂの取付部２７
ｃに取付けられたリンク２８ａ，２８ｂの他端部は取付
部材１４の孔１７に挿通された作動用リンク部材３５の
端部にピン３６により枢着されている。この様に設けた
作動用リンク部材３５の他端は、例えばシートバック３
の上端の所定の位置に突出され、ノブ３７が取付けられ
ている。

【００１７】上記のように構成されたロック装置２３は
図３に示すようにフック２６をストライカ１９のストラ
イカピン２１と係合した状態でラッチ２７Ａ，２７Ｂの
係合爪２７ｂはフック２６のＶ溝２６ｂに係合されてス
トライカピン２１、係止ピン３１、軸ピン３０は中心線
Ｃ上に位置されてシートバック３はガタ付くことなく所
定の傾斜角度でロック保持されている。

【００１８】このロック状態よりシートバック３を前倒
しあるいは後倒しするにはノブ３７を把持して上方へ引
くと、作動用リンク部材３５に連結したリンク２８ａ，
２８ｂを介してラッチ２７Ａ，２７Ｂとの取付部２７ｃ
の係止ピン３４はばね部材２９に抗して長孔２４ｃに沿
って上方（矢印ａ方向）へ移動し、これによりラッチ２
７Ａ，２７Ｂ弾くピン３３を中心として図示破線矢印方
向へ回動され、係合爪２７ｂはＶ溝２６ｃとの係合が解
かれてフック２６はフリーの状態となる。このフック２
６をフリーとした状態で、例えばシートバック３をヒン
ジピン１３を中心として前倒ししていくと、フック２６
は図５に示すようにストランカピン２１との係合された
状態で軸ピン３０を中心として所定の角度回動され、こ
れと一体に係止ピン３１は指向凸部２５の円弧部２５ａ
に沿って水平部２５ｃ側へ移動され、水平部２５ｃに当
接するとフック２６の回動は停止されて係合凹部２６ａ
はリヤ側へ所定の角度α´で指向され、この状態でさら
にシートバック３を倒していくとフック２６はストライ
ンピン２１より離脱し、シートバック３は前倒しされ
る。

【００１９】この前倒しした状態でフック２６はばね部
材２９の付勢力によりリヤ側へ指向維持されている。し
たがって、シートバック３を起立していくと、フック２
６の係合凹部２６ａはストライカピン２１に係合される
とともに、同フック２６は軸ピン３０を中心として反時
計方向へ回動されて中心線Ｃ´がロックベース２４の中
心線Ｃと整合された位置でばね部材２９の付勢力により
ラッチ２７Ａ，２７ＢはＶ溝２６ｂに係合されてシート
バック３はロックされる。

【００２０】また、シートバック３を後倒しする場合は
上記と同様にフック２６をフリーの状態にして後倒しし
ていくとフック２６は図６に示すようにストランカピン
２１との係合された状態で軸ピン３０を中心として所定
の角度回動され、これと一体に係止ピン３１は指向凸部
２５の円弧部２５ａに沿って水平部２５ｂ側へ移動さ
れ、水平部２５ｂに当接するとフック２６の回動は停止
されて係合凹部２６ａはフロント側へ所定の角度αで指
向され、この状態でさらにシートバック３を倒していく
とフック２６はストラインピン２１より離脱し、シート
バック３は後倒しされリヤシート１をフルフラット状態
とすることができる。なお、シートバック３の起立は上
記と同様にして起立することでロックすることができ
る。

【００２１】本実施例は上記のように構成したものであ
るから、ラッチ２７Ａ，２７Ｂとフック２６のＶ溝２６
ｂとの係合を解くことによりフック２６はフリー状態に
してシートバック３を前倒しあるいは後倒しいずれの側
にでも倒すことが可能となるとともに、前倒し、後倒し
することでフック２６の係合凹部２６ａを指向凸部２５
を介して倒し側とは反対側に指向保持することができ
て、シートバック３を起立した際に自動的にロックする
ことができる。また、ロック装置２３は極めて簡単な構
成であり、リクライニング機構より安価に製作すること
のできる経済性を有するとともに、軽量化の一助ともな
る。

【００２２】

【考案の効果】さて、本考案はサイドボデー側に取付け
られるストライカピンを有するストライカとシートクッ
ションにヒンジプレートを介して枢着されたシートバッ
クのサイドボデー側に取付けられて前記ストライカピン
と係脱可能なロック装置とからなるシートロック機構で
あって、前記ロック装置は所定の間隔で対設されるロッ
クベースとこのロックベース間においてその中心線上の
下部側の所定位置には軸ピンを介して前記中心線に沿っ
て下部に前記ストライカピンと係脱可能に係合する係合
凹部と上部にＶ溝を有するフックを回動可能に設け、ま
た、前記ロックベースの下縁側には前記軸ピンを中心と
する円弧部とこの円弧部の両側に水平部とを有する指向
凸部を形成するとともに、前記フックには前記軸ピンと
係合凹部との間に前記指向凸部に近接して係止ピンを突
設し、また、ロックベースの上部側の中心線の対称位置
には前記Ｖ溝と係脱可能に係合するラッチを設け、この
ラッチの対応する所定の位置には作動用リンク部材に枢
着した対をなすリンクを係止ピンを介して枢着し、この
係止ピンと前記フックの係止ピンには略Ｖ形状のばね部
材を弾着する構成としたことにより、ラッチとフックの
Ｖ溝との係合を解くことによりフックはフリー状態にし
てシートバックを前倒し、後倒しいずれの側にでも倒す
ことが可能となるとともに、前倒し、後倒しすることで
フックの係合凹部を指向凸部を介して倒し側とは反対側
に指向保持することができて、シートバックを起立した
際に自動的にロックすることができる。また、ロック装
置は極めて簡単な構成であり、リクライニング機構より
安価に製作することのできる経済性を有するとともに、
軽量化の一助ともなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シートバックのシートフレームの斜視図であ
る。

【図２】ロック装置の分解斜視図である。

【図３】ロック装置の正面図である。

【図４】ロック装置の側面図である。

【図５】シートバックを前倒しする場合の説明図であ
る。

【図６】シートバックを後倒しする場合の説明図であ
る。

【図７】従来のリヤシートの斜視図である。

【符号の説明】

１１シートフレーム１２ヒンジプレート１９ストライカ２１ストライカピン２３ロック装置２４Ａ，２４Ｂロックベース２５指向凸部２５ａ円弧部２５ｂ，２５ｃ水平部２６フック２６ａ係合凹部２６ｂＶ溝２７Ａ，２７Ｂラッチ２８ａ，２８ｂリンク２９ばね部材３０軸ピン３１，３４係止ピン３５作動用リンク部材Ｃロックベースの中心線

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】サイドボデー側に取付けられるストライ
カピンを有するストライカとシートクッションにヒンジ
プレートを介して枢着されたシートバックのサイドボデ
ー側に取付けられて前記ストライカピンと係脱可能なロ
ック装置とからなるシートロック機構であって、前記ロ
ック装置は所定の間隔で対設されるロックベースとこの
ロックベース間においてその中心線上の下部側の所定位
置には軸ピンを介して前記中心線に沿って下部に前記ス
トライカピンと係脱可能に係合する係合凹部と上部にＶ
溝を有するフックを回動可能に設け、また、前記ロック
ベースの下縁側には前記軸ピンを中心とする円弧部とこ
の円弧部の両側に水平部とを有する指向凸部を形成する
とともに、前記フックには前記軸ピンと係合凹部との間
に前記指向凸部に近接して係止ピンを突設し、また、ロ
ックベースの上部側の中心線の対称位置には前記Ｖ溝と
係脱可能に係合するラッチを設け、このラッチの対応す
る所定の位置には作動用リンク部材に枢着した対をなす
リンクを係止ピンを介して枢着し、この係止ピンと前記
フックの係止ピンには略Ｖ形状のばね部材を弾着する構
成としたシートロック機構。