JP2533147B2 - 熱可塑性エラストマ―成形物 - Google Patents

熱可塑性エラストマ―成形物

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JP2533147B2
JP2533147B2 JP62331718A JP33171887A JP2533147B2 JP 2533147 B2 JP2533147 B2 JP 2533147B2 JP 62331718 A JP62331718 A JP 62331718A JP 33171887 A JP33171887 A JP 33171887A JP 2533147 B2 JP2533147 B2 JP 2533147B2
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晃 内山
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、自動車内装シートなどとして用いられる熱
可塑性エラストマー成形物に関し、さらに詳しくは優れ
た表面特性を有する熱可塑性エラストマー成形物に関す
る。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来インストルメントパネルパッドあるいはドアトリ
ムなどの表皮として用いられる自動車内装シートとして
は、軟質ポリ塩化ビニルあるいは軟質ポリ塩化ビニルと
ABS樹脂とのブレンド物が主として用いられてきた。と
ころがこのような軟質ポリ塩化ビニルは多量の可塑剤を
含有しているため、可塑剤の揮発により窓ガラスが曇っ
たり、窓か入射する日光の紫外線により劣化変色した
り、熱分解によって劣化変色したりするという問題点が
あった。しかも特に寒冷地では軟質ポリ塩化ビニルが脆
化破壊することがあるという大きな問題点があった。
このため近年、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
系樹脂からなる内装シートが用いられるようになってい
る。ところがポリオレフィン系樹脂からなる内装シート
などの成型物は、表面が傷つきやすく、また表面光沢に
富みすぎて外観に劣り、しかも表面にざらつきがあって
感触に劣り、その上炭化水素系溶剤によって表面が侵さ
れやすいという問題点があった。
このような問題点を可決するため、たとえば特開昭60
-197741号公報には、ポリオレフィン系樹脂と部分架橋
型エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムからなる熱
可塑性エラストマーよりシートを成形し、このシート表
面に、飽和ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹
脂、イソシアネート樹脂を含有する反応性塗料を塗布す
ることを特徴とする自動車内装などに用いられるシート
の製造方法が提案されている。
この特開昭60-197741号公報により製造されたシート
は、反応性塗料を塗布しないで得られるシートと比較し
て、表面耐磨耗性などの表面特性は改良されているもの
の、まだ充分に優れた表面特性を有しているということ
はできないという問題点があり、さらに表面特性を改良
することが望まれていた。
本発明者らは、表面特性に優れたレザー状の自動車内
装シートなどの熱可塑性エラストマー成形物を得るべく
鋭意研究したところ、熱可塑性エラストマー成形物の表
面に特定組成のプライマーを塗布した後に、上述のよう
な反応性塗料を塗布すれば、優れた表面特性を有するエ
ラストマーが得られることを見出した。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解
決しようとするものであり、表面が傷つきにくく、かつ
外観および感触に優れ、しかも炭化水素系溶剤によって
表面が侵されにくいような、自動車内装シートなどとし
て用いられる熱可塑性エラストマー成形物を提供するこ
とを目的としている。
発明の概要 本発明に掛かる熱可塑性エラストマー成形物は、エチ
レン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物と必
要に応じてポリオレフィン系樹脂とを含む、下記の熱可
塑性エラストマーからなる成形物の表面上に、飽和ポリ
エステルおよび塩素化ポリオレフィンから選ばれた少な
くとも1種の化合物を含むプライマー層を設け、このプ
ライマー層上に、飽和ポリエステル、アクリル酸エステ
ル樹脂、ポリ塩化ビニルおよびイソシアネート樹脂から
選ばれた少なくとも1種の化合物を含むトップコート層
(ただしプライマー層が飽和ポリエステルのみからなる
場合にはトップコート層は少なくともアクリル酸エステ
ル樹脂を含む)を設けてなることを特徴としている。
熱可塑性エラストマー: (a) エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム90〜
20重量部、 (b) ポリオレフィン樹脂10〜80重量部(ここで
(a)+(b)は100重量部になるように選ぶ)、 および必要に応じて (c) ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質、 (d) 鉱油系軟化剤から選ばれた少なくとも一種の成
分0〜200重量部からなる混合物を、架橋剤の存在下に
動的に熱処理して得られる部分架橋共重合体ゴム組成物
(I)100〜30重量部と、 ポリオレフィン樹脂(II)0〜70重量部(ここで
(I)+(II)は100重量部になるように選ぶ)と からなる組成物から形成されている熱可塑性エラストマ
ー。
本発明に係る熱可塑性エラストマー成形物は、エチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物と必要
に応じてポリオレフィン系樹脂とを含む熱可塑性エラス
トマーからなる成形物の表面上に、特性組成のプライマ
ー層および特定組成のトップコート層が設けられている
ので、表面が傷つきにくく、かつ外観および感触に優
れ、しかも炭化水素系溶剤によって表面が侵されにくい
という優れた表面特性を有している。
発明の具体的説明 以下本発明に係る自動車内装シートなどとして用いら
れる熱可塑性エラストマー成形物について具体的に説明
する。
本発明において使用される熱可塑性エラストマーは、
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物
を必須成分として含有し、必要に応じてポリオレフィン
系樹脂を含んでいる。このような熱可塑性エラストマー
は、代表的には、 (a) エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム90〜
20重量部、 (b) ポリオレフィン樹脂10〜80重量部(ここで
(a)+(b)は100重量部になるように選ぶ) および必要に応じて (c) ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質、 (d) 鉱油系軟化剤から選ばれた少なくとも一種の成
分0〜200重量部(好ましくは0〜100重量部) からなる混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して
得られる部分架橋共重合体ゴム組成物(I)100〜30重
量部と、ポリオレフィン樹脂(II)0〜70重量部(ここ
で(I)+(II)は100重量部になるように選ぶ)とか
らなる組成物から形成されることが好ましい。本発明に
おいて、使用されるこれらの熱可塑性エラストマーを、
さらに具体的に示せば、次のような組成物が例示でき
る。
(1) (a)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴ
ム90〜20重量部と、ポリオレフィン樹脂10〜80重量部と
の混合物(I)、あるいはこの混合物100重量部さらに
(c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質およ
び/または(d)鉱油軟化剤0〜200重量部、好ましく
は3〜100重量部さらに好ましくは5〜100重量部を配合
した混合物(II)を、架橋剤の存在下で動的に熱処理
し、部分架橋してなる熱可塑性エラストマー組成物(す
なわち部分架橋共重合体ゴム組成物(I)) (2) 上記の部分架橋共重合体ゴム(I)からなる熱
可塑性エラストマー組成物100重量部に対し、さらに700
/3重量部(約233重量部)までの割合でポリオレフィン
樹脂(II)を混合してなる熱可塑性エラストマー組成
物。
本発明において、部分架橋された熱可塑性エラストマ
ーの代りに未架橋のエラストマー組成物を使用した場合
は、得られるポリマー組成物の引張特性、耐熱性あるい
は耐油性が低下するので好ましくない。
熱可塑性エラストマーの原料であるエチレン・α−オ
レフィン系共重合体(a)とは、例えばエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン三元あるいは多元共重合体ゴム、エチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴ
ム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン多元重合体等
の、エチレンと炭素数3〜14のα−オレフィンを主成分
とする実質的に非晶質の共重合体ゴムまたはそれらの混
合物である。このうち好ましいものは、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン三元重合体ゴムである。
ここで、非共役ジエンとは、ジシクロペンタンジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレ
ンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等
を意味し、このうちジシクロペンタジエンおよび1,5−
エチリデン−2−ノルボルネンを第三成分とする共重合
体が好ましい。
これら二元または多元重合体のムーニー粘度[WL1+4
(100℃)]は、通常10〜180、好ましくは40〜140であ
り、またそのヨウ素価(不飽和度)は好ましくは16以下
である。
これら共重合体ゴム中に含有される各組成単位の量
は、1−オレフィン部分において、エチレン単位/α−
オレフィン単位が50/50〜92/8、好ましくは70/30〜85/1
5(モル比)の割合であり、1−オレフィン(エチレン
+α−オレフィン)単位/非共役ジエン単位(三元ある
いは多元共重合体の場合)が通常100/0〜90/10好ましく
は98/2〜90/10、さらに好ましくは97/3〜94/6(モル
比)の割合である。
またエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムと動的
熱処理の際に混合するポリオレフィン樹脂(b)として
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチル−1−ペンテンなどの1−オレフィンの
単独重合体、その2種以上の共重合体、あるいはα−オ
レフィンと15モル%以下の他の重合性単量体との共重合
体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体等であって、樹脂状高分子物質のものが挙げ
られる。このうちメルトインデックス(ASTM−D−1238
−65T)が0.1〜50g/10mm、特に5〜20g/10mmで、かつX
線回析測定法により求められる結晶化度が40%以上のポ
リオレフィン樹脂が好ましく用いられる。
これらのうち、好ましいポリオレフィン樹脂(b)と
しては、メルトインデックス0.1〜50g/10mm、結晶化度
が40%以上の、ペルオキシド分解型ポリオレフィン樹脂
(ペルオキシドと混合し、加熱下で混練することにより
熱分解して分子量を減じ、樹脂の流動性が増加せしめら
れたポリオレフィン樹脂)、具体的にはアイソタクチッ
クポリプロピレン、あるいはプロピレンと15モル%以下
の他のα−オレフィンとの共重合体、例えばプロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合
体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−
4−メタル−1−ペンテン共重合体を例示することがで
きる。
またポリオレフィン樹脂(b)として、上記ペルオキ
シド分解型ポリオレフィン樹脂と、ペルオキシド架橋型
ポリオレフィン樹脂(ペルオキシドと混合し、加熱下で
混練することにより架橋して樹脂の流動性が低下せしめ
られたポリオレフィン樹脂)、例えば密度0.910〜0.940
の低、中、高密度ポリエチレンとを、重量比で100/0〜3
0/70特に40/20〜20/40で混合した混合物を使用すること
が、シート状の成形体を製造した場合、薄膜成形性に優
れているため好ましい。(a)エチレン・α−オレフィ
ン系共重合体30〜50重量部と、(b)ポリプロピレン樹
脂20〜40重量部と、ポリエチレン樹脂20〜40重量部およ
び必要に応じ、これにさらに(c)ペルオキシド非架橋
型炭化水素系ゴム状物質および/または(d)鉱油を含
む混合物を動的に架橋してなるエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムの部分架橋物が、得られるシート状物
の物性が優れているために特に好ましい。
次に熱可塑性エラストマーの調製に際し、必要に応じ
て配合される(c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴ
ム状物質とは、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴ
ム、プロピレン70モル%以上のプロピレン−エチレン共
重合体ゴム、プロピレン−1−ブテン共重合体ゴム、ア
タクチックポリプロピレン等のようなペルオキシドと混
合し加熱下に混練しても架橋せず、流動性が低下しない
炭化水素系のゴム状物質をいう。これらのうちでは、ポ
リイソブチレンゴム、ブチルゴムおよびプロピレン−1
−ブテン共重合体ゴムが最も好ましい。
また(d)鉱物油系軟化剤とは、通常ゴムをロール加
工する際にゴムの分子間作用力を弱め、加工を容易にす
るともに、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の分
散を助けたり、あるいは加硫ゴムの硬さを低下せしめ
て、柔軟性あるいは弾性を増す目的で使用されている高
沸点の石油留分であって、パラフィン系、ナフテン系、
あるいは芳香族系等が用いられる。
熱可塑性エラストマーの調製に際し、これらのペルオ
キシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質(c)および/ま
たは鉱物油系軟化剤(d)を必ずしも配合する必要はな
いが、ポリマー組成物の流れ特性すなわち成形加工性を
一層向上させるためには、エチレン−α・オレフィン共
重合体ゴム(a)とポリオレフィン樹脂(b)との合計
量100重量部に対し、上記(c)および/または上記
(d)を200重量部まで、好ましくは3〜100重量部加え
ることが望ましい。
さらに本発明において動的熱処理後に必要に応じて混
合されるポリオレフィン樹脂(II)としては、動的熱処
理の際に加えられるポリオレフィン樹脂(b)と同様の
樹脂、すなわち、エチレン、プロピレン、ブテン−1、
ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテンなどの1−オ
レフィンの単独重合体、その2種以上の共重合体、ある
いはα−オレフィンと15モル%以下の他の重合性単量体
との共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸
メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体等であって、樹脂状高分子物
質のものが用いられる。これらのポリオレフィン樹脂
(II)のメルトインデックス(ASTM−D−1238−65T、1
90℃、但し、プロピレン系重合体の場合には、230℃)
は、5〜100、とくに10〜50であることが好ましい。動
的熱処理時と熱処理後の両方にポリオレフィン樹脂を加
える場合は、ポリオレフィン樹脂(b)とポリオレフィ
ン樹脂(II)は同種のものでも、異種のものでもよい。
本発明において熱可塑性エラストマーの1成分である
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物
を調製するには、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴム(a)90〜20重量部、ポリオレフィン樹脂(b)10
〜80重量部、必要によりさらにペルオキシド非架橋型ゴ
ム(c)および/または鉱油系軟化剤(d)0〜200重
量部を混合してなるブレンド物100重量部に対し、約0.0
1〜3重量%好ましくは0.05〜2重量%、さらに好まし
くは0.1〜0.5重量%の架橋剤を配合し動的に熱処理し、
部分架橋を行えばよい。
ここで動的に熱処理することは、融解状態で混練する
ことをいう。
混練は、非解放型の装置中で行うことが好ましく、窒
素または炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが
好ましい。その温度は、通常150〜280℃、好ましくは17
0〜240℃であり、混練時間は、通常1〜20分間、好まし
くは1〜10分間である。
部分架橋のために使用される架橋剤としては、有機ペ
ルオキシド、硫黄、フェノール系加硫剤、オキシム類、
ポリアミンなどが用いられるが、これらのうちでは、得
られる熱可塑性エラストマーの物性の面から、有機ペル
オキシドおよびフェノール系加硫剤が好ましい。
フェノール系加硫剤としては、アルキルフェノールホ
ルムアルデヒド樹脂、トリアジン−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を用いることがで
きる。
また、有機ペルオキシドとしては、ジクミルペルオキ
シド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘ
キシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチ
ル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレラー
ト、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキ
シベンゾアート等を用いることができる。このうち臭気
が少なくしかもスコーチ安定性の高い点で、ビスペルオ
キシド系化合物が好ましく、特に1,3−ビス(tert−ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最適である。
また部分架橋熱処理に際し、p−キノンジオキシム、
p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシムなどの架橋助剤
あるいはジビニルベンゼン(DVB)、ジエチレングリコ
ールメタクリレート、ポリエチレンジグリコールメタク
リレートなどの多官能性ビニルモノマーを配合すること
により、より均一かつ緩和な架橋反応が実現できるの
で、これら架橋助剤あるいは多官能性ビニルモノマーを
配合することが好ましい。特にジビニルベンゼン(DV
B)は、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性
のバランスのとれた熱可塑性エラストマーが得られるの
で最も好ましい。
熱可塑性エラストマーにさらにカーボンブラック、ク
レー、タルク、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、
カオリン、けいそう土、シリカ、アルミナ、アスベス
ト、グラファイト、ガラス繊維等の充填剤あるいはフェ
ニル−α−ナフチルアミン、2,6−ジターシャリ−ブチ
ルフェノール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
などの酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防
止剤、その他の添加成分を配合することができる。
これらの充填剤あるいは添加剤は熱可塑性エラストマ
ーの調製段階で加えてもよく、あるいは調製後にこれを
成形物にする際に加えてもよい。
ここで部分的に架橋されたとは、架橋後の組成物が熱
可塑性エラストマーとしての性質を失わない程度に架橋
されていることを意味し、通常は下記の方法で測定され
たゲル含量が、40%以上であるものを意味する。このう
ち、ゲル含有45%以上のもの、特に70〜99.5%のものが
好ましい。
ここでゲル含量の測定は次のようにして行なわれる。
熱可塑性エラストマーの試料ペレット約100mg秤量し、
これを密閉容器中にて30ccのシクロヘキサンに、23℃で
48時間浸漬したのち、試料を取り出し72時間以上重量変
化が認められなくなるまで乾燥する。この乾燥残渣の重
量からポリマー成分以外のすべての不溶性の充填剤、顔
料、その他を減じたものを乾燥後の補正された最終重量
(Y)とする。一方試料ペレットの重量からエチレン・
α−オレフィン共重合体以外のシクロヘキサン可溶性成
分、例えば鉱油や可塑剤及びシクロヘキサン可溶のゴム
成分およびポリオレフィン樹脂以外の不溶性の充填剤、
顔料等の成分の重量を減じたものを、補正された初期重
量(X)とする。
これらの値から、下記式によってゲル含有が決定され
る。
上記のような組成を有する熱可塑性エラストマーは、
常法に従って、T−ダイ付き押出成形機、カレンダー成
形機等のプラスチック加工機に供給されてシート状など
の所望形状に成形される。熱可塑性エラストマーの成形
時にシート表面に模様(絞)を付してもよい。このよう
にして成形された熱可塑性エラストマーからなる成形物
は、優れた物理特性たとえば耐候性、耐熱性、耐寒性あ
るいは耐光性を有する。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物において、
上記のような成分(a)エチレン・α−オレフィン系共
重合体ゴムと成分(b)ポリオレフィン樹脂との比は、
D.S.C法または赤外線吸収分析法によって決定すること
ができる。また該組成物中の成分(c)ペルオキシド非
架橋型炭化水素系ゴム状物質と(d)鉱油系軟化剤との
比は、溶剤抽出法(溶媒としてアセトンを用いたソック
スレー抽出法)または赤外線吸収分析法によって決定す
ることができる。
本発明では、上記のような熱可塑性エラストマーから
なる成形物の表面上に、まず、飽和ポリエステル、塩素
化ポリオレフィンから選ばれた少なくとも1種の化合物
を含むプライマー層が形成される。成形物の表面上にプ
ライマー層を形成するには、飽和ポリエステルおよび塩
素化ポリオレフィンから選ばれた少なくとも1種の化合
物を有機溶剤に溶解させ、得られたプライマー層形成用
塗布液を常法に従って成形物の表面上に塗布すればよ
い。
プライマー層を形成するために用いられる飽和ポリエ
ステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートおよびその誘導体などが用い
られる。また塩素化ポリオレフィン樹脂としては、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合体などが用いられる。
プライマー層を形成するためのプライマー層形成用塗
布液には、上記の飽和ポリエステル樹脂、塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合体のほかに、必要に応じて、
無水硅酸(シリカ)、顔料、つや消し剤などを含ませる
こともできる。特に無水硅酸を加えることが好ましく、
この場合には上記のポリエステル樹脂または塩素化ポリ
オレフィンに対して100重量%までの量で加えることが
好ましい。
飽和ポリエステル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂を
溶解させるために用いられる有機溶剤としては、トルエ
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メチレンクロラ
イド、シクロヘキサノンなどが用いられる。このうち特
にトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好まし
く用いられる。プライマー層形成用塗布液中の固形分濃
度は2〜50重量%好ましくは10〜15重量%程度である。
熱可塑性エラストマーからなる成形物の表面上に設け
られるプライマー層の膜厚は、好ましくは10〜20μm程
度である。
上記のようなプライマー層を熱可塑性エラストマー成
形物上に形成する際に、プライマー層形成用塗布液を複
数回に分けて塗布することによって、プライマー層を形
成してもよく、その際には本発明で特定する範囲内にお
いてそれぞれ異なった組成のプライマー層形成用塗布液
を用いることができる。
また本発明では、前記プライマー層(アンダーコート
層)とトップコート層との間にプリントインキ層(第2
プライマー層)を設けることもできる。この場合、プリ
ントインキ層は、ポリ塩化ビニルと顔料、ポリエステル
と顔料、あるいはアクリル樹脂と顔料とを、トルエン、
メチルエチルケトンなどの溶剤に溶解したプリントイン
キ層形成用溶液を用いることによって形成できる。
上記のようにして熱可塑性エラストマーからなる成形
物の表面上に設けられたプライマー層上に、飽和ポリエ
ステル、アクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニルおよ
びイソシアネート樹脂から選ばれた少なくとも1種の化
合物を含むトップコート層が形成される。ただしプライ
マー層が、飽和ポリエステルおよび塩素化ポリオレフィ
ンから選ばれた少なくとも1種の化合物のうちで飽和ポ
リエステルのみを含んでなる場合には、トップコート層
は少なくともアクリル酸エステル樹脂を含んでいなけれ
ばならない。
プライマー層上にトップコート層を形成するには、飽
和ポリエステル、アクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビ
ニルおよびイソシアネート樹脂から選ばれた少なくとも
1種の化合物を有機溶剤に溶解させ、得られたトップコ
ート層形成用塗布液を常法に従ってプライマー層上に塗
布すればよい。
トップコート層を形成するために用いられる飽和ポリ
エステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートおよびその誘導体などが用
いられる。またアクリル酸エステル樹脂としては、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリイソブチルメタアクリレ
ート、ポリ2−エチルヘキシルメタアクリレートなどが
用いられる。さらにイソシアネート樹脂としては、ポリ
ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリイソホロンジイ
ソシアネートなどが用いられる。
トップコート層中にアクリル酸エステル樹脂を含ませ
ると、シートなどの成形物の表面が傷つきにくくなる。
またトップコート層中にイソシアネート樹脂を含ませる
と、表面特性の優れたトップコート層が得られるととも
に、このイソシアネート樹脂がプライマー層あるいは熱
可塑性エラストマーと反応するなどして、トップコート
層をプライマー層および熱可塑性エラストマーからなる
成形物上に強く密着させることができる。さらにトップ
コート層中に飽和ポリエステルを含ませると、表面特性
の優れたトップコート層が得られるとともに、アクリル
酸エステル樹脂あるいはイソシアネート樹脂との結合性
を保持することができる。
本発明では、トップコート層としては好ましくは、ア
クリル酸エステル樹脂80〜10重量部とポリ塩化ビニル10
〜80重量部と無水硅酸(シリカ)10〜60重量部との組合
せ、飽和ポリエステル樹脂95〜5重量部とイソシアネー
ト樹脂5〜95重量部との組合せ、アクリル酸エステル樹
脂95〜5重量部とイソシアネート樹脂5〜95重量部との
組合せ、あるいは飽和ポリエステル樹脂80〜15重量部と
アクリル酸エステル樹脂15〜85重量部とイソシアネート
樹脂20〜5重量部との組合せが用いられる。このうち特
に、飽和ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂お
よびイソシアネート樹脂をすべて含む組合せが好まし
い。
本発明では、熱可塑性エラストマー成形物の表面上に
まずプライマー層を形成し、次いでトップコート層を形
成することが必要である。もしプライマー層を形成せず
に、直接成形物上にトップコート層を形成すると、表面
の耐摩耗性、耐もみ性、耐粘着性に優れた熱可塑性エラ
ストマー成形物を得ることができない。
トップコート層を形成するためのトップコート層形成
用塗布液には、上記の飽和ポリエステル、アクリル酸エ
ステル樹脂、ポリ塩化ビニルおよびイソシアネート樹脂
から選ばれた少なくとも1種の化合物のほかに、必要に
応じて、無水硅酸(シリカ)、顔料、つや消し剤などを
含ませることもできる。特に無水硅酸を加えることが好
ましく、この場合無水硅酸は上記樹脂に対して100重量
%まで好ましくは10〜60重量%加えられる。
トップコート層を形成させるための上記樹脂を溶解さ
せるために用いられる有機溶剤としては、メチルエチル
ケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、メチ
レンクロライドなどが用いられる。このうち特にトルエ
ンとメチルエチルケトンとの混合溶媒がこのマイク用い
られる。トップコード層形成用塗布液中の固形分濃度は
5〜50重量%好ましくは10〜15重量%程度である。
このようにしてプライマー層の表面上に設けられるト
ップコート層の膜厚は、好ましくは3〜30μmさらに好
ましくは10〜20μm程度である。
なお、プライマー層形成用塗布液、トップコード層形
成用塗布液を、それぞれ熱可塑性エラストマー成形物の
表面上、プライマー層の表面上に塗布するには、前述の
ように常法に従って塗布すればよいが、たとえばグラビ
アロールコーター、ロールコーター、ナイフコーター、
スクリーンコーター、スプレー法などが採用される。
また本発明では、熱可塑性エラストマー成形物の表面
にプライマー層を形成する前に、該表面にコロナ放電処
理を行なうこともできる。
本発明では、熱可塑性エラストマー成形物の表面上
に、上記のような特性組成のプライマー層およびトップ
コート層を形成することによって、該成形物の表面特性
を著しく向上させることができる。すなわち熱可塑性エ
ラストマー成形物は優れた物理的特性を有しているが、
反面ポリオレフィン系であるがために、表面での引掻き
強度が弱く、また炭化水素系溶剤に侵されやすいなどの
問題点があるが、上記のようなプライマー層(アンダー
コート層)およびトップコート層を形成することによっ
て、成形物の耐摩耗性、耐擦傷性などが改良され、また
表面光沢、表面感触などを最適状態に調整できる。さら
に上記のようなプライマー層およびトップコート層は、
成形物に対して優れた密着性を有するとともに、成形物
の熱変形処理に対しても優れた追随性を有している。
発明の効果 本発明に係る熱可塑性エラストマー成形物は、エチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物と必要
に応じてポリオレフィン系樹脂とを含む熱可塑性エラス
トマーからなる成形物の表面上に、特定組成のプライマ
ー層および特性組成のトップコート層が設けられている
ので、表面が傷つきにくく、かつ外観および感触に優
れ、しかも炭化水素系溶剤によって表面が侵されにくい
という優れた表面特性を有している。
本発明に係る成形物は、レザーとして、自動車の内装
材用シート(ドア、天井材、ハンドル、座席シートな
ど)、いす、ソファーなどの家具類のカバー(表皮)、
ケース、カバン、本の表紙、ハンドバック、サイフなど
に用いられる。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、熱可塑性エラストマー
成形物の表面上に設けられたプライマー層およびトップ
コート層からなる塗膜の表面特性の評価は以下のように
して行なった。
1.1.塗膜密着性 塗布2日後に鋭利なカミソリで塗膜表面を2mm間隔で1
1本平行に傷を入れ、さらに、それに直角に11本平行に
傷を入れる。これにより2mm四方に切れたますが100コ形
成される。その100コのますをすべておおうように日バ
ンのセロテープを貼り付け、すぐにその貼り付けたセロ
テープを勢いよくはがす。(以下ゴバン目剥離テストと
略す) で表示した。
例;全くはがれなかった場合 100/100 全部はがれた場合 0/100 1.2.耐摩耗性試験 JIS L−0849の4.(1)に規定する学振形摩擦試験機
を用い、JIS L−0803付表に定めるカナキン3号によ
り、シート表面を500gr×200回摩耗した後、表面外観変
化を評点A〜Eに従い評価する。
A.外観上全く変わらない。
B.わずかに綿布のあとがつく。
C.傷がつく。
D.白化する。
E.基材まで破損する。
1.3.耐もみ試験 JIS L−1005 5.17摩擦強さ、C.法(スコット形法)に
準じ、3cm×12cmのシート片をタテまたはヨコ方向に統
一して採取し、2cm間隔に開いた2つのチャック間に固
定し、押圧荷重1kg(または500gr)として、4cm間の距
離を1000回往復摩擦する。
評点 A.外観上全く変わらない。
B.わずかに白化。
C.白化または剥離。
1.4.耐粘着性試験 JIS K−6772 9.7不粘着試験に準じて行なう。
90mm×60mmの2枚の試験片の表面を向い合わせて、60
mm×60mmの平滑な2枚のガラス板で、試験片の巾の一辺
を合わせて挟む。これに2kgのおもりを載せ、70℃±2
℃の空気恒温器中に24hrs放置した後、取り出し、おも
りを除いて、室温に1時間放冷して、2枚の試験片を静
かに、はがしたとき試料表面に損傷などの異常がないか
を調べる。
評点 A.損傷、粘着などの異常がない。
B.若干粘着する。
C.損傷する。
1.5.耐溶剤性試験 工業用ガソリンを含ませたネル布で表面を強く拭いた
ときに、表面に異常がないかについて調べる。
評点 A.全く異常がない。
B.白濁等の痕跡を認める。
C.剥離、溶解による損傷を生じる。
1.6.引っかき強さ試験 直径120mmの試験片の中央に直径6mmの穴をあけ、テー
パ式スクラッチテスタのターンテーブルに接着固定す
る。
試験は、はじめ100gの荷重でカッタの刃先を静かに試
料の表面に接触するように置き、スイッチを入れて試料
を0.5または1.0rpmで回転させ、少なくとも1.5mmの長さ
に引っかき、表皮のかき傷の有無を見る。
次に荷重を200gにあげて試料を空回転させ、別の場所
で再び試料を引っかき傷が生ずるか否かを見て、傷が生
じない場合には、さらにその荷重を300g、400gにして試
験し、目視により試料の表皮に傷がついたり破れたりす
るときの荷重を求めて、引っかき強さとする。
1.7.耐光性 幅70mm、長さ200mmの試験片を、フェド・オ・メータ
に取り付け、ブラックパネル温度83±3℃で400時間照
射した後の表皮材の変退色の度合を目視し、下記のよう
な等級によって耐光性を評価する。
1.8.耐湿性 100mm×100mmの試験片を50℃±2℃、相対湿度95±5
%の恒温恒湿槽に入れ、400時間経過後の試験片を表面
状態を目視し、下記のような等級によって耐湿性を評価
する。
1.9.耐熱性 100mm×100mmの試験片を100±2℃に調節した恒温槽
中に入れ、400時間経過後の試験片の表面状態を目視
し、下記のような等級によって耐熱性を評価する。
等級 A.全く変化が認められない。
B.わずかに変化が認められるが、ほとんど目立たない。
C.明らかに変化が認められるが、目立ちは少ない D.変化がやや著しい。
E.変化がかなり著しい。
実施例1 工程(1)熱可塑性エラストマーの製造 下記の各成分を用いて、下記のようにして熱可塑性エ
ラストマーを製造した。
(A成分) エチレン・プロピレン・エチリデンノルボ
ルネン3元共重合体ゴム;エチレン単位/プロピレン単
位(モル比):78/22、ヨウ素価15、ムーニー粘度(ML
1+4、121℃)61 (B成分) アイソタクチックポリプロピレン樹脂;メ
ルトインデックス13g/10分(230℃) (C成分) ナフテン系プロセスオイル (D成分) 1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン20重量%、ジビニルベンゼン30重量
%およびパラフィン系鉱油50重量%よりなる混合物 上記のような(A成分)55重量部、(B成分)45重量
部および(C成分)30重量部をバンバリーミキサーで窒
素雰囲気下、180℃で5分間混練した後、得られた混練
物をシートカッターで角ペレット状とした。
この角ペレット100重量部に対し、(D成分)1重量
部をヘンシエルミキサーで混練し、押出機で窒素雰囲気
下、220℃押出し、熱可塑性エラストマーを製造した。
工程(2)シート状成形物の製造 このようにして製造された熱可塑性エラストマーを、
東芝製90mmφT−ダイ押出成形機を用いて、スクリュー
がフルフライトであり、L/Dが22であり、押出温度が220
℃であり、T−ダイがコートハンガーダイであり、引取
速度5m/分という条件下で0.5mm厚みのシート状に押出
し、冷却ロール(ロール温度35℃)で冷却し、シートを
作成した。
工程(3)表面処理工程 上記シートに、塩素化ポリプロピレン10重量部、無水
珪酸2重量部およびトルエン88重量部よりなる第1プラ
イマー層形成用塗布液を120メッシュのグラビアロール
にて1回塗布し、70℃で20秒間乾燥した。
この上に、ポリ塩化ビニル8重量部、顔料2重量部お
よびメチルエチルケトン90重量部よりなる第2プライマ
ー層形成用塗布液を、グラビアロールにて雲柄印刷し、
再び70℃で20秒間乾燥した。
次いでポリ塩化ビニル5重量部、ポリアクリル酸エス
テル5重量部、無水珪酸3重量部、メチルエチルケトン
87重量部よりなるトップコート層形成用塗布液を100メ
ッシュグラビアロールにて1回塗布した。このシートを
遠赤外線ヒーターを用い、表面温度が180℃になるまで
加熱し、エンボス処理を行った。
得られたシート状成形物の物性を第1表に示す。
比較例1 実施例1の工程(3)においてプライマー層形成用塗
布液の塗布を行なわない以外は、実施例1と同様に行っ
た。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
実施例2 工程(1)熱可塑性エラストマーの製造 実施例1の工程(1)と同様に行った。
工程(2)シートの製造 上記熱可塑性エラストマー80重量部に対し低密度ポリ
エチレン[密度0.917g/cm3メルトインデックス6.5g/10
分(190℃)]20重量部をドライブレンドし、得られた
ブレンド物をT−ダイ押出成形機にフィードする以外
は、実施例1と同様に行った。
工程(3)表面処理工程 実施例1の工程(3)と同様に行った。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
比較例2 実施例2の工程(3)において、プライマー層形成用
塗布液の塗布を行なわない以外は、実施例2と同様に行
った。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
実施例3 工程(1)熱可塑性エラストマーの製造 (C成分)ナフテン系プロセスオイルを用いなかった
以外は、実施例1の工程(1)と同様に行った。
工程(2)シートの製造 実施例1と同様に行った。
工程(3)表面処理工程 シート表面をソリットステート方式コロナ放電処理機
にて、表面張力が45dyne/cmになるまで酸化処理をし
た。
このようにしてコロナ処理がなされたシートに、飽和
ポリエステル9重量部、無水珪酸2重量部、ポリイソシ
アネート1重量部、トルエン50重量部およびメチルエチ
ルケトン38重量部よりなる第1プライマー層形成用塗布
液を120メッシュグラビアロールにて1回塗布し、80℃
で15秒間乾燥した。次いで飽和ポリエステル10重量部、
顔料2重量部、トルエン50重量部およびメチルエチルケ
トン38重量部よりなる文用印刷インキをグラビアロール
にて雲柄印刷した。
さらにこの上に、飽和ポリエステル2重量部、ポリア
クリル酸エステル7重量部、無水珪酸2重量部、ポリイ
ソシアネート1重量部、トルエン50重量部およびメチル
エチルケトン38重量部よりなるトップコート層形成用塗
布液を120メッシュグラビアロールにて塗布し、30℃の
恒温室に置いて24時間養生した。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
比較例3 実施例3の工程(3)においてプライマー層形成用塗
布液を塗布行なわない以外は、実施例3と同様に行っ
た。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
実施例4 工程(1)熱可塑性エラストマーの製造 以下のような(E成分)を用いて、下記のようにして
熱可塑性エラストマーを製造した。
(E成分)メルトインデックス2g/10分(190℃)、密
度0.920g/cm3の低密度ポリエチレン。
(A成分)50重量部、(B成分)25重量部および(E
成分)25重量部をバンバリーミキサーで窒素雰囲気下18
0℃で5分間混練した後、シートカッターで角ペレット
を得た。この角ペレット100重量部に対し、(D成分)
1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、押出機で窒素
雰囲気下200℃押出し、熱可塑性エラストマーを製造し
た。
工程(2)シートの製造 実施例1の工程(2)同様に行った。
工程(3)表面処理工程 上記シートに、塩素化ポリプロピレン10重量部、無水
珪酸2重量部、トルエン88重量部よりなるプライマー層
形成用塗布液を120メッシュグラビアロールにて1回塗
布し、60℃で30秒間乾燥した。
次いでその上から、飽和ポリエステル2部、ポリアク
リル酸エステル8重量部、無水珪酸2重量部、トルエン
重量50部およびメチルエチルケトン38重量部よりなるト
ップコート層形成用塗布液を120メッシュグラビアロー
ルにて1回塗布した。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
比較例4 実施例4の工程(3)において、プライマー層形成用
塗布液の塗布を行なわない以外は、実施例4と同様に行
った。
得られたシート状成形物の表面物性を第1表に示す。
実施例5 工程(2)を以下のとおり行なう以外は、実施例1と
同様に行なった。
工程(2)シート状成形物の製造 製造された熱可塑性エラストマーを石播製カレンダー
成形機(18B)で185℃で引取速度30m/分という条件下で
0.5mm厚みのシートを成形した。
比較例5 実施例5の工程(3)において、プライマー層形成用
塗布液の塗布を行なわない以外は実施例5と同様に行な
った。
それぞれ得られたシート状成形物の表面物性を第1表
に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 302 B05D 7/24 302V C08J 7/04 C08J 7/04 Z

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン・α−オレイフィン系共重合体ゴ
    ムの部分架橋物と必要に応じてポリオレフィン系樹脂と
    を含む、下記の熱可塑性エラストマーからなる成形物の
    表面上に、飽和ポリエステルおよび塩素化ポリオレフィ
    ンから選ばれた少なくとも1種の化合物を含むプライマ
    ー層を設け、このプライマー層上に、飽和ポリエステ
    ル、アクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニルおよびイ
    ソシアネート樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物
    を含むトップコート層(ただしプライマー層が飽和ポリ
    エステルのみからなる場合には、トップコート層は少な
    くともアクリル酸エステル樹脂を含む)を設けてなるこ
    とを特徴とする熱可塑性エラストマー成形物; 熱可塑性エラストマー: (a) エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム90〜
    20重量部、 (b) ポリオレフィン樹脂10〜80重量部(ここで
    (a)+(b)は100重量部になるように選ぶ)、 および必要に応じて (c) ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質、 (d) 鉱油系軟化剤から選ばれた少なくとも一種の成
    分0〜200重量部 からなる混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して
    得られる部分架橋共重合体ゴム組成物(I)100〜30重
    量部と、 ポリオレフィン樹脂(II)0〜70重量部(ここで(I)
    +(II)は100重量部になるように選ぶ)と からなる組成物から形成されている熱可塑性エラストマ
    ー。
  2. 【請求項2】プライマー層が、塩素化ポリオレフィンと
    無水硅酸とを含むことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の成形物。
  3. 【請求項3】飽和ポリエステルが、ポリエチレンテレフ
    タレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはこれら
    の誘導体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の成形物。
  4. 【請求項4】塩素化ポリオレフィンが、塩素化ポリエチ
    レン、塩素化ポリプロピレンまたは塩素化エチレン・α
    −オレフィン共重合体であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の成形物。
  5. 【請求項5】プライマー層の膜厚が10〜20μmであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の成形物。
  6. 【請求項6】トップコート層の膜厚が3〜30μmである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の成形
    物。
  7. 【請求項7】トップコート層が、アクリル酸エステルと
    ポリ塩化ビニルと無水硅酸とを含むことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の成形物。
  8. 【請求項8】プライマー層(アンダーコート層)とトッ
    プコート層との間にプリントインキ層が設けられている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の成形
    物。
  9. 【請求項9】成形物がシート状である特許請求の範囲第
    1項に記載の成形物。
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