JP4889282B2 - 燃料電池セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セパレータの表面に形成された絶縁被覆が、内側に侵入した水分によって膨れ上がる現象を防止する技術に係り、特に絶縁被覆下のプライマー層の膜質を改善する技術に関する。
固体高分子型燃料電池のセパレータとして、シール部を一体化したシール一体型金属セパレータが知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、冷媒を介して流れるリーク電流による金属セパレータの腐食を防止するために、金属セパレータの冷媒排出用連通孔の付近に絶縁被覆を形成する技術が知られている(例えば特許文献2を参照)。この絶縁被覆が形成された構造は、金属セパレータの表面に下地層となるプライマー層を形成し、その上にゴム材料の絶縁被覆を形成した構造を備えている。
特開2004―207071号(要約書) 特開2005−222764号(要約書)
固体高分子型燃料電池は、単位発電セルを多数(数十以上)積層することによって、必要とする電圧を得ている。固体高分子型燃料電池は電気自動車の動力源として開発が進められているが、乗用車に搭載するために、極力小型化および軽量化が求められている。このため、上述した金属セパレータの絶縁被覆もできるだけ薄くすることが求められている。
しかしながら、絶縁被覆を薄くした場合、長期の動作において、冷媒による冷却効果が低下し、発電能力が低下する現象が現れる。これは、冷媒に接した絶縁被覆にブリスター(水ぶくれ)が発生し、ただでさえ狭く設定されたセパレータ間の冷媒を流通させるための経路がこのブリスターによって塞がれ、それによりセパレータ表面への冷媒の流通が阻害されるからである。
以下、この問題について説明する。図4は、シール一体型金属セパレータを採用した固体高分子型燃料電池の断面構造の一部を示す断面図である。図4には、単位発電セル600aと単位発電セル600bとが積層された構造が示されている。単位発電セル600aは、アノード側金属セパレータ601とカソード側金属セパレータ602との間にMEA(Membrane Electrode Assembly)603を挟んだ基本構造を有している。アノード側金属セパレータ601のMEA603側には、酸化剤ガス(例えば空気)をMEA603に供給するための酸化剤ガス供給溝604が形成されている。また、カソード側金属セパレータ602には、燃料ガス(例えば水素ガス)をMEA603に供給するための燃料ガス供給溝605が形成されている。なお、図示省略されているが、単位発電セル600bも単位発電セル600aと同様な構造を有している。
隣接する単位発電セル600aと600bとの間には、冷媒(例えば純水)を流すための冷媒流通用の隙間606が設けられている。この例においては、冷媒流通用の隙間606から流れ出た冷媒は、各単位発電セルを貫通した冷媒排出用連通孔610に排出され、そこから燃料電池外に排出される。
冷媒排出用連通孔610へ繋がる冷媒流通用の隙間606の端部付近には、隣接する単位発電セル600aと600bとの間における冷媒を介したリーク電流の発生を抑えるための絶縁被覆608が形成されている。絶縁被膜608は、ゴム材料によって構成されており、他の部分においては隣接するセパレータ間のシールとしても機能する。そして、絶縁被覆608とセパレータを構成する材料(例えばステンレス合金)との間には、両者の密着性を高めるためのプライマー層607が形成されている。
この構造において発電動作を行うと、プライマー層607とセパレータを構成する材料との界面に冷媒が溜まり、ブリスター(水ぶくれ)609が形成されてしまう。小型化を追求した固体高分子型燃料電池は、冷媒流通用の隙間606の間隔も狭いので、図示するように冷媒流通用の隙間606がブリスター609の膨らみによって塞がれ易く、冷媒の流通が阻害される不都合が発生し易い。冷媒の流通が阻害されると、冷媒による冷却効率が低下するので、発電能力が低下してしまう。
本発明者らは、このブリスターの発生メカニズムについて解析した結果、以下の知見を得た。まず、燃料電池の動作時において、発電作用に伴って金属セパレータの温度は、80℃〜90℃に上昇する。この時、冷媒の温度も上昇するので、その蒸気圧が高くなって、冷媒が気化し易くなり、気化した冷媒(水蒸気)は絶縁被覆608中に侵入する。この絶縁被覆608中に侵入した気化した冷媒は、プライマー層607の微細空隙(形成時に生じた微細な欠損)にも侵入する。車載型の燃料電池は、走行状態に合わせて出力を変動させる必要があり、例えば車の停止時においては、発電出力が所定の値からゼロに減じられる動作制御が行われる。このような動作形態の際、セパレータの周囲縁近くにおいて、絶縁被覆608に接する冷媒の温度よりも被覆下の金属部の温度の方が低くなる場合がある。すなわち、冷媒はセパレータから熱を奪って昇温した状態にあるのに対して、セパレータ自体は、発電の停止後の自然冷却(例えば周囲の部材への熱の伝導による冷却)によって温度が低下し、それにより冷媒の温度とセパレータの温度とが逆転してしまう場合がある。特に図4に示すような、冷媒流通用の隙間606の出口付近は、冷媒の温度が高いので、この現象が発生し易い。
この冷媒の温度とセパレータの温度との逆転が起こると、絶縁被覆608中およびプライマー層607の微細空隙中に侵入した気化状態の冷媒の凝縮が発生し易くなる。凝縮した冷媒は、プライマー層607および絶縁被覆608を透過し難いので、プライマー層607および絶縁被覆608を膨潤し、さらにプライマー層607とセパレータ602の表面との間に液体状態となって溜まる。特にプライマー層607とセパレータ602の表面との界面付近は、温度の低下したセパレータ602に気化した冷媒が直接接触するので、上述した冷媒の気化成分の凝縮が優先的に進み易く、液体状態の冷媒が溜まり易い。このようなメカニズムにより、ブリスター(水ぶくれ)609が発生する。
本発明は、上述したブリスターの発生を防止することができる燃料電池セパレータを提供することを目的とする。
本発明は、冷媒に接する燃料電池セパレータであって、導電性の板状部材と、この板状部材の前記冷媒に接する面に形成されたプライマー層と、このプライマー層上に形成された絶縁被覆とを備え、プライマー層は、複数回塗布されており、(測定抵抗値/算出理論抵抗値)=95%以上であることを特徴とする。本発明によれば、プライマー層として気化した冷媒が透過し難い緻密な構造を実現することができるので、セパレータを構成する導電性の板状部材とプライマー層との界面に到達する冷媒の気化成分を減らすことができる。このため、燃料電池の発電出力が大きく変動した際におけるセパレータの基材部分の温度低下があったとしても、プライマー層下におけるブリスターの発生を防止することができる。つまり、プライマー層を緻密化することで、冷媒の気化成分の浸透を抑え、それにより気化成分が液化するような温度環境になっても、液化に伴うブリスターの発生を抑えることができる。また、プライマー層を緻密化し、微細空隙の密度を少なくすることで、冷媒の気化成分が凝縮するために必要な核の密度を減らすことができる。このことも、プライマー層と板状部材との界面における冷媒の気化成分の凝縮、さらにそれによるブリスターの発生を抑える上で効果がある。また、ミクロに見れば、微細空隙部分は、プライマー層を構成する材料が接着していない未接着箇所であり、ブリスターの発生源となる小さな隙間と見ることもできる。本発明によれば上記ミクロに見た場合の未接着箇所を減少させ、確実で均一な接着構造の膜質のプライマー層を得ることができる。このことも、プライマー層中におけるブリスターの発生源を減少させ、それによりブリスターの発生を抑える上で効果がある。
プライマー層は、セパレータを構成する導電性の板状部材に対する絶縁被膜の密着性を向上させるための下地層である。プライマー層としては、例えばシランカップリング剤を利用することができる。絶縁被覆としては、ゴム材料、例えば、EPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴム、パーフルオロゴム、これらゴムの複数のブレンドゴム等を利用することができる。冷媒としては、純水やエチレングリコール等の不凍液が添加された純水が利用されるが、液体であれば、特に成分が限定されるものではない。本発明は、板状部材としてステンレス合金等の金属を採用した場合(金属セパレータとした場合)に特に有効である。しかしながら、板状部材として、カーボン材料や樹脂材料を用いたものを採用することもできる。
測定抵抗値は、電解溶液を浸透させた状態におけるプライマー層の厚み方向における電気抵抗である。算出理論値とは、プライマー層を構成する材料の固有抵抗値とプライマー層の厚みとから算出されるプライマー層の厚み方向における理論的な抵抗値である。
本発明において、測定抵抗値/算出理論抵抗値の値が、100%に近いということは、プライマー層中における微細空隙の密度がそれだけ少ないことを意味する。逆に、測定抵抗値/算出理論抵抗値の値が、100%を大きく下回る場合、プライマー層中における微細空隙の密度がそれだけ大きいことを意味する。つまり、プライマー層の測定抵抗値/算出理論抵抗値の値からプライマー層中に含まれる微少空隙の密度を評価することができる。
上述したように、プライマー層に存在する微少空隙は、気化した冷媒の浸透具合に大きく関係する。つまり、プライマー層に存在する微少空隙の密度が大きければ、気化した冷媒の浸透はより顕著になり、ブリスターの発生もより顕著になる。実験によれば、プライマー層が、測定抵抗値/算出理論抵抗値=95%以上の条件を満たす場合、ブリスター発生率を1%以下にすることができることが判明している。なお、ブリスター発生率は、(ブリスターの発生した面積/試験部面積)で算出される。
プライマー層の抵抗値を、測定抵抗値/算出理論抵抗値=95%以上の条件を満たすようにするには、プライマー層を形成するための塗膜を複数回繰り返す方法(所謂重ね塗り)を採用することが効果的である。必要な塗りの回数は、測定抵抗値/算出理論抵抗値から実験的に求めることができる。また、プライマー層を構成する材料を塗布する際に、その希釈率を大きくし、同時に塗布の回数を増やす方法も効果的である。重ね塗りが有効なのは、塗布を繰り返すことで、前回の塗布時に形成された欠損部分が埋められる作用が繰り返され、それにより欠損部分の数が減少するからであると考えられる。また、薄めたものを重ね塗りすることが有効なのは、先の重ね塗りの効果に加えて、薄められることで塗布材料の粘度が低下し、塗布材料が欠損部分に入り込み易くなるからであると考えられる。なお、測定抵抗値/算出理論抵抗値の値を調整する他の方法として、塗布工程時における温度条件や湿度条件の管理、超音波振動の付与といった方法を挙げることができる。
本発明における測定抵抗値は、電解溶液を浸透させた状態におけるプライマー層の厚み方向の抵抗値として計測される。プライマー層中における微細空隙の密度が大きい場合、より多くの電解溶液が浸透するので、電解溶液を介した電気伝導の経路がそれだけ多くなり、電気抵抗は低下する。この結果、測定抵抗値/算出理論抵抗値の値は低下する。したがって、測定抵抗値/算出理論抵抗値の値が小さいということは、水蒸気が侵入し易く、ブリスターが発生し易い膜質であることを意味する。このことは、図2のグラフに示すデータからも明らかである。このように、測定抵抗値/算出理論抵抗値を評価の指標とすることで、プライマー層中における微細空隙の密度を定量的に把握することができ、ブリスターの発生防止に役立てることができる。なお、電解溶液は、NaCl溶液等の中性の電解溶液であれば特に限定されない。
本発明は、セパレータを構成する板状部材の温度が当該部分の絶縁被覆に接する冷媒の温度よりも低温になる可能性がある部分への適用に好適である。すなわち、セパレータの所定の部分が、このような温度環境におかれると、その部分において、絶縁被覆から侵入した冷媒の気化成分がセパレータを構成する板状部材に熱を奪われて液化し易くなる。このような部分のプライマー層に本発明を適用することで、当該部分におけるプライマー層を緻密にし、その部分におけるプライマー層中への冷媒気化成分の侵入を防止することができる。そして、たとえ冷媒の気化成分が液化する温度環境になっても、その液化の基となる成分がプライマー層中に存在しないようにすることができ、ブリスターの発生を防止することができる。
本発明によれば、プライマー層における測定抵抗値/算出理論抵抗値の値を95%以上とすることで、プライマー層の緻密性を確保し、それによりブリスターの原因となる冷媒の気化成分のプライマー層への侵入を防止することができる。これにより、ブリスターの発生を防止し、ブリスターの発生による発電能力の低下を防ぐことができる。
1.第1の実施形態
(1)構成
図1は、本発明を利用したシール一体型金属セパレータを採用した固体高分子型燃料電池の断面図である。図1には、符号100aおよび100bによって示される単位発電セルが積層された構造が示されている。図1には、基本的な積層構造が示されているのみであるが、実際の燃料電池では、図示する基本構造が多数繰り返された積層構造が採用される。
単位発電セル100aは、アノード側金属セパレータ101とカソード側金属セパレータ102との間にMEA(Membrane Electrode Assembly)103を挟んだ基本構造を有している。MEAは、電解質膜接合体のことであり、発電を行うための反応を生じさせるための触媒を含んだ部材である。アノード側金属セパレータ101のMEA103側には、酸化剤ガス(例えば空気)をMEA103に供給させるための酸化剤ガス供給溝104が形成され、カソード側金属セパレータ102には、燃料ガス(例えば水素ガス)をMEA103に供給させるための燃料ガス供給溝105が形成されている。なお、図示省略されているが、単位発電セル100bも単位発電セル100aと同様な構造を有している。
符号106aは、冷媒の供給経路となる冷媒流通用の隙間である。本実施形態においては、この冷媒流通用の隙間106aに冷媒として不凍液(エチレングリコール)を添加した純水が供給される。この冷媒によって、冷媒流通用の隙間106aに面する単位発電セル100aのアノード側金属セパレータ101とその上方の単位発電セルのカソード側金属セパレータが冷却される。また、冷媒流通用の隙間106aと同様な構造の冷媒流通用の隙間106bが、単位発電セル100aと単位発電セル100bとの間に形成されている。なお、冷媒流通用の隙間106aおよび106bにおける冷媒の流れは、これら隙間106aおよび106bから、各単位発電セルを貫通した冷媒排出用連通孔110に向かって冷媒が流れ出る向きになるように設定されている。
冷媒排出用連通孔110へ繋がる冷媒流通用の隙間106aの端部付近におけるアノード側金属セパレータ101には、プライマー層107を介して絶縁被覆108が形成されている。プライマー層107は、絶縁被覆108のアノード側金属セパレータ101への密着性を改善するためのもので、シランカップリング剤の塗布物で構成されている。絶縁被覆108は、シリコーンゴムで構成され、電気的な絶縁性と同時にシールに必要な弾力性を備えている。冷媒流通用の隙間106aの端部付近に絶縁被覆108を形成することで、隣接する単位発電セルの間における冷媒を介したリーク電流の経路(電位差が生じる長さ)を長くし、それによりこのリーク電流の発生を抑えることができる。また、絶縁被覆108には、隣接するセパレータ間におけるシール性と絶縁性とを確保し、さらにアノード側金属セパレータ101とカソード側金属セパレータ102との間におけるシール性と絶縁性とを確保する役割がある。なお、同様な絶縁被覆の構造は、他のセパレータにおいても形成されている。
(2)作製方法
ここでは、上述したアノード側金属セパレータ101の作製方法を説明する。まず、所定の形状に切断したステンレス合金をプレス成形し、アノード側金属セパレータ101の形状を得る。次にシランカップリング剤を溶剤で希釈したものを塗布することでプライマー層107を形成する。なお、この塗布工程の塗布条件については、予め予備実験を行い希釈濃度と重ね塗りの回数を決めておく。ここでは、形成されたプライマー層107の(測定抵抗値/算出理論抵抗値)が95%以上となるように、希釈濃度と重ね塗りの回数を決定し、その条件に基づいてプライマー層107を形成する。こうして、図1に示すアノード側金属セパレータ101を得る。
(3)動作
まず、図1に示す燃料電池の構造において、酸化剤ガス供給溝104に空気を流し、燃料ガス供給溝105に水素ガスを流すと、MEA(Membrane Electrode Assembly)103に触れた水素が触媒反応により水素イオン(Hイオン)となる。この水素イオンは、MEA103中を透過し、アノード側で空気中の酸素と結合し、MEA103のアノード側において水が生成される。この際、カソード側金属セパレータ102には、水素から電離した電子が与えられるので、アノード側金属セパレータ101がカソード側金属セパレータ102に比較して高電位となる。この作用は、積層された各単位発電セルにおいて生じので、直列に接続された積層構造の一端側の単位発電セルのアノード側金属セパレータと、他端側の単位発電セルのカソード側金属セパレータとの間に負荷を接続すると、電流が流れ、発電が行われる。
(4)プライマー層の改善効果
次にプライマー層の膜質を改善することで、ブリスターの発生を抑えることができる点について説明する。図2は、プライマー層の(測定抵抗値/算出理論抵抗値)と、ブリスター発生率との関係を示すグラフである。図2の横軸は、プライマー層の(測定抵抗値/算出理論抵抗値)の値(%)である。図2の縦軸は、横軸の値に対応するブリスターの発生率である。すなわち、縦軸は、横軸に対応するプライマー層上に絶縁被覆を形成したサンプルに対して耐久試験を行い、その結果発生したブリスターの面積の試験面に占める割合(%)である。測定抵抗値というのは、電解水溶液を滴下し浸透させた状態におけるプライマー層の厚み方向における抵抗を実測した値である。算出理論抵抗値というのは、プライマー層を構成する材料の固有抵抗であり、当該材料の販売メーカの資料やデータブックに記載された値とプライマー層の厚さとに基づいて算出される抵抗値である。
なお、この例においては、プライマー層としてシランカップリング剤を材料として用い、それを図2中に示す条件でステンレス板上に塗布することでサンプルを得ている。また、ブリスター発生率を観察するためのサンプルとしては、(測定抵抗値/算出理論抵抗値)を計測したサンプルと同じプライマー層上にさらにシリコーンゴムの絶縁被覆を1mmの厚さに形成したものを用意した。また、ブリスター発生率を評価するために行った耐久試験は、サンプルを85℃に保った状態において、90℃の純水を絶縁被覆の表面に流し、その状態を20時間維持することで行った。
図2のグラフからも明らかなように、(測定抵抗値/算出理論抵抗値)の値(%)が95%以上になると、ブリスターの発生はほとんど問題にならなくなる。これは、(測定抵抗値/算出理論抵抗値)の値(%)が95%以上となった状態は、プライマー層の緻密性が高く、電解水溶液の浸透がほとんどない状態であり、それ故に耐久試験における冷媒のプライマー層への浸透が低レベルなものとなり、冷媒のプライマー層への浸透に起因するブリスターの発生が抑えられることを意味している。
図3は、測定抵抗値の測定方法を示す概念図である。この例においては、サンプルとして、ステンレス板401上に上述したプライマー層402をグラフ中に記載する塗布条件で形成したものを用いた。測定においては、プライマー層402上にフェノールフェタレインを微量に添加した0.1%のNaCl水溶液を滴下し、その液滴403中におけるプライマー層402とステンレス板401との間の抵抗値をMΩテスター404によって測定した。MΩテスター404は、高抵抗を測定するための超高入力抵抗の微少電流計である。ここでは、100VのDC電圧を加えた状態で流れる微少電流を検出することで、抵抗値を計測した。また、フェノールフェタレインを添加しているのは、プライマー層402へのDC電圧の印可後に、通電部分が紫色に変色し観察が容易になるからである。なお、ブリスター発生率の算出は、試験後のサンプルを写真撮影し、それを画像解析することによって行った。なお、電解溶液は、NaCl水溶液に限定されるものではなく、中性電解溶液であれば何でも良い。また、電解溶液中に界面活性剤(例えば、陰イオン界面活性剤)を含んだものを用いることもできる。この場合、電解溶液の表面張力が下がり、より小さな微細空隙に浸透し易くなるので、より小さな微細空隙を有する材質を対象とする場合に効果的となる。
図3に示す方法によれば、プライマー層402中に存在する微少空隙(欠損)の存在状態を定量的に評価することができる。すなわち、微少空隙の存在密度が大きいと、電解水溶液の浸透が顕著になり、計測される抵抗値は小さくなる。逆に微少空隙の存在密度が小さいと、電解水溶液の浸透があまり発生せず、計測される抵抗値は大きく(つまり理論値に近く)なる。この方法によれば、プライマー層402の緻密性を評価することができる。
(測定抵抗値/算出理論抵抗値)の値を用いてプライマー層の膜質を評価する方法は、計測が簡単であり、また再現性が高く、しかも確実にブリスターの発生を防止することができる点で優位性がある。すなわち、直接計測することが困難なプライマー層中の微少空隙の存在を間接的に推し量ることを、簡単にそして正確に行うことができ、効果的にブリスターの発生を防止することができる。
本発明は、燃料電池セパレータに利用することができる。
発明を利用した燃料電池の断面図である。 プライマー層の(測定抵抗値/算出理論抵抗値)と、ブリスター発生率との関係を示すグラフである。 プライマー層の測定抵抗値を測定する方法を示す概念図である。 従来技術におけるブリスターの発生状態を示す断面図である。
符号の説明
100a…単位発電セル、100b…単位発電セル、101…アノード側金属セパレータ、102…カソード側金属セパレータ、103…MEA(Membrane Electrode Assembly)、104…酸化剤ガス供給溝、105…燃料ガス供給溝、106a…冷媒流通用の隙間、106b…冷媒流通用の隙間、107…プライマー層、108…絶縁被覆、110…冷媒排出用連通孔。

Claims (4)

  1. 冷媒に接する燃料電池セパレータであって、
    導電性の板状部材と、
    この板状部材の前記冷媒に接する面に形成されたプライマー層と、
    このプライマー層上に形成された絶縁被覆と
    を備え、
    前記プライマー層は、複数回塗布されており、(測定抵抗値/算出理論抵抗値)=95%以上であることを特徴とする燃料電池セパレータ。
  2. 前記絶縁被覆は、燃料電池を構成する各単位発電セルユニットを貫通する冷媒排出用連通孔の周辺領域に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セパレータ。
  3. 隣接する前記単位発電セルどうしの間には、前記冷媒が分布する隙間が形成され、
    前記絶縁被覆は、前記隙間の端部近傍にも形成されたことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池セパレータ。
  4. 前記測定抵抗値は、電解溶液を浸透させた状態における前記プライマー層の厚み方向の抵抗値であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池セパレータ。
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