JP2531962B2 - ベンゾヘテロ環誘導体 - Google Patents

ベンゾヘテロ環誘導体

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JP2531962B2
JP2531962B2 JP62218277A JP21827787A JP2531962B2 JP 2531962 B2 JP2531962 B2 JP 2531962B2 JP 62218277 A JP62218277 A JP 62218277A JP 21827787 A JP21827787 A JP 21827787A JP 2531962 B2 JP2531962 B2 JP 2531962B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はベンゾヘテロ環誘導体及びその塩に関する。
従来の技術 本発明のベンゾヘテロ環誘導体は、文献未記載の新規
化合物である。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、後記するように医薬品として有用な化合物
を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 上記目的は、下記一般式(1)で表わされるベンゾヘ
テロ環誘導体及びその塩により達成される。
〔式中、Rはフェニル環上に置換基として低級アルコキ
シ基を有することのあるベンゾイル基を示す。また は基−CH2CH2−又は基−CH=CH−を示す。〕 上記一般式(1)において、フェニル環上に置換基と
して低級アルコキシ基を有することのあるベンゾイル基
としては、より具体的には例えばベンゾイル、4−メト
キシベンゾイル、3−エトキシベンゾイル、2−プロポ
キシベンゾイル、4−n−ブトキシベンゾイル、3−ペ
ンチルオキシベンゾイル、2−ヘキシルオキシベンゾイ
ル、3,4−ジメトキシベンゾイル、2,6−ジメトキシベン
ゾイル、2,4,6−トリメトキシベンゾイル基等のフェニ
ル環上に置換基として炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状
アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル
基を例示できる。
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数
1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を例示できる。
上記一般式(1)で表わされるベンゾヘテロ環誘導体
及びその塩は、心筋の収縮を増強する作用(陽性変力作
用)、冠血流量増加作用、降圧作用、ノルエピネフィリ
ンによる血管収縮抑制作用及び消炎作用を有し、例えば
うっ血性心不全、僧帽弁膜症、心房性細動、粗動、発作
性心房性頻脈等の各種心臓疾患の治療のための強心剤、
降圧剤及び消炎剤として有用である。特に上記本発明化
合物は、優れた陽性変力作用、冠血流量増加作用及び降
圧作用を有する反面、心拍数の増加作用は殆んど有しな
い特徴がある。また上記化合物は、低毒性であり、中枢
性の副作用、例えば嘔吐、運動機能の低下、振せん等が
少ない特徴をも有している。
上記一般式(1)で表わされる本発明化合物は、例え
ば下記反応式に示す方法により製造できる。
[反応式−1] 〔式中Rは前記に同じ。〕 化合物(2)の環化反応は、適当な塩基性化合物の存
在下に適当な溶媒中で行ない得る。塩基性化合物として
は、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、金属ナトリウム、金属カリウム、ナトリウムア
ミド、水素化ナトリウム等の無機塩基性化合物、ナトリ
ウムエチラート、ナトリウムメチラート、カリウムtert
−ブトキシド等のアルコラート類、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジ
ン等の有機塩基性化合物等を使用できる。之等塩基性化
合物の使用量は、化合物(2)に対して通常少なくとも
等モル量程度、好ましくは等モル〜2倍モル量程度とす
るのがよい。また溶媒としては、例えばベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のア
ルコール類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエー
テル等のエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、無水酢
酸等の極性溶媒や之等の混合溶媒を使用できる。
上記反応は、通常室温〜150℃程度、好ましくは室温
〜100℃程度にて良好に進行し、一般に1〜10時間程度
で完結する。
[反応式−2] 〔式中Rは前記に同じ。X1はハロゲン原子、低級アルカ
ンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又
はアラルキルスルホニルオキシ基を示す。〕 上記において、X1で定義される低級アルカンスルホニ
ルオキシ基としては、例えばメタンスルホニルオキシ、
エタンスルホニルオキシ、イソプロパンスルホニルオキ
シ、プロパンスルホニルオキシ、ブタンスルホニルオキ
シ、tert−ブタンスルホニルオキシ、ペンタンスルホニ
ルオキシ、ヘキサンスルホニルオキシ基等を例示でき
る。アリール基スルホニルオキシとしては、例えばフェ
ニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルスルホニル
オキシ、2−メチルフェニルスルホニルオキシ、4−ニ
トロフェニルスルホニルオキシ、4−メトキシフェニル
スルホニルオキシ、3−クロルフェニルスルホニルオキ
シ、α−ナフチルスルホニルオキシ基等の置換又は未置
換のアリールスルホニルオキシ基を例示できる。またア
ラルキルスルホニルオキシ基としては、例えばベンジル
スルホニルオキシ、2−フェニルエチルスルホニルオキ
シ、4−フェニルブチルスルホニルオキシ、4−メチル
ベンジルスルホニルオキシ、2−メチルベンジルスルホ
ニルオキシ、4−ニトロベンジルスルホニルオキシ、4
−メトキシベンジルスルホニルオキシ、3−クロロベン
ジルスルホニルオキシ、α−ナフチルメチルスルホニル
オキシ基等の置換又は未置換のアラルキルスルホニルオ
キシ基等を例示できる。
上記化合物(3)の環化反応は、前記反応式−1に示
す化合物(2)の環化反応と同様にして実施できる。
[反応式−3] 〔式中R及びZは前記に同じ。X2はハロゲン原子を示
す。〕 上記化合物(4)と化合物(5)との反応は、適当な
不活性溶媒中、塩基性縮合剤の存在下又は不存在下にて
行なわれる。不活性溶媒としては、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ
−1−ブタノール、エチルセロソルブ、メチルセロソル
ブ等のアルコール類、ピリジン、アセトン、DMF、DMS
O、HMPA等を使用できる。また塩基性縮合剤としては、
例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチ
ルアミン等を使用できる。化合物(4)と化合物(5)
との使用割合は、特に限定がなく広い範囲内で適宜選択
できるが、前者に対して後者を通常少なくとも等モル量
程度、好ましくは等モル〜5倍モル量用いるのがよい。
該反応は通常室温〜180℃程度、好ましくは100〜150℃
にて行なわれ、一般に3〜30時間程度で終了する。また
該反応においては、触媒として銅粉を使用することがで
き、これにより反応が有利に進行する。
[反応式−4] 〔式中、R及びZは前記に同じ。〕 化合物(6)と化合物(7)との反応は、通常のアミ
ド結合生成反応に従って行ない得る。アミド結合生成反
応は、公知の各種の方法、例えば(イ)混合酸無水物
法、例えば化合物(7)にアルキルハロカルボン酸を反
応させて混合酸無水物とし、これに化合物(6)を反応
させる方法、(ロ)活性エステル法、例えば化合物
(7)をp−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシ
コハク酸イミドエステル、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾールエステル等の活性エステルとし、これに化合物
(6)を反応させる方法、(ハ)カルボジイミド法、即
ち化合物(7)に化合物(6)をジシクロヘキシルカル
ボジイミド、カルボニルイミダゾール等の活性化剤の存
在下に縮合させる方法、(ニ)その他の方法、例えば化
合物(7)を無水酢酸等の脱水剤によりカルボン酸無水
物とし、これに化合物(6)を反応させる方法、化合物
(7)と低級アルコールとのエステルに化合物(6)を
高圧高温下に反応させる方法、化合物(7)の酸ハロゲ
ン化物、即ちカルボン酸ハライドに化合物(6)を反応
させる方法等により実施できる。また化合物(7)をト
リフェニルホスフィン、シアノリン酸ジエチル、ジエチ
ルクロロホスフェート等のリン化合物で活性化し、これ
に化合物(6)を反応させる方法等によることもでき
る。
上記(イ)に示す混合酸無水物法において、使用され
る混合酸無水物は通常ショッテン−バウマン反応により
得られ、これを通常単離することなく化合物(6)と反
応させることにより化合物(1)が製造される。ショッ
テン−バウマン反応は通常該反応に慣用される前記した
各種の塩基性化合物の存在下、−20〜100℃程度、好ま
しくは0〜50℃程度において5分〜10時間程度、好まし
くは5分〜2時間程度を要して行なわれる。得られる混
合酸無水物と化合物(6)との反応は、−20〜150℃程
度、好ましくは10〜50℃程度において5分〜10時間程
度、好ましくは5分〜5時間程度を要して行なわれる。
また上記混合酸無水物は一般にこの種混合酸無水物法に
慣用の溶媒、具体的には塩化メチレン、クロロホルム、
ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエ
ーテル、THF、ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸
メチル、酢酸エチル等のエステル類、DMF、DMSO、HMPA
等の非プロトン性極性溶媒等の溶媒中又は無溶媒下に行
なわれる。尚上記混合酸無水物の製造において使用され
るアルキルハロカルボン酸としては、例えばクロロ蟻酸
メチル、ブロモ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、ブロモ
蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソブチル等を例示でき、これ
らは通常化合物(7)に対し少なくとも等モル量、好ま
しくは1〜2倍モル量程度用いられる。また化合物
(6)の使用割合は、通常化合物(7)に対して少なく
とも等モル量、好ましくは1〜2倍モル量程度とするの
が好ましい。
上記(ロ)に示す活性エステル法は、例えばN−ヒド
ロキシコハク酸イミドエステルを用いる場合を例にとれ
ば、反応に悪影響を与えない適当な溶媒、例えば塩化メ
チレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化
炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、ジメトキシエタ
ン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類、DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒等の
中で、0〜150℃程度、好ましくは10〜100℃程度で5〜
30時間を要して行なわれる。化合物(6)とN−ヒドロ
キシコハク酸イミドエステルとの使用割合は、後者に対
して前者を通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜
2倍モル程度とするのがよい。
上記(ニ)に示すカルボン酸ハライドに化合物(6)
を反応させる方法を採用する場合、該反応は脱ハロゲン
化水素剤の存在下、適当な溶媒中で行なわれる。脱ハロ
ゲン化水素剤としては通常の塩基性化合物、例えばショ
ッテン−バウマン反応に用いられる塩基性化合物、詳し
くはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、
ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネ
ン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデ
セン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オク
タン(DABCO)等の有機塩基及び炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の
無機塩基の他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
素化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸銀、ナトリウム
メチラート、ナトリウムエチラート等のアルコラート等
を使用できる。溶媒としては、例えば塩化メチレン、ク
ロロホルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ジエチルエーテル、THF、ジメトキシエタン等のエ
ーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、DM
F、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、エチルセロソルブ、メチルセ
ロソルブ等のアルコール類、ピリジン、アセトン、アセ
トニトリル等又はそれらの2種以上の混合溶媒等を使用
できる。尚、上記反応系には、ヨウ化カリウム、ヨウ化
ナトリウム等のアルカリ金属ヨウ化物を添加してもよ
い。化合物(6)と化合物(7)との使用割合は、特に
限定されず広範囲内で適宜選択されるが、通常前者に対
して後者を少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル
〜2倍モル量用いるのがよい。該反応は通常−30〜180
℃程度、好ましくは約0〜150℃で行なわれ、一般に5
分〜30時間で終了する。
また化合物(7)をトリフェニルホスフィン、シアノ
リン酸ジエチル、ジエチルクロロホスフェート等のリン
化合物で活性化し、これに化合物(6)を反応させる方
法は、適当な溶媒中で行ない得る。溶媒としては反応に
悪影響を与えない各種のもの、具体的には塩化メチレ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類、ベンセン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、ジエチルエーテル、THF、ジメトキシエタン等
のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒等を使
用できる。上記反応では、必要に応じて塩基性化合物、
例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジ
ン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、DBN、D
BU、DABCO等の有機塩基及び炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機
塩基を用いることもできる。該反応は0〜150℃程度、
好ましくは0〜100℃程度で行なわれ、1〜30時間程度
で終了する。化合物(7)に対するリン化合物及び化合
物(6)の使用割合は、夫々通常少なくとも等モル量程
度、好ましくは等モル〜3倍モル量とされる。
上記化合物(1)は、加水分解により化合物(6)に
導くことができる。該加水分解反応には、通常の加水分
解反応条件をいずれも適用でき、通常塩基性化合物、鉱
酸、有機酸等の存在下に、適当な溶媒中で行なわれる。
塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム等を、鉱酸
としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸等を、また有機酸と
しては、例えば酢酸、芳香族スルホン酸等を夫々例示で
きる。該反応は、例えば水、メタノール、エタノール、
イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類、ジオキサン、エチレングリ
コール等のエーテル類、酢酸等の溶媒又はそれらの混合
溶媒中にて、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜1
50℃付近にて進行し、一般に0.5〜18時間程度で終了す
る。
[反応式−5] 〔式中、Rは前記に同じ。〕 化合物(1c)の脱水素反応は、適当な溶媒中、酸化剤
を使用して行なわれる。酸化剤としては、例えば2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、クロラニル
(2,3,5,6−テトラクロロベンゾキノン)等のベンゾキ
ノン類、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコハク
酸イミド、臭素等のハロゲン化剤、二酸化セレン、パラ
ジウム炭素、パラジウム黒、酸化パラジウム、ラネーニ
ツケル等の脱水素化触媒を使用でき、その使用量は、特
に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、ハロゲン
化剤の場合には化合物(1c)に対して通常等モル〜5倍
モル量、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよ
く、また脱水素化触媒の場合には通常過剰量とするのが
よい。また溶媒としては、例えばジオキサン、THF、メ
トキシエタノール、ジメトキシエタン等のエーテル類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化
水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ブタノー
ル、アミルアルコール、ヘキサノール等のアルコール
類、酢酸等の極性プロトン溶媒、DMF、DMSO、HMPA等の
極性非プロトン溶媒類等を使用できる。該反応は、通常
室温〜300℃、好ましくは室温〜200℃にで行なわれ、一
般に1〜40時間程度で終了する。
化合物(1d)の還元反応は通常の接触還元条件下に実
施される。ここで用いられる触媒としては、パラジウ
ム、パラジウム−炭素、プラチナ、ラネーニツケル等の
金属を例示できる。かかる金属は通常触媒量で用いられ
る。また溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ジオキシサン、THF、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、酢酸、酢酸エチル、これらの混合
溶媒等を使用できる。該反応は、常圧及び加圧下のいず
れでも行ない得るが、通常常圧〜20kg/cm2、好ましくは
常圧〜10kg/cm2にて行なうのがよい。また反応温度は、
通常0〜150℃程度、好ましくは室温〜100℃とするのが
よい。
[反応式−6] 〔式中R及びZは前記に同じ。X3は水酸基又は前記X1
を示す。〕 化合物(8)と化合物(9)との反応は、出発原料と
して使用する化合物(9)のX2がハロゲン原子、低級ア
ルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ
基又はアラルキルスルホニルオキシ基である場合には、
一般に適当な不活性溶媒中、塩基性縮合剤の存在下又は
不存在下に行なわれる。不活性溶媒としては、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール
等の低級アルコール類、酢酸、酢酸エチル、DMF、DMS
O、HMPA等を使用できる。また塩基性縮合剤としては、
例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート、
ピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミン等を使用
できる。化合物(8)と化合物(9)との使用割合は、
特に限定がなく広い範囲内で適宜選択できるが、前者に
対しては後者を通常少なくとも等モル量程度、好ましく
は等モル〜5倍モル量程度用いるのがよい。該反応は通
常40〜120℃程度、好ましくは50〜100℃で行なわれ、一
般に5〜30時間程度で終了する。
出発原料として使用する化合物(9)のX2が水酸基で
ある場合、該化合物と化合物(8)との反応は、脱水縮
合剤の存在下無溶媒下又は適当な溶媒中にて行なわれ
る。使用される脱水縮合剤としては、例えば、ポリリン
酸等の縮合リン酸類、正リン酸、焦リン酸、メタリン酸
等のリン酸類、正亜リン酸等の亜リン酸類、五酸化リン
等の無水リン酸類、塩酸、硫酸、ホウ酸等の酸類、リン
酸ナトリウム、ボロンホスフェート、リン酸第2鉄、リ
ン酸アルミニウム等の金属リン酸塩類、活性アルミナ、
硫酸水素ナトリウム、ラネーニッケル等を例示できる。
溶媒としては、例えばDMF、テトラリン等の高沸点溶媒
を例示できる。化合物(8)と化合物(9)との使用割
合は、特に限定がなく広い範囲内で適宜選択できるが、
前者に対して後者を通常等モル量程度以上、好ましくは
等モル〜2倍モル量程度とするのがよい。脱水縮合剤の
使用量も特に限定されず広い範囲から適宜選択し得る
が、化合物(8)に対して通常触媒量以上、好ましくは
0.5〜5倍モル量程度用いるのがよい。上記反応は、酸
化反応を防止するために、不活性ガス気流、例えば二酸
化炭素又は窒素気流中で行なうのが望ましい。また上記
反応は常圧及び加圧下のいずれでも行ない得るが、常圧
下にて行なうのが好適である。反応は通常100〜350℃程
度、好ましくは125〜255℃にて好適に進行し、一般に3
〜10時間程度で終了する。尚上記反応においては、化合
物(9)を塩の形態で使用してもよい。
一般式(1)で表わされる本発明のベンゾヘテロ環誘
導体の中、塩基性基を有する化合物は、これに常法に従
い医薬的に許容される酸を作用させることにより容易に
酸付加塩とすることができる。該酸としては、例えば、
塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ
酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることができる。
また本発明のベンゾヘテロ環誘導体の内、酸性基を有
する化合物は、これに常法に従い医薬的に許容される塩
基性化合物を作用させることにより容易に塩とすること
ができる。塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
かくして得られる各々の工程での目的化合物は、通常
の分離手段により容易に単離精製することができる。該
分離手段としては、例えば、溶媒抽出法、希釈法、再結
晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラティブ薄層
クロマトグラフィー等を例示できる。
尚本発明は光学異性体をも当然に包含するものであ
る。
一般式(1)で表わされる本発明ベンゾヘテロ環誘導
体及びその塩は、通常一般的な医薬製剤の形態で用いら
れる。製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、
付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、潤沢剤等の希釈剤或いは
賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種
の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なもの
として、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳
剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤
等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際して
は、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用で
き、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、
尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セル
ロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノ
ール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン
溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチル
セルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等
の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カン
テン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カル
シウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセ
リド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、
カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進
剤、グリセリン、デンプン等の付湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の潤沢剤等を例示できる。更に錠剤
は必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣
錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング
錠或いは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形
態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公
知のものを広く使用でき、例えば、ブドウ糖、乳糖、デ
ンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の
賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エ
タノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤
等を挙げることができる。坐剤の形態に成形するに際し
ては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例え
ば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコー
ル、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グ
リセライド等を挙げることができる。注射剤として調製
される場合には、液剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液
と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁
剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野
において慣用されているものをすべて使用でき、例え
ば、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エ
トキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソ
ステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル類等を挙げることができる。尚、この場
合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖
あるいはグリセリンを製剤中に含有させてもよく、また
通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよ
い。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、
甘味剤等や他の医薬品を該製剤中に含有させてもよい。
かくして調製される医薬製剤中に含有されるべき有効
成分(一般式(1)のベンゾヘテロ環誘導体及びその
塩)の量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択さ
れるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは1〜
30重量%とするのがよい。
また上記医薬製剤の投与方法は特に制限はなく、各種
製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度
等に応じた方法で投与される。例えば、錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経
口投与される。また注射剤の場合には単独であるいはブ
ドウ糖、アミノ酸、等の通常の補液と混合して静脈内投
与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下
若しくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与
される。
上記医薬製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別そ
の他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通
常有効成分量を1日当り体重1kg当り約0.01〜10mgとす
るのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を0.1〜2
00mg含有させるのがよい。
実 施 例 以下に実施例及び製剤例を挙げる。
実施例1 3−[4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピ
ペラジニル]−6−メチルスルホニルアミノベンズアル
デヒド2.0g、カリウムtert−ブトキシド2.0g、tert−ブ
タノール10ml及びDMF20mlの混合物を、3時間加熱還流
した。溶媒を濃縮して得られた残渣を水に注ぎ込み、析
出晶を取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;ジクロロメタン:メタノール=100:1)にて
精製後、エタノール−クロロホルムより再結晶して、6
−[4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラ
ジニル]−2,1−ベンゾチアジン−2,2−ジオキシド0.78
gを得た。
性 状:黄色針状晶 融 点:226〜228℃ 実施例2 6−[4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピ
ペラジニル]−2,1−ベンゾチアジン−2,2−ジオキシド
0.35g、5%パラジウム−炭素0.25g及び酢酸100mlの混
合物に、55℃下、3気圧にて、水素添加した。触媒をセ
ライト過後、液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液;ジクロロメタン:メタノール=
100:1)にて精製し、エタノール−クロロホルムより再
結晶して、6−[4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)
−1−ピペラジニル]−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾチ
アジン−2,2−ジオキシド・1/4水和物0.28gを得た。
性 状:淡黄色針状晶 融 点:216〜220℃ 製剤例1 実施例1で得た化合物 5mg デンプン 132mg マグネシウムステアレート 18mg乳 糖 45mg 計 200mg 常法により、1錠中に上記組成を含有する錠剤を製造
した。
製剤例2 実施例2で得た化合物 500 mg ポリエチレングリコール(分子量:4000) 0.3 g 塩化ナトリウム 0.9 g ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.4 g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1 g メチル−パラベン 0.18 g プロピル−パラベン 0.02 g注射用蒸留水 100 ml 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナ
トリウムを攪拌しながら80℃で上記の蒸留水に溶解し
た。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明化合物、ポ
リエチレングリコール及びポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレートを順次溶解させ、次にその溶液に注射用
蒸留水を加えて最終の容量に調整し、適当なフィルター
ペーパーを用いて滅菌過して1mlずつアンプルに分注
し、注射剤を調製した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Rはフェニル環上に置換基として低級アルコキ
    シ基を有することのあるベンゾイル基を示す。また は基−CH2CH2−又は基−CH=CH−を示す。〕 で表わされるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩。
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