JP2531797B2 - 環境監視装置 - Google Patents

環境監視装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、屋内環境監視技術さらには赤外線検知器の
出力に基づく環境監視装置に関するもので、例えば屋内
での火災の発生の有無や人間にとって不快な屋内環境を
検出して警報器もしくは空気調和装置の制御信号を出力
する場合に利用して効果的な技術に関する。
[従来の技術] 従来、室内の快適な環境を作り出すため、温度センサ
や温度センサを用いて室内状態を検出して冷暖房装置を
調節するようにした空気調和装置が種々提案されてい
る。
しかしながら、従来の一般的な空気調和装置は装置本
体もしくはその近傍に配置されたサーミスタ等接触式の
温度センサからの検出信号に基づいて温度制御を行なっ
ている。つまり、センサ周辺の空気の温度を室内平均温
度とみなして制御を行なっていた。
一方、火災検知に関しては、光電管やバイメタル、テ
レビジョンカメラを利用する火災検知器が提供されてい
るが、光電管の場合は紫外線領域の波長に敏感に感応す
るため、太陽光や電灯等からの光線によって誤動作しや
すいという欠点がある。一方、バイメタル型のものは感
度が低すぎて有効性に乏しい。また、テレビジョンカメ
ラにて監視する方式は、状況判断がしづらく、カメラの
設置台数も多くなりすぎ、加えて常時人間が監視するこ
とを必要とするので、所定の成果が得られにくい。
こうした状況において、近頃では、炎から発せられる
赤外線を検知する赤外線検知方式に大きな感心が寄せら
れている。こうした赤外線検知方式においても、単に一
定水準以上の赤外線を検知したときに火災を判定する単
純なものから一歩進んで、赤外線検知器の出力信号レベ
ルがある一定時間以上増加傾向にあるか否かを識別する
識別回路を組み込んだ火災検知器が提唱された(特公昭
56−7196号)。
また、信頼性の向上のため、炎からの赤外線放射を2
種以上の波長帯で別々に検知し、それらの情報に基づい
て火災か否かを判断する技術の開発に努力が注がれてき
た。その一つは、可視又は近赤外域を検知するセンサと
赤外線を検知するセンサという2種類のセンサを利用し
て、電灯等からの放射のように赤外域の輻射強度に比較
して可視又は近赤外域の輻射強度が大きい場合は非火災
と判断する方式である。
もう一つの方式は、炎に特有なスペクトル分布を検知
するものである。一般に炎を伴わない赤外線放射源から
放射される赤外線のスペクトル分布は第2図実線A,Cの
ようにプランクの法則に従い、発熱物体の温度が高くな
るほどスペクトルのピーク値は短波長側にシフトする。
これに対し、炎を伴う赤外線放射物体は、別の特有の特
性を示す。すなわち、第2図に実線Bで示すように、凹
凸のあるスペクトル分布を持つ。これは、CO2分子共鳴
放射として知られる現象により起こるものであり、波長
4.3μm付近で高いピークを示す。従って、原理的に
は、このCO2分子共鳴放射による波長4.3μm付近のピー
クを検知することにより炎を検知することができる。
そこで、従来、この波長4.3μmピークをとらえるた
めのいくつかの試みが提案されている。例えば、特開昭
50−2497号は、4.3μmとその前後の2波長における放
射線量を検知し、4.3μmと他の2波長における放射線
量が一定値以上になった場合に炎と判定している。ま
た、特開昭57−96492号は、2つの凸部間に谷間が存在
するか否かを判別して炎の発生を検知することを提唱し
ている。
[発明が解決しようとする課題] 空気調和装置や冷暖房機による室内の環境制御に関し
ては、室内にいる人間が感じる温度が最も重要なファク
ターとなる。しかるに、人体が感じる温度は、人間の肌
に直接触れている空気の温度以外に室内空間から放射さ
れる赤外線を肌が吸収して感じる放射熱がある。例え
ば、暖房機や窓等からの放射熱がある場合、人体にとっ
ては火照った感じになり、窓や壁が人体からの放射熱を
吸収する場合は底冷えの感じになる。したがって、室内
温度測定器に接触している空気を検知するサーミスタの
ような接触式の温度測定器の出力温度のみで環境を制御
する従来方式にあっては、人間にとって本当に快適な環
境を提供できないという問題があった。
一方、火災検知に関しては、電灯光のように赤外域の
輻射強度に比較して可視又は近赤外域の輻射強度が大き
い場合は非火災と判断する従来方式では、通常的な電灯
による誤報が少なくなるが、例えば電熱器のような火災
以外の発熱体であっても可視又は近赤外線を放射しない
ものあるいはそれが弱いものであれば火災と判断し、誤
報を発するためその適用に制約が多い。
また、波長4.3μmとその前後の2波長における放射
線量を検知し、4.3μmと他の2波長における放射線量
が一定値以上になった場合に炎と判断する方法では、炎
を検知することはできてもその炎が火災に由来するもの
かあるいは有益な熱源に由来するものかは検知できな
い。すなわち、ガスレンジ、ガスストーブ等の炎で誤報
を発する欠点がある。
本発明の目的は、火災の発生を含む屋内環境の変化を
検知し、人間にとって快適な屋内環境を実現可能にする
とともに有益な熱源に基づく誤報が非常に少なくかつ高
感度で火災を検知できるような環境監視装置を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは火災の発生も環境の変化と考え、居住空
間の環境監視技術と火災検知技術を同一次元で考察し
た。
その結果、室内にいる人間が最も快適と感じる環境を
作り出すためには、その室内の空気温度を監視するだけ
でなく、主に放射温度を監視し更に空気温度を監視する
ことにより環境制御するのが最も良い方法であり、放射
温度のモニターには、赤外線検出器を用いることができ
ることおよび火災検知についても赤外線検知器を用いる
方法が優れていることから、赤外線検知器を使用すれば
空気調和装置等による屋内環境の制御と火災の検知を一
つの検出器の出力に基づいて行なうことができるとの着
想を得た。
そこで、放射温度に基づく環境制御および火災検知に
ついてさらに詳細に検討した。
その結果、屋内での放射温度は複数の赤外線検知器の
出力の比から計算することができ、更にサーミスタ等の
接触型の温度測定器を装備することにより、検知空間で
の人体が実感として感じる温度のモニターができ、人体
が快適と思われるように環境を制御することができる。
また、通常、屋内の環境温度は、約300゜K(23℃)
であるので放射波長のピークは約10μmあたりである。
従って、赤外線検知器には透過中心波長が10μmにある
バンドパスフィルタを設けることが望ましい。一方、監
視している環境に火災を伴わない暖房器具例えば電気ヒ
ーターなどが置かれている場合、環境を10μmのバンド
パスフィルタのみで監視していると、電気ヒーターなど
で部分的に温度が上がっている場合でも全体の環境温度
が上がっていると判断してしまうので、バンドパスフィ
ルタの透過中心波長が4μmあたりでの監視を加える。
さらに、暖房器具がない場合は環境から放射される赤
外線のうち4μmは10μmに比較して十分小さいが、電
気ヒーターのように赤熱する暖房器具があるときは4μ
m付近の赤外線も10μmと同様な強さで放射される。従
って、10μm付近の波長の強さが大きくなり、かつ4μ
mの強さも大きくなってきたら電気ヒーターが加熱して
いると判断し、4μmの方が小さいときは環境全体の温
度が上昇してきていると判断することができる。
一方、火災と非火災との間には、以下のような現象的
差異がある。
すなわち、火災以外の熱源の場合、発熱面積および温
度は一定ないし数分間で定常に至る。例えば、暖房器具
などでは、発熱面積は一定であり、温度は数分間で定常
に至る。また、マッチ、ライター等は、温度、発熱面積
が一定であるだけでなく、数秒ないしは数分で消滅す
る。
これに対し、火災では発熱面積、温度が共に増加し、
しかも数分間経過しても増加傾向を示すといった特徴が
ある。第3図(A)に、燻焼状態から火災に至る過程で
の温度変化、第3図(B)に発熱面積の変化を示す。こ
こでTFは発炎時点である。また、燻焼状態を経ない火
災、例えは放火などのような火災の場合においては、第
3図(A),(B)のTF点以降の温度変化、発熱面積変
化を示す。
さらに火災の場合、放射される赤外線を短〜長波長に
わたる複数の波長帯に分離すると、それぞれの波長帯の
検知出力は時間と共に増大し、しかもその検知出力の比
の時間的変化も特有の挙動を示す。すなわち、検知出力
の大きさは発熱部分の面積と温度を反映するのに対し、
検知出力の比は発熱部分の温度を反映するため燻焼火災
の場合には、それぞれの波長の検知出力およびその検知
出力の比が共に徐々に増大する傾向を示し、発炎火災に
移行した時点で、検知出力、およびその比は急増する。
また、その後は、発熱源の面積増加に対して温度上昇は
飽和する傾向にあるので、検知出力は増大するが、その
比はほぼ一定となる。そして、発炎火災に移行した時点
で、CO2分子の共鳴放射が著しく増大し、火災面積の増
加に伴ってその強度が増加する。一方、火災以外の炎の
場合、定常状態に至った後はこうした時間的変化がはみ
られない。
本発明は、上記のような考察に基づいてなされたもの
で、監視空間から放射される赤外線を複数の波長帯に分
離するバンドパスフィルタと、各バンドパスフィルタを
通過した赤外線をそれぞれ検知する赤外線検知器を備
え、該複数の波長帯のうち一つの波長帯はCO2分子の共
鳴放射波長帯を含み、1〜16μmの波長範囲を検知する
赤外線検知部並びに前記それぞれの波長帯の赤外線検知
器の出力およびこれらの検知出力の比を時間的変化に基
づいて火災発生判定および監視空間の放射温度を演算す
る信号処理装置とよりなる環境監視装置を提案するもの
である。
[作用] 上記した手段によれば、放射温度という共通の物理量
の測定を通して、環境制御については常時放射温度を監
視することによりその制御を行ない、火災検知に関して
は火災発生の際における放射温度の異常パターンの検出
並びにCO2分子の共鳴放射の検出を行なって判断するこ
とにより、環境全体の温度変化が電熱器などによる温度
変化か、ガスコンロ、ストーブなどの火炎を有する暖房
器具による温度変化か、火災が発生しているかの判断が
正確に行なえ、人体にとって快適な環境の制御と誤動作
のない火災検知が可能になる。
[実施例] 第1図は本発明の環境監視装置を設置した部屋の状況
を示す。
この実施例では、室内の壁の上部に空調装置51がまた
その下方にサーミスタ等の温度測定器52が取り付けられ
ている。
さらに、部屋の天井の中央には焦電型赤外線センサを
用いた赤外線検出装置53が下向きに取り付けられている
とともに、この赤外線検出装置53と上記空調装置51およ
び温度測定器52は、ケーブル54によって警備室等に配備
されたマイクロコンピュータのような信号処理装置50に
接続され、信号処理装置50は赤外線検出装置53の出力に
基づいて室内の放射温度を演算し、その温度データを空
調装置51へ送る。すると、空調装置51のマイクロコンピ
ュータは、その放射温度データと温度測定器52からの検
出信号とに基づいて送風の温度や送風量を適宜調節して
快適な室内環境を作り出す。
また、信号処理装置50は、赤外線検出装置53からの検
知信号に基づいて火災発生と判断すると警報室や廊下等
に配置された警報器20を作動させるようになっている。
ただし、空調装置51にマイクロコンピュータを内蔵す
る代わりに建物全体を監視する信号処理装置50により温
度検出器52と赤外線検出装置53の出力に基づいて空調装
置51の制御信号を形成し、出力するようにしてもよい。
第4図には上記赤外線検出装置の一実施例と赤外線検
出装置の出力に基づく環境制御システムの概略構成を示
す。
赤外線検出装置53は、赤外線を周期的に分断する回転
式チョッパ1と、特に限定されないがそれぞれ異なる透
過帯域をもつ4つの光学フィルタからなるバンドパスフ
ィルタ2a,2b,2c,2dと、各バンドパスフィルタ2a〜2dと
関連してその透過赤外線を検知する赤外線検知器3a,3b,
3c,3dを備えている。バンドパスフィルタ2a〜2dの透過
帯の中心波長は、ここに示した4分割方式の場合では、
例えばフィルタ2aが2〜3μm、フィルタ2bが3〜4μ
m、フィルタ2cが4〜5.5μm、フィルタ2dが8〜15μ
mのように適宜選択され、透過波長帯幅はそれぞれ0.1
〜1.5μmとされる。これらのフィルタ2a〜2dのうち、
1つは、CO2分子の共鳴放射波長帯(4.3μm)を透過す
るものが選択される。ここでは、フィルタ2cがCO2分子
の共鳴放射波長帯を透過するようになっている。また、
5.5〜8μmの波長帯は、空気中の水蒸気による吸収が
非常に大きいので、避けるべきである。分割波長帯の数
は、上記のように4分割に限られるものではなく、2分
割以上任意の数に分割できるが、実用上は5〜6分割ま
でで十分である。
光学フィルタは、ZnSeあるいはZnSあるいはGeその他
の誘電体をSi等の基板上に交互に真空蒸着して多層膜と
したものであり、目標とする透過波長帯に応じて膜圧が
決定される。
赤外線検知器3a〜3dとしては、半導体赤外線検知器、
サーモパイル、焦電型赤外線検知器等いずれも使用し得
るが、半導体赤外線検知器は冷却が必要なため適当でな
く、サーモパイルまたは焦電型赤外線検知器が望まし
く、中でも焦電型のものが特に好ましい。また、チョッ
パ1は、赤外線検知器にサーモパイルを使用した場合に
は省略することができる。
焦電型検知器は温度の変化分のみに応答する微分型の
検知器であり、温度増加を測定する本発明装置に好適で
ある。焦電型検知器は、タンタル酸リチウムやPbxZryO3
に代表される焦電体の薄板の表面および裏面に蒸着等に
より電極を形成したものである。また、波長1μm付近
の近赤外線域を検知する場合には、Siフォトダイオード
を使用することもできる。
チャッパ1の回転駆動には、パルスモーター、直流モ
ーターなどが適しているが、直流モーターの場合にはチ
ョッパの回転数を検知するためのフォトインタラプタの
ような回転検知器4が必要である。パルスモータでチョ
ッパを駆動する場合には、駆動回路から回転数を知るこ
とができるので、フォトインタラプタは不用となる。
赤外線検知器3a〜3dからの出力信号およびチョッパの
回転検知信号は、信号処理回路10で処理される。信号処
理回路10は、各赤外線検知器3a〜3dからの出力の大き
さ、それらの出力の相対比並びにそれらの時間変化を演
算し、その結果に基づいて対象赤外線源が火災か否かを
判別し、火災と判断したときは警報器の駆動信号を出力
する。
第5図は、信号処理回路10の構成例を示す。赤外線検
知器3a〜3dからの出力信号は、増幅回路11a,11b,11c,11
dに送られ、所望のレベルまで増幅される。また、フォ
トインタラプタ4からの回転検知信号は、移相回路12に
入力され、互いに90度位相のずれた同期信号SINφ、COS
φが出力される。増幅回路11a〜11dからの出力は、上記
同期信号SINφ、COSφに同期して同期検波回路13a1〜13
d1,13a2〜13d2に供給され、検波される。同期検波回路1
3a1〜13d1,13a2〜13d2の検波出力は、それぞれ2乗回路
14a1〜14d1,14a2〜14d2で2乗され、それぞれのチャン
ネルごとに加算器15a〜15dで加算された後、平方根演算
回路16a〜16dで平方根演算される。このように、90度位
相のずれた同期信号で別々に同期検波を行い、それらの
検波出力の2乗平均をとることによって、チョッパと赤
外線検知器間の位置ずれ等に起因する位相のずれが取り
除かれる。
平方根演算器16a〜16dの出力は、A/D変換器17a〜17d
でA/D変換されてマイクロコンピュータ18に入力され、
信号処理される。第5図の実施例では、2乗平均をアナ
ログ演算器で演算しているが、同期検波された信号をA/
D変換して、マイクロコンピュータに入力すれば、マイ
クロコンピュータで2乗平均を行うこともできる。ま
た、増幅回路11a〜11dの出力信号をA/D変換すること
で、同期検波をマイクロコンピュータ18で行うこともで
きる。
マイクロコンピュータ18においては、検知信号に基づ
いてタイマ割込み等で数秒おきに演算を行い、赤外線源
の温度と発熱面積の増大、さらにCO2分子共鳴放射の有
無の様相を数分間にわたりデータを蓄積し、そのデータ
に基づいて温度と発熱面積が常に増大しているか調べ、
増大している場合に火災と判断し、ドライバ19を駆動さ
せてリレーRLYをオンさせ、警報器20を駆動させる。
例えば、燻焼火災の場合、赤外線検知器3a〜3dの出力
は第6図に示すように変化する。すなわち、赤外線検知
器3a〜3dの出力a,b,c,dは温度上昇と延焼面積の増大に
伴ってd,c,b,aの順で増加する。そして、発炎した時点T
FでCO2分子の共鳴放射が激増するため、赤外線検知器3a
〜3dのうち3cの出力が著しく増加する。その後、赤外線
源が火炎となるため、温度上昇は巣なくなり、面積の増
大に伴う赤外線量の増加が主になり、各赤外線検知器3a
〜3dの出力は各々増加するが、出力の比はほぼ一定にな
る。
一方、非火災の場合、赤外線源の温度または面積が所
定時間で定常状態あるいは消滅状態となる。例えば、暖
房器具、調理器具などの場合は、発熱面積の増大は伴わ
ずまた温度も所定時間で定常状態に達する。
従って、赤外線検知器3a〜3dの出力比較により赤外線
源の温度を求め、かつその温度における赤外線検知器3a
〜3dのうち例えば3a,3bと3dの出力を、予め設定した値
と比較すれば発熱面積を知ることができる。さらに、以
上の手順で求めた赤外線源の温度と発熱面積から、黒体
放射強度すなわち、熱源が黒体であると仮定した場合の
CO2分子共鳴放射波長帯における赤外線放射強度を計算
し、その値と、CO2分子の共鳴放射波長帯を検知する赤
外線検知器3cの出力とを比較することにより、CO2分子
の共鳴放射の有無を知ることができる。
こうして、温度および発熱面積がある一定期間(数分
間)以上増加傾向にあり、かつCO2分子の共鳴放射が認
められない場合は、燻焼火災と判断できる。また、ある
時点で、温度および発熱面積が急増すると共に、CO2
子の共鳴放射が認められた場合には、燻焼火災が発炎火
災に移行したと判断し、例えは警報器の音量を増加させ
たり音の高低を変化させてその旨を報知させるようにす
ることができる。さらに、赤外線が検知されない状態か
ら急にCO2分子の共鳴放射が検知され、それに伴って高
温の発熱が検知され、しかもその発熱面積が急増した場
合は、放火と判断できる。これに対して、発熱面積の増
大がみられない場合は、炎を扱う器具(ストーブ、コン
ロ)と判断できる。
本発明は、極めて実際的な火災現象に立脚して火災判
定を行っているので、従来技術と異なり誤報を著しく低
減することができる。また、この火災判定ルーチンの間
に放射温度の演算が行なわれ、その温度データが空調装
置51に送信され、快適な室内環境作りが行なわれる。
第7図〜第9図には、各々4つのバンドパスフィルタ
と赤外線検知器を一つのパッケージに収納した焦電型セ
ンサ40の構造と使用例を、また第10図には、その回路例
を示す。ここでは、先の具体例において別々に設けられ
た4つの赤外線検知器が、単一のユニットとして集合さ
れた形となっている。すなわち、このパッケージ型赤外
線センサ40は、第9図に示されるように円盤状の絶縁基
板41を4分した各象限に焦電体43a,43b,43c,43dが配置
され、その前方に上記各焦電体に対応する4分割型バン
ドパスフィルタ42a,42b,42c,42dからなる窓42が配置さ
れ、基板41と窓42とがシールカン46により結合され、全
体として4種の赤外線波長帯を検知し得るパッケージ型
センサとして構成されている。上記4分割型バンドパス
フィルタ42a〜42dは、各々その透過中心波長が2.6μ
m、3.7μm、4.3μm、9μmとされており、透過帯域
幅は、0.1〜1μmとされている。この4分割フィルタ
は、1枚の透明ガラス基板上に誘電体多層膜を4回に分
けて選択蒸着するか、あるいは4枚扇形のバンドパスフ
イルタを貼り合わせることで作製される。フィルタ42a
〜42dを通過した赤外線は焦電体43a〜43dで別々に検知
され、先と同様に信号処理回路10により処理される。シ
ールカン46内には内部の空間をフィルタに合わせて4つ
に仕切る区画壁を設けることが望ましい。
焦電体43a〜43dは、第10図のように各々逆分極された
2つの焦電素子S1,S2が直列接続されてなり、一方の焦
電素子S1の端子にはそれぞれインピーダンス変換用FET4
7a,47b,47c,47dのゲート端子が接続されている。このFE
T47a〜47dのドレイン端子には各々正の電源電圧VDDが印
加され、各ソース端子からそれぞれ出力信号が取り出さ
れるようになっている。また、他方の焦電素子S2の端子
は接地点Eに接続され、各EFT47a〜47dのゲート端子と
接地点Eとの間にはそれぞれ同一の高抵抗値を持つ入力
抵抗R1,R2,R3,R4が接続されている。
なお、図示しないが上記FET47a〜47dは焦電体43a〜43
dの上方に、また入力抵抗R1〜R4は絶縁基板41上に、そ
れぞれ取り付けられ、ボンディングワイヤまたはハンダ
付けで相互に接続されてシールカン46内に封入される。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明は、監視空間から放射さ
れる赤外線を複数の波長帯に分離するバンドパスフィル
タと、各バンドパスフィルタを通過した赤外線をそれぞ
れ検知する赤外線検知器を備え、該複数の波長帯のうち
一つの波長帯はCO2分子の共鳴放射波長帯を含み、1〜1
6μm波長範囲を検知する赤外線検知部並びに前記それ
ぞれの波長帯の赤外線検知器の出力およびこれらの検知
出力の比の時間的変化に基づいて火災発生判定および監
視空間の放射温度の演算を行なう信号処理装置とより環
境監視装置を構成することにより、放射温度という共通
の物理量の測定を通して、環境制御については常時放射
温度を監視することにより空調装置の制御を行ない、火
災検知に関しては火災発生の際における放射温度の異常
パターンの検出並びにCO2ガスの共鳴吸収赤外線の検出
を行なって判断することで、環境全体の温度変化が電熱
器などによる温度変化か、ガスコンロ、ストーブなどの
火災を有する暖房器具による温度変化か、火災が発生し
ているかの判断が正確に行なえ、人体にとって快適な環
境の制御と誤動作のない火災検知が可能になるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る環境監視装置の一実施例を示す基
本構成図、 第2図は赤外線放射源から放射される赤外線波長と量
(相対値)との関係を示す図、 第3図(A)は火災発生時の温度変化を示す図、 第3図(B)は火災発生時の発熱面積の変化を示す図、 第4図は赤外線検出装置の一例を示す概略構成図、 第5図は信号処理回路の一実施例を示す回路図、 第6図は火災発生時における第1図の火災検知装置の各
検知器の出力変化を示す図、 第7図はパッケージ型赤外線検知器の一例を示す斜視
図、 第8図はそれを用いた火災検知装置の概略構成図、 第9図はその赤外線検知器の内部構造を示す分解斜視
図、 第10図はその赤外線検知器の回路構成例を示す回路図で
ある。 1……チョッパ、2a〜2d……バンドパスフィルタ、3a〜
3d……赤外線検知器、4……回転検知器、20……警報
器、50……信号処理装置、51……空調装置、52……温度
測定器、53……赤外線検出装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 秀夫 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日 本鉱業株式会社内 (72)発明者 佐藤 博臣 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 宮本 圭一 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−69051(JP,A) 特開 昭64−74695(JP,A) 特開 昭64−74696(JP,A) 特開 平3−59426(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】監視空間から放射される赤外線を複数の波
    長帯に分離するバンドパスフィルタと、各バンドパスフ
    ィルタを通過した赤外線をそれぞれ検知する複数の赤外
    線検知器と、該赤外線検知器の出力に基づいて火災発生
    判定および監視空間の放射温度の演算を行なう信号処理
    装置とを備えた環境監視装置であって、火災発生判定と
    放射温度の演算とで赤外線検知器を共用するとともに、
    上記複数のバンドパスフィルタは少なくともCO2分子の
    共鳴放射波長帯を含む4〜5.5μmに中心波長を有する
    バンドパスフィルタと8〜15μmに中心波長を有するバ
    ンドパスフィルタとを含み、上記信号処理装置は上記赤
    外線検知器の出力に基づいて発熱面積を求め、得られた
    面積と上記複数の赤外線検知器の出力の時間的変化およ
    び複数の赤外線検知器の出力の比の時間的変化に基づい
    て火災発生判定を行なうようにしたことを特徴とする環
    境監視装置。
  2. 【請求項2】2〜3μmに中心波長を有するバンドパス
    フィルタ、3〜4μmに中心波長を有するバンドパスフ
    ィルタ、4〜5.5μmに中心波長を有するバンドパスフ
    ィタ、8〜15μmに中心波長を有するバンドパスフィル
    タのうち少なくとも4〜5.5μmに中心波長を有するバ
    ンドパスフィルタと8〜15μmに中心波長を有するバン
    ドパスフィルタを含む3つ以上のバンドパスフィルタを
    備えてなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の環境監視装置。
  3. 【請求項3】屋内空気温度を測定する接触式温度測定器
    を備え、該温度測定器および上記赤外線検知器の出力に
    基づいて上記信号処理装置が空気調和装置もしくは冷暖
    房機に対する制御信号を形成することを特徴とする特許
    請求の範囲第1項または第2項記載の環境監視装置。
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