JP2530808B2 - シリアル形電子写真プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真技術を応用したプリンタに関するも
ので、特にベルト状感光体を利用すシリアル形電子写真
プリンタに関するものである。

〔従来の技術〕

電子写真技術を応用した所謂電子写真プリンタは公知
であり、この電子写真プリンタで高価格の機種はライン
形のプリンタが主流となつている。

これに対して低価格の機種はシリアル形のプリンタが
主流であり、その一例として例えば特開昭59-192586号
公報に開示されたものがある。

このシリアル形電子写真プリンタは、定速回転する感
光体、及び該感光ドラムの周面に沿つて配置された帯電
器、光学ヘツド、現像器等から成る記録手段をキヤリツ
ジ上に搭載し、このキヤリツジを記録紙の送り方向と直
交する方向に往復移動させつつ、前記感光体上へのトナ
ー像の形成，記録紙へのトナー像の転写を行つて、記録
紙上に所望の記録画像を得るように構成されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述した従来のシリアル形電子写真プ
リンタは、感光体、帯電器、光学ヘツド、及び現像器等
から成る記録手段を搭載したキヤリツジを高速で移動さ
せる必要があるため、機械的慣性が大きくなり、実際の
運用に当つてはキヤリツジの移動に駆動能力の大きいモ
ータ等の駆動源が必要になるという問題があつた。

また、感光体を一方向にのみ回転させて記録を行う都
合上、キヤリツジの往復移動する際、その一方向例えば
キヤリツジが往方向に移動しているときしか記録を行う
ことができず、従つて記録のための有効時間が短かく、
高速記録の実現が困難であるという問題もあつた。

尚、他の従来のシリアル形電子写真プリンタとして、
ベルト状感光体を用いたものもあるが、ベルト状感光体
を常時記録紙に接触させると共に、トナー像の転写時に
もベルト状感光体の移動を行うため、高品質な記録画像
を得ることが難しいという問題があつた。

本発明はこのような問題を解決するためになされたも
ので、駆動能力の大きい駆動源を必要とせず、かつ高速
記録が可能であると共に、高品質な記録画像を得ること
ができるシリアル形電子写真プリンタを実現することを
目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本発明は、記録紙を支持
し、搬送するプラテンローラと、導電支持体の表面に感
光層を設けることで構成され、かつ前記プラテンと対向
して前記記録紙の搬送方向を直交する方向に循環移動す
るように配置されたエンドレスなベルト状感光体と、該
ベルト状感光体を循環移動させる駆動源と、前記ベルト
状感光体にトナー像を形成するために前記プラテンと反
対側の位置に配置された帯電手段、光学ヘッド、及び現
像器と、これら帯電手段、光学ヘッド、及び現像器と前
記プラテンとの間で前記ベルト状感光体を前記記録紙と
平行に移動させる可動手段と、前記トナー像形成時とト
ナー像転写時に前記ベルト状感光体の導電支持体に与え
る電位を切替える電源切替え手段とを備え、前記可動手
段により前記ベルト状感光体全体を前記記録紙から離反
させた状態で、前記ベルト状感光体を循環移動しつつ、
前記帯電手段、光学ヘッド、及び現像器によりトナー像
を形成し、前記可動手段により前記ベルト状感光体全体
を前記プラテン側に移動してトナー像を形成した部分を
前記記録紙に接触させ、電源切替え手段によりトナー像
転写用の電位に切り替えてトナー像を前記記録紙に転写
した後、前記プラテンの回転により前記記録紙を改行す
る工程を繰り返して、前記記録紙上に記録画像を構成す
ることを特徴とする。

〔作用〕

上述した構成による本発明は、ベルト状感光体を記録
紙から離隔させた状態で循環移動させつつ、該ベルト状
感光体にトナー像を形成して、このトナー像を記録紙と
相対向する位置に送ると共に、その間次のトナー像を形
成するための静電潜像をベルト状感光体の前記トナー像
が形成された領域以外の部分に書込み、その後ベルト状
感光体の移動を停止して、ベルト状感光体を記録紙に接
触させると共に、ベルト状感光体の導電支持体に付与す
る電位を切替えてトナー像を記録紙に転写する。そし
て、転写後再びベルト状感光体を記録紙から離隔させて
移動させつつトナー像の形成と静電潜像の書込みを行な
うと共に、前記記録紙の送りを行い、この工程を繰返し
て記録紙上に画像記録を得る。

従つて、これによれば、ベルト状感光体のみを移動さ
せるだけであるから、小さな駆動能力の駆動源を使用で
き、かつトナー像の形成と次のトナー像形成のための静
電潜像の書込みとを同時に行うことができるので高速記
録が可能となり、しかもトナー像形成時にはベルト状感
光体を記録紙から離隔しているので記録紙を汚さず、高
品質な記録を実現できる。

〔実施例〕

以下図面を参照して実施例を説明する。

第１図は本発明によるシリアル形電子写真プリンタの
一実施例を示す平面図、第２図は第１図の側面図であ
る。

図において１は記録紙、２は導電性のプラテンローラ
で、前記記録紙１はこのプラテンローラ２に密着して支
持され、第２図に示すようにプラテンローラ２が矢印Ａ
方向に回転することにより記録紙１は矢印Ｂ方向に送ら
れるようになつている。

３はエンドレスに形成されたベルト状感光体で、この
ベルト状感光体３は可撓性を有する導電支持体４とその
表面に設けられたOPC等の薄膜状の感光層５とで構成さ
れており、前記プラテン２と対向するようにプーリ6a,6
bに巻掛けられていて、プーリ6aが図示しない駆動源、
例えばステツプモータにより所定の方向に回転すること
によつて第１図に示す矢印Ｃ方向に循環移動するように
なつている。

７は前記ベルト状感光体３の導電支持体４に接続され
た電源切替手段で、可動接点8aと固定接点8b,8cを有し
ており、後述するトナー像の形成時及び転写時に可動接
点8aが切替つて、前記トナー像の形成または転写に対応
した電位を前記導電支持体４に与えるようになつてい
る。

９は前記ベルト状感光体３の感光材５を一様に帯電す
るための帯電手段で、半導電性ブラシから成る帯電ロー
ラが用いられており、この帯電手段９には帯電電圧が付
与されている。

10は光学ヘツドで、この光学ヘツド10は複数の発光素
子を直線状に並べたLEDアレイ等の光源11と、この光源1
1の光スポツトを前記ベルト状感光体３の薄膜感光材５
に結像させるためのレンズ系12とで構成されている。

13aと13bと13cは現像器で、各々の色の異なるカラー
用トナーが収納されており、これら現像器13a〜13c、前
記光学ヘツド10、及び帯電手段９は前記プラテンローラ
２と反対側の位置で前記ベルト状感光体３に沿つて設け
られている。

14はアクチユエータ、15は該アクチユエータ14に連結
されたベースで、このベース15上には前記プーリ6a,6b
と共にベルト状感光体３が搭載されており、前記アクチ
ユエータ14によりベース15が第２図に示す矢印D,E方向
に移動することによつてベルト状感光体３はプラテン２
に支持された記録紙１に接触，離隔するようになつてい
る。

16は前記記録紙１の搬送径路に設けられた定着器であ
る。

次に作用について説明する。

まず、単色記録の場合、トナー像形成時にはベルト状
感光体３が記録紙１から離れており、また電源切替手段
７の可動接点8aは固定接点8bに接続されていて、前記ベ
ルト状感光体３の導電支持体４にトナー像形成用の電位
が与えられている。

この状態で、図示しない駆動源によりプーリ6aが駆動
されると、これによりベルト状感光体３は矢印Ｃ方向に
定速で移動する。そして、この移動に伴つてベルト状感
光体３の感光層５が一様に帯電され、続いて光学ヘツド
10により記録画像に対応した静電潜像が前記薄膜感光層
５に書込まれる。

この静電潜像はベルト状感光体３の移動により現像器
13aの位置に送られ、該現像器13aから供給されるトナー
により現像されてトナー像化される。

こうしてベルト状感光体３上に形成されたトナー像
は、該ベルト状感光体３が更に矢印Ｃ方向に移動するこ
とによりプラテンローラ２に支持されている記録紙１と
相対向する位置に送られ、その後ベルト状感光体３の移
動が停止される。

尚、１回のトナー像が形成される領域は、記録紙１の
幅内の記録領域に対応し、例えば第１図に示すｌの範囲
である。

また、前記トナー像が記録紙１と相対向する位置に送
られる間、ベルト状感光体３の他の領域には次のトナー
像形成のための静電潜像が光学ヘツド10により書込まれ
る。

さて、上述したようにベルト状感光体３の移動が停止
されると、アクチユエータ11によりベース15が矢印Ｄ方
向に移動し、これによりベルト状感光体３のトナー像が
形成されている部分が記録紙１に接触すると、電源切替
手段７の可動接点8aが固定接点8bから切替つて固定接点
8cに接続する。

これにより、ベルト状感光体３の導電支持体４には前
記トナー像形成用の電位に変つて転写用の電位が付与さ
れるため、ベルト状感光体３の感光層５表面に形成され
ているトナー像は記録紙１に転写され、転写後アクチユ
エータ14によりベース15が矢印Ｅ方向に移動してベルト
状感光体３が記録紙１から離れ、また電源切替手段７の
可動接点８が再び固定接点8bに接続して、前記導電支持
体４にトナー像形成用の電位が与えられる。

このようにして、１行の転写が終了するとプラテン２
が図示しない駆動源により矢印Ａ方向に一定量回転して
記録紙１が矢印Ｂ方向に１行分送られ、そして再びベル
ト状感光体３の矢印Ｃ方向への移動が行われる。

この移動時において、既にベルト状感光体３の薄膜感
光材５に書込まれた静電潜像が現像器13aにより現像さ
れて順次トナー像化されると共に、前回転写を行つた領
域が帯電手段９により再び帯電され、続いて静電潜像の
書込みが光学ヘツド10により行われる。

そして、前記トナー像が記録紙１と相対向する位置ま
で送られると、ベルト状感光体３の移動が停止され前記
同様にトナー像が記録紙１に転写される。

このような工程が繰返し行われることにより記録紙１
上には転写されたトナー像による記録画像が構成されて
行き、この記録画像つまりトナー像はプラテンローラ２
の回転により矢印Ｂ方向に移動する記録紙１と共に定着
器16に送られ、該定着器16により記録紙１に定着され
る。

以上のようにしてシリアル形の単色の記録画像が得ら
れる。

次にカラー記録を行う場合を説明すると、２色で記録
する場合、２個の現像器13a,13bが用いられる。

この場合、まず前記単色の記録の場合と同様の手順で
現像器13aのトナーによる第１色目のトナー像をベルト
状感光体３の感光層５に形成し、このトナー像が記録紙
１と相対向する位置に送られる間に、第２色目のトナー
像を形成するための静電潜像を前記感光層５に書込む。

その後、ベルト状感光体３の移動を停止させ、該ベル
ト状感光体３を記録紙１に当接させて、前記第１色目の
トナー像を転写した後、ベルト状感光体３を記録紙１あ
ら離隔させる。

ここで、再びベルト状感光体３を矢印Ｃ方向に再び移
動させるが、このとき記録紙１は矢印Ｂ方向へ送らず、
第１色目のトナー像が転写された部分をベルト状感光体
３と対向したままの状態とする。

そして、ベルト状感光体３の感光層５に既に書込まれ
ている静電潜像を現像器13bで現像して第２色目のトナ
ー像を形成し、この第２色目のトナー像を記録紙１と相
対向する位置に送ると共に、その間次の第１色目のトナ
ー像を形成するための静電潜像の書込みを行い、その後
のベルト状感光体３を記録紙１に接触させて前記第２色
目のトナー像を第１色目のトナー像が転写されている行
に転写した後、ベルト状感光体３を記録紙１から離隔さ
せて、記録紙１を矢印Ｂ方向へ１行分送る。

以上の工程を繰返して行い、トナー像を定着器16によ
り記録紙１に定着させることで、２色のカラー記録画像
が得られる。

３色の記録の場合は、３個の現像器13a,13b,13cを用
い、前記と同様の工程で記録紙１の同一行に第１色目、
第２色目、第３色目のトナー像を順次転写することで、
３色のカラー記録画像を得ることができる。

尚、カラー記録を行う場合、上述した方法の他、各現
像器13a,13b,13cの現像領域をベルト状の感光体３の幅
方向に区分けしておき、各々の現像器13a,13b,13cによ
るトナー像を同時に形成すると共に、これらのトナー像
を記録紙１に同時に転写した後、記録紙１を１色分だけ
移動するようにしてもよく、このようにした場合も各色
のトナー像が記録紙１上で重なつてカラー記録画像が得
られる。

尚、上述した実施例ではベルト状感光体３を記録紙１
に接触、離隔させる可動手段としてアクチユエータ14を
用いたが、カム等による手段を用いることも可能であ
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、導電支持体と薄膜感光
材とより成るエンドレスのベルト状感光体を、記録紙を
密着支持するプラテンローラと対向するように設けると
共に、前記導電支持体に付与する電位をトナー像形成時
と転写時とで切替える電源切替手段を設け、かつ前記プ
ラテンローラと反対側の位置に帯電手段、光学ヘツド、
及び現像器を配置して、これら帯電手段、光学ヘツド、
及び現像器によりベルト状感光体の薄膜感光材表面に形
成したトナー像を、該ベルト状感光体の移動により前記
記録紙と相対向する位置に送り、その後ベルト状感光体
を停止させて前記トナー像を記録紙に転写するようにし
ているため、移動を行うのはベルト状感光体だけとな
り、従つて機械的慣性は小さいので従来のような大きな
駆動能力を持つ駆動源を必要とせず、小さな駆動能力の
駆動源を使用できるという効果が得られる。

また、トナー像を形成して記録紙と対向する位置に送
る間に次の静電潜像を書き込むため、記録のための有効
時間が長くなり、高速記録を実現できるという効果が得
られると共に、ベルト状感光体全体を記録紙と平行に移
動させてトナー像を記録紙に接触させるため、トナー像
が乱れることがなく、良好なトナー像の転写を行うこと
ができるという効果も得られる。

更に、トナー像の形成時及び記録紙の送り時にはベル
ト状感光体を記録紙から離隔して移動させるため、この
トナー像の形成や記録紙の送りに際して、記録紙が汚染
されることがなく、従つて高品質な記録画像が得られる
という効果もあり、しかもトナー像形成時と転写とでベ
ルト状感光体の導電支持体の電位を切換えるようにして
いるので、プラテンローラは接地するだけでよく、電位
を与える必要がないため安全性の向上、コストの低減等
が期待できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるシリアル形電子写真プリンタの一
実施例を示す平面図、第２図は第１図の側面図である。 1:記録紙、2:プラテンローラ、3:ベルト状感光体、4:導
電支持体、5:薄膜感光材、6a,6b:プーリ、7:電源切替手
段、９…帯電手段、10:光学ヘツド、13a〜13c:現像器、
14:アクチユエータ、15:ベース、16:定着器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−122244（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−141634（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−144441（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−105268（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−90654（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−120441（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−31982（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−113065（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−113056（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録紙を支持し、搬送するプラテンローラ
   と、 導電支持体の表面に感光層を設けることで構成され、か
   つ前記プラテンと対向して前記記録紙の搬送方向を直交
   する方向に循環移動するように配置されたエンドレスな
   ベルト状感光体と、 該ベルト状感光体を循環移動させる駆動源と、 前記ベルト状感光体にトナー像を形成するために前記プ
   ラテンと反対側の位置に配置された帯電手段、光学ヘッ
   ド、及び現像器と、 これら帯電手段、光学ヘッド、及び現像器と前記プラテ
   ンとの間で前記ベルト状感光体を前記記録紙と平行に移
   動させる可動手段と、 前記トナー像形成時とトナー像転写時に前記ベルト状感
   光体の導電支持体に与える電位を切替える電源切替え手
   段とを備え、 前記可動手段により前記ベルト状感光体全体を前記記録
   紙から離反させた状態で、前記ベルト状感光体を循環移
   動しつつ、前記帯電手段で帯電して光学ヘッドにより静
   電潜像を書き込み、この静電潜像を現像器によりトナー
   像化して記録紙と対向する位置に送る間に、次の静電潜
   像を書き込み、前記可動手段により前記ベルト状感光体
   全体を前記プラテン側に移動して前記トナー像を形成し
   た部分を前記記録紙に接触させ、電源切替え手段により
   トナー像転写用の電位に切り替えてトナー像を前記記録
   紙に転写した後、前記ベルト状感光体全体を前記記録紙
   から離反させて前記プラテンの回転により前記記録紙を
   改行すると共に、前記の次の静電潜像をトナー像化する
   工程を繰り返して、前記記録紙上に記録画像を構成する
   ことを特徴とするシリアル形電子写真プリンタ。
2. 【請求項２】各々色の異なるトナーを収納した複数の現
   像器をベルト状感光体に沿って配置したことを特徴とす
   る特許請求の範囲第（１）項記載のシリアル形電子写真
   プリンタ。