JP2530220Y2 - 細径配管接続用コネクター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一般に自動車或いは各種の機械、装置等に
給油、給気の供給路等として配設される管径、太さ20m/
m程度以下の比較的細径からなる金属管もしくは樹脂チ
ューブ（以下単に配管と称す）の接続用コネクターの構
造の改良に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の接続用コネクターとしては例えば第４
図に示すように、軸芯内部に、先端の連結筒壁（12）の
流通孔（14）に連る円筒壁をなす後周端部を掛支壁（1
1′）として拡径室（13）を貫設し、且つ内部にシール
リング部材（16）とブッシュ部材（17）とを内装した本
体（11）の前記掛支壁（11′）部に、先端側の対向位置
に先方に傾斜する爪壁（15）を突設したソケット体（1
8）の後端の環状段付き周壁（18′）部を係着せしめ、
該爪壁部を本体（１）の前記拡径室（13）をなす円筒壁
部に穿設した長孔からなる係合孔（19）に位置した状態
で、配管（P₀）側の該拡径室部に組込まれた外方への膨
出壁（P₀′）部を前記爪壁（15）の先端部によって弾発
状に係圧して接続せしめるように構成されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来の技術においては、ソ
ケット体（18）の段付き周壁（18′）部をもって本体
（11）の係止壁（11′）部に係着せしめ、同時に該ソケ
ット体側の爪壁（15）部を本体（11）の円筒壁の係合孔
（19）部に位置して組付けられるため、ソケット体（1
8）の挿着に際して爪壁（15）のなす付根部分（18″）
の周壁部を押し潰して掛支壁（11′）の内側を通過せし
め、拡径室（13）の後方より押圧して行うこととなるた
め、ソケット体自体が大径を余儀なくされることとな
り、更に円筒壁のなす掛支壁（11′）部での係着とによ
って製品全体を大形となし、従って狭い場所での配設に
不具合を招き、また、前記大径によって爪壁（15）を長
寸となすため、配管（P₀）の膨出壁（P₀′）部への弾発
状の係圧力を弱め、“ヘタリ”を生ぜしめて加振状態下
での配設に洩れを誘発する等、接続を不安定となす問題
を有するものであった。

本考案は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされた
ものであり、ソケット体自体を小径となし、コネクター
本体を含む製品全体をコンパクトとなして狭い場所での
配設を可能となし、更に爪壁のなす短寸状の構造と、配
管の引抜き方向に対する力をへ字状のなす斜面と掛支壁
との係着部で受けることによって係圧力を一層効果的に
発揮せしめ、長期に亘り接続を確実に維持することので
きる細径配管接続用コネクターを提供することを目的と
するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、軸芯内部に先端側
の連結筒壁の流通孔に連る拡径した小径室と、その後部
に段付き拡径室とを貫設して該拡径室のなす円筒後周端
部を内方に傾斜する掛支壁となし、且つ小径室部にシー
ルリング部材を内装すると共に、更にその背後にブッシ
ュ部材を挿着して一体に形成したコネクター本体の拡径
室にあって、前記掛支壁部に、後端の環壁部に連ってそ
の挿着方向に対向位置してへ字状からなる弾性爪壁を一
体に突設した別体のソケット体をもって該ソケット体の
へ字状の屈曲部のなす根元附近の斜面部を係着せしめる
と共に、配管の接続状態下で前記爪壁の先端部により拡
径室部に組込まれた該配管の接続端部附近に設けた外方
への環状膨出壁部を弾発状に係圧して接続せしめるよう
に構成した細径配管接続用コネクターを要旨とするもの
であり、更に前記コネクター本体を樹脂材又は金属材で
構成し、また前記ソケット体を金属バネ材もしくは樹脂
材により構成するものである。

（作用） 本考案はこのように構成されているため、コネクター
本体側のなす拡径室部に予め前記ソケット体を挿着し
て、コネクター本体の円筒後周端部に設けた掛支壁部に
ソケット体側のへ字状の前記屈曲部のなす斜面部を係着
せしめる構造により、配管の装着操作を至極簡易に行う
こととなり、同時にソケット体を小径となすことがで
き、従ってコネクター本体を含む製品全体をコンパクト
となして狭い場所での配設を可能となし、更に短寸状の
爪壁と、配管の引抜き方向に対する力を爪壁を介して斜
面部で受ける係着構造とによって係圧力を一層効果的に
発揮して長期に亘り接続を確実に維持することとなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すれば、
第１図は本考案の細径配管接続用コネクターの接続状態
時の一部切欠きによる縦断面図、第２図は第１図のソケ
ット体単体の正面図、第３図は第２図A-A線の断面図で
あって、（１）は金属材又は樹脂材によるコネクター本
体であり、軸芯内部に先端側の樹脂チューブ或いはゴム
ホース（図示せず）等との連結筒壁（２）の流通孔
（４）に連って拡径した小径室（３′）と、その後部に
段付き拡径室（３）とを貫設して一体に形成した該拡径
室のなす円筒後周端部を内方に傾斜する掛支壁（１′）
となして設けてなるものである。そして小径室（３′）
部にゴム材等の弾性体によるシールリング部材（６）を
所望に応じてスペーサーを介して内装すると共に、その
背後にブッシュ部材（７）を挿着してなるものである。
（８）は金属バネ材もしくは樹脂材による別体のソケッ
ト体であり、その後端の環壁（８′）部に連って挿着方
向に対向位置してへ字状からなる弾性爪壁（５）を一体
に突設して形成したものである。そして拡径室（３）に
あって前記コネクター本体（１）の前記掛支壁（１′）
部に該ソケット体を前記弾性爪壁（５）のへ字状の屈曲
部のなす根元附近の斜面（５′）部を係着せしめた状態
で、配管（Ｐ）の接続端部附近に設けた組込まれた外方
への環状膨出壁（Ｐ′）を前記弾性爪壁（５）の先端部
により弾発状に係圧して接続するものである。

（考案の効果） 以上説明したように本考案による細径配管接続用コネ
クターは、後端の環壁（８′）部に対向位置してへ字状
の前記弾性爪壁（５）を突設したソケット体（８）を、
そのへ字状の根元附近の屈曲部のなす斜面（５′）部で
コネクター本体（１）側の傾斜する前記掛支壁（１′）
へ係着するよう構成せしめるため、配管（Ｐ）の装着操
作を至極簡易となすことができ、同時にソケット体
（８）を小径となしてコネクター本体（１）を含む製品
全体をコンパクトとなし、従って狭い場所での配設を可
能となすこととなり、更に短寸状の爪壁（５）と、配管
（Ｐ）の引抜き方向に対する力を爪壁（５）を介してへ
字状のなす斜面（５′）と掛支壁（１′）との係着部で
受ける構造とによって、配管（Ｐ）の膨出壁（Ｐ′）部
での係圧力を一層効果的に発揮して長期に亘り確実に接
続を維持することができる等、極めて有用な細径配管接
続用コネクターである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す細径配管接続用コネク
ターの接続状態時の一部切欠きによる縦断面図、第２図
は第１図のソケット体単体の正面図、第３図は第２図A-
A線の断面図、第４図は従来例を示す接続用コネクター
の接続状態時の一部切欠きによる縦断面図である。 （１）……コネクター本体、（１′）……掛支壁、
（２）……連結筒壁、（３）……拡径室、（３′）……
小径室、（４）……流通孔、（５）……弾性爪壁、
（５′）……斜面、（６）……シールリング部材、
（７）……ブッシュ部材、（８）……ソケット体、
（８′）……環壁、（Ｐ）……配管、（Ｐ′）……膨出
壁。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸芯内部に先端側の連結筒壁（２）の流通
   孔（４）に連る拡径した小径室（３′）と、その後部に
   段付き拡径室（３）とを貫設して該拡径室のなす円筒後
   周端部を内方に傾斜する掛支壁（１′）となし、且つ小
   径室（３′）部にシールリング部材（６）を内装すると
   共に、その背後にブッシュ部材（７）を挿着して一体に
   形成したコネクター本体（１）の拡径室（３）にあっ
   て、前記掛支壁（１′）部に、後端の環壁（８′）部に
   連ってその挿着方向に対向位置してへ字状からなる弾性
   爪壁（５）を一体に突設した別体の金属バネ材もしくは
   樹脂材により形成したソケット体（８）をもって、該ソ
   ケット体のへ字状の屈曲部のなす根元附近の斜面
   （５′）を係着せしめると共に、配管（Ｐ）の接続状態
   下で前記爪壁（５）の先端部により拡径室（３）部に組
   込まれた該配管の接続端部附近に設けた外方への環状膨
   出壁（Ｐ′）部を弾発状に係圧して接続せしめるように
   構成したことを特徴とする細径配管接続用コネクター。
2. 【請求項２】前記コネクター本体（１）を樹脂材又は金
   属材により形成したことを特徴とする請求項１）記載の
   細径配管接続用コネクター。