JP2529164Y2 - バッテリーチェック装置付きカメラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカメラのバッテリーチェック装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、電源電圧を検出するバッテリーチェック回路を
有する電子閃光装置内蔵カメラに於いては、通常レリー
ズ釦の半押し動作に連動してバッテリーチェック動作を
行うと共にカメラの電気回路に給電を開始するように構
成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の如き従来の技術に於いては、レリーズ釦の半押
し動作がなされると必ずバッテリーチェック動作が行わ
れ、電源電圧が低下して使用に耐えない状態となれば表
示装置に警告表示を行っている。

例えば、撮影に際して電子閃光装置を使用する状態で
は、電子閃光装置の昇圧動作中に半押し動作が行われる
ことがある。このような時には、レリーズ釦の半押し動
作に伴って昇圧動作そのものを停止するが、電源である
電池は電圧を回復しておらず、それ以外の通常状態（電
子閃光装置不使用で昇圧動作を行っていない状態）に比
べて、電源電圧が低下して使用に耐えないというような
警告表示がなされてしまうことが多い。

つまり、電子閃光装置を必要としない撮影すなわち普
通に使用する条件においては、電源電圧の状態はまだ充
分に撮影に耐え得るものにもかかわらず、電子閃光装置
の昇圧動作が行われている場合など電源に大きな負荷が
かかってしまい、バッテリーチェックを行ったが為に電
源電圧の低下と言うような警告表示がなされてしまい、
結果としてユーザーに不快感を与えてしまっていた。

本考案では、上記のような欠点を解決し、電源電圧の
不安定な状態をチェックすることなく、バッテリーチェ
ックが適切に行われるカメラのバッテリーチェック装置
を提供することを目的とする。

〔問題点を解決する為の手段〕

上記問題点の解決の為に本考案では、過大負荷条件で
ある電池の昇圧中であるか否かを検出し、その検出結果
をもとにバッテリーチェック動作の制限を行うようにし
た。

〔作用〕

本考案では、電池の昇圧中にはバッテリーチェック回
路を作動させることがないので、電源電圧が過渡的に変
動した状態をチェックすることなく、信頼性のあるバッ
テリーチェックが行われる。

〔実施例〕

−第１実施例− 第１図は本考案の実施例であるカメラのバッテリーチ
ェック装置のブロック図である。

第１図において、カメラは電子閃光装置を内蔵してお
り、単一の電源により該電子閃光装置及びその他の電気
回路に給電されている。この電気回路は、以下に説明す
る回路11〜15を含んでいる。

バッテリーチェック信号発生回路11は、図示しないカ
メラのレリーズ釦の半押し動作によるスイッチング動作
に同期してバッテリーチェック信号を発生させ、それは
制御回路13へ入力される。また、昇圧信号発生回路12
は、シャッタレリーズに応じた電子閃光装置による閃光
撮影終了時、あるいは電子閃光装置の使用スイッチ（第
２図のスイッチSw3）をオンした時など必要に応じて、
電子閃光装置の昇圧回路（第２図の回路22）へ昇圧信号
を発生する。この昇圧信号も制御回路13へ入力される。

制御回路13では、バッテリーチェック信号及び昇圧信
号の入力条件によってバッテリーチェック回路14を制御
し、その結果を表示回路15で表示するものである。

更に、具体的に第２図を用いて説明する。

第２図において、CPU21にはレリーズ釦の半押し動作
によりスイッチングされ、カメラの電気回路に給電を開
始させるスイッチSw1、及びカメラに露光シーケンスを
開始させるスイッチSw2、及び電子閃光装置の昇圧回路2
2の昇圧動作を開始させるスイッチSw3を備えている。

また、CPU21からは、昇圧回路22に対してはスイッチS
w3のオンあるいは閃光撮影終了に応じて昇圧動作を開始
させる昇圧信号が出力され、また電子閃光装置の発光回
路23に対してはスイッチSw2のオンに応じて発光トリガ
信号が出力され、またバッテリーチェック回路24に対し
てはスイッチSw1のオンに応じてバッテリーチェック信
号が出力され、また表示回路25に対してはバッテリーチ
ェックの結果を示す為の表示信号が出力される。

また、バッテリーチェック回路24はCPU21からのバッ
テリーチェック信号によって電源電圧の状態を検出し、
そのバッテリーチェックを行った結果の信号をCPU21に
入力するようになっている。

第３図を用いてカメラの動作状態と電源として用いら
れる電池の電圧状態を説明する。

第３図（ａ）は、カメラの閃光撮影動作の一連の動作
を示すもので、実線が電池電圧を示す。

時点t1はカメラのレリーズ釦の半押し動作に連動した
半押しスイッチSw1のオンによってバッテリーチェック
が行われ、バッテリーチェック回路24のバッテリーチェ
ック用の負荷による電圧降下を示している。

時点t2はレリーズ釦の全押し動作に連動したレリーズ
スイッチSw2がオンされ、カメラの公知の露光シーケン
スが行われ、その露光動作（シャッタ及び絞り等の作
動）による負荷変動で電圧が降下した事を示している。

時点t3は露光動作終了後のフィルム巻上げ動作によっ
て電池電圧が変動する様子を示している。

時点t4は閃光撮影による一駒の撮影動作が終了し、電
子閃光装置の昇圧動作が行われ急激に電池電圧が変動し
ている様子を示している。

第３図（ｂ）は全く同じ状態ではあるが、第３図
（ａ）の時点t4、つまり昇圧動作が行われている最中に
半押しスイッチSw1がオンとなり、バッテリーチェック
回路24の負荷が印加された時の状態を示している。

一般的にカメラの半押し動作に連動して電子閃光装置
の昇圧動作は禁止される。それは、半押し動作に伴って
自動焦点検出制御や自動露出制御の為の測光動作などの
処理が実施される際に、閃光装置の昇圧ノイズがそれら
に悪影響を与えるからである。従って、第３図（ｂ）の
時点t5では半押しスイッチSw1のオンによって昇圧動作
が停止され、負荷がなくなった為に電池電圧が急激に回
復する状態を示している。

しかしながら、半押しスイッチSw1のオンに応じて、
今後はバッテリーチェック回路24のバッテリーチェック
用の負荷が与えられる為、電池電圧はその回復の途上で
新らたな負荷の影響を受けて時点t6のように、バッテリ
ーチェックの為の基準電圧Vrefよりも低いレベルで保持
されてしまう。

従って、第３図（ｂ）の時点t6では、従来のカメラで
あればバッテリーチェック回路24により電源電圧の低下
により低電圧警告の状態となってしまうが、本考案の実
施例のカメラであれば、以下に述べるように時点t6が閃
光撮影による過渡的な電圧変動状態であることを判断し
て、低電圧警告を行わない。以下に具体的に説明する。

第４図は第２図のカメラのCPU21のフローチャート図
である。

ステップS401にて、半押しスイッチSw1がオンされカ
メラの電気回路に給電を開始したか否か判断している。
半押しスイッチSw1がオンしていればステップS402へ進
む。

ステップS402にて、現在、電子閃光装置の昇圧動作が
行われているか否か判断する。昇圧動作が成されていれ
ばステップS403へ進む。

ステップS403にて、昇圧回路22が昇圧動作中であるこ
とを示す昇圧中Flagを立てステップS404へ進む。また、
ステップS402で否定判定された場合、つまり閃光撮影中
でなかった場合は特に何も処理されずにそのままステッ
プS404へ進む。

ステップS404にて、前述したように他の諸動作、諸機
能への悪影響を防ぐため閃光装置の昇圧停止動作が実行
される。

次いでステップS405ではバッテリーチェック回路24に
よるバッテリーチェック動作が実行される。

ステップS406にて、バッテリーチェックの結果の判定
が行われる。バッテリーチェック回路24により電池電圧
が十分にあるとすればステップS409へ進み、表示回路25
により電圧十分の表示を行う。また、バッテリーチェッ
ク回路24により電池電圧が低電圧状態にあると判断され
ると、ステップS407に進む。

ステップS407にて、カメラが昇圧動作中であったかど
うか昇圧中Flagをチェックする。ここで肯定判定される
とステップS409,410へ進み、電池電圧の低下が昇圧動作
による過渡的な変動であると判断して表示回路25にて電
圧十分の表示を行う。

また、ステップS407で否定判定されると、ステップS4
08,410に進み、昇圧動作中でないにも拘わらず、電池電
圧が低下していると判断して表示回路25にて低電圧状態
であるとの警告表示を行う。

つまり、ステップS406〜409では、バッテリーチェッ
ク結果が低電圧状態且つ閃光装置の昇圧動作中でもなか
った場合には、ステップS408で低電圧の警告表示がセッ
トされ、しかし、バッテリーチェック結果が低電圧状態
でも閃光装置の昇圧動作中であれば電圧十分表示がセッ
トされる事になる。

ステップS410にて、これらの結果を表示回路25で表示
し、次いで、ステップS411にて自動露出演算（測光）・
自動焦点検出（測距）が実施される。

ステップS412にて、スイッチSw2のオンされたか否か
判断し、つまりレリーズ動作待ち状態となり、スイッチ
Sw2がオンされると、ステップS413、414にて、露光動
作、フィルム巻上動作の一連の処理動作を経て終了とな
る。

−第２実施例− 第５図は本考案の第２実施例を示す。第２実施例では
第１実施例と異なる部分のみ説明する。第２実施例はバ
ッテリーチェック信号そのものは指定タイミングで発生
するものの昇圧中Flagがあるか否かによりバッテリーチ
ェック回路24の動作を決定するものである。以下にCPU2
1の動作を具体的に説明する。

ステップS401〜404は、前述した通りである。

ステップS505にて、バッテリーチェック回路24を作動
させるためのバッテリーチェック信号を発生する。

ステップS506にて、昇圧中Flagがセットされているか
判断し、セットされていれば、バッテリーチェック回路
24により電池電圧をチェックすることなく、ステップS5
10,511にて表示回路25により電圧十分である表示を行
う。また、セットされていなければ、ステップS507にて
バッテリーチェック回路24を作動させる。

ステップS508にて、バッテリーチェック回路24により
電池電圧が十分であるか判断する。電圧十分であれば、
ステップS510,511で前述の如く表示する。また、低電圧
であれば、ステップS509,511にて電池電圧が不十分であ
ることを警告表示する。以下、前述のステップS411〜41
4と同様に作動する。

以上のように本実施例によれば、電池に過渡的な負荷
がかかっている状態でのバッテリーチェックに対し、そ
れを無視するようにしたので、本来撮影に足りる容量を
持つ電池であるのに拘わらず、不用意に電圧不十分の警
告表示がなされることなく、ユーザーに不快感を与える
ような事がなくなる。

本願考案によれば、電池の昇圧中には、電池の電圧検
出を無効にするので、本来撮影に足りる容量を持つ電池
であるのにも拘わらず、電圧不十分の結果を出力するこ
とがない。更に、電池の昇圧中でないときには、電池電
圧検出を有効にするので、電池の消耗状態、電池の種
類、使用温度等により昇圧時間が変化しても、遅延なく
正確な電圧検出結果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は、本考案の第１実施例であり、第１図
はクレーム対応図を示し、第２図はカメラのバッテリー
チェック装置のブロック図を示し、第３図（ａ）及び
（ｂ）はカメラの電池電圧の変動を示す説明図であり、
第４図はCPU21の動作を示すフローチャート図である。 第５図は、本考案の第２実施例であり、CPU21の別の動
作を示すフローチャート図である。 （主要部分の符号の説明） 21……CPU（マイクロコンピュータ）、22……昇圧回
路、23……発光回路、24……バッテリーチェック回路、
25……表示回路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カメラ内の回路に給電するための電池と、 前記電池の電圧を昇圧する昇圧手段と、 前記昇圧手段により昇圧中であるか否かを検出する昇圧
   検出手段と、 前記電池の電圧を検出するためのバッテリーチェック回
   路と、 前記昇圧中であるときには、前記バッテリーチェック回
   路による電圧検出を無効にし、前記昇圧中でないときに
   は、前記バッテリーチェック回路による電圧検出を有効
   にするよう制御する制御手段とを有することを特徴とす
   るバッテリーチェック装置付きカメラ。