JP2526641B2 - 新規含フッ素環状重合体 - Google Patents

新規含フッ素環状重合体

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JP2526641B2 JP19459488A JP19459488A JP2526641B2 JP 2526641 B2 JP2526641 B2 JP 2526641B2 JP 19459488 A JP19459488 A JP 19459488A JP 19459488 A JP19459488 A JP 19459488A JP 2526641 B2 JP2526641 B2 JP 2526641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規含フッ素環状重合体に関し、更に詳し
く言えば、主鎖に特定の非対称な環構造を有する熱可塑
性樹脂状含フッ素環状重合体に関する。
[従来の技術] 炭化水素系単量体の環化重合方法に関しては、古くか
ら多くの研究がなされ、3員環〜大環状ポリエーテルに
至るまで、多数の炭化水素系の環状重合体が一般的に知
られている。
一方、含フッ素重合体としては種々のものが知られて
おり、ポリテトラフルオロエチレンをはじめとして工業
的に実用化されているものも多い。
しかしながらこれら殆がフルオロオレフィンもしくは
側鎖にフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレー
トなどのビニルモノマーに基づく直鎖状の主鎖を有する
重合体である。
フッ素系モノマーを環化重合して得られる重合体の例
は少なく、僅かに 一般式 CF2=CF(CF2xCF=CF2 (ただし、xは1〜5) がγ−線により環化重合することが知られている。(L.
A.Waal,Fluoropolymer,Wiley−Science,4,High Pressur
e Polymerization,P.127)。また、CF2=CF−CF2CFCl−
CF2CF=CF2が重合し、耐熱、耐酸化性に優れた透明な弾
力性のあるフィルムを与えることが知られている(D.S.
Ballentine et al.,U.S.Atomic Energy Coms.B,NL−296
(T−50)18,1954)。しかしながら、これらいずれも
主鎖にエーテル結合を有しない為に透明性、可撓性が必
ずしも十分とは言えない。
さらに英国特許第1106344号、米国特許第3418302号な
どには、パーフルオロジメチレンビス(パーフルオロビ
ニルエーテル)を出発原料として希薄溶液中で重合し、
主鎖に 及び/又は で表されるエーテル結合を含有する環構造を有する含フ
ッ素環状重合体が記載されている。しかしながらこの重
合体の主鎖の環構造は対称的であり、それ故合成に困難
を伴う。また溶解性及び透明性が劣るという欠点がある
おそれがある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来知られていなかった主鎖にエーテル結
合を含有しかつ非対称な環構造を有する含フッ素熱可塑
性樹脂状重合体を新規に提供することを目的とするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであ
り、 一般式 及び/又は (ただし、nは1又は2) で表される環構造の繰り返し単位の群(a)から本質的
に成り、固有粘度が少なくとも0.1であるような分子量
を有する含フッ素熱可塑性樹脂状重合体、並びに、 一般式 及び/又は (ただし、nは1又は2) で表される環構造の繰り返し単位の群(a)と 一般式 CF2−CFX (ただし、XはF,Cl,O−CF2CF2CF3,O−CF2CF(CF3)OCF
2CF2SO2F,O−CF2CF2CF2COOCH3から選ばれる) で表される繰り返し単位の群(b)から本質的に成り、
少なくとも80重量%の繰り返し単位の群(a)を含み、
固有粘度の少なくとも0.1であるような分子量を有する
含フッ素熱可塑性樹脂状重合体を新規に提供するもので
ある。
本発明の繰り返し単位の群(a)は部分的にフッ素化
されたビニルエーテル、例えば、CF2=CF−O−CF2−CF
2−CH=CH2を環化重合させたあとにフッ素化して得るこ
とができるが、好ましくは 一般式 CF2=CF−O(CF2nCF=CF2 (ただし、nは1又は2) で表されるパーフルオロアリルビニルエーテル(以下PA
VEと略す)又はパーフルオロブテニルビニルエーテル
(以下PBVEと略す)をラジカル的に環化重合することに
より得られる。詳しくはPAVEをラジカル重合させると繰
り返し単位の群(a)の内n=1のものが得られ、PBVE
ではn=2のものが得られる。
この発見は非常に驚くべきことである。なぜなら、い
ままで知られているパーフルオロジオレフィンは一般的
に架橋重合体を与え、前述の英国特許第1106344号、米
国特許第3418302号などの、パーフルオロジメチレンビ
ス(パーフルオロビニルエーテル)などは希薄溶液中で
重合したときのみ、主鎖に環構造を有する可溶性の重合
体を与える。
PAVEは特公昭60−45619号に記載されている。
PAVEはCF2=CF−O−CF2−CF2−CCIF−CCIF2を亜鉛に
より脱塩素することなどにより合成される。
さらに驚くべきことに、PAVEとPBVEは任意の割合で共
重合可能であり、よって任意の割合でn=1とn=2の
繰り返し単位を持つ共重合体が得られる。
これら繰り返し単位の群(a)からなる重合体は透明
な樹脂であり、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロ
フラン)などのフッ素系溶媒に可溶である。また赤外吸
収スペクトルより二重結合に基づく1790cm-1付近の吸収
は認められない。
尚、環の構造としては歪みが少ない5員環、6員環構
造のものが優先して得られる。
さらに、 一般式 CF2=CF−O(CF2nCF=CF2 (ただし、nは1又は2) で表されるパーフルオロビニルエーテルは 一般式 CF2=CFX (ただし、XはF,Cl,O−CF2CF2CF3,O−CF2CF(CF3)OCF
2CF2SO2F,O−CF2CF2CF2COOCH3から選ばれる) で表されるコモノマーとラジカル共重合し 一般式 及び/又は (ただし、nは1又は2) で表される環構造の繰り返し単位の群(a)と 一般式 CF2−CFX (ただし、XはF,Cl,O−CF2CF2CF3,O−CF2CF(CF3)OCF
2CF2SO2F,O−CF2CF2CF2COOCH3から選ばれる) で表される繰り返し単位の群(b)から本質的に成る共
重合体を与える。
一般式 CF2=CFX (ただし、XはF,Cl,O−CF2CF2CF3,O−CF2CF(CF3)OCF
2CF2SO2F,O−CF2CF2CF2COOCH3から選ばれる) で表されるコモノマーは既知である。
透明で溶媒可溶の重合体を得るためには繰り返し単位
の群(a)が80重量%以上含まれているのが好ましい。
繰り返し単位の群(a)の含有率がこれより少ない場合
には樹脂の透明性、溶媒可溶性、強度などが損なわれ
る。
また、分子量は固有粘度で0.1以上が好ましい。固有
粘度が0.1より低いと樹脂の強度が低くなり実用的でな
い。
これら重合体の重合方法としては、ラジカル重合が用
いられる。すなわち、重合方法としては、ラジカル的に
進行するものであれば手段は何ら制限されないが、例え
ば有機、無機ラジカル開始剤、光、電離放射線あるいは
熱による重合などが挙げられる。重合の方法もバルク重
合、溶液重合、懸濁重合並びに乳化重合を用いることが
できる。
分子量は重合の温度、開始剤の濃度などにより制御す
ることが可能である。連鎖移動剤を用いてもよい。
共重合体の重合組成はおのおののコモノマーの仕込割
合で制御可能である。
コモノマーの種類、重合割合により得られる共重合体
の溶解性、ガラス転移点、破断強度、伸度、降伏応力弾
性率並びに基材密着性などの樹脂の性質を制御すること
が可能である。また、コモノマーの種類により重合時に
重合速度を制御することもできる。
コモノマーにテトラフルオロエチレンを用いるとガラ
ス転移点を低下させ、かつ重合速度を早めることが可能
である。コモノマーにクロロトリフルオロエチレンを用
いると溶解性が変化する。コモノマーにCF2=CF−O−C
F2CF2CF3を用いると伸度が向上する。
コモノマーにCF2=CF−O−CF2CF(CF3)−O−CF2CF
2SO2FまたはCF2=CF−O−CF2CF2CF2COOCH3を用いる基
材への密着性が向上する。
コモノマーを2種類以上用いることも可能である。
これら繰り返し単位(a)の群と(b)の群からなる
重合体は透明な樹脂であり、パーフルオロ(2−ブチル
テトラヒドロフラン)などのフッ素系溶媒に可溶であ
る。また赤外吸収スペクトルより二重結合に基づく1790
cm-1付近の吸収は認められない。
共重合の割合は19F−NMR、元素分析により決められ
る。
なお、かかる説明は本発明の理解の助けとするもので
あり、本発明を何ら限定するものでないことは勿論であ
る。
[実施例] 次に、本発明の実施例について更に具体的に説明する
が、かかる説明によって本発明が何ら限定されるもので
ないことは勿論である。
実施例1 PAVEの30g及び重合開始剤ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネートの0.3gを、内容積100mlの耐圧ガラス製
アンプルに入れた。凍結脱気を2回繰り返した後に25℃
で16時間重合した。重合反応中の圧力は大気圧よりも低
かった。その結果、重合体を4.5g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F−NMRスペクトルを測定したところ、
以下の繰り返し構造を示すスペクトルが得られた。
この重合体の固有粘度[η]は、フロリナートFC−75
(商品名:3M社製のパーフルオロ(2−ブチルテトラヒ
ドロフラン)を主成分とした液体、以下、FC−75と略記
する)中30℃で0.50であり、重合度の高いことが判っ
た。
重合体のガラス転位点は69℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は462℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であり、屈折率は1.34と低く、光線透
過率は95%と高かった。
この重合体の各種の気体の透過係数を測定した。以下
に測定結果をしめす。
実施例2 PAVEの10g、トリクロロトリフルオロエタン(以下、
R−113と略記する)の10gと重合開始剤ジイソプロピル
パーオキシジカーボネートの10mgを内容積50mlの耐圧ガ
ラス製アンプルに入れた。凍結脱気を2回繰り返した後
に40℃で14時間重合した。重合反応中の圧力は大気圧よ
りも低かった。その結果、重合体を6.1g得た。
この重合体の固有粘度[η]はFC−75中30℃で0.37で
あり、高分子量重合体であることがわかった。得られた
重合体は、19F−NMRスペクトルから実施例1と同様の重
合体であることがわかった。
実施例3 PAVEの30g及び重合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後に30℃で16時間重合した。
重合中の圧力は大気圧よりも低かった。重合の結果、重
合体を16g得た。この重合体の固有粘度[η]はFC−75
中30℃で0.505であった。
合成例1(CF2=CFCF2CF2OCF=CF2の合成) CF2ClCFClCF2COFを2000gを、フッ化セシウム存在下に
ヘキサフルオロプロピレンオキシドと反応させ、更に水
酸化カリウムを用いてカリウム塩とした後、熱分解する
ことにより、生成物としてCF2ClCFClCF2CF2OCF=CF2
得た。ついで、この生成物をZn/ジオキサンと反応させ
て脱Cl2を行い、沸点64℃のCF2=CFCF2CF2OCF2=CF2(P
BVE)を300g得た。該含フッ素単量体の構造決定は19F−
NMRで行って確認した。
実施例4 上記合成例1で得たPBVEの5.42g及び重合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後に25℃で48時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を2.22g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F−NMRスペクトルを測定したところ、
以下の繰り返し構造を示すスペクトルが得られた。
又は この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.55
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転位点は108℃であり、室温ではタフ
で透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温
度は457℃であり、熱的安定製が高かった。さらに、こ
の重合体は無色透明であり、屈折率は1.34と低く、光線
透過率は95%と高かった。
実施例5 PAVEの5g、PBVEの5g及び重合開始剤 の10mgを40gの水が入った内容積60mlのガラス製反応器
に入れた。凍結脱気を2回繰り返した後、攪拌しながら
25℃で24時間重合した。重合反応中の圧力は大気圧より
も低かった。その結果、重合体を5.5g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F−NMRスペクトルを測定しその構造を
確認した。その結果、得られた重合体は、 及び 又は のようなPAVEから誘導される環構造単位とPBVEから誘導
される環構造単位との共重合体であり、PAVEから誘導さ
れる環構造単位が54重量%あることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.44
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転位点は91℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は435℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であり、屈折率は1.34と低く、光線透
過率は95%と高かった。
実施例6 PAVEの5g、R−113の15gと重合開始剤 5wt% R−113溶液の80mgを内容積100mlの耐圧ガラス
製アンプルに入れた。凍結脱気を3回繰り返した後にCF
2=CF2を0.5g仕込んだ。インキュベーターで振とうさせ
ながら30℃で6時間重合を行った結果、1.5gの固体が得
られた。
得られた固体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F−N
MRスペクトルにより構造を確認した。その結果、得られ
た重合体は、 及び CF2−CF2 のようなPAVEから誘導される環構造単位とCF2=CF2から
誘導される構造単位との共重合体であり、PAVEから誘導
される環構造単位が81重量%であることがわかった。ま
た、この重合体のFC−75中30℃での固有粘度[η]は0.
425であった。
実施例7 合成例1で得たPBVEの20g及び重合開始剤 の40mgを内容積200mlの耐圧ガラス製アンプルに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後にCF2=CFClを1.0g仕
込んだ。インキュベータで振とうさせながら25℃で10時
間重合した。その結果、重合体を4.5g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F−NMRスペクトルを測定しその構造を
確認した。その結果、得られた重合体は、 又は 及び CF2−CFCl のようなPBVEから誘導される環構造単位とCF2=CFClか
ら誘導される構造単位との共重合体であり、PBVEから誘
導される環構造単位が84重量%あることがわかった。こ
の重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.43であ
り、重合度の高いことが判った。
重合体は室温ではタフで透明な重合体である。また、
10%熱分解温度は421℃であり、熱的安定性が高かっ
た。さらに、この重合体はFC−75/R−113混合溶媒にも
溶解した。
実施例8 合成例1で得たPBVEの20g及び重合開始剤 の20mgを内容積200mlの耐圧ガラス製アンプルに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後にCF2=CF2を0.5g仕込
んだ。インキュベータで振とうさせながら25℃で5時間
重合した。その結果、重合体を5.8g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F−NMRスペクトルを測定しその構造を
確認した。その結果、得られた重合体は、 又は 及び CF2−CF2 のようなPBVEから誘導される環構造単位とCF2=CF2から
誘導される構造単位との共重合体であり、PBVEから誘導
される環構造単位が94重量%であることがわかった。こ
の重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.53であ
り、重合度の高いことが判った。
重合体は室温でタフで透明な重合体である。
実施例9 PAVEの9g、CF2=CF−O−CF2CF2CF2COOCH3の1g及び重
合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンブルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で24時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を3.55g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F−NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 及び ようなPAVEから誘導される環構造単位とCF2=CF−O−C
F2CF2CF2COOCH3から誘導される構造単位との共重合体で
あり、PAVEから誘導される環構造単位が93重量%あるこ
とがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.32
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転位点は64℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は430℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であった。
実施例10 PAVEの40g、CF2=CF−O−CF2CF2CF2COOCH3の5g及び
重合開始剤ジイソプロピルパーオキシジカーボネートの
10mgの内容積100mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後にCF2=CF2を5g仕込んだ。
インキュベーターで振とうさせながら、30℃で72時間重
合した。その結果、重合体を11.8g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F−NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 及び 及び CF2−CF2 ようなPAVEから誘導される環構造単位とCF2=CF−O−C
F2CF2CF2COOCH3から誘導される構造単位とCF2=CF2から
誘導される構造単位との共重合体であり、PAVEから誘導
される環構造単位が82重量%であることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.42
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転位点は58℃であり、室温ではタフで
透明な重合体である。また、10%熱分解温度は421℃で
あり、熱的安定性が高かった。さらに、この重合体は無
色透明であった。
実施例11 PBVEの8g、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fの1g及
び重合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で24時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を3.8g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F−NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 又は 及び のようなPBVEから誘導される環構造単位とCF2=CFOCF2C
F(CF3)OCF2CF2SO2Fから誘導される構造単位との共重
合体であり、PBVEから誘導される環構造単位が94重量%
であることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.38
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転位点は92℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。この重合体は無色透明
であった。この重合体とガラスとの密着性は良好であっ
た。
実施例12 PAVEの8g、CF2=CF−O−CF2CF2CF3の2g及び重合開始
の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で24時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を1.85g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F−NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 及び ようなPAVEから誘導される環構造単位とCF2=CF−O−C
F2CF2CF3から誘導される構造単位との共重合体であり、
PAVEから誘導される環構造単位が89重量%であることが
わかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.35
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転位点は61℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は415℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であり、伸度が25℃において250%で
あった。
[発明の効果] 本発明の、従来知られていなかった主鎖にエーテル結
合を含有しかつ非対称な環構造を有する含フッ素熱可塑
性樹脂状重合体は容易にプレス成型、押し出し成型及び
射出成型可能であり、レンズなどの光学部品に成型する
ことにより、耐薬品性、電気絶縁性、熱安定性、耐強酸
性、耐強アルカリ性、耐水性、耐湿性などに優れた透明
材料を提供するという優れた効果がある。さらに、本発
明の重合体は、紫外線の透過率が高いので、石英ガラス
製の各種光学部品を代替するするという効果がある。ま
た、赤外線の透過率が高いので、各種赤外線センサーに
用いることができるという効果がある。本発明の重合体
は屈折率が低いので、本樹脂の溶液をレンズなどの光学
部品にコーティングすることにより、光の反射を低減す
るという効果がある。本樹脂は、光ファイバーのクラッ
ド材、光磁気ディスク用材料、太陽電池の保護膜、ガス
分離膜、アクリル樹脂、ポリカーボネーオ及びジエチレ
ングリコール−ビス−(アリルカーボネート)樹脂など
の透明樹脂の保護膜、並びに繊維の処理剤として好適に
応用できるという効果が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 216:14) C08F 216:14) (72)発明者 鮫島 俊一 東京都中野区中央2―49―15 (72)発明者 神庭 基 神奈川県横浜市神奈川区三枚町543 (56)参考文献 特開 平1−131214(JP,A) 特開 昭63−261204(JP,A) 特開 昭63−238111(JP,A) 特開 昭63−238115(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 及び/又は (ただし、nは1又は2) で表される環構造の繰り返し単位の群(a)から本質的
    に成り、固有粘度が少なくとも0.1であるような分子量
    を有する含フッ素熱可塑性樹脂状重合体。
  2. 【請求項2】繰り返し単位の群(a)がパーフルオロア
    リルビニルエーテル及び/又はパーフルオロブテニルビ
    ニルエーテルから誘導される請求項1に記載の重合体。
  3. 【請求項3】一般式 及び/又は (ただし、nは1又は2) で表される環構造の繰り返し単位の群(a)と 一般式 CF2−CFX (ただし、XはF,Cl,O−CF2CF2CF3,O−CF2CF(CF3)OCF
    2CF2SO2F,O−CF2CF2CF2COOCH3から選ばれる) で表される繰り返し単位の群(b)から本質的に成り、
    少なくとも80重量%の繰り返し単位の群(a)を含み、
    固有粘度が少なくとも0.1であるような分子量を有する
    含フッ素熱可塑性樹脂状重合体。
  4. 【請求項4】繰り返し単位の群(a)がパーフルオロア
    リルビニルエーテル及び/又はパーフルオロブテニルビ
    ニルエーテルから誘導される請求項3に記載の重合体。
  5. 【請求項5】繰り返し単位の群(b)が 一般式 CF2=CFX (ただし、XはF,Cl,O−CF2CF2CF3,O−CF2CF(CF3)OCF
    2CF2SO2F,O−CF2CF2CF2COOCH3から選ばれる) で表されるコモノマーから誘導される請求項3又は4に
    記載の重合体。
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