JP2525893Y2 - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2525893Y2
JP2525893Y2 JP1992085879U JP8587992U JP2525893Y2 JP 2525893 Y2 JP2525893 Y2 JP 2525893Y2 JP 1992085879 U JP1992085879 U JP 1992085879U JP 8587992 U JP8587992 U JP 8587992U JP 2525893 Y2 JP2525893 Y2 JP 2525893Y2
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coolant
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンドミル、ボールエ
ンドミル、ドリル、フライスカッタ等の工作機械に用い
る回転形の切削工具に関し、特にクーラントが工具最先
端の切刃部に確実に供給されるように構成した切削工具
に関する。なお本考案では、切削工具をシャンク部と切
刃部とに分け、それら両部を総称して工具本体と言う。
そして切刃部を更に途中の切刃部と先端の切刃部とに分
け、該先端の切刃部とは例えばねじれ切刃の工具の場
合、工具先端から数えて一重目の切刃のある領域を言
う。またクーラントとは、切削液、加圧エアー等の切削
加工における冷却作用および切屑排出作用を行う流体の
ことを言う。
【0002】
【従来の技術】第1の従来技術として、例えば実公昭6
2−21403号公報に記載の工具主軸の後端から工具
主軸内部を流通し、更に工具主軸先端に装着した工具ホ
ルダ及び工具の貫通孔を流通して、クーラントを工具先
端から噴出させるようにしたいわゆるスピンドルスルー
クーラントがある。また、クーラントを工具主軸内部を
流通させずに、工具ホルダに流体回転継手を設けて、外
部から工具ホルダ内にクーラントを送り込み、工具ホル
ダに装着した工具の貫通孔を流通させて工具先端から噴
出させるようにした、いわゆるツールスルークークーラ
ントがある。これらの場合に用いる貫通孔を備えた切削
工具構造は、例えば実開昭63−38917号公報にエ
ンドミルの実施例が開示されている。即ち、工具後端か
ら軸心に孔をあけ、先端直前で二股に分岐して工具先端
の逃げ面に開口するように貫通孔を形成してある。この
ようにして切削加工部へ確実にクーラントを供給してい
る。
【0003】第2の従来技術として、実開平1−132
327号公報に記載の鋳抜き孔用タツプがある。これは
タップの内部軸方向に油孔を貫通すると共に、シャンク
外周にタップ溝に連通する油溝を形成した鋳抜き孔用タ
ップで、止まり穴のタッピングの場合は、油孔及び油溝
から供給する両方のクーラントが潤滑、冷却、切屑排出
の作用をする。貫通穴のタッピングの場合は、油孔から
供給するクーラントはそのままワーク外部へ流出してし
まうが、シャンク外周に設けた油溝からクーラントが供
給されるので潤滑、冷却、切屑排出の作用が効果的に行
われるというものである。
【0004】第3の従来技術として、実公平4−274
3号公報に記載のエンドミルがある。これは当該公報の
第1図に示す如く、エンドミル本体20の外周後端部に、
エンドミル本体の長手方向に沿って、エンドミル本体の
後端側から切屑排出溝22まで延びるクーラント供給溝25
を形成し、エアーや油等をこの溝25に向けて噴出させる
ようにしたものである。これによって切屑が円滑に排出
できることと、更に工具先端部に穴がないので再研磨も
行えるというものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】切削加工は、ワークよ
り硬くて強い工具に回転力を与えながらワークに押し付
けて相対運動を行わせ、剪断作用により切屑を発生させ
ワークを所望形状に仕上げるものである。このとき主
に、剪断仕事及び切屑と工具との摩擦仕事により切削熱
が発生する。この摩擦熱は工具に伝達され、切削工具の
寿命を短かくし、また構成刃先を生成して加工面粗さを
悪化させる等の悪影響をひき起こす。よって発生した切
削熱をいち早く確実にクーラントで冷却し、これらの悪
影響をなくす必要がある。
【0006】そのためには、切屑の発生するワークの剪
断部及び切屑と工具のすくい面との間の摩擦部に高圧ク
ーラントを噴射し、発生した切削熱が工具やワークに伝
達しないうちにクーラントで冷却して奪取し、かつ切削
熱を保有している切屑もクーラントと一緒に吹き飛ばさ
なければならない。つまり切削加工部に十分な圧力と流
量を有した高圧クーラントを常時、切刃部に向けて直接
的に噴射させなければならないのである。
【0007】第1の従来技術は、この切削加工部のでき
るだけ近くにクーラントを供給しようとしたものであ
る。そのとき、エンドミル内部にクーラントが流通する
貫通孔を形成しなければならないが、超硬工具などの場
合、この貫通孔の形成が難しい。また、工具先端中心に
切刃があるボールエンドミルやドリルなどの場合は、そ
の切刃部をよけた逃げ面に貫通孔を開口させる必要か
ら、屈曲したり二股に分岐した貫通孔を形成する必要が
あり更に難しい。また、小径エンドミルの場合は、貫通
孔を形成したため工具の強度が下がり、軸部の切損や刃
先の欠けが生じ易くなる。そして貫通孔の内径自体も大
きくできず、十分なクーラント流量が確保されないとい
う問題点がある。
【0008】第2の従来技術は、比較的低速切削である
ねじ切り作業の工具としてのタップの構成を開示したも
のであり、油溝から供給するクーラントは低圧、少量
で、タップの回転に伴って油溝からはみ出して、むしろ
加工すべきねじ部に浸み込んで行く程度が好ましい。
【0009】これに対し、エンドミル、フライスカッ
タ、ドリルなどの切削工具は、比較的高速切削を行う必
要から、この従来技術を適用することができない。つま
り高速で回転するエンドミル等の切削工具の場合は、十
分な圧力、流量の高圧クーラントが切削加工部へ直接的
に噴射されなければならない。よってこの第2の従来技
術をボールエンドミル、ドリル、フライスカッタなどの
切削工具に適用するには問題がある。
【0010】第3の従来技術は、凹形状のクーラント供
給溝がシャンク部に最も近い切屑排出溝までしか形成さ
れていないため、クーラントをクーラント供給溝に沿っ
て高圧で噴出させた場合、シャンク部に近い切刃部分で
クーラントをはじいてしまい、工具先端の刃先部までク
ーラントが十分に到達しない不都合がある。
【0011】エンドミルの先端部のみを使う比較的浅い
溝切り加工、ボールエンドミルやドリルの先端部の切刃
を使う加工などの通常よく行われる加工の場合には、特
にこの不都合が顕著で、切削加工部の十分な冷却や迅速
な切屑排出が行われないと云う問題点がある。
【0012】したがって本考案の目的は、上述の問題を
解決し、すなわち常に十分な圧力および流量の高圧クー
ラントが切削工具先端の切刃部のすくい面に向けて直接
的に噴出されるようにした切削工具を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本考案は、下記の
ような構成とすることにより上記課題を解決したもので
ある。 (1) クーラント供給溝を有する切削工具において、
工具本体外周にシャンク部の後端から切刃部に向けて軸
線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状をしたクーラ
ント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、工具先端
の切刃部のすくい面に向けて開口して構成した切削工
具。 (2) クーラント供給溝を有する切削工具において、
ボールエンドミル本体外周にシャンク部の後端から切刃
部に向けて軸線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状
のクーラント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、
工具先端の切刃部のすくい面に向けて開口して構成した
ボールエンドミル。 (3) クーラント供給溝を有する切削工具において、
ボールエンドミル本体外周にシャンク部の後端から切刃
部に向けて軸線と平行で、かつ直線状の凹形状のクーラ
ント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、工具先端
の切刃部の切刃の数だけ設けると共に、工具先端の切刃
部のすくい面に向けて開口して構成したボールエンドミ
ル。 (4) クーラント供給溝を有する切削工具において、
エンドミル本体外周にシャンク部の後端から切刃部に向
けて軸線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状のクー
ラント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、途中の
切刃部の切刃を貫通し工具先端の切刃部のすくい面に向
けて開口して構成したエンドミル。 (5) クーラント供給溝を有する切削工具において、
ドリル本体外周にシャンク部の後端から切刃部に向けて
軸線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状のクーラン
ト供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、途中の切刃
部の切刃を貫通し工具先端の切刃部のすくい面に向けて
開口して構成したドリル。
【0014】
【作用】本考案のクーラント供給溝を有した切削工具
を、スピンドルスルークーラント装置またはツールスル
ークーラント装置を有した主軸装置の工具ホルダに装着
し、高圧クーラントを吐出すると、クーラントは切削工
具のクーラント供給溝を流通して切削加工部へ噴出す
る。この時クーラント供給溝は工具先端の切刃部のすく
い面に向けて開口しているので、クーラントは必ず工具
先端の切刃部すなわち切削加工部へ直接的に当たるよう
に噴出される。従って、クーラントは途中の切刃部に妨
げられることなく高圧のまま工具先端の切刃部のすくい
面に噴射されるので、従来技術にない後述の効果がある
ものである。クーラントは、工具ホルダおよび切削工具
と同一速度で回転しながら、しかも十分な圧力、流量を
もって噴出されるので、工具の回転数の大小に関係なく
加工中常に切削加工部を冷却し、切屑を迅速に排出する
働きをする。
【0015】
【実施例】図1は本考案のエンドミルの一例を示し、
(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、図2
は本考案のボールエンドミルの一例を示し、(a)は正
面図、(b)は(a)のB−B断面図、図3は本考案の
ドリルの一例を示し、(a)は正面図、(b)は(a)
のC−C断面図、図4は本考案のフライスカッタの一例
を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のD−D断面
図、図5はクーラント供給装置の全体構成図、図6はク
ーラントの作用を示す説明図である。
【0016】まず図5を参照すると、工具主軸1は主軸
ハウジング2にベアリング3によって回転自在に支承さ
れ、図示しない駆動装置によって回転される。4はベア
リング押えである。工具ホルダ5はその後端部に螺着さ
れたプルスタッド6をドローバー7で引き上げることに
より工具主軸1の先端テーパ穴に装着される。8は工具
ホルダ5の回転方向位置決めをするキーである。ドロー
バー7の内側にはパイプ9が挿嵌され、先端はプルスタ
ッド6に当接し、工具主軸1と一体的に回転する。パイ
プ9の後端には流体回転継手10が設けられ、クーラント
供給源11から吐出されたクーラントは、パイプ9内に送
り込まれるようになっている。
【0017】一方、工具ホルダ5の先端部にはエンドミ
ル12が着脱自在に装着される。エンドミル12の工具本体
外周には、後述の凹形状をしたクーラント供給溝13が先
端の切刃部直前まで形成されている。プルスタッド6、
工具ホルダ5にはパイプ9と連通する貫通穴が穿設され
ており、クーラント供給源11から吐出されたクーラント
は、パイプ9、プルスタッド6、工具ホルダ5を通過
し、エンドミル12のクーラント供給溝13を流通して最終
的にエンドミル12の先端の切刃部に向けて噴出されるよ
うに構成されている。
【0018】次に図1を参照しながら本考案のエンドミ
ル12について詳しく述べる。図示のものは、4枚刃のエ
ンドミルであり、ねじれた切刃14a 、14b 、14c 、14d
と逃げ溝15を有している。シャンク16の外周には、凹形
状のクーラント供給溝13がエンドミル12の後端面17から
軸線と平行に、途中の切刃部を貫通して切刃14a 、14c
の最先端部に向けて2本刻設してある。ここで、図1で
は図面の複雑さを省くために2本のクーラント溝を画い
たが、4枚刃のエンドミルの場合は4本のクーラント溝
を設け、工具先端のそれぞれの切刃部のすくい面に直接
クーラントが噴射されるようにすることが望ましい。そ
のクーラント供給溝13は、シャンク部に刻設された部分
13a 、切刃14c を貫通する部分13b 、切刃14b を貫通す
る部分13c とに分かれているが、直線状に連なってお
り、一本の溝と見做している。このクーラント供給溝13
の断面形状は、図示のように角形状ばかりでなく、半円
形状、半楕円形状等、その他の形状でも良い。そして2
本のクーラント供給溝13の深さ部の径dは、切刃14の外
径Dより小さい、つまりクーラント供給溝13は切刃部外
径より小さい深さまで切込んである。これは、クーラン
ト供給溝13は最先端の切刃に向かって開口している。す
なわちクーラント供給溝13の延長線は必ず工具先端の切
刃部14にぶつかるように構成するためである。
【0019】よってシャンク部の外径が切刃部の外径よ
り大きく形成されているエンドミルについては、深いク
ーラント供給溝を刻設する必要がある。なお、クーラン
ト供給溝13b と切刃14c との交差部、13c と14b との交
差部などの鋭利な部分は面取りを施して切刃の欠けを防
止している。
【0020】このエンドミル12のシャンク16は、図
6に示すように、工具ホルダ5の工具装着孔18に装着
され、クーラントが孔19を通って工具装着孔18に流
入する。するとクーラントは2つのクーラント供給溝1
3、13を流通してエンドミル12先端方向に噴出す
る。エンドミル12による加工中は、工具主軸1、工具
ホルダ5、エンドミル12は共に回転し、内部のクーラ
ントも等速で回転する。主軸を高速回転させた場合にお
いても、クーラント供給溝13から噴出したクーラント
が工具先端の切刃部に確実に高圧で噴射される程度の高
い圧力(例えば70Kg/cm)でクーラントを供給
し、クーラント供給溝13から噴出したこの高圧噴流
ーラントは直接的に工具先端の切刃部に当たるようにし
てある。クーラント供給溝13の断面積は、エンドミル
内部に孔をあけるより大きくでき、それだけ流量もかせ
げる。したがって、いかなる場合でも常にクーラントは
十分な圧力、流量で工具先端の切刃部つまり切削加工部
に供給され、迅速に切削熱を奪熱し、切屑を排出する作
用を行う。
【0021】エンドミル12のシャンク部より先端方向の
切刃部全域を使用するような深溝加工や側面加工の場合
は、クーラント供給溝13a と13b との間、13b と13c と
の間の開放部からクーラントがもれ出しており、工具先
端部ばかりではなく切刃全域にわたってクーラントが供
給されることになり、あらゆる加工に対して切削熱の奪
熱及び切屑排出作用を行えるのである。
【0022】従来のクーラント吐出ノズルを高速回転す
るエンドミルの外部に設け、該ノズルからクーラントを
エンドミルに向けて噴射する方法があるが、高速で回転
するエンドミルの周囲には、ほぼ等速で回転する空気層
があり、その空気層を打ち破ってエンドミルの切刃部の
すくい面に直接的にクーラントを当てるのは困難であっ
た。つまり高速回転するエンドミルの外側部からクーラ
ントを噴射してもほとんどのクーラントは切刃部の逃げ
面に当るだけである。従来の方法ではクーラントは殆ど
空気層ではじき飛ばされていて、エンドミルの切刃部の
すくい面の奪熱や切屑の排出が効果的でなかった。本考
案はこの点に注目して成されたものであり、従来の方法
及び装置とは技術的思想が異なるものである。
【0023】本考案は、エンドミルに形成した凹形状の
クーラント供給溝内にクーラントを流通させた状態でエ
ンドミルを高速で回転させた場合においても、エンドミ
ル外周を取り巻く空気層の内部にエンドミルの回転と同
期してクーラントが既に存在することになり、空気層を
打ち破る必要もなくエンドミルの切刃のすくい面に直接
的に高圧クーラントを噴出することができるのである。
【0024】また、クーラントとして、切削液などの液
体ばかりでなく、加圧エアーを用い、このエアーをクー
ラント供給溝内に流通させて切刃部に噴出し、切刃の冷
却および切屑の排出を行わせてもよい。
【0025】本考案によるエンドミルは、このように構
成したことにより、従来技術の問題点であるエンドミル
に貫通孔を形成する困難さがなく、しかも小径エンドミ
ルの場合に貫通孔を設けてエンドミルの強度が不足した
り、貫通孔が小径のため十分なクーラント量が確保され
ないということがなくなった。またクーラント供給溝を
流通したクーラントは必ず工具先端の切刃部を直撃する
ように噴出され、シャンク部に近い刃先部ではじき飛ば
されることがない。更に、外部に設けたクーラント吐出
ノズルによるクーラント供給のように、手動又は自動に
よるノズル角度の調節の必要がなく、しかもワーク形状
や加工部位によっては切削加工部へ直接的にクーラント
が投射されない、或は、エンドミル外周をほぼ等速で周
回する空気層にクーラントがはじき飛ばされるという不
都合が解消された。
【0026】本実施例では、クーラント供給溝を2本形
成した場合を図1に示して述べたが、前述の通り切刃の
数だけクーラント供給溝を設ければ最も効果が大きい。
またクーラント供給溝が1本のみでもそれなりの効果が
あることは言うまでもない。また、何枚刃のエンドミル
でも、小径エンドミルでも、スロアウエイ形のエンドミ
ルでも適用できる。ただ、クーラント供給溝を切刃数と
同数刻設する場合は、切削加工面にキズを付けないため
にクーラント供給溝を、図1の(b)の断面において、
不等角度ピッチにして供給溝による切刃の欠損部の高さ
位置を互いにずらす必要がある。また、クーラント供給
溝の本数を切刃数より少なくしてもよい。更に、スピン
ドルスルークーラント方式ではなく、工具ホルダにクー
ラントを導入するツールスルークーラント方式であって
も良いことは云うまでもない。
【0027】次に図2のボールエンドミルの実施例につ
いて説明する。図2のボールエンドミルは4枚刃のボー
ルエンドミルで、クーラント供給溝13も4本設けた場合
の図である。
【0028】クーラント供給溝13は、シャンク部16にシ
ャンク後端面17からシャンク16の軸線と平行にかつ直線
状に刻設されている。そのクーラント供給溝13はそれぞ
れの切刃部14a 、14b 、14c 、14d のすくい面に向って
開口されている。
【0029】このボールエンドミルにおいても前記図1
に示すエンドミルで説明したように、高圧噴流クーラン
トはクーラント供給溝13を通り、工具先端の切刃部1
4a、14b、14c、14dのすくい面に向って直接
的に噴射されるので、その高圧噴流クーラントの作用で
切刃部の切削による発熱が奪取されるばかりでなく、切
刃部に付着しようとする切屑を直撃して飛散させるので
ある。従って前述のエンドミルで説明したことと同様に
作用、効果があるものである。ここでは重複するので説
明を省略する。
【0030】次に図3のドリルの場合を説明する。クー
ラント供給溝13は、シャンクの後端面17から軸線と平行
でかつ直線状に、途中で切刃部を貫通して、ドリル先端
の切刃部14のすくい面に向けて開口するように2本刻設
されている。なお、図中20の一点鎖線は、ドリルが回転
したときの軌跡を示したものである。
【0031】次に図4のフライスカッタの場合を説明す
る。ここには代表例としてあり溝フライスを示してい
る。シャンク16には、後端面17から軸線と平行にかつ直
線状に、工具先端の切刃部14のすくい面に向って5本の
クーラント供給溝13が刻設されている。前記ドリルの場
合もこのフライスカッタの場合も、前記図1のエンドミ
ルで説明した作用、効果があるが、ここでは重複するの
で説明を省略する。
【0032】
【考案の効果】以上説明したように、本考案のクーラン
ト供給溝を有した切削工具によれば、工具本体外周に形
成した凹形状のクーラント供給溝に高圧クーラントを工
具先端の切刃部のすくい面に高圧のまま直接的に当たる
ように噴出されるので、途中の切刃部に妨げられること
なく加工中常に十分な圧力、流量の高圧クーラントが切
削加工部に供給される。従って、切削加工部における切
削熱の奪熱や切屑の排出が迅速、確実に行われるので加
工能率が向上し、また切屑の噛みこみがないので高精度
な切削加工が行える。また、奪熱効果が大きいので使用
工具の寿命が延び経済的である。更に、切削工具に凹溝
を形成するのは容易であり、貫通孔をあけたエンドミル
より安価に製作できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるエンドミルの一例を示し、(a)
は正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】本考案によるボールエンドミルの一例を示し、
(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図であ
る。
【図3】本考案によるドリルの一例を示し、(a)は正
面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図4】本考案によるフライスカッタの一例を示し、
(a)は正面図、(b)は(a)のD−D断面図であ
る。
【図5】クーラント供給装置の構成図である。
【図6】クーラント供給作用の説明図である。
【符号の説明】
1 工具主軸 5 工具ホルダ 9 パイプ 10 流体回転継手 11 クーラント供給源 12 エンドミル 13 クーラント供給溝 14 切刃 16 シャンク。

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クーラント供給溝を有する切削工具にお
    いて、工具本体外周にシャンク部の後端から切刃部に向
    けて軸線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状をした
    クーラント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、工
    具先端の切刃部のすくい面に向けて開口して構成された
    ことを特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】 クーラント供給溝を有する切削工具にお
    いて、ボールエンドミル本体外周にシャンク部の後端か
    ら切刃部に向けて軸線と平行に少くとも1本の直線状で
    凹形状のクーラント供給溝を刻設し、該クーラント供給
    溝は、工具先端の切刃部のすくい面に向けて開口して構
    成されたことを特徴とするボールエンドミル。
  3. 【請求項3】 クーラント供給溝を有する切削工具にお
    いて、ボールエンドミル本体外周にシャンク部の後端か
    ら切刃部に向けて軸線と平行で、かつ直線状の凹形状の
    クーラント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、工
    具先端の切刃部の切刃の数だけ設けると共に、工具先端
    の切刃部のすくい面に向けて開口して構成されたことを
    特徴とするボールエンドミル。
  4. 【請求項4】 クーラント供給溝を有する切削工具にお
    いて、エンドミル本体外周にシャンク部の後端から切刃
    部に向けて軸線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状
    のクーラント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、
    途中の切刃部の切刃を貫通し工具先端の切刃部のすくい
    面に向けて開口して構成されたことを特徴とするエンド
    ミル。
  5. 【請求項5】 クーラント供給溝を有する切削工具にお
    いて、ドリル本体外周にシャンク部の後端から切刃部に
    向けて軸線と平行に少くとも1本の直線状で凹形状のク
    ーラント供給溝を刻設し、該クーラント供給溝は、途中
    の切刃部の切刃を貫通し工具先端の切刃部のすくい面に
    向けて開口して構成されたことを特徴とするドリル。
JP1992085879U 1992-06-17 1992-11-20 切削工具 Expired - Lifetime JP2525893Y2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992085879U JP2525893Y2 (ja) 1992-06-17 1992-11-20 切削工具
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