JP2524502Y2 - 射出成形用金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、射出成形に用いられる金型の改良に関す
る。

〔従来の技術〕

公知の金型は、第５図および第６図に示すように、ラ
ンナ（２）を設けた第１のブロック（１、可動側型板）
と、前記第１のブロック（１）に接離し、前記ランナ
（２）に連通するスプル（４）を設けた第２のブロック
（３、固定側型板）と、前記スプル（４）とランナ
（２）との間に設けられたゲート（５）と、前記第２の
ブロック（３）を挟んで前記第１のブロック（１）の反
対側に配置され、前記第２のブロック（３）に接離する
第３のブロック（６、ランナストリッパプレート）と、
前記第３のブロック（６）に対してスライド自在にな
り、前記スプル（４）に対して挿抜自在になるスプルロ
ックピン（７）とを有している。第６図は射出成形を終
了してこれから型開きをしようとする状態を示し、成形
材料は図に描いた部分において全て硬化している。また
当該金型は型開き時にランナ（２）内の成形品（８）と
スプル（４）内の成形品（９）とをゲート（５）におい
て自動的に切断するものであって、スプルロックピン
（７）の先端係合部（7a）がスプル（４）内の成形品
（９）に埋もれて該成形品（９）に係合している。先端
係合部（7a）は逆テーパ状に形成され、そのアンダーカ
ットによって成形品（９）に係合している。

型開きは、第６図の状態から、第３のブロック（６）
と第２のブロック（３）とを開くことによって開始され
る。第３のブロック（６）が相対的に上昇すると、スプ
ルロックピン（７）の先端係合部（7a）に係合している
スプル（４）内の成形品（９）が追随して上昇し、該成
形品（９）とキャビティ（２）内の成形品（８）とがゲ
ート（５）において自動的に切断される（第７図）。次
いで第２のブロック（３）と第１のブロック（１）とを
開き、エジェクタピン（10）を突き上げてランナ（２）
から成形品（８）を離型させる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の金型は、第６図の状態から第３のブロック
（６）と第２のブロック（３）とを開くに際してスプル
ロックピン（７）の先端係合部（7a）がスプル（４）内
の成形品（９）に係合していることに頼って該成形品
（９）をスプル（４）から引き抜くものである。

したがって、成形品（８）（９）をゲート（５）にお
いて切断する力と成形品（９）をスプル（４）から引き
抜く時に生じる摩擦力との和がスプルロックピン（７）
の先端係合部（7a）の係合力より大きいと、第８図に示
すように、先端係合部（7a）が成形品（９）から外れて
成形品（９）がスプル（４）内に残ってしまい、連続成
形が不可能となる。またスプル（４）内に残った成形品
（９）を第９図の状態から外部へ取り出す際に、金型に
傷が付いたり、金型が破損したりする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問
題を解決するために案出されたものであって、この目的
を達成するため、ランナまたはキャビティを設けた第１
のブロックと、前記第１のブロックに接離し、前記ラン
ナまたはキャビティに連通するスプルを設けた第２のブ
ロックと、前記スプルとランナまたはキャビティとの間
に設けられたゲートと、前記第２のブロックを挾んで前
記第１のブロックの反対側に配置され、前記第２のブロ
ックに接離する第３のブロックと、前記第３のブロック
に対してスライド自在になり、前記スプルに対して挿抜
自在になるスプルロックピンとを有する射出成形用金型
において、前記第２のブロックにコアをスライド自在に
内挿し、前記コアに前記スプルとゲートとを設け、前記
コアを前記第３のブロックに向けてばねにより弾性付勢
し、前記コアは、型締め時、前記第３のブロックに押さ
れて前記第１のブロックに接触し、型開き時、前記第３
のブロックが第２のブロックから離れるのに連れて前記
ばねにより前記第１のブロックから離れるものである、
ことを特徴とする射出成形用金型を提供する。

〔作用〕

型開きを開始して第３のブロックと第２のブロックと
を開くと、コアがばねに押されて第１のブロックから離
れ、該ばねの弾性によって成形品をゲートおいて切断す
る。したがって、スプルロックピンの先端係合部の係合
力は成形品をスプルから引き抜く時に生じる摩擦力より
大きければ良く、これにより成形品をスプルから確実に
引き抜くことが可能となる。

〔実施例〕

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する
と、当該金型は、上記従来技術に対して次の構成を加え
たことを特徴としている。

すなわち、第１図に示すように、第２のブロック
（３）にコア（11）がスライド自在に内挿され、該コア
（11）にスプル（４）とゲート（５）とが設けられてい
る。またコア（11）は第３のブロック（６）に向けてば
ね（12）により弾性付勢され、型締め時、同図に示した
ように第３のブロック（６）に押されて第１のブロック
（１）に接触し、型開き時、第２図に示すように第３の
ブロック（６）が第２のブロック（３）から離れるのに
連れてばね（12）に押されて第１のブロック（１）から
離れる。（13）はコア（11）のストロークを規制するス
トッパプレートであって第２のブロック（３）にねじ止
め（14）されている。

上記構成を加えた金型において、型開きを開始して第
３のブロック（６）と第２のブロック（３）とを開く
と、コア（11）がばね（12）に押されて第１のブロック
（１）から離れ、該ばね（12）の弾性によって成形品
（８）（９）をゲート（５）おいて切断することができ
る。したがって、スプルロックピン（７）の先端係合部
（7a）の成形品（９）に対する係合力は成形品（９）を
スプル（４）から引き抜く時に生じる摩擦力より大きけ
れば良く、これにより、第３図および第４図に示すよう
に成形品（９）をスプル（４）から確実に引き抜くこと
ができ、爾後の工程を円滑に進めることができる。第１
のブロック（１）に設けたランナ（２）は、製品を成形
するためのキャビティであっても良い。

〔考案の効果〕

本考案の金型は以上説明したように、ばねの弾性によ
って成形品をゲートで切断するようにしたもので、スプ
ルロックピンの先端係合部の成形品に対する係合力が成
形品をスプルから引き抜く時に生じる摩擦力より大きけ
れば、成形品をスプルから確実に引き抜くことができ、
連続成形が可能となる。またスプル内に残った成形品を
事後的に外部へ取り出す必要がないために、金型に傷が
付いたり、金型が破損したりすることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例に係る金型の型開
きの手順を順を追って示す断面図、第５図は従来例に係
る金型の断面図、第６図ないし第９図は従来例に係る金
型の型開きの手順と不都合を順を追って示す断面図であ
る。 （１）第１のブロック、（２）ランナ （３）第２のブロック、（４）スプル （５）ゲート、（６）第３のブロック （７）スプルロックピン、（7a）先端係合部 （８）（９）成形品、（10）エジェクタピン （11）コア、（12）ばね、（13）ストッパプレート （14）ねじ止め

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ランナ（２）またはキャビティを設けた第
   １のブロック（１）と、前記第１のブロック（１）に接
   離し、前記ランナ（２）またはキャビティに連通するス
   プル（４）を設けた第２のブロック（３）と、前記スプ
   ル（４）とランナ（２）またはキャビティとの間に設け
   られたゲート（５）と、前記第２のブロック（３）を挟
   んで前記第１のブロック（１）の反対側に配置され、前
   記第２のブロック（３）に接離する第３のブロック
   （６）と、前記第３のブロック（６）に対してスライド
   自在になり、前記スプル（４）に対して挿抜自在になる
   スプルロックピン（７）とを有する射出成形用金型にお
   いて、 前記第２のブロック（３）にコア（11）をスライド自在
   に内挿し、前記コア（11）に前記スプル（４）とゲート
   （５）とを設け、前記コア（11）を前記第３のブロック
   （６）に向けてばね（12）により弾性付勢し、 前記コア（11）は、型締め時、前記第３のブロック
   （６）に押されて前記第１のブロック（１）に接触し、
   型開き時、前記第３のブロック（６）が第２のブロック
   （３）から離れるのに連れて前記ばね（12）により前記
   第１のブロック（１）から離れるものである、 ことを特徴とする射出成形用金型。