JP2524403Y2 - 屋根瓦 - Google Patents

屋根瓦

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JP2524403Y2
JP2524403Y2 JP1990074366U JP7436690U JP2524403Y2 JP 2524403 Y2 JP2524403 Y2 JP 2524403Y2 JP 1990074366 U JP1990074366 U JP 1990074366U JP 7436690 U JP7436690 U JP 7436690U JP 2524403 Y2 JP2524403 Y2 JP 2524403Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、適宜数行数列の流水小片部を葺合わせた
状態で1枚に一体成形し、1度に数枚分に相当する瓦を
敷設することができる屋根瓦に関する。
〔従来の技術〕 従来、例えば切妻、寄棟等の形状の屋根を瓦葺きする
のには例えば同行において、一端に縁部を有する袖始瓦
等を屋根に対する葺始めとして使用し、また屋根の大部
分を略矩形の地瓦または必要に応じてこの地瓦よりも短
矩形の調整瓦を混合して使用することにより葺合わせ長
さを調整し、且つ雨仕舞いのために同行の敷設において
は、隣接する瓦相互間を葺合わせ部を介して葺合わせ、
しかも葺終わり部分は縁部を有する袖終瓦を使用するこ
とにより上方の棟部分に向かって何種類かの瓦を用いて
順次葺合わせ部を介して葺合わし、さらに頂上における
棟部分に棟瓦を連設することによって敷設作業を行って
いる。この場合、屋根全体の葺合わせ模様として格子
状、または外観を美しく仕上げるために千鳥状等の各種
の模様に瓦は葺合わされる。
また瓦を成形するために用いる材料として、本瓦のよ
うに粘土を焼成するもののほか、厚型セメント瓦のよう
にセメントを圧縮して養生、固化したもの、スレート瓦
のように石綿を用いたもの、さらにはカラー鉄板の如き
銅、アルミ、ステンレス等のような金属薄板からなる小
片を用いて形成されるものがあった。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら上記従来の瓦は何れも所定の大きさに平
面略矩形に成形された何種類かの瓦素体(地瓦)を1枚
づつ製作し、そしてこの瓦素体相互を隣接する相互が重
合するように配置した葺合わせ部を介してしかも上行、
または下行に位置する瓦相互を葺合わせ重合部を介して
1枚づつ野地板上に敷設するものであるので、製作費お
よび敷設工事に多くの費用と手間がかかる。
また上記従来の屋根瓦のうち特にセメントやスレート
により成形された平瓦は屋根への敷設時に作業者はこの
上面に乗ったりすると体重の重さに耐えかねてワレやカ
ケを生ずることがあった。これは特に左右に隣接する瓦
相互の葺合わせ部において重合させる構造であるため、
肉厚を薄く形成するほかはなかった。
これに対処して構造を堅牢化するためにただ単に瓦の
厚みを増加することは単位面積あたりの1枚の瓦の重量
が増加することになり、屋根瓦を屋根に敷設する場合
に、高所での危険な作業を伴い、また取扱、運搬に不便
であり、コストが高くなっていた。 しかも屋根瓦を屋
根に敷設、施工した場合に、葺き合わせ個所が重合する
ことにより、厚みが増加することになっていた。また1
枚毎の瓦素体の大きさが小さく、敷設面積が狭いので、
一度に敷設されるべき屋根瓦の敷設効率が悪く、非能率
的であった。
さらに従来の屋根瓦は、その厚みが略均一の厚みに形
成され、裏面には何らの断熱手段が設けられてはいない
ので、例えば夏期において直射日光が照射されると、屋
根瓦を通じて室内が直接的に暖められて室内は暑くな
り、反対に冬期におていは室内からの暖気が外気に直接
的に冷却され、塞かった。しかも雨が降ると、その雨音
が騒がしかった。しかも屋根瓦の裏面が略板状に形成さ
れている場合には、屋根の野地板等に対する屋根の接触
面積が大きくなるので、雨水が例えば瓦本体相互の葺合
わせ部分に形成される隙間から毛細管現象による吸引に
より浸透し易くなって屋根瓦の裏面に滲み渡って雨洩れ
を生ずることがあった。
そこでこの考案は、数枚分の瓦素体に相当する瓦本体
を1度に敷設施工するようになして敷設作業を安全且つ
効率的に行い、制作費および敷設工事費を低廉にし、ま
た厚さが薄いわりに構造堅牢になって製作者が作業中に
瓦本体を踏んで体重をかけた場合にワレやカケを少なく
して耐命性を向上し、しかも瓦本体の裏面に断熱手段と
しての空気層や断熱材を詰め込むことができる凹所部を
形成して断熱機能を充分に確保できるとともに雨洩れが
少なく、さらに降雨時における雨音に対する遮音機能が
高い屋根瓦を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は上記点に鑑みてなされたものであり、 上部瓦構成部と下部瓦構成部とを左右変位することに
より瓦本体を一体形成し、前記上部瓦構成部と下部瓦構
成部の表裏面に略対称的に且つ左右変位して葺合わせ部
を設けた屋根瓦において、前記瓦本体の裏面に周囲補強
リブを設け、該周囲補強リブの内域には所望幅、所望厚
さの横長の葺合わせ重合部を配設して前記上部瓦構成部
と前記下部瓦構成部とを一体形成するとともに他の補強
リブを縦横に設け、該補強リブ、前記周囲補強リブ、お
よび前記葺合わせ重合部の設置個所を除く前記瓦本体は
厚みが薄い薄肉部に形成され、該薄肉部の裏面には前記
周囲補強リブにより囲まれる凹所部を形成するという手
段を採用した。
〔作用〕
瓦本体は葺合わせ重合部を介して平面略矩形の上部瓦
構成部と下部瓦構成部とを一体成形したので、例えば切
妻屋根に瓦を葺く場合には、先ず両端の表裏に例えば対
称的に設けた葺合わせ部相互を重合することにより何枚
かの瓦素体に相当する瓦本体をルーフィングを介して野
地板の下縁から数行数列に1度に葺合わせる。次いで既
に葺いた瓦本体の上行に位置する上部瓦構成部の上縁部
上面から所望幅に新たな瓦本体の下行に位置する下部瓦
構成部の下縁部を葺合わせることによって順次、棟に向
かって例えば千鳥状の模様に葺上げて行く。
葺上げの際に、瓦本体は上部瓦構成部と下部瓦構成部
とが所望幅、所望厚さの横長の葺合わせ重合部を裏面に
介して一体成形され、しかも瓦本体の裏面には周囲補強
リブ、該周囲補強リブの内域に前記葺合わせ重合部を含
む補強リブを縦横に設けているので、該補強リブの設置
個所を除く前記瓦本体に厚みが薄い薄肉部を形成して瓦
本体を軽量化した場合にも瓦本体はカケやワレを生ぜず
に構造が堅牢になる。
また瓦本体の薄肉部の裏面には周囲補強リブにより囲
まれる凹所部を形成したので、この凹所部は瓦本体を屋
根に敷設した場合に空気層となり、またこの凹所部内に
断熱材を詰め込むことができる。従って断熱機能を充分
に確保でき、夏期または冬期において快適に過ごせ、ま
た降雨時には雨音を遮音できる。さらには瓦本体の裏面
には凹所部が形成されて屋根に対する接触面積が少な
く、瓦本体相互の葺合わせ部分に形成される間隙等から
の毛細管現象が阻止されるので、雨水が屋根瓦の裏面に
滲み渡るのが防止される。
〔実施例〕
以下、本考案の詳細を図面に従って説明する。このう
ち第1図乃至第9図は第1実施例を示す。
第1図において1は例えばセメント材料を用いて養
生、固化したり、または粘土、鉱石、鉱物等の無機材料
を焼成する等して一体成形した瓦本体であり、この瓦本
体1は先ず表面側において平面略矩形の上部瓦構成部1A
と下部瓦構成部1Bとを所望厚さl2および所望幅の後記葺
合わせ重合部2を介して変位量l3をもって左右変位する
ことにより一体成形される。この葺合わせ重合部2は、
平面において上下方向に所望幅l1例えば0.5〜5cm程度の
幅で所望厚さl2、例えば約1.2〜4.5cm程度の厚さに形成
される。
3A,3B;4A,4Bは上行および下行に位置する上部瓦構成
部1Aと下部瓦構成部1Bの左右両端の表裏面に略対称的に
且つ左右変位して設けられた接続用の葺合わせ部であ
る。この葺合わせ部3A,3B;4A,4Bは葺合わせた時に必要
に応じて対向して重合する縦長の接続用の凹部3A1,3
B1;4A1,4B1内にセメント、モルタル等の防水用の接着
剤を詰め込むことによって防水性をはかるようになして
もよい。また上行および下行に位置する前記葺合わせ部
3A1,3A1;4B1,4B1は第1図および第4図に示すように
平面において変位量l3、例えば約5〜25cm程度の長さを
もって左右変位した状態に位置を違えて設けられること
により隣接する瓦本体1相互を葺合わせた時に雨仕舞い
を確実になしている。
5は前記上部瓦構成部1Aの上縁の葺合わせ部に横長に
複数本、設けられた溝、6は同じく下行に位置する下部
瓦構成部1Bの突出側の上縁に短かく且つ横長に設けた複
数本の溝であり、これらの溝5,6は上行に他の瓦本体1
を葺合わせる。また溝5,6は葺き合わされた時にこの溝
5,6により、上下に葺合わせた瓦本体1,1相互の葺合わせ
部分の防水性を良好になすためのものである。
また瓦本体1の裏面側においては略周囲および周囲に
囲まれる内域に補強リブが縦横に一体に設けられている
(第5図参照)。この補強リブとしては、上行に位置す
る前記上部瓦構成部1Aの上縁の略全域に設けられる横補
強リブ7aと、下行に位置する下部瓦構成部1Bの下縁に略
全域に設けられる横補強リブ7bと、上部瓦構成部1Aの外
端に設けられる縦補強リブ7c,7dと、下行の下部瓦構成
部1Bの外端に設けられる縦補強リブ7e,7fとから周囲の
補強リブが形成される。このうち前記縦補強リブ7c,7e
は対向する縦補強リブ7d,7fよりもやや薄く形成され
る。これは上行に位置する上部瓦構成部1Aと下行に位置
する下部瓦構成部1Bの一側に隣接する瓦本体1の他側に
設けた葺合わせ部3B,4Bに葺合わせ部3A,4Aを重合させる
ためである。また周囲の補強リブの内域には上行に位置
する上部瓦構成部1Aの下縁部と下行に位置する下部瓦構
成部1Bの上縁部との葺合わせ個所に所望幅l1で所望の厚
みl2、例えば1.2〜4.5cm程度の補強リブとしての前記葺
合わせ重合部2が配置されている。
そして瓦本体1の裏面に設けた周囲補強リブ、すなわ
ち横補強リブ7a,7bと縦補強リブ7c,7d;7e,7fと、これら
の内域に設けられる葺合わせ重合部2等との縦横に設け
た補強リブの設置個所を除く瓦本体1は、厚みが約7mm
程度と薄い薄肉部U,U′に形成されることにより約4.5〜
5.6kg/cm2程度に軽量化してもカケやワレを生ぜずに構
造が堅牢になり、高所での敷設作業も軽量で取扱い易い
ことから落下することがなく、安全且つ確実に行える。
しかも上部瓦構成部1Aと、下部瓦構成部1Bとの薄肉部U,
U′の裏面に周囲補強リブにより囲まれる凹所部O,O′を
形成したことにより、瓦本体1を後記屋根Yに敷設した
場合に、凹所部O,O′が空気層になるので、断熱機能を
発揮したり、またこの凹所部O,O′内に断熱材(図示せ
ず)を詰め込んで収容部となすことにより、断熱機能を
発揮させることができ、しかも降雨時には雨音を遮音す
る。また瓦本体1は屋根Yに敷設した場合に、瓦本体1
の裏面に設けた周囲補強リブと、該周囲補強リブ内に縦
横に設けた葺合わせ重合部2を含む補強リブとの設置個
所以外を厚みが薄い薄肉部U,U′に形成することによ
り、裏面に凹所部O,O′を形成して空気層に形成してい
るので、瓦本体1を屋根Yに敷設すると、瓦本体1は屋
根Yの野路板10に直接に接触する面積が従来よりも少な
くなり、毛細管現象が働かないので、例えば瓦本体1相
互の葺合わせ部分に形成される間隙から雨水が滲み込も
うとしても、雨水は瓦本体1の裏面に滲み込まず、雨水
が洩れるのが防止される。なお補強リブの内部に図示し
ないが鉄筋を配筋したり繊維強化プラスチック等の補強
材を配設すれば一層、構造を堅牢にできる。
8は上行に位置する上部瓦構成部1Aおよび下行に位置
する下部瓦構成部1Bに対応して葺合わせ部分の上縁に適
宜数個設けた取付孔であり、この取付孔8内に釘(図示
せず)を打込むことにより、瓦本体1をルーフィング材
9を介して屋根Yの野地板10に取付ける。
本考案の一実施例は以上の如き構成であり、以下その
敷設工法および雨水の排水方法について作用とともに説
明する。
例えば切妻等の形状の屋根Yに瓦本体1を敷設施工す
るのには、先ず公知の如く野地板10の全表面をルーフィ
ング材9にて覆って防水性をはかる。
そして第1図に示すように、野地板10の軒先の最下段
(この実施例においては図の下方より1行目と2行目に
相当)に位置した端部から瓦本体1を葺き始める。
これには瓦本体1の取付孔8,8,8内に釘を打着するこ
とによって1つの瓦本体1により2行3列で略合計6枚
分の従来の瓦素体に相当する屋根面積を1度にルーフィ
ング材9を介して野地板10に取付けることができる。
次いで1行目と2行目の同行において前記の如く手順
にて取付けた1つの瓦本体1の上部瓦構成部1Aと下部瓦
構成部1Bの一端に設けた葺合わせ部3B,4Bに対して同様
に複数の取付孔8内に釘を打着することによって野地板
10に取付けた隣接する他の瓦本体1の対向端の葺合わせ
部3A,4Aを重合して葺き合わせる。この場合、必要に応
じて葺き合わせ部3A,4A;3B,4Bの上下対向する凹部3A1
4A1;3B1,4B1を重合し、隣接する瓦本体1相互を葺合
わせる。このようにして同列において瓦本体1を左右方
向に略全域にわたって順次、葺き合わせて行く。この
際、隣接する瓦本体1の上部瓦構成部1Aおよび下部瓦構
成部1B相互の上縁および下縁、並びに葺合わせ部3B,4B
に対して葺合わせ部3A,4Aの先端縁を突き合わすように
すれば隣接する瓦本体1相互の位置決めが正確且つ容易
に行なえる。
そして同列において葺始端および葺終端に位置する残
余の空間部については使い勝手が左右異なる1枚の瓦本
体1を第1図の想像線に示すように端から充分な適当長
さに裁断して葺始瓦本体1′と葺終瓦本体1″とを現場
状況に合わせて夫々用意することにより、同様に葺合わ
せ部3A,4A;3B,4Bを葺合わせて1列目および2列目を余
すところなく葺き上げる。
この時、瓦本体1の裏面の略全周囲には横補強リブ7
a,7bと縦補強リブ7c,7d,7e,7fとからなる周囲補強リブ
が設けられ且つこれらの周囲補強リブの内域には幅略l1
であり、且つ厚みl2の葺合わせ重合部2が横長に設けら
れているため(第5図、第9図参照)、作業者が瓦本体
1の敷設作業をする場合に、第2図において瓦本体1を
踏んで体重を矢印イ方向にかけた場合に、瓦本体1は裏
面の略全周囲に設けた横補強リブ7a,7bと縦補強リブ7c,
7d,7e,7fとからなる周囲補強リブとその内域に位置する
横長の前記葺合わせ重合部2によって縦横に補強され、
断面が略Z状に形成されるので、周囲補強リブとその内
域に設けた葺合わせ重合部2等の補強リブの設置個所を
除く、瓦本体1の上部瓦構成部1Aと下部瓦構成部1Bとの
厚みを約7mm程度の薄肉部U,U′に形成することにより、
4,5〜5.6kg/cm2程度に軽量化した場合に、瓦本体1や瓦
本体1よりも薄い葺合わせ部3A,3B;4A,4Bが破損した
り、カケたりすることがなく、荷重および引張力に対し
て構造堅牢になる。このことは図示はしないが、それぞ
れの補強リブの内部に鉄筋を配筋した場合には一層、構
造堅牢になる。
その後同様の手順により軒先から3行目および4行目
を2行の上部瓦構成部1Aおよび下部瓦構成部1Bを有する
1つの瓦本体1を用いて6枚分に相当する瓦素体の屋根
面積を1度に左右方向に葺合わせて行く。この時、軒先
から2列目の上部瓦構成部1Aの上縁部に対して3行目に
位置する上段の下部瓦構成部1Bの下縁部を所望幅で葺合
わせて雨仕舞いをする(第1図および第2図参照)。
このようにして棟部分の両側の傾斜面から棟部分に向
かって瓦本体1を用いて屋根Yの全体を千鳥状の模様に
葺き上げるとともに棟部分において当接する間隙にモル
タル、セメント等の接着材を充填して棟瓦(図示せず)
を用いて塞ぐことにより敷設工事を終える。
上記敷設工事において仮に縦42.5cm、横64.6cm程度の
大きさの瓦本体1を使用した場合には実に屋根Yの葺合
わせ面積、3.3m2あたり15枚程度の瓦本体1を使用すれ
ば葺合わせができ、そしてその瓦本体1の重量は、4.5
〜5.6kg/cm2程度であり、経済的で敷設作業も効率的に
なる。また屋根等の高所での敷設作業も落下の危険がな
く、安全且つ確実に行なえる。
しかも瓦本体1の上部瓦構成部1Aと下部瓦構成部1Bと
の薄肉部U,U′の裏面には周囲の補強リブ、すなわち横
補強リブ7a,7bと、縦補強リブ7c,7d;7e,7fと、これらの
内域に葺合わせ重合部2等の縦横に設けた補強リブとに
より囲まれる凹所部O,O′が形成されて屋根Yの野路板1
0との間に介在されるので、この凹所部O,O′が空気層に
なって断熱機能を発揮したり、または断熱材(図示せ
ず)を詰め込むための収容部として利用できるため、充
分な断熱性を確保できる。従って夏期において直射日光
により屋根瓦が暖められても室内は直接的に暖められな
いので、暑くはならず、また反対に冬期においては室内
からの暖気が外気によって直接的に冷却されるのが防止
されるので、暖かい。
また前述のように凹所部O,O′が形成されるので、降
雨時における雨音は空気層等が形成されて遮音されるた
め、静かである。
しかも瓦本体1は周囲補強リブと、この周囲補強リブ
の内域に縦横に設けた葺合わせ重合部2を含む補強リブ
との設置個所以外は薄肉部U,U′に形成し、その裏面に
は凹所部O,O′を形成して屋根Yの野地材10等に対して
接触する接触面積が従来よりも少ないので、例えば瓦本
体1を屋根Yに敷設した場合に、瓦本体1相互の重合部
分に生ずる間隙から雨水が浸水しようとしても、毛細管
現象は阻止される。従って雨水は瓦本体1の裏面に滲み
渡ることが従来に比して極めて少なく、雨洩れは生じな
い。
そして1つの瓦本体1の上行に位置する上部瓦構成部
1Aと下行に位置する下部瓦構成部1Bとは幅略l1、例えば
0.5〜5cm程度の葺合わせ重合部2を介して一体成形され
ているので、雨がこの葺合わせ重合部2に漏水して浸透
することなく、降雨時の雨仕舞いが確実になるとともに
上部瓦構成部1Aと下部瓦構成部1Bとの位置合わせが正確
に1度に行なえる。また瓦本体1は上行および下行に位
置する上部瓦構成部1Aと下部瓦構成部1Bの両端の表裏面
に略対称的に且つ左右変位して葺合わせ部3A,4A;3B,4B
を設けているので、隣接する瓦本体1を相互に左右方向
に葺合わせた場合に、葺合わせ部3A,3B;4A,4Bが変位量l
3として約5〜25cm程度の長さをもって変位して一個所
に上下方向に一致しないため、降雨時に雨水は葺合わせ
個所に集中せずに排水される結果、葺合わせ部3A,3B;4
A,4Bにおける雨仕舞いは確実になり、漏水や漏れがなく
良好になる。
また第10図乃至第14図に示すものは本考案の第2実施
例であり、この実施例においては上部瓦構成部1Aおよび
下部瓦構成部1Bの表面を2行3列で合計6枚の流水小片
部20a,20b,20c;21a,21b,21cにより区画して左右方向に
変位量l3をもって変位することにより所望幅l1、例えば
0.5〜5cm程の幅で、所望厚さl2、例えば1.2〜4.5cm程の
厚さの横長の前記葺合わせ重合部2を介して流水小片部
20a,20b,20c;21a,21b,21cを千鳥状に配列している(第1
0図参照)。
22は上行および下行の前記流水小片部20a,20b,20c;21
a,21b,21c相互を区画するために、それぞれの下縁より
縦長に伸びた複数の溝であり、このうち上行に位置する
流水小片部20b,20cの下縁中央線M上に下行の流水小片
部21a,21b,21cを区画する溝22,22が葺合わせ重合部2を
介して略一致し、且つ下行の溝22の上端が上行に位置す
る上部瓦構成部1Aの下縁に略一致するように伸びてい
る。
23は瓦本体1を形成する上部瓦構成部1Aおよび下部瓦
構成部1Bの裏面に周囲の前記補強リブの内域において前
記葺合わせ重合部2の上下に2本づつ、合計4本が前記
溝22に一致して設けられた縦補強リブであり、しかもこ
の縦補強リブ23,23は前記葺合わせ重合部2を介して上
下に断面略Z状に形成されそして、前記実施例と同様に
瓦本体1は、その裏面に設けた周囲補強リブ、すなわち
横補強リブ7a,7bおよび縦補強リブ7c,7d;7e,7fと、その
内域に縦横に設けた葺合わせ重合部2と、縦補強リブ23
との設置個所以外の個所に薄肉部U,U′を形成すること
により、凹所部O,O′を形成して断熱層として空気層を
形成したり、この凹所部O,O′に断熱材を詰め込むよう
になっている(第14図参照)。
そしてこの第2実施例においては瓦本体1の上部瓦構
成部1Aと下部瓦構成部1Bとの表面に2行3列の流水小片
部20a,20b,20c;21a,21b,21cを区画するために設けた溝2
2に略一致するように縦補強リブ23を複数本、互い違い
に補強リブとしての横長の葺合わせ重合部2の上下に配
列して断面略Z状に形成されている(第14図参照)の
で、特に瓦本体1の表面に溝22を設けることにより薄く
形成された薄肉部U,U′に作業者の荷重が例えば第2図
矢印イに示す方向にかかった場合に、その荷重は第11図
に示すように葺合わせ重合部2から矢印a1,a2に示す方
向および複数の縦補強リブ23に矢印a3,a4に示す方向に
全体的に分散される。またその荷重とは反対方向の引張
力が瓦本体1に作用した場合に、周囲補強リブおよびそ
の内域の葺合わせ重合部2と縦補強リブ23とが協同して
剛性を発揮するのでワレやカケを防いで構造堅牢になる
点が前記第1実施例と異なる効果がある。
さらに第15図および第16図に示すものはこの考案の第
3実施例であり、この実施例においては上記第2実施例
に比べて流水小片部の数が2行2列に少なくして軽量化
をはかり、運搬および取扱を容易になしたものであり、
そのほかの構成、作用は上記第2実施例と同様である。
なお上記第2実施例および第3実施例において瓦本体
1の上部瓦構成部1Aおよび下部瓦構成部1Bを2行3列、
または2行2列の配列の流水小片部により形成している
が、流水小片部の行列の数の増加は自由であり、しかも
必ずしも上列および下列に位置する流水小片部20a,20b,
20c;21a,21b,21cを左右位相を違えて千鳥状に配列する
のに限らず、同列の格子状に配列するものであっても本
考案の範囲を逸脱するものではない。
また上記第2実施例および第3実施例においては隣接
する流水小片部20a,20b,20c;21a,21b,21cを区画するた
めに縦に配列された複数の溝5によって区画するように
なしたが、雨水を下段に排水するのには必ずしも溝5に
限らずに突条であってもよい。そして溝5または突条の
設置位置または設置個数は容易に増減変化できる。
〔考案の効果〕
上述のように本考案は、上部瓦構成部と下部瓦構成部
とを所望幅、所望厚さの横長の葺合わせ重合部を介して
一体成形したものであるので、従来に比して数枚の瓦素
体に相当する瓦本体を屋根に1度に敷設施工することが
でき、もって瓦葺作業に要する敷設施工に手間がかから
ず、しかも葺合わせ重合個所を除く屋根瓦の屋根に対す
る1度の敷設面積は広く、効率的に屋根の敷設が行え、
しかも製作費および施工費が低廉になる。しかも瓦本体
の裏面には周囲補強リブを設け、その内域には葺合わせ
重合部を含む補強リブを縦横に設けてこれ等の補強リブ
の設置個所を除く瓦本体の厚みを薄肉に形成して軽量化
しても、敷設施工中に作業者が瓦本体を踏んで体重をか
けた場合にもワレやカケを生ずることなく構造堅牢にな
り、耐命性を向上でき、屋根等の高所における作業も落
下することなく安全且つ確実に作業が行なえる。
さらに瓦本体はその裏面に設けた周囲補強リブと、そ
の内域に縦横に設けた葺合わせ重合部、そのほかの補強
リブの設置個所以外を薄肉部に形成したことにより、裏
面には凹所部が形成されているので、この凹所部を断熱
層としての空気層に形成したり、または断熱材を詰め込
むことにより、充分な断熱性が確保できる。また瓦本体
の裏面に形成される凹所部は空気層等になるので、降雨
時に遮音され、静かに過すことができる。しかも瓦本体
を屋根等に敷設した場合に、凹所部が空気層になって屋
根に対する接触面積が従来よりも少なくて済むので、瓦
本体相互の葺合わせ重合個所相互間に生ずる間隙から雨
水が毛細管現象により瓦本体の裏面に滲み渡るのが阻止
され、雨洩れが防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の第1実施例を示した平面図、 第2図は同じく敷設状態を示した断面図、 第3図は同じく横断面図、 第4図は本実施例を構成する瓦本体を示す正面図、 第5図は同裏面図、 第6図は同平面図、 第7図は同底面図、 第8図は同右側面図、 第9図は第4図のI−I断面図、 第10図は第2実施例を示した正面図、 第11図は同裏面図、 第12図は同平面図、 第13図は同底面図、 第14図は前記第10図のII−II断面図、 第15図は第3実施例の正面図、 第16図は同裏面図である。 1……瓦本体、1A……上部瓦構成部、1B……下部瓦構成
部、2……葺合わせ重合部、20a,20b,20c;21a,21b,21c
……流水小片部、22……溝、7a,7b……横補強リブ、7c,
7d,7e,7f;23……縦補強リブ。

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部瓦構成部と下部瓦構成部とを左右変位
    することにより瓦本体を一体形成し、前記上部瓦構成部
    と下部瓦構成部の表裏面に略対称的に且つ左右変位して
    葺合わせ部を設けた屋根瓦において、前記瓦本体の裏面
    に周囲補強リブを設け、該周囲補強リブの内域には所望
    幅、所望厚さの横長の葺合わせ重合部を配設して前記上
    部瓦構成部と、前記下部瓦構成部とを一体形成するとと
    もに他の補強リブを縦横に設け、該補強リブ、周囲補強
    リブ、および前記葺合わせ重合部の設置個所を除く前記
    瓦本体は厚みが薄い薄肉部に形成され、該薄肉部の裏面
    には前記周囲補強リブにより囲まれる凹所部を形成した
    ことを特徴とする屋根瓦。
  2. 【請求項2】前記上部瓦構成部および前記下部瓦構成部
    の表面を複数の溝により適宜数行数列の流水小片部に区
    画し、該溝によって区画される上行の流水小片部の下縁
    中央線上に下行の流水小片部を区画する前記溝の1つが
    略一致して配置されるとともに前記流水小片部の裏面内
    域には前記溝に略一致して複数の前記補強リブを設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の屋根瓦。
  3. 【請求項3】前記流水小片部が2行3列に配列されたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の屋根瓦。
  4. 【請求項4】前記流水小片部が2行2列に配列されたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の屋根瓦。
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