JP2519102B2 - 水性液を比重に関して試験するための組成物及び方法 - Google Patents

水性液を比重に関して試験するための組成物及び方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、試験試料を、比重に関して試験するための
組成物及び方法に関係する。更に詳しくは、本発明は、
試験試料と試薬組成物との接触によって検出及び測定可
能な応答が発生するような、キャリヤーマトリクス中に
導入された試薬組成物を含む試験具を用いるこにより、
尿のような水性の液体を比重に関して試験するための新
規なかつ改良された方法及び組成物に関する。試験試料
と試薬組成物との間の接触から得られる応答を、試験試
料の比重に関連させることができる。試薬組成物は、試
験試料の比重に対する高められた感度を与え、水性試験
試料の比重を視覚的にまたは装置によってより正確に測
定するために、異なる比重の試験試料の間の改良された
色相違を与える。更に、本発明は、キャリヤーマトリク
ス中に導入された比重試薬組成物を用いて、改良された
方法で、乾燥状態の試験片試験法によって水性試験試料
の比重を測定することに関する。
発明の背景及び従来技術 尿又は血清のような水性試験試料の比重は、試験試料
の全容量に対する、試験試料中に溶解した固体物質の相
対割合の尺度である。概して、水性試験試料の比重は、
濃度の相対的な度合又は試験試料の希釈度の相対的な度
合の尺度である。尿試料に関しては、比重に関する試験
は、通常の尿検査において行なわれる他の試験の結果を
解釈するのを補助するのに重要である。臨床的には、液
体制限又は増加した液体摂取の適当なかつ標準化された
条件下で、尿試料の比重によって、個人の腎臓の濃縮能
及び希釈能が測定される。
尿の比重は、通常約1.005〜約1.030の範囲であるが、
殆どの場合には、尿の比重は約1.010〜約1.025の範囲で
ある。尿の比重は、朝一番の尿検体において最も高く、
通常1.020以上である。ランダムな朝一番の尿検体にお
いて比重が約1.025以上であることによって、腎臓の通
常の濃縮能が示される。腎臓が尿を濃縮する能力は濃縮
試験によって測定することができる。濃縮試験は、夕食
後に液体の摂取を止めることによって行なわれる。次
に、夜の間に排出された尿を廃棄し、朝一番の尿を試験
する。臨床的には、1.025以上の尿比重が正常であると
考えられ、腎臓が通常に機能していることが示される。
また、希釈試験を用いて、腎臓が液体を濃縮する能力
が測定される。しかしながら、これらの試験は、希釈試
験によっては腎臓機能に関して僅かな情報しか与えられ
ないので、濃縮試験よりも有用性が低い。更に、希釈試
験は、患者に対して潜在的な危険性がある。例えば、Ad
dison's病のような特定の疾病に罹っている患者に対し
ては希釈試験を避けることが勧められる。希釈試験は、
患者が、好適な水負荷量、通常は30分毎に約1を摂取
することを必要とする。次に、約1時間以内に、通常の
患者は、1.003未満の比重を有する少なくとも1回の尿
検体を排出する。
尿の比重が以上に低かったり、あるいは以上に高かっ
たりすることは、臨床的に重要である。例えば、抗利尿
ホルモン(ADH)の通常の機能が存在しないかあるいは
これが損傷していることによって起こる疾病である尿崩
症は、腎臓の濃縮能が損傷する最も重大な例である。こ
の疾病は、低比重の大量の尿が排出されることを特徴と
する。尿崩症に罹った人間の尿比重は、通常1.001〜1.0
03の範囲である。低い尿比重は、また、糸球体腎炎、腎
孟腎炎及び種々の他の腎臓異常に罹った人間におい起こ
る。これらの場合には、尿細管の損傷のために、腎臓が
尿を濃縮する能力が失われている。
また、異常に高い尿比重は、疾病状態を示すものとな
る。例えば、糖尿病、副腎不全、肝障害又は鬱血性心不
全に罹った人間においては高いものである。同様に、比
重は、発刊、発熱、嘔吐及び下痢のような水分の過度の
損失があると上昇する。更に、異常に高い量のある尿成
分、特にグルコース及び蛋白質によって、糖尿病又は腎
炎に罹っている一部の人間の尿比重が1.050以上に上昇
する。一般に、比重は、尿中のグルコースが1%増加す
る毎に0.004、尿中の蛋白質が1%増加する毎に0.003上
昇する。更に、検体と検体とでほとんど変化しない約1.
010の一定の低い比重を有する尿は、等張尿として知ら
れている。この条件は、腎臓の濃縮能及び希釈能の両方
に対する障害を与える重大な腎臓障害を示すものであ
る。
したがって、人間が、一貫して異常に高いか又は以上
に低い尿比重を有しているかどうかを測定し、医療処理
の進行を監視するのを補助し、その有効性を測定するた
めに、簡単で、正確で、安価な比重試験が開発されてい
る。一般に、試験試料の比重は、試験試料の濃度に関連
する測定値である。比重は、尿のような試験試料の与え
られた容量の重量の、標準条件下における同容量の水の
重量に対する比から誘導される値である(次式1)。
水は1.000の比重を有している。尿は、水中の、無機
物、塩及び有機化合物の溶液であるので、尿の比重は1.
000よりも大きい。相対的な差によって、尿検体の濃縮
度合が示され、これが尿中の全固形分の尺度となる。
尿の比重を測定するためにいくつかの方法を利用する
ことができる。最も広く用いられており、おそらくは最
も正確性の少ない方法は、尿比重計を用いる方法であ
る。尿比重計は、比重の読みが較正されているスケール
を有する、円筒形の軸部を有する秤量されたバルブ形の
装置である。尿試料を含む円筒中に尿比重計を浮遊さ
せ、尿比重計が尿試料中に沈む深度によって尿の比重を
測定する。比重は、尿と空気との接触部における尿比重
計のスケールから直接読取られる。尿比重計法は、煩雑
であり、大量の尿試験試料を必要とする、尿比重計のス
ケールの読取りが困難で不正確である、尿比重計が規則
的に再較正されないので信頼できない試験になるといっ
た欠点を有している。更に、それぞれの尿比重計は、各
装置において示されている特定の温度における蒸留水中
で1.000を読取るように較正されている。この温度が3
℃上下すると0.001の比重の変化がある。したがって、
正確な作業のために、読みに対して温度補正を行なわな
ければならない。また、グルコース又は蛋白質が尿試料
中に存在している場合にも補正が勧められる。
屈折率測定法は、尿の比重を間接的に測定する方法で
ある。屈折率は、溶液中の光の速度に対する空気中の光
の速度の比である。屈折率は、尿の比重とは同一のもの
ではないが、屈折率を比重に関連させることができる。
尿の屈折率は、尿中の溶解粒子の数によって直接変化
し、したがって、尿の比重によって直接変化する。した
がって、尿の屈折率の測定値を尿の比重に関連させるこ
とができる。
比重測定が1滴程度の僅かな量の尿で可能であるの
で、尿の比重を測定する屈折計法が望ましい。屈折率を
測定するのに用いられる屈折計は、比重、屈折率及び全
固形分含有量の見地から較正されている手持型の小型の
装置である。屈折形は、一滴の尿を、屈折計の適当な試
料スロット中に配置することを必要とする。装置を光源
に向けて保持し、比重、屈折率又は固形分含有量のいず
れかに関する試験を、接眼レンズ内に配置された較正ス
ケールから直接読取る。屈折計上の比重スケールを、1.
000〜1.035の範囲で0.001の目盛りで読取る。屈折計
は、毎日較正が必要であり、家庭における試験に受け入
れられないという欠点を有する。
比重に関する第3の尿試験法である液滴落下法は、尿
比重計と同様に尿比重を直接測定する方法である。この
方法によれば、尿の液滴を、増加する既知の比重を有す
る溶媒混合物が充填された一連のカラムのそれぞれの中
に導入する。尿の液滴の最初の運動が消滅した後に、尿
の液滴が停止して上昇も下降もしなかったら、尿の比重
がその特定のカラムの溶媒混合物と同等のものであると
測定される。この方法においては、キシレン及びブロモ
ベンゼン、クロロホルム及びベンゼン、あるいはブロモ
ベンゼン及びケロシンの一連の混合物が用いられる。屈
折計の開発以前には、比重試験を行なうのに数滴の試験
試料しか必要としないという有利性を有していた。しか
しながら、かかる系を構築するには明らかに時間を必要
とし、個人が試験を家庭で行なうことができないで、液
滴落下法によっては、通常の尿試験における広範囲に渡
る用途は達成されない。
上記記載の液滴落下法は、また、機械を用いて行なう
ことができる。上記記載の等級付けられた溶媒混合物と
は異なり、機器をベースとする試験は、制御された比重
及び粘度を有するシリコーンオイルが充填された特に設
計されたカラムを用いる。このカラムは、正確に測定さ
れた試験試料の液滴が、試験試料よりも僅かに低い密度
を有する水混和性シリコーンオイルが充填された温度制
御カラム内の、一方が他方の上部に配置されている二つ
の光学ゲートによって画定されている距離を落下するの
に必要な時間が測定されるように設計されている。ラン
プからの光線は、カラムのオイルを通って移動して、カ
ラムの反対側の壁部上に配置されているフォトトランジ
スタに衝突する。ピペットによってカラム内に施された
尿の液滴は、それがオイルを通って落下するにつれて光
線を遮断する。上部の光線を尿の液滴が遮断したら電子
タイマーが始動し、下部の光線を遮断したらタイマーが
停止する。落下時間が電子的に測定され、これから比重
単位が算出される。この比重測定法は非常に正確である
が、試験装置のコスト及び装置を操作するのに必要な熟
練度のために、尿の比重に関する家庭の試験においては
非実用的である。
上記記載の装置をベースとする比重試験法のいずれも
欠点を有しており、そのために、これらの試験法のいず
れも、研究者の事務所又は研究室の外で比重試験を行な
うために特に適してはいない。したがって、比重試験を
家庭において行なうことができるように、試薬含浸試験
片が開発されている。比重測定のために開発された試験
片試験は、試験片が尿試験のイオン強度に応答して色を
変化させる間接的な試験法である。
今日における比重試験片は、3種類の本質的な成分:
部分的に中性化されているポリ(メチルビニルエーテル
/マレイン酸)のような高分子電解質;ブロモチモール
ブルーのような色原性指示薬;及び好適な緩衝剤を含む
試薬組成物が含浸されたキャリヤーマトリクスを有して
いる。この試薬組成物は、尿試料中の数多くのイオン又
は電解質に対して感受性を有しており、試薬組成物の高
分子電解質は、尿試料のイオン強度に応答してpka(酸
解離定数)の変化を受ける。したがって、尿中の電解質
の濃度が上昇すると(高比重)、遊離カルボキシル基が
カルボキシレート基に転化するので試薬組成物中に存在
する高分子電解質のpkaが低下する。全体的な結果は、
増加した比重に応答した、pHの低下、及び、青緑から
緑、それから黄緑へのブロモチモールブルー色原性指示
薬の色変化である。イオン強度の増加又は比重の増加に
よるpH変化を示す、得られる色変化が、試験試料の比重
に経験的に関連付けられる。
比重試験において用いられているいくつかの試験片
は、緩衝された高分子電解質及び色原性指示薬色素組成
物が含浸されたキャリヤーマトリクスの小さな正方形の
パッドから構成される単一の試験領域を有している。他
の試験片は、上記記載のような比重試験のための一つの
試験領域を含み、他の尿成分を同時に試験するため同一
の試験片上のいくつかの更なる試験領域を更に含む多成
分測定試薬片である。どちらのタイプの試薬含浸試験片
に関しても、尿の比重に関する試験は、試験片を、十分
に混合された非遠心尿試料中に浸漬し、次に、試験片の
試験領域の得られた色を、試験片の瓶に備えられている
標準色チャートと比較することによって簡単に行なわれ
る。
部分的に中性化されたポリ(メチルビニルエーテル/
マレイン酸)高分子電解質及びブロモチモールブルー指
示薬を用いる試験片に関しては、1.000〜1.030の範囲の
比重について、水性試験試料の比重に関する半定量試験
を行なうことができ、報告されている。1.000の読み、
又は青緑色は、色原性指示薬色素の色変化が無いことに
よって示されるように、尿が極めて低い比重を有してい
ることを示す。1.005〜1.030の範囲の比重は、青緑から
緑を経て黄緑への色変化によって示され、これが増加す
る比重の確実な指示薬として機能する。
今日の試薬片法によれば、尿試料の比重が約1.000〜
約1.030の範囲内であることを、個人が容易に視覚的に
測定することができる。しかしながら、今日市販されて
いる試験片によって得られる色分割は、0.003異なる比
重のような、異なるがほぼ同等の比重を有する液体試験
試料の間を識別するのには不十分なものである。異なる
がほぼ同等な比重を有する試験試料の間を識別できない
ということは、健康な人間は、通常、約1.005〜約1.030
の範囲の尿比重を有しているので臨床的に重要である。
したがって、正確な比重試験を、他の尿分析対象物に関
する試験と組み合わせて解釈し、確実な診断を与える
か、又は、正しい医療処理を開始することができるよう
に、これらの通常の値の僅かに上又は僅かに下の尿比重
をより正確に測定することが重要である。
したがって、1.000〜約1.005、約1.005〜約1.010、及
び約1.010〜約1.015、並びに更に約1.045〜約1.050の間
迄の範囲内の比重値を視覚識別できる、尿比重に関す
る、簡単で、正確で信頼できる方法を得ることが極めて
遊離であろう。浸漬読取り試験片のようなフォームを用
いて容易に尿比重を測定する正確な方法を提供すること
によって、尿試験を研究室の人間によって行なって、迅
速な試験結果を得ることができる。試験結果を待つこと
なく診断を行なうことができ、試料処置を速やかに始め
ることができるように、比重試験の結果を、他の尿成分
に関する試験と組み合わせて解釈することができる。更
に、試験片法を患者によって家庭で行ない、尿の比重を
より正確に測定し、したがって、患者が受けている医療
処置の結果を監視するのを補助することができる。
以下により詳細に説明するように、本発明方法によっ
て、モリブデン酸塩色素コンプレックスが導入されてい
る比重試験試薬組成物を含む試験片を用いることによ
り、尿の比重に関して、より迅速に、正確にかつ確実に
試験を行なうことができる。モリブデン酸塩色素コンプ
レックスを含む比重試験試薬組成物によって、試験感度
が向上し、約1.000〜約1.030の比重範囲においては0.00
3程度のほとんど差のない比重を有する尿試験の間の、
また、約1.030〜約1.050の比重範囲においては0.005程
度のほとんど差のない比重を有する尿試料の間の十分な
視認色識別が与えられる。したがって、約1.000〜約1.0
50の尿比重を正確に測定することができる。
個人の尿比重は、彼の病理学的障害の正確な性質及び
彼の特定の疾病の重さに依存する。異常に高いか又は異
常に低い尿比重は、断続的又は継続的である可能性があ
る。したがって、尿及び他の水性試験試料の正確かつ確
実な比重試験は、研究室及び家庭用の両方に適用できな
ければならない。正確な診断を行ない、正しい試料処置
を実施し、監視し維持することができるように、試験に
よって、異常に低いか又は異常に高い比重を正確に測定
することができなければならない。更に、尿又は他の水
性試験試料の比重の簡単かつ経済的な測定のために、浸
漬読取り形式で比重試験方法を用いることができれば有
利であろう。
更に、尿又は他の水性試験試料の比重に関して試験す
る方法は、pH変化や、蛋白質又はグルコースのような他
の試験試料成分との選択的な相互作用のような競合する
化学的もしくは物理的相互作用の結果としてではなく、
試験試料の比重に応答した相互作用の結果として色変化
を受ける比重試薬組成物を用いることによって、正確で
信頼でき、再現性のある結果を与えなければならない。
更に、乾燥試薬片を用いる比重試験法が、尿又は他の水
性試験試料の比重の、迅速で、経済的でかつ正確な測定
を行なうために提供されれば有利であろう。更に、比重
試験において用いられる方法及び組成物は、多重試験パ
ッド片上に存在する他の試験試薬パッドに悪影響を与え
たり障害を与えてはならない。
本発明以前には、比重に関して尿又は他の水性試験試
料を試験する公知の方法のいずれも、約1.000〜約1.050
の範囲において正確で信頼できる比重試験を行なうのに
十分な感度及び色識別を与える試薬組成物は含まれてい
ない。更に、部分的に中性化された高分子電解質及びブ
ロモチモールブルーのような色素を用いる乾燥相試薬試
験片が広範囲にわたって用いられているが、乾燥相試験
片のいずれも、0.003程度のごく僅かに異なる比重を有
する試験試料の間の比重の識別ができるのに十分な感度
及び十分な視認色分割を与えるモリブデン酸塩色素コン
プレックスを包含してはいない。
従来技術には、尿の比重試験において用いられている
高分子電解質の化学に関する多数の文献がある。例え
ば、米国特許第4,318,709号及び同第4,376,827号におい
ては、尿比重に関する試験に用いられる塩基性高分子電
解質/色素法が開示されている。どちらの特許において
も、高分子電解質/色素化学を用いて、色素の色変化を
監視することによって尿の比重を測定することが教示さ
れている。
しかしながら、本発明の詳細な説明において詳しく説
明するように、本発明によって、比重試薬組成物の指示
薬成分としてモリブデン酸塩/色素コンプレックスを用
いることによる、尿又は他の水性試験試料の比重を正確
に測定するための組成物及び方法が提供される。モリブ
デン酸塩/色素コンプレックスは、試験試料中の蛋白質
と相互作用として色変化を生起せしめることが知られて
いる。しかしながら、本発明に重要な特徴によれば、モ
リブデン酸塩/色素コンプレックスと蛋白質との間の相
互作用から得られる色変化は、試験試料のイオン強度に
対して極めて感度が高く、したがって、試験試料の比重
に対しても同様に感度が高いことが分かった。その結
果、試験試料のイオン強度又は比重に対する、モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスと蛋白質との相互作用の感
受性によって、水性試験試料の比重を、間接的ではある
が正確に測定する方法が提供されることが示された。
出版物“Color Reaction Between Pyrogallol Red−M
olybdenum(VI)Complex and Protein"、Y.フジタ、I.
モリ及びS.キタノ、分析化学、32、pp.E379−E386(198
3)において、蛋白質とピロガロールレッドモリブデン
コンプレックスとの間の相互作用が初めて記載された。
報告されている方法は、試験試料の蛋白質濃度を測定す
るために、モリブデン酸塩/色素コンプレックス中にキ
レート剤または金属イオンを導入することを必要として
いる。
同様に特開昭61−155757号(1986年)においては、モ
リブデン/色素コンプレックスと、キレート剤またはあ
る金属イオンのいずれかとを含む組成物を用いることに
よって、試験試料中の微量蛋白に関して試験する比色法
が開示されている。しかしながら、特開昭61−155757に
おいて開示されている方法は、強烈なイオン強度および
比重による障害を受けることが分かった。モリブデン酸
塩/色素コンプレックスが蛋白質と結合する度合、した
がって色変化の度合は、試料のイオン強度に逆相関して
いることが示された。その結果、イオン強度の低い(比
重の低い)尿試料の試験は、同じ蛋白質含有量を有する
がより高いイオン強度(より高い比重)を有する尿試料
の試験よりも、試験片においてより大きな色変化を生成
する(したがってより多くの蛋白質含有量を示す)。予
期しなかったことに、本発明において用いている比重試
薬組成物は、蛋白質試験においてみられるイオン強度/
比重の障害を利用して、蛋白質のような他の試験試料成
分にかかわらず正確な比重試験を与える。
特開昭61−155757において記載されている方法は、ま
た、出版物“Urinary Protein as Measured with a Pyr
ogallol Red−Molybdate Complex,Manually and in a H
itachi 726 Automated Analyzer"、N.ワタナベ、S.カメ
イ、A.オオクボ、M.ヤマナカ、S.オオサワ、K.マキノ、
and K.トクダ、Clin.Chem.,32/8,p.1551−1554(1986)
において更に説明されている。ワタナベらの文献におい
ては、モリブデン酸塩/色素コンプレックスを用いる尿
中蛋白の自動検出または手動検出が記載されている。該
文献において、蛋白質とモリブデン酸塩/色素コンプレ
ックスとの間の重要な相互作用は、自動化試験に関して
37℃においては、少なくとも8分間継続し、10分以内に
完了するが、手動試験に関しては、応答に関して試験を
評価する前に相互作用を少なくとも20分間継続させるこ
とが報告されている。更に、上記記載のイオン強度障害
に対しては、完全な色変化を生起せしめるためのかかる
長い相互作用時間は、不都合であり、かつ、誤った試験
を導く可能性があるので、色変化の度合、したがって蛋
白質含有量を極めて迅速に測定しなければならない。し
かしながら、本発明方法によれば、モリブデン酸塩/色
素コンプレックスを含む比重試薬組成物を用いた試験試
料の比重に関する試験は、2分未満で実質的に完了し、
したがって、誤った試験の可能性を大きく低めた迅速な
比重結果が与えられる。
従来技術と対比して、かつ現在市販されている試験片
と対比して、本発明方法は、モリブデン酸塩/色素コン
プレックスを含む比重試薬組成物を用いることによって
尿比重試験の測定において向上した感度を与え、それに
よって、約1.000〜約1.030の比重を有する液体に関して
は0.003以内、約1.030〜約1.050の比重を有する液体に
関しては0.005以内のような正確な比重試験が達成され
る。予期しなかったことにかつ驚くべきことに、本発明
方法によって、同様に従来技術と対比して、液体試験試
料の比重の簡単で迅速な測定を行なうことができる。し
たがって、本発明方法によれば、モリブデン酸塩/色素
コンプレックスを含む比重試薬組成物を用いることによ
って、約1.000〜約1.050の範囲において、比重に関する
尿及び他の水性試験試料の乾燥相試薬片試験で新規なか
つ予期しなかった結果が得られる。
発明の概要 簡単に言うと、本発明は、液体試験試料の比重、特
に、尿又は血清のような水性試験試料の比重を測定する
ための新規なかつ改良された方法及び組成物に関する。
かかる方法は、試験試料と相互作用して、試験試料の比
重に関連付けることのできる検出及び測定可能な応答を
生成することのできる試薬組成物を用いることを包含し
ている。家庭用のためには、かかる試薬組成物は視覚検
出可能な応答を生成する。実験室用のためには、かかる
試薬組成物は、視覚的に又は装置によって検出しうる応
答を生成する。かかる方法は、比重試薬組成物が検出具
のキャリヤーマトリクス中に導入されている乾燥相試験
に好適である。検出具のキャリヤーマトリクスは、紙
のような吸収性(bibulous)多孔性材料、又は、ポリマ
ー材料の透過性片、層又は膜のような非吸収性(nonbib
ulous)多孔性材料で構成される。比重試薬組成物がキ
ャリヤーマトリクス中に均一に導入されており、キャリ
ヤーマトリクスは、液体試験試料に関するキャリヤーマ
トリクスの浸透性を保持すると同時に、比重試薬組成物
をキャリヤーマトリクス全体にわたって均質に既知の濃
度で保持する。
更に詳しくは、本発明は、新規なかつ改良された比重
試薬組成物を用いることによる、尿または他の水性試験
試料の比重に関して試験する方法に関する。モリブデン
酸塩/色素コンプレックスを含む試薬組成物を用いるこ
とによって、試験試料の比重に対する感度が十分に向上
し、水性試験試料の比重を正確に測定するのに十分な異
なる比重を有する試験試料の間の色相違を与えることが
示された。本発明の重要な特徴によれば、尿又は他の試
験試料の比重を、約1.000〜約1.050の間、特に、約1.00
5〜約1.035の間で正確に測定することができる。本発明
の比重試薬組成物中にモリブデン酸塩/色素コンプレッ
クスを用いることにより、比重試薬組成物によって、改
良された方法の感度及び異なる比重の試料間の改良され
た色相違が達成されるので、尿又は他の水性試験試料の
比重をより正確に測定することができる。更に、驚くべ
きことにかつ予期しなかったことに、モリブデン酸塩/
色素コンプレックスを含み、比重検出具中に導入された
比重試薬組成物によって、約1.000〜約1050、特に約1.0
05〜約1.035のような比重を、約1.000〜約1.030の比重
を有する尿及び他の試験試料に関しては約0.003以内、
約1.030〜約1.050の比重を有する尿及び他の試験試料に
関しては約0.005の範囲内で正確に測定することができ
る。
したがって、水性液の比重を測定するための新規なか
つ改良された方法及び組成物を提供することが本発明の
目的である。
本発明の他の目的は、尿又は他の水性試験試料を比重
に関して試験する、簡単で、確実で、正確でかつ再現性
のある方法を提供することである。
本発明の他の目的は、水性試験試料と相互作用して、
試験具の色変化のような、試験液の比重の尺度となる視
認可能な変化を生成するための新規なかつ改良された組
成物を提供することである。
本発明の他の目的は、比重の間の識別及び測定を行な
うのに十分な感度及び十分な視認色分割を与える、尿又
は他の水性試験試料を試験する方法を提供することであ
る。
本発明の更に他の目的は、約1.000〜約1.050の間の比
重に対して感度が高く、約1.000〜約1.030の比重を有す
る試験試料に関しては約0.003程度の僅かに異なる、約
1.030〜約1.050の比重を有する試験試料に関しては約0.
005程度の僅かに異なる比重を有する試験試料の間を識
別する、尿又は他の水性試験試料を試験する方法を提供
することである。
本発明の他の目的は、指示試薬組成物を用いる尿又は
他の水性試験試料を試験する方法を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、尿又は他の水性試験試料の成分
と相互作用して、検出及び測定可能な色変化を与え、試
験試料の比重を確立することのできる比重指示試薬組成
物を用いることによって、尿又は他の水性試験試料を試
験する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、試料試験成分と相互作用して、
視覚的及び/又は装置によって識別しうる色変化を与
え、約1.000〜約1.050、特に約1.005〜約1.035のレベル
の尿又は他の水性試験試料の比重を測定することのでき
る比重試薬組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、モリブデン酸塩/色素コンプレ
ックスを含む比重試薬組成物を乾燥相検出具中に導入す
ることによる、液体試験試料の比重に関して試験する方
法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、その中に試験試料の成分と
相互作用しうる比重試薬組成物が導入されているキャリ
ヤーマトリクスを有し、該キャリヤーマトリクスが、
紙のような吸収性マトリックス、又は、透過性ポリマー
材料の層、フィルムもしくは膜のような非吸収性マトリ
ックスから構成されている試験具を用いることによっ
て、水性試験試料の比重に関して試験する新規なかつ改
良された方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、モリブデン酸塩/色素コン
プレックスを含む比重試薬組成物をキャリヤーマトリク
ス中に導入し、液体試験試料の比重に応答した新規なか
つ予期しなかった正確性の高い試験片を得ることのでき
る、新規なかつ改良された乾燥相試験片を提供すること
である。
本発明の上記の及び他の目的並びに有利性並びに新規
な特徴は、本発明の以下の詳細な説明から明らかとなる
であろう。
発明の詳細な説明 本発明方法によれば、モリブデン酸塩/色素コンプレ
ックスを含む比重指示試薬組成物を用いることによっ
て、尿及び他の水性試験試料の比重試験が行なわれる。
モリブデン酸塩/色素コンプレックスを含む比重試薬組
成物を用いることによって、十分な感度及び異なる比重
の試験試料の間の十分な視認色識別が達成される。した
がって、水性試験試料の正確で再現性のある比重試験が
可能である。更に、本発明方法によって得られる試験試
料の比重に対する向上した感度及び色分割は、尿試験に
おいて特に有用である。
今日の商業的な比重試験は、異なるほとんど同等であ
る比重の間を有効に識別することができない。しかしな
がら、本発明の方法及び組成物によれば、約1.000〜約
1.050、特に1.005〜1.035の間の比重を、ほとんど同等
の比重から識別し、正確に測定することができる。健康
な人間に関する約1.010〜約1.025の通常の比重範囲の上
下の尿比重が、潜在的な腎臓障害を示している可能性が
あるので、比重レベル間の識別は、臨床的に重要であ
る。他の尿分析対象物に関する試験と組み合わせて解釈
される正確な尿比重試験によって、疾病状態の診断を補
佐することができる。約1.020〜約1.025の比較的通常の
範囲内の尿比重に関しては、本発明方法によって、尿比
重に対する更に向上した色識別及び向上した感度が得ら
れることに注意すべきである。しかしながら、臨床的な
利点は、この通常の比重範囲において、他の分析対象物
に関する尿試験と組み合わせて比重試験を解釈し、全て
の試験によって、更に調査しなければならない異常な生
理学的状態に関する情報を与えることができるようにす
ることによって実現される。
更に、尿の試験に加えて、本発明の方法及び組成物を
用いて、血漿及び血清の比重、より一般的には、更に多
くの他の生理学的液体の比重を測定することができるこ
とが明らかとなろう。本発明の有利性を十分に達成する
ためには、本発明の方法及び組成物を、乾燥相の試験パ
ッド試験において用いて、尿又は他の水性試験試料の比
重を測定する。
驚くべきことにかつ予期しなかったことに、モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスを含む比重試薬組成物を、
色素結合法において用いて、水性試験試料の比重を測定
すると、試験試料の比重に対して改良され向上した感
度、及び、異なる比重の試験試料の間の向上した視認色
識別が示されることが見出された。モリブデン酸塩/色
素コンプレックス比重試薬組成物を用いた色素結合法に
よって、試験試料の比重を0.003以内で測定できるよう
な、より正確で信頼性のある比重試験が提供される。
比重試験において現在用いられている色素は、異なる
イオン強度又は比重の尿との接触によって、部分的に中
性化されているポリ(メチルビニルエーテル/マレイン
酸)のような高分子電解質におけるpKa(酸解離定数)
の変化による異なる色変化を受ける。この現象は、Falb
らの米国特許第4,318,709号において記載されており、
ここでは、pKaの変化を観察するのに必要な種々の色
素、高分子電解質及びバッファーが開示されている。Fa
lbらの特許においては、基本的に、尿の比重に関して試
験をするために用いられている今日の乾燥相試験片が記
載されている。これらの試験片は、概して、ブロモチモ
ールブルーのような、通常、約6〜約8の中性pH範囲に
おいて色変化を受ける指示薬色素;及び部分的に中性化
されている高分子電解質を含んでいる。部分的に中性化
されている高分子電解質のpKaは、尿のイオン強度が上
昇するにつれて低下する。全体的な結果はpHの下降であ
り、ブロモチモールブルー指示薬は、イオン強度の上昇
によって起こるpH変化に応答して、青緑から緑、更に黄
緑へと変化する。水性試験試料のイオン強度の上昇は、
比重における上昇に直接関連しており、したがって、色
素の色変化は、比重値に経験的に関連付けられる。この
今日の方法によって、比重を約0.005の範囲内で測定す
ることができる。
特開昭61−155757号(1986年)においては、モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスと、キレート剤またはある
種の金属イオンのいずれかとを用いて液体試料中の蛋白
質に関して試験することが記載されている。しかしなが
ら、上記に説明したように、かかる日本特許の方法は、
重大なイオン強度/比重の障害を受け、同一の蛋白質含
有量を有するが異なるイオン強度/比重を有する液体試
料によっては異なる蛋白質試験が得られる。しかしなが
ら、本発明の重要な特徴によれば、蛋白試験において観
察されるイオン強度/比重の障害を、尿又は他の水性試
験試料の比重に関して正確に試験する方法において用い
ることができることが示された。驚くべきことにかつ予
期しなかったことに、試薬組成物中にモリブデン酸塩/
色素コンプレックスを用いて試験試料の比重を測定する
ことによって、乾燥相試験片において現在用いられてい
る高分子電解質/色素法よりもより正確でかつ確実な水
性試料の比重試験が提供される。比重試験がより信頼で
きるのに加えて、本発明方法によって、迅速な比重試験
結果が得られる。したがって、家庭又は研究室において
行なって、比重試験結果を実質的に直ちに得ることので
きる、正確で、再現性がありかつ確実な比重試験方法が
得られる。
本発明方法によって得られる利点を達成するために
は、比重試薬組成物に、組成物の指示薬成分としてモリ
ブデン酸塩/色素コンプレックスが含まれていなければ
ならない。従来技術及び現在商業的に利用されている比
重試験のいずれにも対比して、比重試薬組成物の指示薬
成分としてモリブデン酸塩/色素コンプレックスを導入
することによって、指示薬と水性試験試料との相互作用
によって発生する色変化の、視覚的又は機器によって測
定することのできる向上した色分割及び識別が提供され
る。したがって、特に、異なるがほとんど同等の比重を
有する液体に対する比重試験の感度が向上する。
本発明方法は、蛋白質とモリブデン酸塩/色素コンプ
レックスとの間に生じる色に対する、水性試験試料のイ
オン性成分の影響を利用している。比重試薬組成物の指
示薬成分としてモリブデン酸塩/色素コンプレックスを
導入することによって、試験液の比重を正確かつ確実に
測定することができ、比重値を、約1.000〜約1.030の比
重を有する水性試験試料に関しては0.003以内、約1.030
〜約1.050の比重を有する水性試験試料に関しては約0.0
05以内で測定することができる。上記に説明したよう
に、高分子電解質が試験試料のイオン性成分と相互作用
すると、高分子電解質のみかけのpKaが変化し、pHが低
下し、pH指示薬色素における色変化が生じる。しかしな
がら、本発明の重要な特徴によれば、比重試薬組成物の
モリブデン酸塩/色素コンプレックスは、試験試料のイ
オン性成分と同様に相互作用するが、より劇的な色変化
が得られる。したがって、異なる比重の試験試料の間の
向上した色分割及び識別が、比重試薬組成物とイオン性
試験試料成分との間の相互作用によって起こり、それに
よって、試験試料の比重のより正確な測定が達成され
る。
概して、本発明方法において用いられる比重試薬組成
物の指示薬成分は、モリブデン酸塩と色素化合物との相
互作用の結果として形成されるコンプレックスである。
モリデン酸塩/色素コンプレックスが、水性試験試料の
イオン性成分と相互作用し、モリブデン酸塩/色素コン
プレックス−イオン性成分の相互作用に応答した検出及
び測定可能な色変化を起こしうるということが第1の重
要点である。比重試薬組成物において用いられるモリブ
デン酸塩/色素コンプレックスは、試験試料中の他の成
分との競合するいかなる化学的もしくは物理的相互作用
にも対抗して、試験試料のイオン性成分と選択的に相互
作用しなければならない。全ての無視できない競合性相
互作用は、試験試料の比重に関する試験を誤らせ間違っ
た結果を導く可能性がある。例えば、比重試薬組成物を
適当にpH調整及び緩衝することによって、試験試料が、
バッファーの影響を克服するのに十分なアルカリ性であ
る場合を除いた全ての場合におけるpH変化によって生じ
る色変化の可能性が排除される。本発明方法によれば、
モリブデン酸塩/色素コンプレックスのpHは、モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスがその最大の色変化を受
け、したがって、比重試験感度が実質的に最も向上し、
最も識別しうる改良された色分割を与えるために、モリ
ブデン酸塩/色素コンプレックスが色を変化させるpH範
囲よりも僅かに低いpHに調節させ、緩衝されている。し
たがって、異なるがほとんど同等の比重を有する試料
が、より容易にかつ正確に識別し試験される。
更に、比重試薬組成物のモリブデン酸塩/色素コンプ
レックスにおいて用いられる色素は、低比重の試験試料
において通常存在している比較的低い濃度のイオン性成
分によって検出及び測定可能な色変化が生成するよう
な、十分に強い色変化を受けなければならない。例え
ば、改良された色分割及び向上した試験感度の利点は、
モリブデン酸塩/色素コンプレックスが第1の色から第
2の色において不十分な色変化しか与えないと、低めら
れるか又は最小になる可能性がある。したがって、本発
明の有利性を十分に達成するためには、比重試薬組成物
のモリブデン酸塩/色素コンプレックスおいて用いる色
素は、色素が、より強度の高い色からより強度の低い色
へ、あるいはより強度の低い色からより強度の高い色
へ、十分な色変化を与え、試験者が、視覚的か又は機器
によって色変化を検出し、試験試料の比重を測定するこ
とができるように選択される。
本発明方法において最も有利に用いられるモリブデン
酸塩/色素コンプレックスは、ピロカテコールバイオレ
ット及びピロガロールレッド色素(それぞれの構造を下
式I及びIIで示す)と同様の構造を有する、ポリヒドロ
キシベンゼンスルホンフタレインタイプの色素であるこ
とが分かった。
ポリヒドロキシ置換ベンゼン及びスルホンフタレイン
タイプの構造を有する好適な色素は、ピロカテコールバ
イオレット及びピロガロールレッドに加えて、ブロモピ
ロガロールレッド、キシレノールオレンジ及びピロガロ
ールフタレイン並びにこれらの組み合わせが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。同様に、構造式
IIIで示されるピロガロールフタレインのようなポリヒ
ドロキシベンゼンフタレインタイプの指示薬及びo−ヒ
ドロキシヒドロキノンフタレインを本発明の方法及び組
成物において用いることもできる。
これらのポリヒドロキシベンゼンスルホンフタレイン
タイプの色素及びポリヒドロキシベンゼンフタレインタ
イプの色素は、モリブデン酸塩及びホスホモリブデン酸
塩のような金属酸化物とコンプレックスを形成すること
ができ;金属酸化物とコンプレックス形成した後に試験
試料のイオン性成分と相互作用することができ;更に、
コンプレックス形成し、試験試料のイオン性成分と相互
作用した後に十分な色変化を与え、試験試料の比重の視
覚的及び/又は機器による測定を行なうことが可能にな
る。試験試料のイオン性成分との相互作用性、試験試料
の色、色変化の強度及び化学的適合性のようないくつか
の化学的及び物理的パラメーターに依存して、モリブデ
ン酸塩又はホスホモリブデン酸塩とコンプレックス形成
して比重試薬組成物の指示薬成分を形成するために、指
定のポリヒドロキシベンゼンスルホンフタレインタイプ
の色素又はポリヒドロキシベンゼンフタレインタイプの
色素が選択される。
比重試薬組成物のモリブデン酸塩/色素コンプレック
ス成分の色素化合物として選択される実際のポリヒドロ
キシベンゼンスルホンフタレインタイプの色素又はポリ
ヒドロキシベンゼンフタレインタイプの色素は、試験キ
ットの設計の当業者によって、最大の視認色分割及び最
大の感度を有する比重試験が得られるように決定するこ
とができる。本発明の比重試薬組成物のモリブデン酸塩
/色素コンプレックス化合物において用いられるポリヒ
ドロキシスルホンフタレインタイプの色素及びポリヒド
ロキシベンゼンフタレインタイプの色素は、当業者に周
知の方法によって製造することができる。更に、本発明
方法において有用ないくつかの色素化合物は、現在市販
されている周知の指示薬である。
本発明の他の重要な特徴によれば、ポリヒドロキシベ
ンゼンスルホンフタレインタイプの色素又はポリヒドロ
キシベンゼンフタレインタイプの色素は、モリブデン酸
塩と結合して比重試薬組成物のモリブデン酸塩/色素コ
ンプレックス成分を形成しなければならない。モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスにおいて用いられるモリブ
デン酸塩は特に制限されない。しかしながら、モリブデ
ン酸塩が、ポリヒドロキシベンゼンスルホンフタレイン
タイプの色素又はポリヒドロキシベンゼンフタレインタ
イプの色素とコンプレックス形成するために溶解するこ
とができるように、十分に水溶性でなければならない。
更に、本発明において用いるモリブデン酸塩は、高着色
モリブデン酸塩陽イオンによる試験障害を避けるために
実質的に無色であることが好ましい。ポリヒドロキシベ
ンゼンスルホンフタレインタイプ又はポリヒドロキシベ
ンゼンフタレインタイプの色素とコンプレックス形成す
るのに十分な水溶性を示すモリブデン酸塩としては、モ
リブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モ
リブデン酸ビスマス、モリブデン酸カドミウム、モリブ
デン酸カルシウム、モリブデン酸リチウム、モリブデン
酸マグネシウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸
ストロンチウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アル
キルアンモニウムもしくはヒドロキシアルキルアンモニ
ウム、モリブデン酸ジアルキルアンモニウムもしくはジ
(ヒドロキシアルキル)アンモニウム、モリブデン酸ト
リアルキルアンモニウムもしくはトリ(ヒドロキシアル
キル)アンモニウム並びにホスホモリブデン酸アンモニ
ウムあるはこれらの組み合わせが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
本発明の重要な特徴によれば、ポリヒドロキシベンゼ
ンスルホンフタレインタイプ又はポリヒドロキシベンゼ
ンフタレインタイプの色素とコンプレックス形成させる
のに用いる好ましいモリブデン酸塩は、高水溶性モリブ
デン酸塩、並びに、無色の非コンプレックス形成・非障
害性金属及びアンモニウム陽イオンを有するモリブデン
酸塩である。本発明の有利性を十分に達成するために
は、モリブデン酸アンモニウム、モリデン酸カリウム、
モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸リチウム、モリ
ブデン酸ストロンチウム、ホスホモリブデン酸アンモニ
ウム及びアルキルもしくはヒドロキシアルキル置換モリ
ブデン酸アンモニウム、あるいはこれらの組み合わせを
モリブデン酸塩として用いて、本発明のモリブデン酸塩
/色素コンプレックスを形成する。
色素及びモリブデン酸塩に加えて、比重試薬組成物は
十分量の蛋白質を含んでいなければならない。モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスが蛋白質と結合して色変化
を起こすことができることが示されている。色変化は試
験試料の蛋白質含有量に関連付けることができる。更
に、以下により明確になるように、モリブデン酸塩/色
素コンプレックスを用いた蛋白質測定は、試験試料のイ
オン強度又は比重に依存することが示されている。例え
ば、試験試料のイオン強度が上昇すると、蛋白質とモリ
ブデン酸塩/色素コンプレックスとの間に生じる結合が
減少し、したがって、色変化が強くならない。その結
果、低い比重の試料は、同一の蛋白質含有量を有する
が、より高い比重を有する試料よりも大きな色変化を与
える。したがって、比較的大量の蛋白質を本発明の比重
試薬組成物中に導入して、モリブデン酸塩/色素コンプ
レックスと蛋白質との間の十分な結合を与え、試験試料
中の比較的少量の蛋白質によって与えられる可能性のあ
る全ての障害を排除する。
本発明の比重試薬組成物は、また、異なるがほぼ同等
の比重を有する試験試料の間の十分な色識別を与えるた
めにキレート剤を含んでいなければならない。キレート
剤が存在しないと、比重試薬組成物と試験試料のイオン
性成分との間の相互作用から得られる色変化によって、
互いに0.005以内の異なる比重を有する試験試料に関し
て十分な識別を行なうことができないことが分かった。
したがって、本発明の新規なかつ予期しなかった結果を
達成するためには、酒石酸又はシュウ酸のようなキレー
ト剤を比重試薬組成物中に含ませなければならない。
本発明において用いられるキレート剤あ特に制限され
ないが、通常、最も好ましくは、キレート化ジカルボン
酸又はキレート化ポカルボン酸、あるいは、エチレンジ
アミンテトラ酢酸のようなポリカルボキシル化アミノ酸
タイプのキレート剤のような有機キレート剤が用いられ
る。本発明の比重試薬組成物において用いるのに好適な
キレート剤としては、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)、グルコン酸、N−(ヒドロキシエチル)エチレン
ジアミントリ酢酸(HEEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NT
A)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、アミ
ノトリス(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチリデ
ンジホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチ
レンホスホネート)、エチレンジアミンジ酢酸(EDD
A)、イミノジ酢酸(IDA)、ニトリロプロピオン酸(NT
P)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、ピロリ
ン酸、1−ヒドロキシタン−1,1−ジホスホン酸、トリ
ボリリン酸、ヘキサメタリン酸及びメタリン酸あるいは
これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。キレート剤は、遊離酸の形態で、ある
いは、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウ
ム、アルキル置換アンモニウムもしくはヒドロキシアル
キル置換アンモニウム塩のような水溶性塩の形態で比重
試薬組成物に加えることができる。キレート剤は、比重
試薬組成物100dlあたり約0.1〜約2.0gの範囲の量、比重
試薬組成物に加える。この範囲内で、キレート剤が、異
なるがほとんど同等の比重を有する試験試料の間の十分
な色識別を与えるのを補助するのに十分な量存在してい
ることが分かった。
ポリヒドロキシベンゼンスルホンフタレインタイプ又
はポリヒドロキシベンゼンフタレインタイプの色素と好
適なモリブデン酸塩とのコンプレックスを、尿又は他の
液体試験試料の比重を測定する改良された方法におい
て、十分量の蛋白質及びキレート剤を同様に含む比重試
薬組成物の指示薬成分として用いる。本発明の比重試薬
組成物が、試験試料のイオン性成分又は電解質と相互作
用して、視覚的に及び/又は機器によって検出及び測定
可能な色変化を生成することが示された。しかしなが
ら、モリブデン酸塩/色素コンプレックス、キレート剤
及び蛋白質に加えて、本発明の比重試薬組成物は、ま
た、モリブデン酸塩/色素コンプレックスが、pHシフト
の結果としては色を変化させないが、試験試料のイオン
性成分と接触し、相互作用することによって色を変化さ
せ、試験試料の比重を正確に確定できるように、十分量
の適当なバッファーを必要とする。
更に、任意の種々の公知のタイプのバッファーを本発
明の比重試薬組成物において用いることができることが
示された。バッファーの機能は、比重試薬組成物を実質
的に一定のpHに保持し、試験試料のイオン性成分の存在
による比重試薬組成物における所望の色変化を生起せし
め、かつ、試験試料のpHの変動による色変化を実質的に
排除することである。結果として、比重試薬組成物中に
導入されるバッファーの量は、試験試薬の性質に依存す
る。バッファーの量は通常約100〜約500mMの間である
が、特定の場合においては、バッファーの量はこの範囲
の上下であってもよい。用いるバッファーの性質は、比
重試薬組成物中に導入されているモリブデン酸塩/色素
コンプレックスに依存し、それによって変化する。しか
しながら、最適の結果のためには、比重試薬組成物のpH
は、通常は約2〜約4、好ましくは約2〜約3の範囲内
の、比重試薬組成物のモリブデン酸塩/色素コンプレッ
クスが色変化を受けるpH範囲よりも僅かに低いpH値に保
持される。比重試薬組成物の特定の指示薬に関する好適
な緩衝pH値を決定し、比重試薬組成物において用いるこ
とのできる特定のバッファーを決定する方法は、Keston
の米国特許第3,485,587号においてみられる。
本発明の比重試薬組成物においてバッファーを用いる
ことが好ましいが、バッファーは全ての場合において本
質的なものではない。例えば、特別な場合においては、
試験試料が比重試薬組成物に接触する前に、尿又は他の
試験試料にバッファーを加えることが望ましい。また、
試験試料に、既に、適当なタイプの、かつ、比重試薬組
成物を一定のpHに保持するのに適当な量のバッファーを
含ませてもよく、比重試薬組成物がpH変化に対して非感
受性のものであってもよい。更に、いくつかの場合にお
いては、比重試薬組成物において用いるキレート剤がバ
ッファーとして機能してもよい。かかる場合において
は、モリブデン酸塩/色素コンプレックス、キレート剤
及び蛋白質が比重試薬組成物の全活性成分であってよ
い。しかしながら、界面活性剤のような、モリブデン酸
塩/色素コンプレックス、キレート剤、蛋白質及び/又
はバッファーの性質及び作用を大きく変化させない、場
合によって用いる成分を比重試薬組成物中に含ませるこ
ともできると理解すべきである。同様に、他の非本質的
な成分としては、ポリマー、可塑化剤及び非活性背景色
素が挙げられる。
尿又は他の水性試験試料と接触することによって、比
重試薬組成物のモリブデン酸塩/色素コンプレックスが
色変化を受け、試験試料の比重を表す。色変化の強度及
び度合を用いて、試験試料によって生成した色を、公知
の比重を有する溶液によって生成した色に対して、比較
し相関させることによって、試験試料の比重を測定する
ことができる。本発明の重要な特徴によれば、比重試薬
組成物によって、試験試料の比重を、分光光度計又は比
色計のような色測定機器を用いることなく、約1.000〜
約1.030の比重を有する試験試料に関しては約0.003以
内、約1.030〜約1.050の比重を有する試験試料に関して
は約0.005以内で、計測し正確に測定することができる
ような、十分に分割され識別される色変化が得られるこ
とが示された。しかしながら、所望の場合には、かかる
色測定機器を用いて、試験試料と、公知の比重の溶液と
の間の色合い及び強度の差を測定することができる。
したがって、モリブデン酸塩/色素コンプレックス、
キレート剤及び蛋白質を含む、好ましくは緩衝されてい
る比重試薬組成物を用いる本発明の比重試験方法によっ
て、比重試験の正確性及び信頼性が改良され、比重試験
への医師の信頼が向上する。更に、訓練された医師又は
研究所の技術者に対して、訓練されていない患者によっ
て家庭で行なわれている比重に関する多数の尿試験のた
めに、尿及び血清の比重に関する正確で信頼できる試験
方法を提供することが緊急課題となっている。
概して、比重に関する試験は、実質的に中性のpHにお
いて、高分子電解質のpKa変化及びpHの低下に応答して
実質的に中性のpHにおいて色の変化を受ける指示薬色素
を用いて行なわれている。本発明の方法及び組成物によ
れば、比重試薬組成物のモリブデン酸塩/色素コンプレ
ックス、キレート剤及び蛋白質の間の向上した相互作用
は、陽電荷カチオン性蛋白質分子と陰電荷アニオン性指
示薬色素分子との間の強力な引力のために、更に、酸性
条件が蛋白質を部分的に変性するように作用し、したが
って、蛋白質が指示薬色素と相互作用する能力が向上す
るので、低いpH値において起こる。したがって、比重試
薬組成物は、酸性pHに調節され、保持される。概して、
系のpHは、約2.0〜約4.0の間に調節され、保持され;本
発明の有利性を十分に達成するためには、pHは約2.0〜
約3.0の間に調節され、保持される。
本発明の方法及び組成物によって達成される新規なか
つ予期しなかった結果を示すために、モリブデン酸アン
モニウム及びポリヒドロキシベンゼンスルホンフタレイ
ンタイプの色素、ピロカテコールバイオレットとの間に
形成されたコンプレックスを含む比重試薬組成物を調製
し、試験試料の比重に関する乾燥相試験において用い
た。モリブデン酸塩/ピロカテコールバイオレットコン
プレックスに加えて、比重試薬組成物は、モリブデン酸
塩/色素コンプレックスと結合し、試験試料中に存在す
る全ての蛋白質の障害効果を遮蔽する蛋白質としてアル
ブミン、及び、キレート剤として酒石酸を含んでいた。
比重試薬組成物を、約2.5のpHい調節し、保持した。モ
リブデン酸塩/ピロカテコールバイオレットコンプレッ
クス、アルブミン及び酒石酸の水溶液は暗青色の色であ
り、好適なキャリヤーマトリクス中に導入し、高められ
た比重を有する試験試料と接触させ相互作用させると、
青から黄色に変化した。その結果、適当な量の、モリブ
デン酸アンモニウムのようなモリブデン酸塩;ピロカテ
コールのような色素;酒石酸のようなキレート剤;及び
アルブミンのような蛋白質を含み、好適なバッファーで
好適なpHに調節され、保持された比重試薬組成物は、好
適なキャリヤーマトリクス中に導入した後に、下表1に
示す比重を有する標準溶液と接触させ、相互作用させる
ことによって、下表1に示す色変化を生起せしめた。
本発明の重要な特徴によれば、比重試薬組成物中にモ
リブデン酸塩/ピロカテコールバイオレットコンプレッ
クスを用いることによって得られる改良された色分割に
よって、約1.000〜約1.030の比重においては、1.000、
1.003及び1.005の比重のような、0.003程度の、また、
約1.030〜約1.050の比重範囲においては0.005程度の僅
かしか異ならない比重の間を測定並びに識別することが
できる。対比して、比重を測定するために指示薬色素を
用いている従来方法によっては、不十分な色分割のため
に、約0.005未満しか異ならない比重の間を識別するこ
とができず、0.005程度の少量異なる比重の間で僅かに
識別できるのみである。しかしながら、本発明の方法及
び組成物によれば、0.003に至るような向上した試験感
度が達成され、結局、より正確で有意な試験結果が得ら
れる。
本発明方法によれば、乾燥層の比重用試験片を得るた
めに、まず、比重試薬組成物を調製する。例えば、十分
量(約70〜80ml)の蒸留水中に、ピロカテコールバイオ
レット0.010g(0.026ミリモル)、モリブデン酸アンモ
ニウム0.015g(0.0765ミリモル)、ヒト血清アルブミン
0.300g、酒石酸0.250g及びグリシン0.750gを溶解するこ
とによって比重試薬系を調製する。得られた溶液のpH
を、塩酸(HCl)水溶液を滴下することによって、2.5の
pHに調節する。pH調節された溶液を100mlのメスフラス
コに移し、蒸留水で全容量を100mlに調節する。最終的
な溶液は、ピロカテコールバイオレット0.26mM及びモリ
ブデン酸塩0.76mMを含んでいる。グリシン0.75gを比重
試薬組成物に加えてバッファーとして作用させ、酒石酸
0.25gを加えてキレート剤として作用させる。更に、比
重試薬組成物100mlあたり約1.875g以下(又は約250mM以
下)のような多量のグリシンバッファーを加えて、より
強力な緩衝効果を与えることができる。
更に、上記の例において用いるグリシンバッファーに
加えて、マロネート、ラクテート、スクシネート、フタ
レート、サイトレート、トリクロロアセテート、スルホ
サリチレート、タルタレート、オキサレート、ホスフェ
ート類、アセテート類、塩化ナトリウム/塩酸、ピペラ
ジン−N,N′−ビス(2−ヒドロキシプロパン)スルホ
ン酸(POSPO)、N−2−ヒドロキシエチル−ピペラジ
ン−N′−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−N−
(トリスヒドロキシメチル)メチルアミノ−2−ヒドロ
キシプロパンスルホン酸(TAPSO)、2−([トリス−
(ヒドロキシメチル)メチル]−アミノ)エタンスルホ
ン酸(TES)、あるいは当該技術において周知な他の好
適なバッファーのような任意の好適なバッファーを用い
ることによって、所望のpHを実質的に一定レベルに保持
することができる。
更に、特定のモリブデン酸塩及び特定のポリヒドロキ
シベンゼンスルホンフタレインタイプの色素又はポリヒ
ドロキシベンゼンフタレインタイプの色素を比重試薬組
成物中に含ませる場合には、必ずしも、上記の例のよう
にモリブデン酸塩に対する色素のモル比約0.33〜1で存
在させる必要がない。以下により詳細に説明するよう
に、色素のモル量を増加させ、それによってモリブデン
塩酸に対する色素の比を上昇させることによって、蛋白
質試験を試験試料の比重に対してより感度の高いものに
し、0.003程度の僅かしか異ならない試験試料の比重の
間の色調差を容易に分割することできる。しかしなが
ら、約0.1:1〜約10:1、好ましくは約0.25:1〜約5:1の範
囲のモリブデン酸塩に対する色素のモル比によって、本
発明の有利性及び利点を十分に与えることができること
が見出された。更に、比重試薬組成物に加える蛋白質の
量は、比重試薬組成物100mlあたり少なくとも300mg(30
0mg/dl)であるか、あるいは、比重試薬組成物の少なく
とも0.3重量%でなければならないことが分かった。比
重試薬組成物中に、約300mg/dl〜約500mg/dlの量のアル
ブミンのような蛋白質を含ませることによって、モリブ
デン酸塩/色素コンプレックスが、試験試料中に存在す
る可能性のあるアルブミンに対してではなく、試験試料
のイオン性成分に対して応答して相互作用することが保
証される。
上記記載のようなモリブデン酸塩/色素コンプレック
スを含む比重試薬組成物は、乾燥相の比重用試薬パッド
試験において用いることができる。比重試薬組成物を用
いる乾燥相の比重用試験パッド試験は、当該技術におい
て周知の方法によって行なわれる。概して、比重に関す
る試験は、比重試験組成物を含む分析対象物検出具に尿
又は他の試験試料を接触させることによって行なわれ
る。分析対象物検出具は、試験試料中に浸漬することが
でき、また、試験試料を分析対象物検出具に滴下するこ
とができる。分析対象物検出具の得られる色変化によっ
て試験試料の比重が示され、そのように設計されている
場合には、得られる色変化を標準カラーチャートと比較
して、尿又は他の試験試料の比重の測定値を与えること
ができる。
通常、分析対象物検出具は、単一パッド試験片(単一
の分析対象物に関してのみ試験するためのもの)又は多
重パッド試験片(複数の分析対象物を同時に試験するた
めのもの)のいずれかとして設計されている、試薬組成
物を含む試験片である。どちらのタイプの試験含浸試験
片に関しても、試験片は、通常、疎水性プラスチックで
製造されている支持片又は柄部、及び吸収性又は非吸収
性キャリヤーマトリクスで構成されている試薬試験パッ
ドを有している。概して、キャリヤーマトリクスは、毛
細管力に応じて、マトリックスを通って試験試料を移動
させて試薬組成物と接触せしめ、検出及び測定可能な色
変化を生起せしめる吸収性(absorbent)材料である。
キャリヤーマトリクスは、キャリヤーマトリクスが化
学試薬に対して実質的に不活性であり、キャリヤーマト
リクスを構成する成分の試験試料による抽出によるか、
あるいは、その後の試験を非決定的、不正確又は疑わし
いものにするように尿又は試験試料をある程度変化させ
ることによって、尿又は他の試験試料に混入しない限り
において、対象となる試験を行なうために必要な化学試
薬を包含することのできるいかなる物質であってもよ
い。また、キャリヤーマトリクスは、液体試験試料に対
して多孔性及び/又は吸収性(absorbent)のものでな
ければならない。「キャリヤーマトリクス」という表現
は、水及び他の生理学的液体中で不溶性であり、水及び
他の生理学的液体に曝した際にその構造安定性を保持す
る吸収性又は非吸収性(nonbibulous)のマトリックス
を意味するものである。好適な吸収性マトリックスとし
ては、紙、スポンジ材料、セルロース、木、織成布又
は非織布等が挙げられる。非吸収性マトリックスとして
は、ガラス繊維、ポリマーフィルム及び予め形成されて
いるか又は微孔性膜が挙げられる。他の好適なキャリヤ
ーマトリクスとしては、シリカゲル、アルミナ、珪藻土
などのような親水性無機粉末;粘度質物質;布;親水性
天然ポリマー材料、特にセルロースビースのようなセル
ロース系材料、並びに、特に紙もしくはクロマトグラ
フィー紙のような繊維含有紙;セルロースアセテート、
ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレー
ト、ポリウレタン、架橋デキストラン、アガロースのよ
うな合成又は変性された天然ポリマー並びに他の架橋及
び非架橋水不溶性親水性ポリマーが挙げられる。疎水性
及び非吸収性(non−absorptive)物質は、本発明のキ
ャリヤーマトリクスとして用いるのに好適でない。キャ
リヤーマトリクスは、異なる化学組成のもの又は化学組
成物の混合物であってもよい。また、マトリックスは、
硬質性及び軟質性と組み合わさって平滑性及び粗面性に
関して変化してもよい。しかしながら、どの場合におい
ても、キャリヤーマトリクスは親水性又は吸収性材料を
有していなければならない。柄部は、通常、セルロース
アセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート又はポリスチレンのような疎水性材料から製造さ
れ、最も有利には、キャリヤーマトリクスは、吸収性
紙又は非吸収性透過性ポリマーフィルムから構成され
る。
本発明の有利性を十分に達成するためには、モリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスを含む比重試薬組成物を好
適なキャリヤーマトリクス中に含浸させ、水性試験試料
の比重試験のための乾燥相試験片において用いる。本発
明方法によって、家庭又は研究室内において行なうこと
のできる水性試験試料の比重に関する、経済的で、正確
で信頼できる試験が得られる。更に、本発明方法によっ
て、約0.003の少量しか異ならない比重のような極めて
同等の比重の識別及び測定が可能になり、したがって、
比重試験がより臨床的に有用になる。
本発明方法によれば、比重に関する乾燥相の試験片試
験を行なうために、モリブデン酸塩/ピロカテコールバ
イオレット指示薬のようなモリブデン酸塩/色素指示薬
約0.2〜約2mMを含み、アルブミンのような蛋白質を、比
重試薬組成物の容量あたりの蛋白質の%(即ち%/dl)
で約0.2〜約0.5%の蛋白質を含み、2.5のpHに調節さ
れ、緩衝されている上記記載の比重試薬組成物の水溶液
を初めに調製する。次に、水溶液を紙のシート又は予
め切断している片上に展開、含浸又は噴霧することによ
って、紙、例えば、Whatman Ltd.,Maidstone,Kent,U.
K.から市販されているWHATMAN CCP500紙のような吸収
性マトリックスを、モリブデン酸塩/色素コンプレック
ス指示薬及び蛋白質を含む比重試薬組成物の水溶液で飽
和し含浸させる。空気オブン中、50℃で約15〜20分間オ
ブン乾燥することによって水性溶媒を除去した後、比重
試薬組成物が含浸された紙を、約0.25cm×約0.25cm〜
約1.0cm×約1.0cmの寸法を有するパッドのような適当な
サイズに切断する。次に、比重試薬組成物が含浸された
紙を、両面接着テープによって透明な疎水性プラクチ
ック柄部に固着させる。
次に、得られた試験片を、新鮮な非遠心尿試料中に、
試料によって試験パッドが飽和されるのに十分な時間浸
漬する。約1〜約2分のような所定の時間待機した後、
試験片を、応答に関して視覚的か又は機器によって測定
する。試験パッドの色変化の度合によって尿試料の比重
が示される。
更に、本発明の他の重要な特徴によれば、試薬パッド
の寸法、比重試薬組成物含浸溶液の強度、比重試薬組成
物におけるモリブデン酸塩/色素コンプレックス、キレ
ート剤、蛋白質及びバッファーの性質及び量、試験試料
の量、並びに、浸漬よりもピペット滴下によるといった
ような試験片に試験試料を導入する方法の間の適当なバ
ランスを決定し、公知の比重の溶液から得られた色標準
に対して視覚的及び/又は機器によって比較することの
できるような検出及び識別可能な色変化を与えること
は、試験具製造の当業者の経験技術の範囲内である。
多くの場合、試験片を簡単に視覚検査することによっ
て所望の情報が得られる。より正確な情報が必要な場合
には、試験片において用いられる特定のモリブデン酸塩
/色素コンプレックス比重試薬組成物に関する、種々の
標準比重に対応する色スポットを有するカラーチャート
を製造することができる。次に、尿試料と接触した後に
得られる試験片の色を、チャート上の色スポットと比較
して、試験試料の比重蛋白質濃度を決定することができ
る。
もっと正確な測定が必要な場合には、分光光度計又は
比色計を用いて、色変化の度合をより正確に測定するこ
とができる。更に、色変化の度合をより確実にかつより
正確に測定し、試験試料の比重をより正確に測定するた
めに、視認法に対して、分光光度計又は比色計を用いる
ことによって、乾燥相の試験片試験により半定量試験を
行なうことができる。
以下により詳細に説明するように、驚くべきかつ予期
しなかったことに、比重試薬組成物が、約1.000〜約1.0
30の比重範囲内においては0.003程度の僅かしか異なら
ない、約1.030〜約1.050の比重範囲内においては0.005
程度の僅かしか異ならない比重の間を測定し識別するこ
とができることによって、比重に関して水性試験試料を
試験する改良された方法が提供される。例えば、今日の
方法によれば、尿比重を正確に測定するためには、高価
でかつ時間のかかる実験的方法が必要である。したがっ
て、本発明方法に至るまでは、乾燥相試験片を用いて、
約0.002程度の僅かしか異ならない尿比重の間を正確に
識別し、これを正確に測定することができなかった。し
たがって、本発明の重要な特徴によれば、モリブデン酸
塩/色素コンプレックスを含む比重試薬組成物を好適な
キャリヤーマトリクス中に含浸させることにより、乾燥
相試験片を用いることによって正確で信頼できる尿試料
の比重試験を行なうことができることが示された。
本発明の比重試薬組成物を用いて試験試料の比重を識
別し測定することによって得られる新規なかつ予期しな
い結果を示すために、モリブデン酸塩/色素コンプレッ
クスを含む比重試薬組成物を紙マトリックスに含浸さ
せて含む乾燥相試験片を用いた比重試験から色空間プロ
ット(color space plots)を作成した。既知の比重の
標準溶液を、比重試薬組成物を紙キャリヤーマトリッ
クスに含浸させて含む乾燥相試験片と接触させることに
よって色空間プロットを得た。
通常、色空間プロットは、3つの軸、即ち、L、A
及びB軸を有する。垂直軸上にプロットされるL
の値は、色強度の測定値であり、これによって、L
値が大きいと明るい色であることを示し、L=0であ
ると完全に黒色であることを示す。水平なA軸は緑か
ら赤への色変化の測定値であり、これによって、A
値がより正であると色がより赤に近いことを示し、同様
に、Aの値がより負であると色がより緑に近いことを
示す。同様に、第3図の軸Bは青から黄色への色変化
の測定値であり、これによって、Bの値がより大きい
と色がより黄色に近いことを示し、同様にBの値がよ
り小さいと色がより青に近いことを示す。
色空間差(color space difference)(△E)は、次
の計算式(式1)から計算される。
色空間差(△E)は、三次元の色空間プロットにおけ
る二点間の直線距離である。理論的には、1単位の色空
間差は、人間の眼によって識別することのできる最も小
さい色差である。しかしながら、個々の人間の視認能力
の固有の差異のために、色の間を実用的かつ確実に識別
するためには約5単位の色空間差(△E)が必要であ
る。
色空間プロット上にプロットされたL、A及びB
の値は、当該技術において周知な標準式を用いて、40
0nm〜700nmの間で均等に分割された16の異なる波長にお
いて採られた反射率測定値(%)から計算される。通
常、16の異なる波長のそれぞれにおける反射率(%)
に、その波長における光の強度をかける。次に、これら
の値に、赤、緑及び青に関する標準秤量関数をかけ、最
終的にこれらを足す。これらの計算によって、三つの三
刺激値X、Y及びZが得られ、以下の式を用いて、X、
Y及びZの三刺激値からL、A及びBが算出され
る。
=116x[(Y/Y01/3−16)] (式2) A=500x[(X/X01/3−(Y/Y01/3] (式3) B=200x[(Y/Y01/3−(Z/Z01/3] (式4) [上式において、X0、Y0およびZ0は、完全な白色(即
ち、全ての波長において反射率=100%)に関する三刺
激値であり;X、Y及びZは、400nm〜700nmの間の16の波
長から上記のように計算された三刺激値である] 色空間プロットから、色空間差(△E)が算出され、
以下により詳細に説明するように要約され、評価され
る。得られたデータの解釈においては、△E(1.007−
1.012)のような用語は、1.007及び1.012の比重を有す
る標準尿溶液に関する比重試験の間の色空間差である。
同様に、△E(1.007−1.020)という用語は、1.007及
び1.012の比重を有する標準尿溶液に関する比重試験の
間の色空間差である。△E(1.007−1.028)及び△E
(1.007−1.032)も同様に定義される。尿が、ナトリウ
ム及びカリウムなどの陽イオン、及び塩化物などの陰イ
オンのようなより多くの溶解しているイオン性種を含ん
でいると比重が上昇するので、1.007及び1.012のような
異なる比重を有する標準尿溶液は異なるイオン強度を有
していることに注意すべきである。
初めに、蛋白質濃度に関して尿を試験するために用い
られている従来のモリブデン酸塩/色素コンプレックス
は、尿試験の比重によって大きく影響を受けることが分
かった。表2に、同量のアルブミンを含むが、塩化ナト
リウムを加えることによってイオン強度及び比重を変化
させた標準尿試料において行なった一連の試験を示す。
表2においては、25mlのメスフラスコにヒトアルブミ
ン75mgを加え、次にフラスコを、pH2.5に調節され緩衝
されたモリブデン酸アンモニウム/ピロカテコールバイ
オレット/酒石酸指示薬溶液で25mlの容量を満たすこと
によってモリブデン酸塩/色素指示試薬を調製した。こ
の溶液はアルブミン300mg/dlを含んでいた。上記記載の
ようにして、モリブデン酸塩/色素試薬をWHATMAN CCP5
00紙中に含浸させ、片に切断した。次に、それぞれ、
アルブミンを含まず、塩化ナトリウムを加えることによ
ってそれぞれ異なる比重及びイオン強度を有する尿試料
中に試験片を浸漬した。表2において、試験試料中のア
ルブミン含量が未変化であったが、イオン強度が上昇
し、比重が1.007から1.020へ上昇することによってモリ
ブデン酸塩/色素指示試薬が青色から灰褐色に変化した
ことが容易に観察される。更に、アルブミンを含まない
尿試料の試験、及びアルブミン15mg/dlを含む尿試料の
試験のいずれにおいても、400mg/dlを含むモリブデン酸
塩/色素指示試薬によって同等の結果が得られた。これ
らの結果は、モリブデン酸塩/色素コンプレックス試薬
が尿の比重及びイオン強度に応答して色を変化させるこ
とを示している。
更に、尿試料に塩化ナトリウムではなくグルコースを
加えることによるなどして、尿試料の比重を増加させる
が、イオン強度を一定に保持すると、表2において観察
される比重の増加による色変化は起こらず、これによっ
て、モリブデン酸塩/色素指示薬が、試料の絶対的な比
重変化よりも試料のイオン強度の変化により感度が高い
ことが示される。
モリブデ酸塩/色素指示試薬に関して表2に示した結
果を表3数値として示す。ここでは、異なるアルブミン
濃度並びに異なる比重及びイオン強度を有する尿試料の
試験に関して色空間プロットが得られた。グルコースを
加えることによって尿試料の比重を変化させることによ
っては、△E(1.007−1.015)は2.24単位であり、△E
(1.007−1.022)が1.21単位であり、これらどちらも約
5単位の最小検出可能値よりも小さいので、モリブデン
酸塩/色素コンプレックス法を用いた試験に大きな影響
を与えないことが分かった。しかしながら、表3によっ
て、塩化ナトリウムを用いてアルブミンを含まない尿試
料の比重を増加させると、尿試料のイオン強度が同様に
増加し、したがって、本発明方法を用いて正確な比重試
験が得られることが示される。表3を注意深く検討する
ことによって、実質的に0のアルブミン濃度を有するが
異なるイオン強度及び比重を有する試験試料から得られ
る色空間差が5単位を超えるものであることが示され、
したがって、尿試料中に存在するアルブミンの量は比重
試験に最小限にしか影響を与えず、以下に更に説明する
ように、比重試薬組成物に比較的多量のアルブミンを意
図的に加えることによって、この小さな障害が有効に排
除される。
表3から、本発明の方法及び組成物によれば、比重試
薬組成物中にモリブデン酸塩/色素コンプレックスを用
いると、色空間差は、約5単位の人間が検出しうる最小
値を大きく超えるものであり、したがって、試験試料の
比重試験が与えられる。色空間差の値は約5を超えるも
のであり、したがって、色変化は人間の眼によって識別
することができ、約1.000〜約1.030の比重範囲において
は0.003程度、約1.030〜約1.050の比重範囲においては
0.005程度の僅かしか異ならない比重を有する尿試料の
間を識別することができる。
表4においては、表2の試験において用いられている
モリブデン酸塩/色素指示試薬を指示薬として用いて、
試験試料の比重に関して試験しており、これによって、
試験試料のアルブミン含量が変化すると、色空間差は実
質的に5単位未満であることが示されている。その結
果、尿アルブミン含量にかかわらず、△E値は0.99〜3.
10単位の範囲でしかなかったか、あるいは視認可能な最
小レベル以下であるので、約100mg/dl以下の尿試料のア
ルブミン含量によっては本発明の比重試験に対する障害
は認められない。例えば、アルブミン30mg/dl又は15mg/
dlを含む試験試料の比重試験は、15mg/dl及び30mg/dlを
含む試験試料の間の色空間差が、約0.5〜約2.3の範囲で
しかなく、約5単位の、人間にとって視認出来る最小変
化を大きく下回るものであるので、試験試料の蛋白質含
量によって誤った結果を導くことはない。
表5は、指示試薬組成物がアルブミン400mg/dlを含ん
でいる外は表4と同様のものである。表4に示す結果に
よって、同様に、色空間差が5単位の視認検出できる最
小レベルを大きく下回っていることが示される。したが
って、表4及び5によって、アルブミンのような十分量
の蛋白質を、試験片のキャリヤーマトリクス中に導入さ
れる比重試薬組成物中に導入することによって、比重試
薬組成物の色変化が、試験試料の比重/イオン強度に応
答して起こるが、試験試料のアルブミン含量によっては
影響を受けないことが示される。少なくとも約100mg/dl
以下の濃度の試験試料のアルブミン含量に関しては、色
空間差は約0.5〜約2.5の範囲であり、したがって、通常
の人間の眼が識別できるものを下回っている。
結果として、指示薬として比重試薬組成物においてモ
リブデン酸塩/色素コンプレックスを用いて試験試料の
比重を識別及び測定すると、驚くべきことにかつ予期し
なかったことに、アルブミン及び/又はグルコースのよ
うな試験試料の非イオン性成分によって比重試験が悪影
響を受けることなく、ほぼ同等の比重を有する試験試料
の正確で信頼できる比重測定を行なうことができること
が分かった。かかる予期しなかった改良によって、試験
試料の比重に関して試験するために用いられている従来
の指示薬を凌ぐ、重要かつ有用な利点が与えられる。上
記表において示すように、比重試薬組成物中に含まれて
いるモリブデン酸塩/色素コンプレックスは、試験試料
のイオン強度には応答するが、試験試料の非イオン性成
分によっては比較的影響を受けず、したがって、正確な
比重試験を与える。
当業者によって、本発明の方法及び組成物を用いる本
試験が少なくとも約5単位の色空間差を示すような、0.
003程度の僅かしか異ならない試験試料の比重を識別し
測定するのに十分な量のかつ特定の有効なモリブデン酸
塩/色素指示薬比重試薬組成物を含む最適の試験片を設
計できるということを理解すべきである。この△E値
は、通常、人間の眼によって検出するのに十分なもので
あり、現在の比色計及び/又は分光光度計によって容易
に検出することができる。同様に、本発明の方法及び組
成物によって、試験試料の比重に関連させることのでき
る色変化を起こすのに十分なイオン性成分が試験試料中
に存在しているならば、人間の体液中において通常みら
れる量のグルコース又はアルブミンのような試験試料中
の非イオン性成分の量の変化に拘らない、正確な比重試
験が提供される。
本発明の他の重要な特徴によれば、比重試薬組成物に
おいて指示薬としてモリブデン酸塩/色素コンプレック
スを含む試験片の完全な色展開は、試験片を試験試料に
接触させた約1〜約3分後に起こる。最大の色展開は接
触の約2分後に起こる。しかしながら、許容しうる確実
な比重試験結果は、試験試料に接触させた後約1分後に
試験片を色変化に関して試験すると得られる。試験片の
完全な色展開のためのかかる短い時間は、最大の色展開
に約10分を要していた。蛋白質を試験するために用いら
れている従来の組成のモリブデン酸塩/色素コンプレッ
クスを凌ぐ本発明の比重試薬組成物の更なる有利性であ
る。したがって、本発明のモリブデン酸塩/色素比重試
薬組成物を導入した試験片を用いて、より迅速でより正
確な比重試験を得ることができる。表中に示されている
比重試験の全てに関して、モリブデン酸塩/色素コンプ
レックス試薬組成物を導入した試験片は、接触時間の2
分後に応答に関して試験したことに注意すべきである。
また、試験試料とモリブデン酸塩/色素コンプレックス
との相互作用から得られる色変化は長時間にわたって安
定であった。
約1分〜約2分の間の色空間差の変化は比較的小さ
く、正確な試験が、尿とモリブデン酸塩/色素比重試薬
組成物を導入した試験片との接触後約1分で得られるこ
とが示された。更に、種々の量のアルブミン又は他の非
イオン性成分を含む尿試料を、視認検出及び測定法によ
って正確に試験することが示される。これは、これらの
非イオン性尿成分によっては、人間の眼によって識別す
るのに必要な最小量以上の色空間差を生成するのに十分
なほどには試験に影響を与えないためである。更に、色
素に対するモリブデン酸塩のモル比を約3:1〜約1:5にす
ることによって、比重試薬組成物に好適な指示薬を与
え、水性試験試料の比重に対する感度が高められること
が分かった。
全体として、紙のような好適なキャリヤーマトリク
ス中に含浸される比重試薬組成物中に含まれるモリブデ
ン酸塩/色素コンプレックスによって、約1.000〜約1.0
30の比重を有する試験試料に関しては0.003、約1.030〜
約1.050の比重を有する試験試料に関しては0.005程度の
僅かしか異ならない比重を有する試験試料の間の色識別
が改良され、したがって、水性試験試料の比重試験の感
度が向上することが示された。従来の比重試験法を凌ぐ
向上した感度に加えて、本発明の方法及び組成物は、種
々の非イオン試験試料成分からの検出可能な障害を受け
ず、比較的短い時間内で完全な色展開及び正確な試験結
果を与える。同様に、本発明の方法及び組成物によっ
て、0.002程度異なる比重を有する試験試料の間を、モ
リブデン酸塩/色素コンプレックス比重試薬組成物を含
浸したキャリヤーマトリスと接触させることによって得
られる色変化によって視覚的に識別することができ、し
たがって、試験試料の正確で信頼できる比重試験が与え
られる。
したがって、本発明の重要な特徴によれば、比重試薬
組成物中において、モリブデン酸塩/色素コンプレック
ス、キレート剤及び十分量の蛋白質を用いることによっ
て、尿又は他の液体試験試料の比重に関するより正確で
信頼できる試験を行なうことができる。モリブデン酸塩
/色素指示薬によって、ほぼ同等の比重を有する試験試
料の間の色分割が改良され、したがって、試験感度が向
上する。意図的に蛋白質を加えることによって、試験試
料の蛋白質含量によって生じる全ての障害を克服又は消
滅させる。
明らかに、以上に示した本発明の多くの修正及び変更
を発明の精神及び範囲から逸脱することなく行なうこと
ができ、したがって、特許請求の範囲によって示される
ような制限のみが課せられるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−155757(JP,A) 特開 昭59−160739(JP,A) 特開 昭56−21064(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性モリブデン酸塩;ポリヒドロキシベ
    ンゼンスルホンフタレイン色素及び/又はポリヒドロキ
    シベンゼンフタレイン色素;キレート化剤;水性試験試
    料中に存在する全ての蛋白質の色障害効果を排除するの
    に十分な量の蛋白質;及び、組成物を酸性のpHに保持す
    るためのバッファーを含むことを特徴とする、水性試験
    試料のイオン強度に応答して十分な色変化を示しうる組
    成物。
  2. 【請求項2】水溶性モリブデン酸塩が、モリブデン酸ア
    ンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸ビ
    スマス、モリブデン酸カドミウム、モリブデン酸カルシ
    ウム、モルブデン酸リチウム、モリブデン酸マグネシウ
    ム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ストロンチウ
    ム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルキルアンモニ
    ウムもしくはヒドロキシアルキルアンモニウム、モリブ
    デン酸ジアルキルアンモニウムもしくはジ(ヒドロキシ
    アルキル)アンモニウム、モリブデン酸トリアルキルア
    ンモニウムもしくはトリ(ヒドロキシアルキル)アンモ
    ニウム並びにホスホモリブデン酸アンモニウムあるいは
    これらの組み合わせからなる群より選択されるモリブデ
    ン酸である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】ポリヒドロキシベンゼンスルホンフタレイ
    ン色素又はポリヒドロキシベンゼンフタレイン色素が、
    ピロカテコールバイオレット、ピロガロールレッド、ブ
    ロモピロガロールレッド、キシレノールオレンジ、ピロ
    ガロールフタレイン及びo−ヒドロキシヒドロキノフタ
    レインあるいはこれらの組み合わせからなる群より選択
    される請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】キレート化剤が、酒石酸、シュウ酸、マロ
    ン酸、コハク酸、クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢
    酸(EDTA)、グルコン酸、N−(ヒドロキシエチル)エ
    チレンジアミントリ酢酸(HEEDTA)、ニトリロトリ酢酸
    (NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、
    アミノトリス(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチ
    リデンジホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラ
    (メチレンホスホネート)、エチレンジアミンジ酢酸
    (EDDA)、イミノジ酢酸(IDA)、ニトリロプロピオン
    酸(NTP)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、
    ピロリン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン
    酸、トリポリリン酸ヘキサメタリン酸及びメタリン酸の
    遊離酸又は水溶性の塩あるいはこれらの組み合わせから
    なる群より選択されるものである請求項1記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】バッファーが、乳酸塩、グリシン、フタレ
    ート、トリクロロアセテートスルホサリチレート、ホス
    フェート類、アセテート類、塩化ナトリウム/塩酸、ピ
    ペラジン−N,N′−ビス(2−ヒドロキシプロパン)ス
    ルホン酸(POSPO)、N−−2−ヒドロキシエチルピペ
    ラジン−N′−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−
    N−(トリスヒドロキシメチル)メチルアミノ−2−ヒ
    ドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)及び2−([ト
    リス−(ヒドロキシメチル)−メチル]−アミノ)エタ
    ンスルホン酸(TES)又はこれらの組み合わせからなる
    群より選択される請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】水溶性モリブデン酸塩;ポリヒドロキシベ
    ンゼンスルホンフタレイン色素及び/又はポリヒドロキ
    シベンゼンフタレイン色素;キレート化剤;尿中に存在
    する全ての蛋白質の色障害効果を排除するのに十分な量
    の蛋白質;及び、組成物を酸性のpHに保持するためのバ
    ッファーを含むことを特徴とする、尿の比重を測定する
    ための組成物。
  7. 【請求項7】(a)水溶性モリブデン酸塩;ポリヒドロ
    キシベンゼンスルホンフタレイン色素及び/又はポリヒ
    ドロキシベンゼンフタレイン色素;キレート化剤;水性
    の電解質含有試料中に存在する全ての蛋白質の色障害効
    果を排除するのに十分な量の蛋白質;及び、試薬組成物
    を酸性のpHに保持するためのバッファーを含む試薬組成
    物に水性試料を接触させ; (b)試薬組成物の色変化の強度及び/又は度合から水
    性試料の比重を測定することを特徴とする、水性の、電
    解質含有試料の比重を測定する方法。
  8. 【請求項8】(a)水溶性モリブデン酸塩;ポリヒドロ
    キシベンゼンスルホンフタレイン色素及び/又はポリヒ
    ドロキシベンゼンフタレイン色素;キレート化剤;水性
    の電解質含有試料中に存在する全ての蛋白質の色障害効
    果を排除するのに十分な量の蛋白質;及び、試薬組成物
    を酸性のpHに保持するためのバッファーを含む試薬組成
    物を含む試薬試験パッドを有する分析対象物検出具に水
    性試料を接触させ; (b)分析対象物検出具を、水性試料の電解質濃度に応
    答した色変化に関して評価し; (c)色変化を水性試験試料の比重に関連付けることを
    特徴とする、水性の電解質含有試料の比重の測定方法。
  9. 【請求項9】支持片;試薬試験パッド;並びに、水溶性
    モリブデン酸塩;ポリヒドロキシベンゼンスルホンフタ
    レイン色素及び/又はポリヒドロキシベンゼンフタレイ
    ン色素;キレート化剤;水性の電解質含有試験試料中に
    存在する全ての蛋白質の色障害効果を排除するのに十分
    な量の蛋白質;及び、試薬組成物を酸性のpHに保持する
    ためのバッファーを含む、試薬試験パッド中に導入され
    ている試薬組成物を有することを特徴とする、水性の電
    解質含有試験試料の比重を測定するための分析対象物検
    出具。
  10. 【請求項10】(a)水溶性モリブデン酸塩;ポリヒド
    ロキシベンゼンスルホンフタレイン色素及び/又はポリ
    ヒドロキシベンゼンフタレイン色素;キレート化剤;水
    性の電解質含有試料中に存在する全ての蛋白質の色障害
    効果を排除するのに十分な量の蛋白質;及び、試薬組成
    物を酸性のpHに保持するためのバッファーを含む試薬組
    成物に水性試料を接触させ; (b)試験試料のイオン強度に応答した試薬組成物の色
    変化の強度及び/又は度合から水性試料の比重を測定す
    ることを特徴とする、水性の、電解質含有試料の比重を
    0.003以内の範囲で測定する方法。
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