JP3219874B2 - 尿タンパク質検定のための改良された組成物および試験具ならびにそれを用いる方法 - Google Patents

尿タンパク質検定のための改良された組成物および試験具ならびにそれを用いる方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンパク質の存在また
は濃度に関する試験試料の検定の改良された組成物、試
験具および方法に関する。より詳細には、本発明は、担
体マトリックスに包含された新規で改良された指示試薬
組成物を含む試験パッドを含有する試験具を用いること
による、タンパク質、特に陰性および痕跡量のタンパク
質に関する液体試験試料、例えば尿の検定のための組成
物、方法および試験具に関する。ここで、検出可能また
は測定可能な応答は、試験パッドとタンパク質含有液体
との接触に際して起こる。
【0002】新規で改良された指示試薬組成物は、以下
のものを含む。即ち: (1)アルブミンと相互作用し、検出可能な応答、例え
ば色遷移を起すことができる指示色素; (2)緩衝剤;および (3)以下の一般式(I)を有する疎水性高分子化合物
【0003】
【化9】
【0004】(式中、Aは
【0005】
【化10】
【0006】であって、POはオキシプロピレン単位、
EOはオキシエチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、
z′は2〜8の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16
の範囲の数、ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子
を含有する、直鎖状または分枝状のアルキル基であり;
1はメチレンであり;nは2〜5の範囲の数であり;
そして、Eは、水素またはメチロールである)
【0007】新規の指示試薬組成物は、試験パッド中に
おける改良された色解像を提供し、それにより陰性量の
タンパク質を含有すると検定された試験試料と痕跡量の
タンパク質を含有すると検定された試験試料との間の改
良された色識別を提供する。したがって、タンパク質に
関する擬陽性の数が実質的に減少する。アルブミンに関
する擬陽性検定の数を実質的に減少することによって、
試験試料中の痕跡量のタンパク質の存在を確認するため
の不必要な確認検定の実施がより少数となる。
【0008】さらに、本発明は、新規の指示試薬組成物
を担体マトリックスに包含させて、乾相試験ストリップ
検定手順による試験試料中のアルブミンのようなタンパ
ク質の存在または濃度の測定のための、改良された方法
における試験具の試験パッドを提供することに関する。
【0009】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルブ
ミンは、最も豊富な血漿タンパク質であり、一般に哺乳
類血漿の総タンパク質の半分より少し多くを構成する。
人体においては、アルブミンは血液と組織との間の水分
バランスを調節し、水にわずかしか溶解しない種々の化
合物、例えば、ビリルビン、脂肪酸、コルチゾール、チ
ロキシンならびにスルホンアミドおよびバルビツレート
のような薬物のための輸送分子として機能する、重要な
役割を有する。
【0010】アルブミン欠乏は、わずかに水溶性の物質
の体内の輸送を制限し得る。そして、欠乏は、個体にお
いて、漿液の異常な蓄積または水腫によって警報を発さ
れる。したがって、個体が血清アルブミン欠乏を有する
かどうかを決定することは、臨床的に重要である。
【0011】同様に、個体が過剰量のタンパク質を排出
しているかどうかを決定することは、臨床的に重要であ
る。正常に機能している腎臓は、事実上二段階の過程で
尿を生成する。血液は、腎臓の糸球体または糸球体領域
を通って流れる。糸球体の毛細血管壁は、水および血漿
の低分子成分に高度に透過性である。アルブミンおよび
その他の高分子タンパク質は、これらの毛細血管壁を通
過できず、タンパク質が体によって利用可能になるよう
に、事実上尿から濾し分けられる。低分子成分を含有す
る液体は、腎臓の尿細管または尿細管領域に通過して入
り、ここでいくらかの尿成分、例えば低分子タンパク質
の再吸収;その他の尿成分の分泌;および尿の濃縮が起
こる。結果として、糸球体と尿細管との併合した過程を
通して、尿中タンパク質の濃度は最少となるべきであ
る。したがって、尿中の異常に高い量のアルブミンは、
検出され、生理学的機能不全に関連付けられなければな
らない。
【0012】個体の比較的高濃度の尿中アルブミンは、
通常、疾病状態の指標である。例えば、尿中タンパク質
の平均正常濃度は、約10mg/dL〜約20mg/dLまで変わ
り、総尿タンパク質のおよそ5分の1が血清アルブミン
となる。しかしながら、疾病状態の多数において、尿タ
ンパク質レベルは、アルブミンが排出されたタンパク質
の約60〜約90%を示すように、認め得る程に増加す
る。
【0013】異常に増加した量の尿中タンパク質の存在
は、タンパク尿として知られており、腎臓病の最も重大
な指標の一つであって、その他の種々の非腎臓関連疾病
の指標でもあり得る。
【0014】したがって、個体がアルブミン欠乏を有す
るかどうか、または個体が過剰量のタンパク質を排出す
るかどうかを決定するために、ならびに治療の有効性を
測定するための医療経過の監視のために、簡単、正確お
よび廉価なタンパク質検出検定が開発されてきた。さら
に、尿または血清中のタンパク質の検出または測定のた
めに開発されたいくつかの検定方法のうち、色素結合技
術に基づく方法が特に有用であることが証明されてい
る。これは、色素結合法が容易に自動化でき、再現性の
良い正確な結果を提供するためである。
【0015】一般に、色素結合技術は、アルブミンのよ
うなタンパク質と相互作用することができ、タンパク質
と相互作用するとpHの変化なしに色変化することができ
るpH指示色素を利用する。pH指示色素がタンパク質と相
互作用し、またはタンパク質に結合する場合、指示色素
の見掛け上のpKa(酸解離定数)が変化し、色素はい
わゆる「タンパク誤差」現象を生じて色遷移を起こす。
【0016】色素結合技術を利用する方法においては、
実質的なpHシフトによるpH指示色素の色遷移を防止する
ために、適当な緩衝剤がpH指示色素を一定のpHに維持す
る。「タンパク誤差」現象によって、pH指示色素は、タ
ンパク質と相互作用すると、pHの変化によって生じる色
変化と同一の色遷移を起こす。タンパク質と相互作用ま
たは結合し、「タンパク誤差」色遷移を呈することがで
きる、タンパク質の乾相検定に用いられるpH指示色素の
例としては、テトラブロモフェノール・ブルー(TBP
B)およびテトラクロロフェノール−3,4,5,6−
テトラブロモスルホフタレインが挙げられる。
【0017】pH指示色素はタンパク質検定において広範
に用いられているが、指示色素を利用するタンパク質検
定法にはいくつかの欠点が未だ存在する。例えば、pH指
示色素に基づく方法は、約15〜約30mg/dLの痕跡タ
ンパク質濃度と、約15mg/dL未満の陰性タンパク質濃
度との間を、定量的に十分に識別することができない。
陰性タンパク質濃度は、尿中に存在するタンパク質の正
常バックグラウンド量であり、臨床的に有意ではない。
痕跡タンパク質濃度は、尿中タンパク質の少し上昇した
量を示し、臨床的に有意である。痕跡量のタンパク質を
示す検定は、尿中に上昇した量のタンパク質が存在する
ことを結論的に示すために、確認検定を必要とする。
【0018】試験試料中の総タンパク質含量の測定のた
めのいくつかの簡単で定量的な検定が利用可能である
が、簡単な比色試薬試験ストリップを顕著な例外とし
て、これらの検定法の多数が、定量的タンパク質測定を
するためにタンパク質沈殿を必要とする。したがって、
確認検定は、タンパク質含量に関する尿試料のスクリー
ニングに用いられる試験ストリップ検定よりも、時間が
かかり、より高価である。したがって、痕跡量のタンパ
ク質に関して擬陽性検定の数を実質的に減少する試験ス
トリップ検定に対する必要が存在する。
【0019】比色試薬試験ストリップは、前記で考察し
た、ある種の酸−塩基指示薬と相互作用し、pHの変化な
しに指示薬の色を変えるタンパク質の能力を利用する。
例えば、指示薬テトラブロモフェノール・ブルー(TB
PB)が緩衝されておよそ3の一定pHを維持する場合、
試験パッドは、タンパク質を含有しない試験試料と接触
すると黄色を保つ。しかしながら、タンパク質を含有す
る試験試料に関しては、タンパク質の存在は、緩衝され
た色素が試験試料中のタンパク質濃度によって、緑がか
った黄色、緑色または青色のいずれかを試験パッドに呈
することを起こす。結果として、乾相試験ストリップの
試験パッド中の緑がかった黄色の発色は、痕跡量のタン
パク質または陰性量のタンパク質として解釈される。
【0020】タンパク質検定に用いられるいくつかの比
色試験ストリップは、テトラブロモフェノール・ブルー
のような緩衝化pH指示色素で含浸した担体マトリックス
の小さい方形パッドからなる単一試験領域を有する。そ
の他の比色試験ストリップは、上記のようなタンパク質
検定のための一つの試験領域または試験パッドを包含
し、さらに同一のストリップ上にいくつかの付加的な試
験パッドを包含してpHのようなその他の尿成分の同時検
定を可能にする、複数測定因子試薬ストリップである。
【0021】比色試験ストリップの両方のタイプについ
て、尿中タンパク質の検定は、単に比色試験ストリップ
をよく混合した非遠心処理尿試料中に浸漬し、次いで試
験ストリップの試験パッドに結果として生じた色を、比
色試験ストリップ容器に提供されている標準色チャート
と比較することによって実施する。
【0022】pH3に緩衝されたテトラブロモフェノール
・ブルーを指示色素として利用する試験ストリップにつ
いて、タンパク質の定量的検定を実施することができ、
陰性、痕跡、あるいは1プラス〜4プラスとして報告す
る。陰性の読み取りまたは黄色は、指示色素の色遷移の
欠如によって明らかにされるように、尿が約15mg/dL
より少ないタンパク質を含有することを示す。痕跡の読
み取りまたは緑がかった黄色は、尿が約15〜約30mg
/dLのタンパク質を含有することを示す。1プラス〜4
プラスの読み取りは、緑色から次第に暗色化する青色の
色遷移によって意味され、各々30、100、300、
および2000mg/dLタンパク質より多い尿中タンパク
質濃度におよそ等価であって、次第に重症のタンパク尿
の信頼できる指標として役立つ。したがって、陰性検定
(黄色)と痕跡検定(緑がかった黄色)との識別は、正
確なタンパク質分析のために重要である。
【0023】上記の方法にしたがって、尿試料中のタン
パク質含量が0mg/dL〜約30mg/dLの範囲にあること
を、個人が容易に視覚的に測定できる。しかしながら、
現在利用可能な市販の試験ストリップによって与えられ
る色識別は、約15mg/dLタンパク質(陰性)より少な
い試料と約15〜約30mg/dLタンパク質(痕跡)を含
有する試料との間の尿タンパク質含量の正確な測定を可
能にするには不十分である。低尿タンパク質濃度間を識
別することの不可能は、健康人が通常約2mg/dL〜約2
0mg/dLの範囲の尿タンパク質レベルを有するので、臨
床的に重要である。したがって、個体の尿タンパク質含
量を正確に測定することは、タンパク質含量を約30mg
/dLより少ないある値に単に見積もることよりむしろ臨
床的に重要である。
【0024】尿タンパク質に関する痕跡の読み取りは、
陽性検定と考えられ、陽性試験ストリップ読み取りの確
認が必要である。試験ストリップ陽性タンパク質検定を
確認する普及している方法は、SSAと略される比濁ス
ルホサリチル酸法である。高頻度の擬陽性検定は、各々
の擬陽性検定について確認試験を必要とし、付帯的な費
用が加算される。したがって、試験ストリップ検定のよ
うなタンパク質に関するスクリーニング試験は、低頻度
の擬陽性読み取りを提供することが重要である。
【0025】痕跡タンパク尿は、正常尿タンパクより少
し多いタンパク質排出として定義される。タンパク質の
正常な排出は、50〜150mg/24時間、および妊娠
中は200〜300mg/24時間である。1250ml/
24時間の平均尿容積を用いて、4〜12mg/dL(妊娠
中16〜20mg/dL)の濃度単位と計算される。24時
間尿容積は約700ml〜2000mlより多くまで変化す
るので、正常タンパク質の範囲はかなり広く、予想され
るように、より高い比重(SG)を有するより濃縮され
た試料はより多くのタンパク質を含有する。してみれ
ば、痕跡タンパク尿は、陰性と1プラス(30mg/dL)
との間に入るタンパク質濃度である。しかしながら、正
常タンパク尿がある範囲のタンパク質濃度をカバーする
ので、痕跡タンパク尿も又ある範囲のタンパク質濃度を
カバーする。痕跡タンパク質濃度は、試料の比重、即ち
SGにもまた依存する。
【0026】SGに伴うタンパク質濃度の変異は、確認
SSA検定に影響せず、したがって、SSA検定におけ
るタンパク質沈殿は臨床的タンパク尿の指標と考えられ
る。しかしながら、SSA法は定性的方法であり、臨床
実験室間で手順が変わるので、SSA法もまた限界を有
する。したがって、乾相試験ストリップのようなスクリ
ーニング試験で提供されるタンパク質に関する痕跡読み
取りに伴う問題は、読み取りが、臨床試料についてよく
定義されていない;試料のSGに依存する;正常、即ち
陰性タンパク質範囲と重複する;タンパク質範囲に対応
しなければならないことである。さらに、標準化されて
いないが、しかし容易で計器を何ら必要としないために
当業界で選択され、正常タンパク質の存在下で臨床的タ
ンパク尿を検出する定性的方法によって、痕跡読み取り
は、通常、陽性として確認される。
【0027】もちろん、尿試料のタンパク質含量は、定
量的な24時間タンパク質沈殿技術によってより正確に
測定され得る。しかしながら、これらの試験は、時間が
かかり、比較的高価である。さらに、沈殿試験は、訓練
された職員によって実験室で実施しなければならず、し
たがって、患者が家庭で尿タンパク質含量を迅速に測定
し、特定の医療の成功または失敗を監視するためには利
用できない。
【0028】したがって、0mg/dL〜約15mg/dLおよび
約15mg/dL〜約30mg/dLの範囲間、ならびに上に向か
って約100mg/dL〜約300mg/dLまでの範囲のタンパ
ク質レベル間の視覚的識別を可能にする、タンパク質含
量に関して尿を検定する簡単、正確で、信頼に値する方
法を有することは、非常に有利である。尿タンパク質濃
度を測定するこのような正確な方法を、浸漬−読み取り
(dip-and-read) 試験ストリップのような用い易い形態
で提供することによって、検定結果を一日まで待たねば
ならないことなしに診断が下され、医療が即時に開始さ
れるように、実験室職員によって即時の結果を与えるた
めに尿検定を実施し得る。
【0029】さらに、試験ストリップ法は、不必要で時
間と費用がかかる確認試験を必要とする多数の擬陽性検
定を提供することなしに、より正確に低レベルの尿タン
パク質を監視し、患者が受けている医療の成功を監視す
るために、患者によって家庭で実施され得る。最後に、
タンパク質検定に用いられる方法および組成物は、正確
なタンパク質検定を提供するためには、尿の比重に依存
してはならない。
【0030】例えば、現在の尿タンパク質試薬ストリッ
プは、オクタハロスルホフタレインタンパク質指示薬、
例えばテトラブロモフェノール・ブルー(TBPB)を
指示色素として含有する。これらのストリップを低〜中
程度の比重の、例えば1.020より低いSGの、アル
ブミンを含まない尿試料に浸漬すると、ストリップは黄
色がかった緑色になる。同一のストリップをアルブミン
を含まない高SG、例えば1.020以上のSGの尿試
料に浸漬すると、ストリップは緑がかった黄色になる。
この緑がかった黄色は、臨床的に有意のアルブミンの痕
跡濃度(10〜15mg/dL)として、容易に不正に解釈
され得る。しかしながら、低SG尿試料を用いてさえ、
真の痕跡色から陰性色を識別することは困難である。
【0031】本明細書中により十分に後述するように、
本発明の方法は、新規で改良された指示試薬組成物を包
含する担体マトリックスを含む試験パッドを有する試験
ストリップを利用することによって、早くて正確な、信
頼に値する尿タンパク質検定を可能にする。驚くべきこ
とに、そして予期せぬことに、本発明の指示試薬組成物
は、陰性〜痕跡量のタンパク質を含有する尿試料の検定
に対する比重の干渉的影響を事実上排除する。
【0032】本発明の新規で改良された指示試薬組成物
は、陰性量のアルブミンを含有する高SG試験試料によ
る干渉的な緑がかった黄色の発色を事実上排除すること
によって、視覚的色解像を強化する。したがって、検定
の感度は強化され、尿タンパク質濃度を約30mg/dL以
下のレベルで正確に測定し、アルブミンに関する擬陽性
スクリーニング検定から生じる費用のかかる確認試験を
排除することを可能にする。さらに、本発明の方法は、
試験試料中のより高い濃度のタンパク質の存在または濃
度、例えば約100mg/dL〜約2000mg/dLを測定する
ために用いることもできる。
【0033】異常に高いアルブミンレベルに起因するタ
ンパク尿は、臨床的および病理学的障害の正確な性質な
らびに特定の疾病の重症度に依存する。タンパク尿は、
間欠性または連続性、あるいは腎臓障害というよりむし
ろ生理学的または機能的状態によって起こる一時的間欠
性タンパク尿であり得る。したがって、タンパク質に関
する尿またはその他の試験試料の正確な検定は、実験室
と家庭の両方での使用に利用可能でなければならない。
検定は、正しい診断が下され、正しい医療が行なわれ、
監視され、維持されるように、目的のタンパク質の検出
または測定を可能にしなければならない。さらに、尿ま
たはその他の試験試料中のタンパク質の容易、経済的、
定量的もしくは定性的な測定のために、浸漬−読み取り
形式でタンパク質検定法を利用し得るのであれば有利で
あろう。
【0034】さらに、尿またはその他の試験試料中のタ
ンパク質に関するいかなる検定方法も、pH変化またはタ
ンパク質以外の試験試料成分との優先的な相互作用のよ
うな競合する化学的または物理的相互作用の結果として
ではなく、指示試薬組成物とタンパク質との間の相互作
用の結果として検出可能または測定可能な色遷移を提供
する方法を利用することによって、正確で信頼に値す
る、再現性のよい結果を生じなければならない。
【0035】さらに、タンパク質検定法が、迅速、経済
的、そして正確な尿およびその他の試験試料中のタンパ
ク質の測定のための乾相試験ストリップにおける使用に
好適であるならば、有利であろう。加えて、タンパク質
に関する検定に利用され、担体マトリックスおよび指示
試薬組成物を含む方法および試験パッド、ならびに新規
の指示試薬組成物は、複数測定因子試験パッドストリッ
プ上に存在するその他の試験試薬パッドに悪影響を及ぼ
したり、干渉するべきではない。
【0036】色素、例えば、テトラブロモフェノール・
ブルーまたはテトラクロロフェノール−3,4,5,6
−テトラブロモスルホフタレインを利用する乾相化学試
験ストリップは数年の間広範に用いられてきたが、どの
乾相試験ストリップも、前記一般式(I)に示した疎水
性高分子化合物を含有する指示試薬組成物を均一に包含
する濾紙のような担体マトリックスを含む試験パッドを
利用しなかった。
【0037】指示試薬組成物は、尿タンパク質に応答
し、事実上尿比重に依存しないので、それにより陰性量
のタンパク質を含有する高SG試料による試験パッド中
の緑がかった黄色の発色を排除する。したがって、検定
は、特に低めのタンパク質濃度レベルで改良された視覚
的色解像および増加した検定感度を示し、実質的に擬陽
性検定の数を減少する。驚くべきことに、および予期せ
ぬことに、尿比重に関連する干渉の事実上の排除のため
に、本発明の方法は、アルブミンに関する尿およびその
他の試験試料の乾相試験ストリップ検定を、特に0mg/d
L〜30mg/dLのアルブミンレベルで促進する。
【0038】従来技術は、タンパク質に関して尿を検定
するpH指示色素法において用いられる湿相および乾相化
学に関する多数の引用文献を含む。例えば、Kestonの米
国特許第3,485,587号は、一定pHでのタンパク
質に関する検定に用いられる基本的な色素結合技術を開
示する。Kestonは、その色素のpKa (酸解離定数)よ
り少し低い一定pHに維持され、濾紙のような乾試験紙に
包含された単一の指示色素を利用し、その色素の色遷移
を監視することによってアルブミンの存在または濃度を
測定することを教示する。
【0039】Free et al. もまた、米国特許第3,09
5,277号において、未処理濾紙のような吸水性担体
に好適な指示組成物を包含させることによって、液体試
験試料のアルブミン含量を測定する方法を開示する。
【0040】同様に、Atkinson et al. は、米国特許第
3,438,737号において、液体中のタンパク質の
検出のための、吸水性マトリックス、例えば、濾紙、木
材ストリップ、合成プラスチック繊維材、不織布および
織布に包含させた試験組成物を含む試験具を開示する。
【0041】Rittersdorf et al.は、米国特許第4,0
13,416号において、吸収性担体にオクタハロスル
ホフタレインpH指示色素、緩衝剤および約500〜約1
0,000ダルトンの分子量を有する水不溶性ポリプロ
ピレングリコールを包含させた試験ストリップを開示す
る。Rittersdorf et al.は、水不溶性ポリプロピレング
リコールが医薬品の代謝物のような窒素含有化合物と指
示色素との反応性を減少し、それにより試験ストリップ
中のブランク反応を減少することを教示する。Rittersd
orf et al.はまた、水不溶性プロピレングリコールが有
用であることのみを教示し、例えば、ポリエチレングリ
コールは有用ではない。Rittersdorf etal.は、懸垂ポ
リオキシアルキレン単位を含有する炭化水素または本質
的炭化水素骨格を含むポリマーの有用性を教示しない。
【0042】これに対して、本発明の指示試薬組成物
は、メチレン基または酸素基で連結された、ノニルフェ
ノールのような1〜約8個のアルキルフェノール単位を
含有する炭化水素骨格または本質的炭化水素骨格を有す
る疎水性高分子化合物を含有する。ここで、各アルキル
フェノール単位のフェノール部分は、エトキシ化および
/またはプロポキシ化されて、全部で約2および約20
までのエトキシおよび/またはプロポキシ単位を含有す
る。
【0043】上記に引用した引用文献は、前記一般式
(I)で示された疎水性高分子化合物を含有する指示試
薬組成物が、タンパク質のような試験試料中の分析対象
物量のより正確な測定を、特に低分析対象物量で達成す
るために、診断具に用いられ得ることを、単独または組
み合わせで教示または示唆しない。これらの引用文献
は、このような指示試薬組成物が、尿タンパク質に関す
る検定における尿比重の影響を事実上排除することによ
って、アルブミンに関する擬陽性検定の数を実質的に減
少することをもまた、単独または組み合わせで教示また
は示唆しない。
【0044】従来技術とは対照的に、および現在利用可
能な市販試験ストリップとは対照的に、本発明の方法
は、液体試験試料中、例えば、尿のような生体液中のタ
ンパク質の検出および測定における増加した感度を提供
する。驚くべきことに、および予期せぬことに、担体マ
トリックスに均一に包含された指示色素、緩衝剤および
一般式(I)で示された疎水性高分子化合物を含む指示
試薬組成物を利用することによって、陰性量(例えば、
約15mg/dL未満)のタンパク質を含有する試験試料の
検定を、痕跡量(例えば、約15〜約30mg/dL)のタ
ンパク質を含有する試験試料の検定からより正確に識別
し得る。したがって、擬陽性検定の数は実質的に減少さ
れ、不必要で費用のかかる確認検定の数もまた減少され
る。
【0045】それ故、本発明の方法に従えば、指示色
素、緩衝剤および一般式(I)の疎水性高分子化合物を
含む指示試薬組成物を均一に包含した担体マトリックス
を含み、陰性〜低痕跡量のタンパク質を含有する試料に
関する正確なタンパク質検定を提供し、試験試料の比重
に依存しない試験パッドを利用することによって、タン
パク質に関する尿およびその他の試験試料の乾相試験ス
トリップ検定において、新規で予期せぬ結果が達成され
る。
【0046】
【課題を解決するための手段】手短には、本発明は試験
試料中の成分、特に陰性〜痕跡量の成分の存在または濃
度を測定するための新規で改良された方法、試験具およ
び組成物に向けられている。本方法は、試験試料成分と
相互作用し、検出可能な応答を生じることのできる指示
試薬組成物を用いることを含む。家庭での使用には、指
示試薬組成物は視覚的に検出可能な応答を生じる。実験
室での使用には、指示試薬組成物は視覚的にまたは計器
によって検出可能な応答を生じる。
【0047】本方法は、指示試薬組成物を分析対象物検
出具の担体マトリックスに包含する乾相検定に好適であ
る。分析対象物検出具の担体マトリックスは、濾紙のよ
うな吸水性材料、あるいは非吸水性多孔質材料、例え
ば、透過性ストリップまたは高分子物質の層もしくは膜
を含む。指示試薬組成物は、担体マトリックスに均一に
包含され、次いで担体マトリックスは、既知の濃度で担
体マトリックス中に指示試薬組成物を保持し、一方で
は、液体試験試料の浸透可能性を維持する。
【0048】より詳細には、本発明は、新規で改良され
た指示試薬組成物を利用することによる、タンパク質、
特に陰性〜痕跡量のタンパク質に関する尿またはその他
の試験試料の検定の方法に向けられている。
【0049】指示色素、緩衝剤および一般式(I)で示
される疎水性高分子化合物を含有する指示試薬組成物を
用いることが、低タンパク質濃度において十分に増加し
た感度および十分な色解像を与えて、液体試験試料中の
陰性量、例えば約15mg/dL未満のタンパク質と痕跡
量、例えば約15〜約30mg/dLのタンパク質との間の
識別を可能にすることが立証された。検定結果は、事実
上試験試料の比重に依存しない。本発明の重要な特徴に
従えば、尿およびその他の試験試料中の0mg/dLと約2
000mg/dLとの間、特に0mg/dLと約30mg/dLの間の
タンパク質レベルの定性的および定量的測定が達成され
る。
【0050】本発明の指示試薬組成物を臨床試験法に利
用することによって、尿またはその他の試験試料中のア
ルブミンのようなタンパク質の定性的または定量的濃度
を、特に陰性〜痕跡濃度のタンパク質で正確に測定し得
る。これは、指示試薬組成物の応答が試験試料の比重に
依存しないためである。驚くべきことに、および予期せ
ぬことに、分析対象物検出具に包含された指示試薬組成
物は、1.005〜約1.030の範囲の比重を有する
尿およびその他の試験試料中の陰性タンパク質濃度と痕
跡タンパク質濃度との間の識別を可能にし、それにより
尿中タンパク質に関する擬陽性検定の数を有意に減少す
る。
【0051】したがって、本発明の一つの側面は、液体
中の化学化合物の相対的濃度の測定のための、新規で改
良された試験具、方法および組成物を提供することであ
る。
【0052】本発明の別の側面は、タンパク質、特に3
0mg/dL以下の濃度でのタンパク質に関する、尿または
その他の試験試料の検定の、簡単、正確で、再現性のよ
い方法を提供することである。
【0053】本発明の別の側面は、試験液体中のタンパ
ク質と相互作用して、試験試料中のタンパク質濃度の指
標である、試験具の色変化のような視覚的な変化を生じ
るための新規で改良されたタンパク質相互作用性試験具
を提供することである。
【0054】本発明の別の側面は、陰性および痕跡タン
パク質濃度間の識別を可能にするのに十分な感度および
十分な視覚的色解像を有する、尿またはその他の液体試
験試料の検定方法を提供することである。
【0055】本発明の別の重要な側面は、約30mg/dL
以下のタンパク質濃度に感受性であり、0mg/dL〜約2
000mg/dLのタンパク質レベル間、特に0mg/dL〜約3
0mg/dL間を定量的に区別する、尿またはその他の液体
試験試料の検定方法を提供することである。
【0056】本発明の別の側面は、タンパク質と相互作
用し、検出可能および測定可能な色遷移を起こして、試
験試料中のタンパク質の存在および濃度を確立する指示
試薬組成物を利用する、尿またはその他の液体試験試料
の検定方法を提供することである。
【0057】本発明の別の側面は、タンパク質と相互作
用し、視覚的にまたは計器によって識別可能な色遷移を
起こして、0mg/dLと約2000mg/dLとの間、特に0mg
/dLと約30mg/dLの間のレベルで、尿またはその他の試
験試料中のタンパク質の濃度の定量的な測定を可能にす
る指示試薬組成物を提供することである。
【0058】本発明の別の側面は、アルブミンと相互作
用し、色変化を起こすことができる指示試薬組成物を提
供することであって、この指示試薬組成物は、(a)指
示色素;(b)緩衝剤;(c)以下の一般式(I):
【0059】
【化11】
【0060】(式中、Aは
【0061】
【化12】
【0062】であって、POはオキシプロピレン単位、
EOはオキシエチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、
z′は2〜8の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16
の範囲の数、ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子
を含有する、直鎖状または分枝状のアルキル基であり;
1はメチレンであり;nは2〜5の範囲の数であり;
そして、Eは、水素またはメチロールである)を有する
疎水性高分子化合物;および(d)水を含む好適な担体
を含む。
【0063】本発明の別の重要な側面は、アルブミンと
相互作用して、色変化を起こすことができ、一般式
(I)の疎水性高分子化合物を含有する指示試薬組成物
を提供することである。本発明の別の重要な側面は、タ
ンパク質の検定のための、一般式(I)の疎水性高分子
化合物を含有する指示試薬組成物を提供することであ
る。
【0064】一般式(I)において、y′およびz′
は、それぞれ、特に約5〜約6であり;y′+z′の合
計は、特に、約10〜約12であり;およびR2′は、
特に約7〜約12個の炭素原子を含有する、直鎖状また
は分枝状のアルキル基であるのが好ましい。本発明の十
分な利点を達成するためには、R2′は、C919アルキ
ル基のような約8〜約10個の炭素原子を含有するアル
キル基である。
【0065】本発明の別の側面は、一般式(I)の疎水
性高分子化合物を含有する指示試薬組成物を乾相分析対
象物検出具に包含させることによって、タンパク質に関
する検定法を提供することである。
【0066】本発明のさらに別の側面は、試験試料中の
タンパク質含量と相互作用することのできる指示試薬組
成物を包含した担体マトリックスを有する分析対象物試
験具を利用することによって、タンパク質に関する新規
で改良された検定法を提供することである。この場合、
担体マトリックスは、濾紙のような吸水性マトリック
ス、あるいは非吸水性マトリックス、例えば、透過性高
分子物質の層、フィルムまたは膜を含む。
【0067】本発明の上記のおよびその他の側面および
利点ならびに新規の特徴は、以下の本発明の指示試薬組
成物を含有する試験ストリップのタンパク質に対する増
加した感度、それによりより正確で識別可能な分析対象
物測定を可能にすることを明らかにする添付図面に説明
される本発明の好ましい態様の詳細な記載から明らかに
なるであろう。
【0068】図1は、一般式(I)の疎水性高分子化合
物を含有する指示試薬組成物を包含する試験ストリップ
を、疎水性高分子化合物を含有しない指示試薬組成物を
包含する試験ストリップと比較する、630nmでのアル
ブミン濃度(mg/dL)対Kubelka-Munk関数(K/S)の
用量−反応プロットである。
【0069】本発明にしたがえば、尿およびその他の液
体試験試料中のアルブミンのようなタンパク質、特に陰
性〜痕跡濃度のタンパク質に関する定性的または定量的
検定が、(a)指示色素;(b)緩衝剤;(c)以下の
一般式(I):
【0070】
【化13】
【0071】(式中、Aは
【0072】
【化14】
【0073】であって、POはオキシプロピレン単位、
EOはオキシエチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、
z′は2〜8の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16
の範囲の数、ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子
を含有する、直鎖状または分枝状のアルキル基であり;
1はメチレンであり;nは2〜5の範囲の数であり;
そして、Eは、水素またはメチロールである)で示され
る疎水性高分子化合物;および(d)水を含む好適な担
体;を含む指示試薬組成物を利用することによって達成
される。
【0074】本発明の十分な利点を達成するためには、
一般式(I)において、y′およびz′は、それぞれ、
好ましくは約5〜約6であり;y′+z′の合計は、好
ましくは約10〜約12であり;R2′は、好ましくは
約7〜約12個の炭素原子を含有する、直鎖状または分
枝状のアルキル基であることが好ましい。特に有用な態
様においては、R2′は、ノニルアルキル基(C919
である。
【0075】一般式(I)の疎水性高分子化合物を含有
する指示試薬組成物を用いることによって、検定は、タ
ンパク質に対する十分な感度およびタンパク質レベル間
の十分な視覚的色解像を達成し、液体試験試料中の陰性
および痕跡濃度レベルのタンパク質間の識別を可能にす
る。本発明の方法によって与えられる低タンパク質レベ
ルに対する改良された感度および色解像は、0〜約30
mg/dLタンパク質を含有する試験試料の尿検定において
特に有用である。これは、尿中の痕跡量のタンパク質に
関する擬陽性検定の数が実質的に減少されるためであ
る。
【0076】現在の市販の検定は、0mg/dL〜約30mg/
dLの範囲のタンパク質濃度間、特に15mg/dLより少な
いタンパク質を含有する試験試料(陰性検定)と約15
〜約30mg/dLタンパク質(痕跡量のタンパク質)を含
有する試験試料とを有効に識別しない。0mg/dL〜約1
5mg/dLの範囲は健康人にとって正常な尿タンパク質レ
ベルと見なされるため、低タンパク質濃度間を識別する
ことは、当業界において重要である。したがって、0mg
/dL〜約15mg/dLの尿タンパク質レベルは、臨床的には
陰性の結果である。15mg/dLより多い、そして約30m
g/dLまでの尿タンパク質レベルは、疾病状態を示す臨床
的に有意の痕跡量のタンパク質である。スクリーニング
検定で痕跡量の尿タンパク質が発見されると、検定は、
異なる検定法によって確認される。
【0077】したがって、不必要で費用のかかる確認検
定の実施を回避するために、擬陽性検定の数を最少にす
る尿タンパク質検定を提供することが重要である。以下
のこともまた注意されるべきである。即ち、比較的高い
範囲、例えば、約30mg/dL〜約2000mg/dLにおける
尿タンパク質濃度に関してもなお、本発明の方法は尿タ
ンパク質濃度に対する改良された感度および色解像を与
えるが、しかしながら、このような高タンパク質レベル
はさらに検査しなければならない異常な生理学的状態の
決定的指標であるので、このような臨床的利点は、この
濃度範囲においてはさほど重大ではない。
【0078】現在、尿試料は、乾相試験ストリップを尿
に接触させることによって、過剰なタンパク質の存在に
関してスクリーニングされる。試験ストリップは、試験
試料中のタンパク質濃度に応答して検出可能な変化を起
こす指示組成物を包含した試験パッドを含有する。一般
試験パッドは、オクタハロスルホフタレイン指示色素、
緩衝剤および任意の成分、例えば、バックグラウンド色
素、界面活性剤および色安定剤を含有する指示組成物を
包含する。
【0079】この一般試験ストリップは、アルブミンの
みを検出する。しかしながら、アルブミン排出は総タン
パク質排出と相関するため、試験ストリップは優れた総
尿タンパク質検定を提供する。一般試験ストリップは、
標準化アルブミン試料から決定された6つの標準色ブロ
ックと共に包装されている。色チャートは、異なるタン
パク質濃度に対応し、尿タンパク質に関する迅速な検定
を提供する。
【0080】色チャートは、尿タンパク質に関する6つ
の濃度範囲を提供する;臨床的に正常範囲の陰性(15
mg/dL未満)、痕跡範囲(約15〜約30mg/dL)、なら
びに病理学的範囲の30、100、300、および20
00mg/dL。範囲全体にわたって生じる色変化は、黄色
〜黄色がかった緑色〜緑色〜青色である。陰性範囲〜痕
跡範囲では、色変化は緑がかった黄色〜明緑色である。
このような色変化は、検定者が視覚的に識別するのは困
難である。
【0081】色変化が尿中の痕跡量のタンパク質を示す
と解釈される場合、尿の確認検定が必要である。したが
って、陰性検定と痕跡検定との間の色識別が乏しいため
に、試験ストリップがより多数の擬陽性検定を提供する
場合、時間と費用のかかるより多数の確認検定が無用に
実施されるであろう。しかしながら、陰性検定と痕跡検
定との間に決定的な色識別を与える方法および組成物を
提供することは、特に陰性検定が正常量の尿タンパク質
と相関するために、そしてタンパク質濃度は高比重を有
する尿においてより高いために、困難であった。
【0082】高タンパク質濃度、例えば、約100mg/d
L以上を有する尿試料については、高比重および低比重
尿試料に関する色変化は、本質的に同一である。しかし
ながら、比重の影響は、約30mg/dLまでのタンパク質
を含有する試料の検定において観察される。例えば、臨
床的に陰性量のタンパク質を含有する高比重尿試料は、
臨床的に有意量のタンパク質を含有する低比重尿試料の
色変化と密接に調和する色変化を提供する。したがっ
て、陰性高比重尿の検定は、臨床的に有意量のタンパク
質を含有するとして、不正に解釈され得る。次いで、高
比重尿は、SSA法のような確認検定法によって検定さ
れ、確認検定は尿中に臨床的に有意量のタンパク質を見
出さないであろう。したがって、アルブミンに関する擬
陽性スクリーニング試験は、無用な確認検定の実施を起
こす。
【0083】陰性量のタンパク質を含有する高比重(S
G)尿試料の検定の、痕跡量のタンパク質を含有する試
料の検定で示される色への色転置は、陽性SG干渉と呼
ばれる。この干渉は、現在の試験ストリップによって提
供される擬陽性読み取りの源である。高SG尿試料によ
る陽性干渉は少なくとも2つの因子、即ち試験試料中の
第四級アンモニウム化合物の存在および試験試料の緩衝
容量によって起されると理論付けられている。第四級ア
ンモニウム化合物としては、正常タンパク質、ペプチ
ド、アミノ酸およびクレアチニンが挙げられる。これら
の尿成分全ての濃度が、比重の増加に伴って増加する。
陽性SG干渉を起こす別の因子は、高SG尿試料の緩衝
容量、特にpHを0.1単位まで上にシフトするホスフェ
ートである。
【0084】さらに、高SG尿試料は、痕跡およびそれ
以上の陽性タンパク質レベルで指示試薬組成物に対して
減少した反応性を示す。尿タンパク質検定の用量−反応
プロットは、低SG尿試料についてよりも高SG尿試料
について低い傾きを表わす。それ故、異なる色ブロック
間の色識別は、SGの上昇につれてより困難になり、陰
性SG干渉と呼ばれる。この色識別の減少は、特に痕跡
〜30mg/dLの濃度範囲において、擬陽性検定を提供す
る。したがって、陽性の結果のみが確認されるので、検
定者は擬陽性検定のみを自覚する。検定者は、擬陰性試
験ストリップ読み取りを自覚しない。したがって、0〜
30mg/dLの範囲の正確なタンパク質検定を達成するた
めには、尿試料の検定におけるパラメーターとしての、
尿試験試料の比重を排除することが必要である。
【0085】さらに、尿の検定に加えて、本発明の方法
および組成物は、血清または血漿中のアルブミンの存在
または定量的濃度;およびより一般的に、その他の多く
のアルブミン含有液のアルブミン含量を測定するために
用い得ることが明らかになるであろう。本発明の別の重
要な特徴に従えば、本発明の方法および組成物は、尿ま
たはその他の液体試験試料中のタンパク質、特に陰性〜
痕跡濃度のタンパク質の存在または濃度を測定するため
の、乾相の試験パッド検定において用い得る。
【0086】驚くべきことに、および予期せぬことに、
一般式(I)の疎水性高分子化合物を含有する指示試薬
組成物は、試験試料中のタンパク質の存在または濃度を
測定するための色素結合技術において用いる場合、改良
された感度および視覚的色解像を明らかにした。指示試
薬組成物中に一般式(I)の疎水性高分子化合物を用い
る色素結合技術は、特に陰性〜痕跡濃度のタンパク質に
関して、より正確で信頼に値する、臨床的に有意の検定
を提供する。
【0087】好適な担体マトリックスに包含された本発
明の指示試薬組成物を含む試験パッドは、試験試料中の
タンパク質の存在または濃度を測定するための色素結合
技術において用いる場合、低タンパク質濃度に対する改
良された色解像および増加した感度を明らかにした。好
適な担体マトリックスに包含された本発明の指示試薬組
成物を用いる色素結合技術は、0〜約30mg/dLの範囲
のタンパク質に関して、より正確で信頼に値する、臨床
的に有意の定量的検定を提供する。
【0088】タンパク質に関する現在の検定法に用いら
れる指示試薬組成物は、正しい一定pHに維持される場
合、タンパク質と相互作用し、タンパク誤差現象による
色遷移を起こす。タンパク誤差現象は、Free et al. の
米国特許第3,095,277号;Atkinson et al. の
米国特許第3,438,737号;およびKestonの米国
特許第3,485,587号に十分に記載されており、
ここで、タンパク誤差現象を観察するために必要な種々
の色素、正しいpH範囲、緩衝剤および担体マトリック
ス、例えば、濾紙のような吸水性物質が開示されてい
る。
【0089】上記に示した3つの特許は、現在の、尿中
の総タンパク質含量に関する検定に用いられる乾相試験
ストリップを基本的に記載する。これらの総タンパク質
試験ストリップは、通常pH5以下の強酸性で色遷移を起
こす指示色素および指示色素のpHをその色遷移のpHより
少し低く維持する緩衝剤を含む指示試薬組成物を一般的
に含有する。指示色素の十分な緩衝は、色素が試験試料
との接触の際に起こるpH変化よりもタンパク質との相互
作用によって色を変化することを、本質的に保証する。
現在の総タンパク質試験ストリップは、さらに、指示試
薬組成物の包含のための担体マトリックス、例えば、処
理または未処理濾紙を含有する。
【0090】本発明の重要な特徴に従えば、担体マトリ
ックスは、好適な指示色素を含有する本発明の指示試薬
組成物を包含する。好適な指示色素は、タンパク質と相
互作用することができ、タンパク質との相互作用に際し
て、タンパク誤差現象による十分な色遷移を起こし、検
出可能または測定可能な応答を与えることができる。し
かしながら、本発明に従えば、一般式(I)の好適な疎
水性高分子化合物を指示試薬組成物に包含させること
は、視覚的および計器による、指示色素とタンパク質と
の相互作用の際起こる色遷移の色解像および識別を、特
に試験試料が0〜約30mg/dLのタンパク質を含有する
場合に実質的に改良することが見出された。したがっ
て、タンパク質検定の感度は、特に陰性〜痕跡範囲の低
タンパク質濃度で増加し、尿タンパク質に関する擬陽性
検定の数が実施的に減少する。
【0091】本発明の方法は、前記で考察した「タンパ
ク誤差現象」を利用する。しかしながら、一般式(I)
の好適な疎水性高分子化合物の、本発明の指示試薬組成
物への包含は、色素−タンパク質相互作用により起こる
色遷移の色解像および識別を改良する。前述したよう
に、pH指示色素がタンパク質と相互作用する場合、色素
の見掛けのpKa は変化し、いわゆる「タンパク誤差現
象」を生じて色遷移が起こる。少しの色遷移、即ちバッ
クグラウンド色は、試験試料が正常量のタンパク質を含
有する、即ち陰性と検定される場合でさえ起こる。
【0092】バックグラウンド色の発色は、大部分が指
示色素の陽性SG干渉への反応性によるものである。し
かしながら、本発明の指示試薬組成物を用いることによ
って、発色は事実上試験試料の比重に依存しない。結果
として、指示色素のタンパク質との相互作用の際の色解
像および色識別は改良され、検定感度は増加し、そして
擬陽性検定の数は実質的に減少する。
【0093】本発明の指示試薬組成物は、陽性SG干渉
を事実上排除することによって、アルブミン含有試料、
特に30mg/dL以下のタンパク質を含有する試料のため
の改良されたタンパク質検定を提供することが明らかに
なった。したがって、陽性SG干渉を事実上排除するこ
とによって、タンパク質に関する陰性検定は、色空間の
黄色領域に維持される。30mg/dL以下のアルブミンを
含有する試験試料の検定に起因する色遷移の色解像およ
び色識別は、したがって改良される。
【0094】一般に、その色素がタンパク質と相互作用
し、タンパク質相互作用に応答して検出可能および測定
可能な色遷移を起こすことができるのであれば、どんな
pH指示色素でも本発明の組成物に利用し得る。このよう
な指示色素は当業界で公知であり、尿またはその他の液
体試験試料中のタンパク質の存在または濃度を測定する
ための方法において、指示試薬組成物に利用されてい
る。
【0095】試験試料中のタンパク質の存在または濃度
を正確に確立するために、指示色素に加えて、指示色素
がpHシフトの結果として色を変化せず、しかしタンパク
質と接触および相互作用すると色を変化するように、十
分量の正しい緩衝剤をも、指示試薬組成物は必要とし得
ることが知られている。さらに、種々の公知のタイプの
緩衝剤のどれでも、指示試薬組成物に用い得ることが明
らかになった。至適の結果のためには、指示試薬組成物
のpHは、一般に指示試薬組成物の指示色素が色遷移を起
こすpH範囲の少しだけ下に維持されるべきであることも
また見出された。指示試薬組成物の特定の指示色素に関
する好適な緩衝されたpH値を決定する、および指示試薬
組成物に用い得る特定の緩衝剤を決定する方法は、Kest
onの米国特許第3,485,587号に見出される。
【0096】さらに、指示試薬組成物に用いられる指示
色素は、試験試料中の比較的低濃度のタンパク質が検出
可能および測定可能な色遷移を生じるように、十分に強
度のある色遷移を起こす。したがって、本発明の十分な
利点を達成するためには、指示試薬組成物に用いられる
指示色素は、色素がより強度のある色からより強度の少
ない色へ、またはより強度の少ない色からより強度のあ
る色へのいずれかの十分な色変化を起こすように、そし
て検定者が試験試料中のタンパク質含量を視覚的にまた
は計器によって検出および測定し得るように、選択され
る。
【0097】本発明の組成物および方法において最も有
利に用いられる指示色素は、オクタハロスルホフタレイ
ン−型またはオクタハロフェノールフタレイン−型の色
素、例えば、テトラブロモフェノール・ブルー、テトラ
クロロフェノール・ブルー、3′,3″,5′,5″−
テトラヨード−3,4,5,6−テトラブロモフェノー
ルスルホフタレイン、および3,3″−ジヨード−5,
5″,3,4,5,6−ヘキサブロモフェノールスルホ
フタレインである。これらのオクタハロスルホフタレイ
ン−型およびオクタハロフェノールフタレイン−型の色
素は、タンパク質に結合後、試料中の陰性〜痕跡濃度の
タンパク質を含め、試験試料のタンパク質含量の視覚的
なまたは計器による検出および測定を可能にするのに十
分な色遷移を起こすことができる。
【0098】いくつかの化学的および物理的パラメータ
ー、例えば、タンパク質と相互作用する能力、試験試料
の色、色遷移の強度および化学的適合性によって、特定
のオクタハロスルホフタレイン−型またはオクタハロフ
ェノールフタレイン−型の色素が、指示組成物の指示色
素として選択される。一般に、指示色素は、約0.05
〜約0.6mmol/組成物1リットルの量で指示試薬組成
物中に存在する。しかしながら、指示色素は、用いられ
る特定の指示色素の色遷移の強度によって、より多いま
たはより少ない量で存在し得る。
【0099】指示試薬組成物の指示色素として選択され
る厳密なオクタハロスルホフタレイン−型色素またはオ
クタハロフェノールフタレイン−型色素は、最大の色解
像および最大の感度を有するタンパク質検定を生じるた
めに、試験キットを企画する業界の技術者によって決定
され得る。本発明の指示試薬組成物に利用されるオクタ
ハロスルホフタレイン−型色素またはオクタハロフェノ
ールフタレイン−型色素は、当業者には公知の方法によ
って調製し得る。さらに、本発明に方法に有用ないくつ
かの色素化合物は、現在商業的に利用可能な指示色素で
ある。
【0100】さらに、種々の公知のタイプの緩衝剤はど
れでも、本発明の指示試薬組成物に用い得ることが明ら
かになった。緩衝剤の機能は、アルブミンの存在によっ
て指示試薬組成物中の望ましい色変化を生じるために、
およびアルブミン含有試料のpHの変異による色変化を本
質的に排除するために、組成物を実質的に一定pHに維持
することである。結果として、用いられる緩衝剤の量
は、試験試料の性質に依存する。特定の場合にこの範囲
より上または下であり得るが、緩衝剤の量は、通常、約
250mMと750mM(mmol/l)の間に入る。
【0101】用いられる特定の緩衝剤の性質は、指示試
薬組成物に包含される指示色素によって依存・変化す
る。しかしながら、至適の結果のためには、指示試薬組
成物のpHは、指示色素が色遷移を起こすpH範囲より少し
だけ低い値に維持されるべきであることが見出された。
有用な緩衝剤としては、例えば以下のものが挙げられる
が、これらに限定されるものではない:クエン酸、マレ
イン酸、酒石酸、フタル酸、スルホサリチル酸、コハク
酸、およびマロン酸;これら各々のアルカリ金属および
アンモニウム塩;ならびに、その他の好適な緩衝剤また
はその組み合わせは、当業界で公知のとおりである。組
成物中に用いられる特定の指示色素および特定の緩衝剤
のための正しいpHを決定する方法は、Kestonの米国特許
第3,485,587号に見出される。
【0102】指示色素および緩衝剤に加えて、指示試薬
組成物は、一般式(I):
【0103】
【化15】
【0104】(式中、Aは
【0105】
【化16】
【0106】であって、POはオキシプロピレン単位、
EOはオキシエチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、
z′は2〜8の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16
の範囲の数、ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子
を含有する、直鎖状または分枝状のアルキル基であり;
1はメチレンであり;nは2〜5の範囲の数であり;
そして、Eは、水素またはメチロールである)を有する
疎水性高分子化合物を含有する。
【0107】一般式(I)の疎水性高分子化合物は、約
800〜約12,000の、そして好ましくは、約15
00〜約8000の分子量を有する。一般式(I)で示
される疎水性高分子化合物はバックグラウンド色の発色
を減少し;タンパク質以外の尿成分による陽性干渉を減
少し;および乾相試験ストリップ検定において擬陽性検
定に導く高比重試料による陽性干渉を実質的に減少す
る。
【0108】本明細書中で後により十分に考察されるよ
うに、指示試薬組成物1mlあたりの一般式(I)の疎水
性高分子化合物の重量で約1%〜約8%、好ましくは、
約2%〜約6%が、アルブミンを含まない高SG(比
重)または低SG尿試料との接触後に明黄色のままであ
る試験パッドを提供することが示された。
【0109】これに対して、一般式(I)の疎水性高分
子化合物を欠いている試薬組成物を包含する試験パッド
は、アルブミンを含まない高SG尿試料との接触後に緑
がかった黄色に変色する。この黄色〜緑がかった黄色へ
の色遷移は、臨床的に有意の痕跡量のアルブミンとして
不正に解釈され、それにより擬陽性検定を提供する。試
験試料は、次いで、アルブミンに関する不必要で費用の
かかる確認検定に掛けられるであろう。
【0110】本発明の十分な利点を達成するためには、
一般式(I)において、y′およびz′は、独立して、
好ましくは約5〜約6であり;y′+z′の合計は、好
ましくは約10〜約12であり;R2′は、好ましくは
約7〜約12個の炭素原子を含有する、直鎖状または分
枝状のアルキル基であるのが好ましい。
【0111】特に有用な一般式(I)の疎水性高分子化
合物を構造式(II)に示し、本明細書中これ以降はポリ
マーIIとして引用する。ポリマーIIは、約2200の分
子量を有する。
【0112】
【化17】
【0113】必須成分に加えて、必須成分の性質または
機能を実利的に変化させず、タンパク質に関する検定に
干渉しないその他の随意の成分もまた指示試薬組成物中
に含有し得る。例えば、指示試薬組成物は、場合によっ
ては、試験具の試験パッドの試験試料湿潤を改良する化
合物を含有し得る。随意の湿潤化合物は、通常、非イオ
ン性界面活性剤である。オクトキシノール(octoxynol
s)、ノンオキシノール(nonoxynols)およびエトキシ化脂
肪アルコール(ethoxylated fatty alcohols)は、本発明
の指示試薬組成物中の湿潤化合物として有用な非イオン
性界面活性剤の非制限的な例である。湿潤化合物は、0
mM〜約200mMの濃度、好ましくは、約50mM〜約20
0mMの濃度で指示試薬組成物中に含有し得る。
【0114】さらに、タンパク質に関する色原性検定に
おける色解像および色遷移の識別を改良するために、指
示試薬組成物中に不活性バックグラウンド色素を含有し
得る。好適なバックグラウンド色素としては以下のもの
が挙げられるが、これらに限定されるものではない:エ
チルオレンジ(4−(4−ジエチルアミノフェニルア
ゾ)ベンゼンスルホン酸);オレンジG(4−(2−ヒ
ドロキシ−(7,9−ナトリウムジスルホネート)−1
−ナフチルアゾ)ベンゼン);分散オレンジ11、1
3、または25;カルコミンオレンジ(calcomine orang
e );メチルオレンジ;およびオレンジII(4−(2
−ヒドロキシー1ーナフチルアゾ)ベンゼンスルホン
酸)、あるいはその組み合わせ。バックグラウンド色素
は、0mM〜約2mMの濃度、好ましくは、約0.1mM〜約
1mMの濃度で本発明の指示試薬組成物中に含有し得る。
【0115】指示試薬組成物中に含有される成分のため
の担体ビヒクルは、水を含む。しかしながら、指示試薬
組成物中に含有される特定の成分の水溶解性が限られて
いるために、有機溶媒、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、アセトン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、エチルア
セテートおよび同様の溶媒を、水不溶性の成分を溶解す
るために用い得る。指示試薬組成物の担体ビヒクル中に
含有するための好適な有機溶媒または有機溶媒の組み合
わせの選択は、診断試験ストリップを企画する業界の当
業者の能力の範囲内である。
【0116】さらに、指示試薬組成物は、一つは水性ベ
ースのおよび一つは有機溶媒ベースの、それぞれ水可溶
性および水不溶性成分を溶解するための、二つの別個の
溶液から構成され得ることは、理解されるべきである。
このような場合、組成物中に存在する各々の成分の量
は、二つの別個の溶液の総容積を用いて決定される。本
明細書中で後により十分に明らかにされるように、担体
マトリックスは、次いで二つの処理に掛けられ得る。し
たがって、指示試薬組成物の各々の必須成分を担体マト
リックスに均一に包含させるために、第一の溶液、即ち
水性または有機溶媒ベースのどちらかを担体マトリック
スに包含させ、次いで第二の溶液を担体マトリックスに
包含させる。
【0117】尿またはその他の試験試料との接触に際
し、指示試薬組成物の色遷移はタンパク質の存在を明ら
かにする。さらに、色遷移の強度および度合いは、試験
試料によって生じた色を既知の濃度のタンパク質を有す
る溶液によって生じた色と比較または相関することによ
って、試験試料中のタンパク質の定量的量を測定するた
めに用い得る。本発明の重要な特徴に従えば、試験試料
中の陰性〜痕跡量のタンパク質を含め、タンパク質の量
を、分光光度計または比色計のような色測定機器の使用
なしに正確に測定し得るように、十分に解像され識別さ
れる色遷移を、本指示試薬組成物が提供することが明ら
かになった。しかしながら、望む場合には、このような
色測定機器は、試験試料と既知のアルブミン濃度の溶液
との間の、色の度合いおよび強度の差異を測定するため
に用い得る。さらに、検定は、事実上尿の比重に依存せ
ず、それにより擬陽性検定の数を実質的に減少すること
が明らかになった。
【0118】したがって、一般式(I)の疎水性高分子
化合物を含有する本発明の指示試薬組成物を利用するタ
ンパク質に関する検定は、検定の精度および信頼度を改
良し、検定に対する医師の自信をも増加する。加えて、
実験室の訓練された医師または技術者に対立するものと
して、訓練されていない患者によって家庭で実施される
タンパク質に関する尿検定の数のために、尿の比重に起
因する擬陽性検定の数を減少するための、試料中の陰性
〜痕跡タンパク質含量に関する正確で信頼できる定量的
検定法を提供することは肝要である。
【0119】一般に、タンパク質に関する検定は、酸性
pHで色遷移を起こす指示色素を用いて、酸性pHで行う。
これは、この指示色素が、酸性の、低いpH値でより強力
にタンパク質と相互作用し得るためである。低pH値で指
示色素とタンパク質との増加した相互作用が起こるの
は、プラスに荷電した陽イオン性タンパク質分子と、マ
イナスに荷電した陰イオン性指示色素分子との間の強力
な引力のため、およびそれに加えて、酸性条件がタンパ
ク質を部分的に変性し、したがって指示色素と相互作用
するタンパク質の能力を増加するのに役立つためであ
る。したがって、本発明の指示試薬組成物は、一般に酸
性pHに調整・維持される。一般に、本系のpHは、約2〜
約4の間に調整・維持され;本発明の十分な利点を達成
するためには、pHは約3〜4の間に調整・維持される。
【0120】本発明の指示試薬組成物を利用するアルブ
ミンに関する乾相試験パッド検定は、当業界で公知の方
法に従って実施する。一般に、アルブミン検定は、分析
対象物検出具を尿またはその他の試験試料に接触させる
ことによって実施する。分析対象物検出具は、指示試薬
組成物を包含する試験パッドを含む。分析対象物検出具
は、尿または血清試料中に浸漬することができ、あるい
は、尿または血清試料を分析対象物検出具に滴下するこ
とができる。試験具の試験パッドの色変化は、アルブミ
ンの存在を明らかにし、そのように企画されている場合
には、色変化の強度および深度を色チャートと比較し
て、試験試料中のアルブミン濃度の定量的測定値を与え
得る。
【0121】典型的には、分析対象物検出具は、(単一
の分析対象物に関する検定のための)単一パッド試験ス
トリップまたは(いくつかの分析対象物を同時に検定す
るための)複数パッド試験ストリップのどちらかとして
企画された、試薬組成物を含浸した試験ストリップであ
る。どちらのタイプの試薬含浸試験ストリップについて
も、試験ストリップは、支持ストリップまたは通常疎水
性プラスチックで構築されたハンドル、および吸水性ま
たは非吸水性担体マトリックスを含む試薬試験パッドを
含有する。一般に、担体マトリックスは、毛細管力に応
じて試験試料がマトリックス中を移動して試薬組成物と
接触し、検出可能および測定可能な色遷移を生じること
を可能にする吸収性材料である。
【0122】担体マトリックスは、担体マトリックスが
化学試薬に関して不活性である限りにおいて、目的の検
定を実施するのに必要な化学試薬を包含することのでき
るあらゆる物質であり得る。担体マトリックスは、液体
試験試料に関して、多孔質または吸収性でもある。
【0123】「担体マトリックス」という表現は、水お
よびその他の生理学的液体に不溶性で、水またはその他
の生理学的液体に暴露された場合にその構造的完全性を
維持する吸水性または非吸水性のマトリックスを引用す
る。
【0124】好適な吸水性マトリックスとしては、濾
紙、スポンジ材、セルロース、木材、織布、不織布およ
び同様のものが挙げられる。非吸水性マトリックスとし
ては、ガラス繊維、高分子フィルム、および形成(pref
ormed)または微孔性(microporous) 膜が挙げられる。そ
の他の好適な担体マトリックスとしては、親水性無機粉
末、例えば、シリカゲル、アルミナ、珪藻土等;泥質物
質;クロス;親水性天然高分子物質、特にセルロースビ
ーズのようなセルロース材、および特に濾紙またはクロ
マトグラフ紙のような繊維含有紙;合成または変形天然
ポリマー、例えば、セルロースアセテート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリウ
レタン、架橋デキストラン、アガロース、ならびにその
他の架橋および非架橋水不溶性親水性ポリマーが挙げら
れる。
【0125】非吸収性物質は、本発明の担体マトリック
スとしての使用に好適ではない。しかしながら、硬質の
多孔質プラスチックは、試験試料がプラスチックに浸透
して指示試薬組成物に接触することを可能にするのに十
分にプラスチックが多孔質である限りにおいて、担体マ
トリックスとして有用である。担体マトリックスは、異
なる化学組成物または化学組成物の混合物であり得る。
マトリックスは、硬質性および軟質性と組み合わされる
平滑性および粗面性において変化し得る。
【0126】ハンドルは、通常、疎水性材料、例えば、
セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネートまたはポリスチレンで形成され、担体
マトリックスは、最も有利には、吸水性濾紙または非吸
水性透過性高分子フィルムから構築される。
【0127】本発明の十分な利点を達成するためには、
指示試薬組成物は、好適な担体マトリックスに均一に包
含させ、試験試料中のタンパク質の検定のための乾相試
験ストリップにおいて利用する。本発明の方法は、家庭
または実験室において実施され得る、試験試料中のタン
パク質の総濃度に関する経済的で、正確および信頼でき
る検定を与える。さらに、本発明の方法は、事実上試験
試料の比重に依存せず、試験試料中の陰性および痕跡タ
ンパク質濃度の検出および識別を可能にし、それにより
検定を臨床的により有用にする。
【0128】本発明の方法に従えば、タンパク質に関す
る乾相試験ストリップ検定を実施するためには、約25
0mM〜約750mMの総濃度のクエン酸カリウムのような
緩衝剤を含有し、約3.5のpHに調整された水性溶液を
最初に調製する。次いで、吸水性マトリックス、例え
ば、Whatman Ltd., Maidstone, Kent, U.K. から商業的
に利用可能なWHATMAN CCP500濾紙のような濾紙を、展
延、浸漬、または濾紙のシートもしくは予め切断したス
トリップに水性溶液を噴霧することによって、緩衝剤を
含有する水性溶液で飽和する。水性溶媒は、空気炉中で
約50℃で約20分間、炉乾燥することによって濾紙か
ら除去する。
【0129】次いで、約0.3mMのTBPBのような約
0.05〜約0.6mMの指示色素、および5%(W/V)の
ポリマーIIのような約1%〜約8%(W/V)の一般式
(I)の疎水性高分子化合物を含有するテトラヒドロフ
ラン(THF)またはエタノール溶液を調製する。クエ
ン酸緩衝剤を包含する乾燥した濾紙のストリップを、次
いで指示色素およびポリマーIIを含有するTHFまたは
エタノール溶液で飽和する。
【0130】約50℃で約15〜約30分間の炉乾燥に
よってTHFまたはエタノール溶媒を除去した後、試薬
含浸濾紙ストリップを、適当なサイズ、例えば、約0.
25cm×約0.5cm〜約0.5cm×約1.0cmの大きさ
を有するパッドに切断する。試薬含浸濾紙パッドを、次
いで両面粘着剤をつけたプラスチックハンドルに固定し
て、試験ストリップを提供する。
【0131】次いで、試験ストリップを、新鮮な非遠心
処理尿試料に、試験パッドを試料で飽和するのに十分な
時間浸漬する。試験ストリップは、尿試料によるろ紙か
らの緩衝剤の抽出を回避するために、約3〜5秒より長
い時間尿試料に浸漬すべきではない。試験ストリップを
尿試料から除去し、予め決められた時間、例えば約1分
〜約2分待機した後、試験ストリップを、視覚的にまた
は計器によって応答に関して試験する。試験パッドの色
遷移は、もしあれば、尿試料中のタンパク質の存在およ
び/または濃度を明らかにする。
【0132】本発明の方法および組成物を利用するタン
パク質に関する定量的検定を企画するために、試薬パッ
ドのサイズ、指示試薬組成物の強力度、試験試料の量、
および、例えば浸漬よりピペッティングによる等の試験
試料の試験具への導入方法の間の正しいバランスを決定
することは、十分に試験具調製の業界の当業者の実験技
術の範囲内である。
【0133】多くの場合、試験ストリップの簡単な視覚
的観察が望ましい情報を提供する。より正確な情報が必
要な場合、種々の既知のタンパク質濃度に対応する色ス
ポットを有する色チャートを、試験ストリップに包含し
た特定の指示試薬組成物について調製し得る。すると、
尿試料との接触後に生じる試験ストリップの色は、試験
試料のタンパク質濃度を測定するためにチャート上の色
スポットと比較し得る。
【0134】さらにより正確な測定が必要な場合、分光
光度計または比色計を用いて色遷移の度合いをより正確
に測定し得る。さらに、色遷移の度合いをより信頼でき
るようにより正確に測定し、したがって、試験試料中の
タンパク質濃度を、特に0mg/dL〜約30mg/dLのような
低タンパク質濃度でより正確に測定するために、乾相試
験ストリップ検定は、視覚的技術に対立するものとして
分光光度または比色技術を用いることによって定量的に
行い得る。
【0135】本明細書中で後により十分に考察されるよ
うに、本発明の指示試薬組成物を用いて試験試料中のタ
ンパク質の陰性濃度と痕跡濃度との間を検出し、識別す
る能力は、驚くべきことに、および予期せぬことに、液
体試験試料の総タンパク質濃度に関して検定する改良さ
れた方法を提供する。例えば、現在の方法に従えば、臨
床的に有意の痕跡量のタンパク質(例えば、約15〜約
30mg/dLタンパク質)を示す検定と陰性検定(例え
ば、約15mg/dL以下のタンパク質)との識別は困難で
あり、それにより多数の擬陽性検定が生じる。
【0136】擬陽性検定の主要な原因は、タンパク質検
定の試料比重に対する依存性である。したがって、本発
明の方法までは、乾相試験ストリップは、事実上試験試
料比重非依存性ではなく、尿中にしばしば見出されるタ
ンパク質の陰性濃度と痕跡濃度とを一貫して識別するの
に利用可能でもなかった。したがって、本発明の重要な
特徴に従えば、本発明の指示試薬組成物を好適な担体マ
トリックスに包含させることによって、事実上尿試料の
比重に依存しない乾相試験ストリップを用いて尿試料中
のタンパク質の陰性または痕跡濃度の存在を測定し、互
いに識別することができることが明らかになった。
【0137】
【実施例】実施例1 本発明の方法および組成物によって達成される新規で予
期されなかった結果を立証するために、ポリマーIIを用
いて一般式(I)の疎水性高分子化合物を含有する指示
試薬組成物を調製し、次いで、試験試料の総タンパク質
含量に関する乾相試験ストリップ検定に用いた。指示色
素であるテトラブロモフェノール・ブルー(TBPB)
は、タンパク質と相互作用し、約3.5のpHで色遷移を
起こす。TBPBはタンパク質非存在下では黄色であ
り、タンパク質の存在下ではその量の増加につれて、黄
色がかった緑色〜緑色〜青色にわたって色を変化する。
結果として、好適な緩衝剤でpH3.5に調整・維持され
た適当量のTBPBを含有する指示試薬組成物は、標準
化タンパク質溶液との接触に際して、表1に示す色遷移
を生じた。
【0138】表1 標準化タンパク質溶液との接触の際のTBPB含有指示
試薬組成物の色遷移(pH 3.5)標準化タンパク質溶液の濃度(mg/dL) 観察された色 0〜15(陰性) 黄色 15〜30(痕跡) 黄色がかった緑色 30 明緑色 100 中緑色 300 青緑色 2000 暗青緑色
【0139】実施例2 本発明の指示試薬組成物を用いることによって達成され
る新規で予期せぬ結果を示すために、ポリマーIIを用い
て本発明の指示試薬組成物を包含する試験ストリップを
調製し、次いで、0mg/dL〜約30mg/dLの範囲のアルブ
ミンを含有する標準化尿試料の検定において、従来の試
験ストリップと比較した。
【0140】最初に、上記の二つの浸漬手順によって二
組の乾相試験ストリップを調製した。全ての試験ストリ
ップに、担体マトリックスとしてWHATMAN CCP500濾紙を
利用した。全ての試験ストリップを、pH3.5に緩衝さ
れた0.50Mクエン酸カリウム溶液中に浸漬し、次い
で乾燥した。次いで、試験ストリップの一部、試験スト
リップAに、THF中0.30mMTBPB溶液を包含さ
せた。試験ストリップAは、従来技術の試験ストリップ
である。クエン酸緩衝剤を包含するその他の試験ストリ
ップに、0.30mMTBPBおよび5%(W/V) ポリマー
IIを含有するTHF溶液を包含させた。これらの試験ス
トリップは、試験ストリップBであり、本発明の指示試
薬組成物を包含した。
【0141】尿中の0mg/dL〜30mg/dLアルブミンを検
出する能力に関して、試験ストリップAを試験ストリッ
プBと比較した。特に、約1.007の低SGを有し、
イムノアッセイでアルブミンを含まないことが示された
プール尿に、ヒト血清アルブミンを種々の臨床的に有意
のアルブミンレベルになるよう添加した。添加尿試料
は、0、10、15、20、または30mg/dLのアルブ
ミンを含有した。次いで、これらの標準化尿試料を、尿
タンパク質を検出し、0mg/dL〜約30mg/dLタンパク質
の範囲の尿タンパク質検定を識別する能力に関して、試
験ストリップAを試験ストリップBと比較するために用
いた。
【0142】試験ストリップAと試験ストリップBの各
々を、標準化尿試料中に浸漬し、次いで、試験試料中の
タンパク質含量に対する応答に関して試験した。図1
は、試験ストリップAおよび試験ストリップBのアルブ
ミンに対する用量−反応を説明する。特に、図1は、ア
ルブミン濃度(mg/dL)対630nmにおけるK/Sに関
する二つの用量−反応プロットを含む。個々の検定結果
は、この特定の分析対象物の測定のための波長で、好適
な時間に反射率光度計で反射率測定値を取ることによっ
て測定した。0〜1の反射率目盛りで取った反射率を、
以下のKubelka-Munk関数に組み入れた:
【0143】K/S=(1−R)2/2R (式中、Kは吸収係数、Sは散乱係数、およびRは反射
率である)
【0144】図1において、K/S値は、試験試料中の
アルブミン濃度に対してプロットされている。一般に、
反射率が減少するにつれて、K/S値は増加するといわ
れている。
【0145】したがって、図1の二つの用量−反応プロ
ットは、増加するアルブミン濃度の、K/S値に対する
影響および一般式(I)の疎水性高分子化合物を指示試
薬組成物中に含有することの影響を示す。反射率は、6
30nmの波長で測定し、次いでK/S値を計算した。こ
のK/S値は、3回の反復測定の平均K/S値である。
【0146】図1から、アルブミン濃度が増加するにつ
れて、K/S値もまた増加することが観察される。した
がって、反射率は減少したのであり、試験パッド中のよ
り大きい色遷移を示す。図1の用量−反応プロットか
ら、一般式(I)の疎水性高分子化合物、例えば、ポリ
マーIIを指示試薬組成物中に含有すると、図1の実線に
説明されるポリマーを欠く指示試薬組成物と比較して、
図1の点線に説明されるように、ヒト血清アルブミン
(HSA)容量−反応プロットの切片と傾きの両方を低
下させることも観察される。
【0147】本発明の組成物による約0.150から約
0.108への切片の低下が、重要で予期せぬ結果であ
ることは注意されるべきである。図1は、試験ストリッ
プAに包含された従来技術の指示試薬組成物および試験
ストリップBに包含された本発明の指示試薬組成物と
が、標準化尿試料中のアルブミン量に対して、各々十分
な感度を有することを示す。しかしながら、試験ストリ
ップBに包含された本発明の指示試薬組成物が提供した
より低い切片は、試験ストリップBが0mg/dLのアルブ
ミンを含有する試験試料と接触後、試験パッドの決定的
な黄色を維持するのに対し、一方、試験ストリップA
は、0mg/dLアルブミンを含有する試験試料と接触後、
黄色がかった緑色となることを示す。
【0148】比較のために、約0.2〜約0.4の範囲
のK/S値は、尿試料中の痕跡量のタンパク質に対応す
る。約0.2のK/S値を有する試験パッドは、明るい
緑がかった黄色として視覚化される。痕跡量のタンパク
質は、約15mg/dLのタンパク質濃度から始まる。
【0149】したがって、試験ストリップAの黄色がか
った緑色は、試験試料がおよそ5mg/dLのアルブミンを
含有するのみの場合に、痕跡量(約15mg/dL)のアル
ブミンを含有するとして不正に解釈され得る。しかしな
がら、試験ストリップBは、試験試料中のアルブミンの
痕跡濃度(約15mg/dL)で、緑がかった黄色に正しく
変わるのみである。したがって、一般式(I)の疎水性
高分子化合物を含有する本発明の指示試薬組成物は、試
験パッドの色を陰性検定の範囲に維持するのを助け、そ
れにより痕跡量のアルブミンに関する擬陽性検定の数を
実質的に減少する。結果として、痕跡アルブミンに関す
る実質的により少ない不必要な確認検定が実施される。
【0150】試験ストリップAおよび試験ストリップB
を、イムノアッセイでアルブミンを含まないことが示さ
れた高比重(SG=1.023)尿試料の検定において
も比較した。試験ストリップAを試験ストリップBと比
較するために用いた、アルブミンを含有しない(陰性試
料)低SG尿試料および高SG尿試料との両方に関する
検定結果を以下に示す。高SG尿試料および低SG尿試
料の両方が、0mg/dLアルブミンを含有した。
【0151】 630nm(25秒)、0mg/dL アルブミンでのK/S 試験ストリップ 低SG試料 高SG試料 A 0.151±0.010 0.199±0.013 B 0.097±0.002 0.102±0.003
【0152】示したデータから、陰性量のアルブミン
(0mg/dL)を含有する高SG尿試料は、試験パッドに
従来技術の指示試薬組成物を包含した場合(試験ストリ
ップA)、0.199の値を示すことが観察される。こ
れに対して、陰性量のアルブミンを含有し、従来技術の
指示試薬組成物で検定された低SG尿試料は、0.15
1の値を示す。上記に考察したように、低SG尿試料の
0.151の値は、痕跡量のタンパク質として不正に解
釈され得る、ブランク反応についての緑がかった黄色と
して現われる。したがって、高SG尿試料によって示さ
れた0.199の値は、ブランク反応についての緑がか
った黄色を呈し、これはさらに緑色領域までも転置され
得るので、それにより臨床的に有意の痕跡量のタンパク
質に関する検定として、より容易に不正に解釈される。
【0153】したがって、タンパク質に関する検定にお
いて用いられる従来の組成物は、試験パッドの色変化が
試験試料の比重に直接関連するため、許容できない程多
数の擬陽性検定を提供した。高SG尿試料は、試験スト
リップの反応性において、低SG尿試料を越える有意の
増加を示し、したがって、より多数の擬陽性検定を示し
た。これに対して、一般式(I)の疎水性高分子化合物
を含有する本発明の指示試薬組成物は、タンパク質に関
する乾相試験ストリップ検定におけるパラメーターとし
ては、比重を排除する。
【0154】前記に考察したように、従来の組成物を包
含する試験ストリップ(試験ストリップA)でのK/S
値である0.151と比較して、本発明の指示試薬組成
物を包含する試験ストリップ(試験ストリップB)は、
0mg/dLアルブミンを含有する低SG尿試料についての
K/S値を0.097に低下させる。説明したように、
反応性のこの減少は、陰性量のアルブミンを含有する低
SG尿試料の検定において黄色を呈する試験パッドを提
供する。
【0155】驚くべきことに、陰性量(0mg/dL)のア
ルブミンを含有する高SG尿試料は、本発明の組成物を
包含する試験ストリップBで検定すると、0.102の
K/S値を示す。この反応性もまた、アルブミンに関す
る陰性検定として容易に解釈される黄色を呈する試験パ
ッドを提供する。したがって、試験試料の比重は、本発
明の指示試薬組成物を包含する試験パッドによって示さ
れる色変化に事実上影響しないことが示された。結果と
して、タンパク質に関するより少数の擬陽性検定が生じ
る。
【0156】示したデータは、従来の組成物を含有する
試験ストリップで検定された高SG尿試料は、0.19
9のK/S値と決定的な緑がかった黄色の試験パッドを
示し、一方、本組成物を含有する試験ストリップで検定
された高SG尿試料は、0.102のK/S値と黄色の
試験パッドを示したことを表わす。したがって、本指示
試薬組成物が高SG尿試料の存在下で試験ストリップの
反応性を減少し、高SG尿試料に存在する干渉による擬
陽性検定の発生を実質的に減少することが示された。
【0157】
【発明の効果】結果として、試験試料中のタンパク質の
存在および濃度を検出するために本指示試薬組成物を用
いることは、驚くべきことに、および予期せぬことに、
試験試料中の陰性および痕跡量のタンパク質の検出およ
び識別を可能にすることが明らかになった。さらに、本
検定は、試験試料の比重に依存せず、またそれによって
悪影響を受けない。このような予期せぬ改良は、一般式
(I)の疎水性高分子化合物を欠き、試験試料中のタン
パク質含量に関して検定するために用いられる従来の指
示試薬組成物を越える、重要で有用な利点を提供する。
【0158】図1および上に示したデータに説明するよ
うに、従来の方法および組成物は、深刻な比重干渉およ
び約15mg/dL以下の陰性アルブミン濃度と約15〜約
30mg/dLの臨床的に有意の痕跡アルブミン濃度とを有
効に識別することの不可能の両方の欠点を有する。しか
しながら、これに対して、試験試料中のアルブミンに関
して検定するために本発明の指示組成物を包含する試験
具を用いて、検定者は、許容できない程多数の擬陽性検
定を生じることなしに、陰性〜痕跡量のタンパク質を含
め、総タンパク質濃度に関して試験試料を信頼できるよ
うに検定することができる。
【0159】本発明の方法および組成物を利用する検定
は、視覚的に検出可能な色差を示し、試験試料の比重に
依存しないので、試験試料中の陰性および痕跡量のアル
ブミンを検出および識別することを可能にするために、
指示色素、緩衝剤および一般式(I)の疎水性高分子化
合物を含む十分な量の特に有効な指示試薬組成物を包含
する至適の試験ストリップを、試験キットを企画する業
界の当業者は企画し得ることは理解されるべきである。
本発明の方法および組成物は、約15mg/dL以下のアル
ブミンを含有する試験試料と約15〜約30mg/dLのア
ルブミンを含有する試験試料とを、検定者が識別するこ
とを可能にし、それにより擬陽性検定の数を実質的に減
少する。
【0160】全体として、濾紙のような好適な担体マト
リックスに包含された本発明の指示試薬組成物は、異な
るタンパク質濃度を有する試験試料間の検定の色解像を
改良し、液体試験試料の総タンパク質含量に関する擬陽
性結果を、特に約30mg/dL以下の低タンパク質レベル
で排除する。さらに、本組成物は、比重干渉を受けな
い。本発明の方法および組成物は、本指示試薬組成物を
含浸した担体マトリックスと0mg/dL〜30mg/dLの間の
タンパク質レベルを有する試験試料との接触から生じる
色遷移の視覚的識別を可能にし、それにより許容できな
い程多数の擬陽性検定を生じることなしに、陰性〜痕跡
量のタンパク質を含有する試験試料の正確で信頼に値す
る検定を提供する。
【0161】したがって、本発明の重要な特徴に従え
ば、一般式(I)の疎水性高分子化合物を含有する指示
試薬組成物を利用することによって、尿またはその他の
試験試料中の総タンパク質含量、特に陰性または痕跡総
タンパク質含量に関するより正確で信頼できる検定を実
施し得る。本指示試薬組成物は、異なるタンパク質濃度
を有する試験試料間の試験ストリップの色解像を改良
し、それにより特におよそ30mg/dL以下の陰性〜痕跡
アルブミンレベルで検定感度を改良する。
【0162】明らかに、本明細書中に記載されたとおり
の発明の多くの修正および変異を、本明細書の精神およ
び範囲を逸脱することなく為すことができ、したがっ
て、付加された請求項によって示されるような制限のみ
が課せられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーIIを含有する、または含有しない試験
ストリップを用いて作製した、630nmでのアルブミン
濃度(mg/dL)対Kubelka-Munk関数(K/S)の用量−
反応プロットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・ジー・ソマー アメリカ合衆国、インデイアナ州、 46514、エルクハート、マール・ドライ ブ 55745 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/68 G01N 21/78 G01N 31/00 G01N 31/22 121 G01N 33/52

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質含有試験試料と接触すると、
    十分な色遷移を呈して試験試料中のタンパク質の存在ま
    たは濃度を明らかにすることができる指示試薬組成物で
    あって、以下のものを含む指示試薬組成物: (a)タンパク質と相互作用し、色遷移を呈することが
    できる指示色素; (b)緩衝剤; (c)一般式: 【化1】 (式中、Aは 【化2】 であって、POはオキシプロピレン単位、EOはオキシ
    エチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、z′は2〜8
    の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16の範囲の数、
    ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子を含有する、
    直鎖状または分枝状のアルキル基であり;R1はメチレ
    ンであり;nは2〜5の範囲の数であり;そして、E
    は、水素またはメチロールである) を有する疎水性高分子化合物;および (d)水を含む好適な担体。
  2. 【請求項2】 指示色素が、組成物1リットル当たり
    0.05〜0.6mmolの量で存在する、請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】 指示色素が、オクタハロスルホフタレイ
    ン−型色素、オクタハロフェノールフタレイン−型色素
    またはその組み合わせである、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 指示色素が、テトラブロモフェノール・
    ブルー、テトラクロロフェノール・ブルー、3′,
    3″,5,5″−テトラヨード−3,4,5,6−テト
    ラブロモフェノールスルホフタレイン、3,3″−ジヨ
    ード−5,5″,3,4,5,6−ヘキサブロモフェノ
    ールスルホフタレイン、およびその組み合わせより成る
    群から選択される、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 緩衝剤が、組成物を実質的に一定の酸性
    pHに緩衝する、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 緩衝剤が、クエン酸、マレイン酸、酒石
    酸、フタル酸、スルホサリチル酸、コハク酸、マロン
    酸、それらのアルカリ金属およびアンモニウム塩、なら
    びにその組み合わせより成る群から選択される、請求項
    5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 疎水性高分子化合物が、組成物1ml当た
    り1〜8重量%の量で存在する、請求項1記載の組成
    物。
  8. 【請求項8】 試験試料の比重による干渉を事実上受け
    ない、試験試料中のタンパク質の存在または濃度を測定
    する方法であって、以下の(i)および(ii)を含む方
    法: (i)試験試料を、以下のものを含む指示試薬組成物と
    接触させること: (a)タンパク質と相互作用し、色遷移を呈することが
    できる指示色素; (b)緩衝剤; (c)一般式: 【化3】 (式中、Aは 【化4】 であって、POはオキシプロピレン単位、EOはオキシ
    エチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、z′は2〜8
    の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16の範囲の数、
    ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子を含有する、
    直鎖状または分枝状のアルキル基であり;R1はメチレ
    ンであり;nは2〜5の範囲の数であり;そして、E
    は、水素またはメチロールである) を有する疎水性高分子化合物;および (d)水を含む好適な担体。 (ii)指示試薬組成物の色遷移の強度および度合いか
    ら、試験試料中のタンパク質の存在または濃度を測定す
    ること。
  9. 【請求項9】 液体試験試料の比重による干渉を事実上
    受けない、液体試験試料中のタンパク質の存在または濃
    度を測定する方法であって、以下の(i)および(ii)
    を含む方法: (i)液体試験試料を、以下のものを含む指示試薬組成
    物を包含する担体マトリックスを含む試験パッドからな
    る分析対象物検出具と接触させること: (a)タンパク質と相互作用し、色遷移を呈することが
    できる指示色素; (b)緩衝剤; (c)一般式: 【化5】 (式中、Aは 【化6】 であって、POはオキシプロピレン単位、EOはオキシ
    エチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、z′は2〜8
    の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16の範囲の数、
    ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子を含有する、
    直鎖状または分枝状のアルキル基であり;R1はメチレ
    ンであり;nは2〜5の範囲の数であり;そして、E
    は、水素またはメチロールである) を有する疎水性高分子化合物;および (d)水を含む好適な担体。 (ii)該分析対象物検出具を、液体試験試料中のタンパ
    ク質含量に応答する色遷移について試験すること。
  10. 【請求項10】 以下のものを含む、試験試料中のタン
    パク質の存在または濃度を測定するための分析対象物検
    出具: (i)支持ストリップ;および (ii)以下のものを含む指示試薬組成物を包含する担体
    マトリックスを含む試験パッド: (a)タンパク質と相互作用し、色遷移を呈することが
    できる指示色素; (b)緩衝剤; (c)一般式: 【化7】 (式中、Aは 【化8】 であって、POはオキシプロピレン単位、EOはオキシ
    エチレン単位、y′は2〜8の範囲の数、z′は2〜8
    の範囲の数、y′+z′の合計は6〜16の範囲の数、
    ならびにR2′は、6〜18個の炭素原子を含有する、
    直鎖状または分枝状のアルキル基であり;R1はメチレ
    ンであり;nは2〜5の範囲の数であり;そして、E
    は、水素またはメチロールである) を有する疎水性高分子化合物;および (d)水を含む好適な担体。
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