JP2518674B2 - 糖液含浸果実の製造方法 - Google Patents

糖液含浸果実の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、イチゴ、キウイ、リンゴ、パイナップル、
ミカン、ブドウ等の果実に糖液を含浸させた糖液含浸果
実の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
天然イチゴ、キウイ等の果実をそのまま凍結すると氷
のように硬い食感となることが知られている。そこで、
果実中の水分の一部を糖液、油、アルコール等で置換し
て、凍結時の食感をソフトに保つ技術が知られている。
この場合、果実本来の風味を生かす上で、果実中の水分
を糖液と置換するのが望ましいとされている。
このような果実中の水分を糖液と置換するための方法
が、特開昭61−268128号公報に記載されている。ここに
開示されている方法では、原料果実を糖液中に浸漬して
マイクロ波加熱した後、糖液への浸漬状態を保持させて
果実中の水分の一部を糖液で置換する。
しかし、上記の方法には次の問題がある。即ち、 (1) 果実を糖液中に浸漬している間にマイクロ波加
熱が行われるので、果実及び糖液を加熱する必要があ
り、加熱に時間がかかるため、マイクロ波加熱時に果実
中の成分、特に色素が糖液中に溶出する。
(2) 果実加熱後の糖液への浸漬が常圧で行われるの
で、糖の含浸を短時間で完了できず、浸漬処理時にも果
実中の色素が溶出する。
従って、特開昭61−268128号公報に記載の方法によっ
て得られる糖液含浸果実は、色調において全く満足でき
ないものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、糖液含浸果実製造時に、従来技術
のように本来の色がなくなったり、薄れることがなく、
十分に満足できる色調を有する糖液含浸果実を得ること
ができる製造方法を提供することを目的とする。また、
糖液含浸果実を凍結した場合にもソフトな食感を有する
糖液含浸果実が得られる糖液含浸果実の製造方法を提供
することをも目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、先ず果実にマイクロ波照射処理を施した
後、特定の条件下で該果実を糖液に浸漬すると上記課題
を効率よく達成できとの知見に基づいてなされたのであ
る。
すなわち、本発明は原料果実をマイクロ波照射処理し
た後、減圧下で糖液に浸漬することを特徴とする糖液含
浸果実の製造方法を提供する。
本発明で原料として用いる果実としては、イチゴ、キ
ウイ、リンゴ、パイナップル、ミカン、ブドウ、モモ等
が例示されるが、これ以外の果実も対象とすることがで
きる。これらのうち、本発明は、従来の糖含浸処理にお
いて特に色素の溶出が著しいイチゴ、キウイ等の処理に
最適である。
本発明では、上記原料果実を必要により水洗、剥皮し
て用いるが、さらに該果実を成形して使用することもで
きる。ここで、成形する場合には、原料果実を切断して
小片とするか、原料果実を全形のまま所望の形状に成形
する。尚、果実を切断する場合には、切断した形状の大
きさがそろうようにするのが望ましい。これによって、
マイクロ波照射処理によって果実を均一に加熱しやす
く、かつ糖の含浸も効果的に行うことができる。
本発明では、上記原料果実をそのまま使用することが
できるが、果実の変色を防止する目的で、原料果実を食
塩水に浸漬した後、マイクロ波照射処理することができ
る。食塩水の濃度としては、0.5〜2%が例示され、該
食塩水にL−アスコルビン酸、クエン酸等を加えること
もできる。
本発明では、空気中、又はアルゴンガス等の不活性ガ
ス中で上記原料果実にマイクロ波照射処理を施すことを
特徴とする。すなわち、マイクロ波照射処理により果実
を均一に加熱し、もって果実組織を軟化させるためであ
る。ここで、マイクロ波照射処理を次の条件に満たす条
件で行うのが望ましい。
(A) 原料果実に直接マイクロ波を照射して、原料果
実の品温を40〜80℃、好ましくは50〜70℃にする。
つまり、加熱された果実の昇温が40℃に満たないと、
果実組織を十分に軟化することができず、凍結時の果実
の食感が硬くなるからである。一方、果実の昇温が80℃
を越えて沸騰を起こすと、果実組織が崩れる傾向があ
る。しかして、上記温度範囲により、果実組織を十分に
軟化し、凍結時のソフトな食感を達成することができ
る。
(B) 原料果実から水分がしみ出す以前にマイクロ波
の照射を停止する。
つまり、マイクロ波照射処理を一定時間継続すると
(或いはマイクロ波処理の間に果実が沸騰を起こす
と)、果実から水分がしみ出す現象が起こるが、これが
起こる以前にマイクロ波の照射を停止するのがよい。
このように加熱中果実から水分がしみ出すと、水分と
ともに果実中の成分、特に色素が溶出する。
従って、上記水分のしみ出し前にマイクロ波の照射を
停止することによって、色素の損失等を伴わずに果実組
織を軟化することができる。
上記(A)及び(B)の条件を満たすマイクロ波照射
処理の具体的条件としては、例えば通常周波数915MHz或
いは2450MHzのマイクロ波を用い、200W程度で処理す
る。
このような条件でマイクロ波照射処理を行うと(a)
高周波誘導加熱の原理により、果実の内部と表面部が均
一に加熱され、果実組織が均一に軟化される、(b)マ
イクロ波加熱では果実の表面乾燥が起こらず、果実組織
が均一に軟化される、(C)周囲に溶液等の熱媒が存在
しないので、果実成分の溶出は皆無である、(d)果実
組織を軟化するのに要する時間が短い、といった優れた
効果が得られる。
本発明では、次にマイクロ波照射処理した果実を糖液
に減圧下で浸漬する。ここで、糖液を調製するための糖
としては、グラニュー糖、黒砂糖、氷砂糖等の砂糖、ブ
ドウ糖、マルトース、水飴、天然甘味料、人工甘味料等
を上げることができる。尚、本発明で糖液としては、濃
度30重量%(以下、%と省略する)以上、好ましくは50
重量%以上のものを用いるのがよい。ここで、浸漬され
る果実と糖液との配合比率は任意でよく、糖液中に果実
が漬かるようにするのがよい。
本発明では、糖液に浸漬する時の果実の温度は任意で
あるが、マイクロ波照射処理後、果実の温度が40〜80℃
にある間に、常温〜80℃、好ましくは室温〜70℃に保持
された糖液に減圧下で浸漬し、浸漬状態を保持させて常
圧に戻すのがよい。
ここで、浸漬方法は常法、例えば、原料果実をメッシ
ュ状の材料で形成されたリテーナーに収容し、このリテ
ーナーを減圧装置内の糖液中に浸漬した状態で減圧処理
を行うのがよい。より具体的には、糖液の濃度が30〜70
%程度の場合に、1000〜14000パスカル(Pa)、好まし
くは1000〜4000パスカルの減圧下で1〜20分間、好まし
くは3〜5分間浸漬する。尚、圧力が14000パスカルよ
りも高いと、処理時間が長くなって、果実中の色素が糖
液中に溶出し、果実が甘くなり過ぎる傾向がある。一
方、圧力が1000パスカルよりも低いと、ランニングコス
トがかかり作業適性がわるく、また果実及び糖液が沸騰
しやすくなる。しかして、上記範囲により、果肉中が糖
液により十分かつ短時間に置換され、凍結時ソフトな食
感の果実を得ることができる。又、果実本来の色が失わ
れず、適当な甘味のものを得ることができる。
上記浸漬処理は、果実を減圧下で糖液に浸漬した後常
圧に戻す処理を1〜3回繰り返して行うことができる。
尚、浸漬処理により、処理後の果実中の糖濃度が10〜30
%となるようにして行うことが望ましい。これによっ
て、凍結時のソフトな食感が達成され、果実の甘味も良
好となる。
上記浸漬処理後、常法により果実と糖液とを分離し
て、求める糖液含浸果実を得る。
このようにして得た糖液含浸果実は、冷凍食品として
若しくは冷凍食品の材料として好適に使用される。つま
り、本発明で得られた糖液含浸果実は、アイスクリー
ム、アイスケーキ等の材料として使用され、凍結された
場合にもソフトな食感を有し、また果実本来の色調を有
する。尚、果実を凍結する場合は、前記浸漬処理後速や
かに凍結することが、果実の色調を良好に保持する上で
望ましい。
従って、本発明により製造した糖液含浸果実は、その
まま喫食してもよく、また常法により乾燥して乾燥食品
とすることもできる。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、本来の色がなくなった
り、薄れることがなく、また色調においても十分に満足
でき、かつ凍結した場合にもソフトな食感を有する糖液
含浸果実を簡易に製造することができる。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
実施例1 イチゴを水洗し、縦方向に2つ切りにしたもの150gを
棚に並べ、電子レンジに収容した。次いで、2450MHzの
マイクロ波を使用し、200Wで2.5分間マイクロ波照射処
理を行った。マイクロ波照射処理中イチゴから水分がし
み出すことはなく、イチゴの温度は58℃であった。
マイクロ波照射処理の終了後、イチゴをメッシュ状の
材料で形成されたリテーナーに収容し、このリテーナー
を減圧装置内の糖液(温度25℃)400ml中に浸漬した状
態で減圧処理を行った。ここで、糖液としては、50%濃
度の砂糖水溶液を用い、2500パスカルの減圧下で5分間
浸漬処理を行った後、常圧に戻した。
リテーナーを減圧装置内の糖液から引上げ、求める加
工イチゴを得た。この糖液含浸イチゴの糖濃度は13%
で、得られた糖液含浸イチゴはイチゴ本来の赤い色調を
保持していた。
また、該糖液含浸イチゴをケーキの上に載せて凍結
し、これを喫食した場合にも、イチゴはソフトな食感を
有し、またイチゴ本来の赤い色調を保持していた。
実施例2 キウイフルーツを水洗し、剥皮後、スライスカットし
たもの(100〜130g)を棚に並べ、電子レンジに収容し
た。次いで、2450MHzのマイクロ波を使用し、200Wで2
分間マイクロ波照射処理を行った。マイクロ波照射処理
中キウイフルーツから水分がしみ出すことはなく、キウ
イフルーツの温度は60℃であった。
マイクロ波照射処理の終了後、キウイフルーツをメッ
シュ状の材料で形成されたリテーナーに収容し、このリ
テーナーを減圧装置内の糖液(温度25℃)500ml中に含
浸した状態で減圧処理を行った。糖液としては、40%濃
度の砂糖水溶液を用い、7000パスカルの減圧下で7分間
浸漬処理を行った後、常圧に戻した。
リテーナーを減圧装置内の糖液から引上げ、目的とす
る糖液含浸キウイフルーツを得た。この糖液含浸キウイ
フルーツの糖濃度は19%で、得られた糖液含浸キウイフ
ルーツは本来の色調を保持していた。
また、該糖液含浸キウイフルーツを凍結し、これを喫
食した場合にも、キウイフルーツはソフトな食感を有
し、また本来の色調を有していた。
比較例1 イチゴを水洗し、縦方向に2つ切りにしたもの150gを
容器に収容し、該容器内の糖液(温度60℃)700ml中に
浸漬した状態で常圧下60分間浸漬処理を行って、糖液含
浸イチゴを得た。この糖液含浸イチゴの糖濃度は15%で
あった。
比較例2 イチゴを水洗いし、縦方向に2つ切りにしたもの150g
と、濃度が50%の糖液400mlとを容器に収容し、イチゴ
を糖液に浸漬した状態で同容器を電子レンジに収容し
た。マイクロ波照射処理は、2450MHzのマイクロ波を使
用し、200Wで9分間行った。マイクロ波照射処理中約5
分で糖液が沸騰し、イチゴの温度は95〜100℃であっ
た。
マイクロ波照射処理の終了後、前記容器内で糖液への
浸漬状態を2分間保持して糖液含浸イチゴを得た。この
糖液含浸イチゴは、糖濃度が15%であった。
実施例1で得られた糖液含浸イチゴ及び比較例1及び
2によって得られた糖液含浸イチゴの色調を、ハンター
(日本電色工業株式会社製、分光式色差計SZ−Σ80)で
測定した。結果を表−1に示す。
このように、本発明である実施例1と比較例1及び2
との間には、色差=NBS単位(ΔE)に大きな差があ
り、本発明により得られた糖液含浸イチゴが本来の赤み
を有するのに対して、比較例1及び2で得た糖液含浸イ
チゴは赤みが喪失していることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料果実をマイクロ波照射処理した後、減
    圧下で糖液に浸漬することを特徴とする糖液含浸果実の
    製造方法。
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