JP2518351B2 - 電話交換機システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電話交換機システムに係り、とくに発信側
の発信により端末機相互間の接続動作を行なうように構
成された電話交換機システムに関する。

〔従来の技術〕

従来の電話交換機システムは、発信側が着信側の加入
者番号を認識し端末機から発呼して交換機を起動し、そ
の後、着信側の加入者番号のダイヤル信号を交換機に発
信する。交換機は、該ダイヤル信号に基づいて着信側端
末機を特定し、着信側端末機へ（発信側の情報を伴わな
い）単なる呼出信号を送出する。交換機は、該呼出音に
呼応した着信側端末機からの応答に基づいて直ちに発信
側と着信側の各々の端末機の間の接続を行なうようにな
っている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、かかる従来例においては、発信側は、
着信号を認識する加入者番号を指示することにより、通
話前に既に着信側を特定できる。これに反して着信側
は、呼出しに応対する時点においては、発信側を特定で
きず呼出しに応答した後のお互いの通話の中においての
み初めて発信側を特定し認識することができるという状
況があった。

つまり従来の交換機では着信側は、交換機から端末機
を介して発せられる呼出信号によって発信側を特定でき
ないまま、それまで行っていた行動を一時中断して対応
をせまられるという不都合が生じていた。

〔発明の目的〕

本発明では、かかる従来例の有する不都合を改善し、
特に、着信側端末機に発信側端末機についての情報を自
動的に且つ容易に認識され得る表現で出力することので
きる電話交換機システムを提供することを、その目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

本発明では、発信側端末機から着信側端末機の加入者
番号の信号を受け付けて発信側端末機と当該着信側加入
者番号に応じた着信側端末機とに呼び出し信号を出力す
ると共に接続する電話交換機システムにおいて、発信側
端末機と接続された自局交換機が、発信側端末機の加入
者番号や住所等の加入者情報を予め記憶しておく加入者
情報記憶手段を備え、着信側端末機と接続された他局交
換機に、加入者情報記憶手段から送られてくる加入者情
報を一時的に記憶する受信情報記憶手段と、当該加入者
情報を音声信号に変換して出力する音声合成回路とを並
設した、という構成を採っている。

しかも、自局交換機が、着信側端末機の加入者番号の
信号と共に、発信側端末機の加入者番号に応じた加入者
情報を他局交換機へ出力する機能を備え、他局交換機
が、呼び出し信号の出力に合わせて加入者情報に基づく
音声信号を着信側端末機へ出力する機能を備えた、とい
う構成を採っている。これによって前述した目的を達成
しようとするものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図に基づいて説明す
る。

この第１図の実施例は、発信側端末機１に、この発信
側端末機１から出力される着信者側加入者番号に係る信
号を受信するとともに着信側端末機２に送り込む交換機
3,4とを備えている。

この内、発信側端末機１を接続する自局交換機３に
は、発信側端末機１に関する加入者情報を記憶する加入
者情報記憶手段５が装備されている。

また、着信側端末機２に接続されている他局交換機４
には、加入者情報記憶手段５から送られてくる加入者情
報を一時的に記憶する受信情報記憶手段６と、加入者情
報を音声信号に変換して出力する音声合成回路７とが併
設されている。

これを更に詳述すると、自局交換機３は、切換スイッ
チ部3Aと、この切換スイッチ部3Aを介して入力される発
信側端末機１からの発信信号21を自局内の接続か又は他
局への接続かを識別する発信レジスタトランク部3Bと、
発信信号21を一時的に記憶する出センダトランク部3C
と、発信信号21を他局交換機４の入トランク部4Dへ送り
込む出トランク部3Dとを備えている。

この場合、発信レジスタトランク部3Bによって発信信
号21が他局交換機４に接続されるべきものであるとの識
別がなされた場合に、着信者側の加入者番号である発信
信号21が出センダトランク部3Cに一時的に記憶されるよ
うになっている。その後、出トランク部3Dから他局交換
機４へ向けて発信信号21が出力される。

そして、他局交換機４の入トランク部4Dに送られる着
信者側の加入者番号と一緒に、発信側の加入者情報が出
トランク部3D経由で伝送され、他局交換機４の入トラン
ク部4D経由で受信情報記憶手段６に一時的に記憶される
ようになっている。即ち、自局交換機は、加入者番号信
号と共に当該加入者番号信号に応じた加入者情報を他局
交換機に出力する機能を備えている。

この場合に伝送される加入者情報は、自局交換機３内
の加入者情報記憶手段５に予め記憶されるようになって
いる。

着信側の他局交換機４では、発信側の出トランク部3D
を介して入トランク部4Dに送られてくる着信側加入者番
号を受信し、着信側端末機２への通話路が識別されセッ
トされる。

ここで、着信側の他局交換機４は、切換スイッチ部4A
と、この切換スイッチ部4Aに併設された呼出音トランク
部4B,入トランク部4D及び呼出信号トランク部4Cを備え
ている。

次に、着信側の他局交換機４で通話路がセットされる
と、直ちに呼出音トランク部4Bが作動し、着信側端末機
２を呼出中であることを通知する呼出音が入トランク部
4Dと出トランク部3Dを介して発信側端末機１へ送り込
む。

一方、これに相前後して着信側端末機２には、呼出信
号トランク部4Cから出力される呼出信号22とともに、発
信側加入者番号や住所などの発信側加入者情報が受信情
報記憶手段６から音声合成回路７を経由して音声信号と
して伝送される。即ち、他局交換機４は、呼出信号の出
力に併せて加入者情報に基づく音声信号を着信側端末機
２へ出力する機能を備えている。

このため、着信側では、着信側端末機２から出力され
る呼出信号とともに音声による発信側加入者情報が出力
されることから、発信側と通話を行なうための応答の諾
否の判断を極く容易に行なうことができる。

そして、通話を望まない場合は、留守番電話への切換
えや、リセットによる通話路の切断が行われる。一方、
通話を選択する場合には、着信側端末機２からの応答に
よって着信側交換機４はこれを検知する。続いて、着信
側端末機2,入トランク部4D,出トランク部3D及び発信側
端末機１が接続され、その他のトランクが切離される。

以上の動作によって、発信側端末機１と着信側端末機
２との間の通話が可能となる。

発信側端末機１と着信側端末機２の間の通話路の接続
過程において、上述した如く、着信側は発信側の呼出し
に応じて応答する前に交換機に予め登録されている発信
側加入者情報を音声によって得ることによって通話の諾
否の判断が容易となる。このことによって、発信側の主
導の下に着信側の呼出しが行われる電話交換において、
着信側は、通話によって発信側を知るのでなく、通話前
に発信側を知ることが可能となり、通話において対等の
立場におくことができる。また着信側は、通話の諾否の
判断材料を得ることによって通話の権利を留保すること
ができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によると、自局交換機
が、発信側端末機に関する加入者番号や住所等の加入者
情報を予め記憶する機能を具備し、自局交換機が、加入
者番号信号と共に当該加入者番号信号に応じた加入者情
報を他局交換機に出力し、他局交換機が、呼出信号の出
力に併せて加入者情報に基づく音声信号を着信側端末機
へ出力するため、着信側端末機に発信側端末機について
の情報を自動的に且つ容易に認識され得る表現で出力す
ることができる。

さらに、発信側端末機からの発信によって該加入者情
報を着信側の交換機に転送し、着信側交換機から着信側
端末機に呼出信号とともに該加入者情報の音声信号を送
出することにより、着信側端末機の使用者は、この呼出
信号による応答をする前に音声によって加入者番号や住
所などの発信側の加入者情報を知ることができるという
利点がある。

これは、発信側が着信側加入者番号を指示して発信す
る時点において着信側を特定していることから主導的立
場にあることに対して、着信側の利益を守るため、着信
側端末機の使用者に、発信側との通話を行なう前に音声
による発信側の加入者情報によって発信側を特定する手
段を提供するものである。即ち、着信側端末機の使用者
は、着信側端末機の呼出信号に応答する以前に通話の諾
否の判断を行なうことができる。このように、本発明に
おいては、一方的な発信側からの一方的な呼出しによる
通話接続要求に対して着信側の防御が容易になり、着信
側の生活権利が侵されることがなくなるという従来にな
い優れた電話交換機システムを提供することができる。

さらにまた、本発明によれば、自局交換機に加入者情
報記憶手段を設けているので、他局交換機に加入者情報
記憶手段を設けたものに比べて、次のような顕著な効果
を奏する。．加入者情報記憶手段は、その自局交換機
に属する加入者情報のみを記憶すればよくシステム全体
の加入者情報を記憶する必要はないので、記憶容量を簡
素化できる。．ある一つの加入者情報は、その属する
自局交換機の加入者情報記憶手段にのみ記憶されてい
る。そのため、加入者情報の追加，変更等を行う場合、
システム全体の加入者情報記憶手段についてではなく一
つの加入者情報記憶手段についてのみ処置をすればよい
ので、利便性を向上できる。．第１図でも明らかなよ
うに、従来の発信側端末機を改善する必要は全くない。
一方、他局交換機の個数は、発信側端末機に比べればは
るかに少ない。そのため、発信側交換機の改造は容易で
ある。したがって、既存の電話設備への導入は、極めて
容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図である。 １……発信側端末機、２……着信側端末機、３……発信
側の自局交換機、４……着信側の他局交換機、５……加
入者情報記憶手段、６……受信情報記憶手段、７……音
声合成回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自局交換機に発信側端末機が接続され、他
   局交換機に着信側端末機が接続され、この着信側端末機
   の加入者番号の信号を前記発信側端末機から受け付け
   て，当該加入者番号に応じた着信側端末機へ呼出信号を
   出力すると共に，当該着信側端末機と前記発信側端末機
   とを接続する電話交換機システムにおいて、 前記自局交換機が、前記発信側端末機の加入者番号や住
   所等の加入者情報を予め記憶しておく加入者情報記憶手
   段と、前記着信側端末機の加入者番号の信号と共に前記
   発信側端末機の加入者番号に応じた前記加入者情報を前
   記他局交換機へ出力する機能とを備え、 前記他局交換機が、前記加入者情報記憶手段から送られ
   てくる前記加入者情報を一時的に記憶する受信情報記憶
   手段と、当該加入者情報を音声信号に変換して出力する
   音声合成回路と、前記呼出信号の出力に合わせて前記加
   入者情報に基づく前記音声信号を前記着信側端末機へ出
   力する機能とを備えたことを特徴とする電話交換機シス
   テム。