JP2517876B2 - 放射線被曝環境下用非ハロゲン系難燃性樹脂成形体 - Google Patents

放射線被曝環境下用非ハロゲン系難燃性樹脂成形体

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JP2517876B2
JP2517876B2 JP5295937A JP29593793A JP2517876B2 JP 2517876 B2 JP2517876 B2 JP 2517876B2 JP 5295937 A JP5295937 A JP 5295937A JP 29593793 A JP29593793 A JP 29593793A JP 2517876 B2 JP2517876 B2 JP 2517876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線被曝環境下にお
いて優れた耐放射線性を発揮する放射線被曝環境下用非
ハロゲン系の難燃性樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、原子力発電所を始めとする放
射線被曝環境で使用される電線・ケーブルは、その電気
絶縁物が耐放射線性に優れていることが要求されてい
る。また同時に、高い安全性を維持するため、万一の火
災時にも優れた耐延焼性を有していることが要求されて
いる。これらの要求を満たすため、現用材では、ポリエ
チレン等のポリオレフィン樹脂にハロゲン系難燃剤を配
合した難燃性樹脂組成物が使用されている。しかしなが
ら、このようなハロゲン系難燃剤配合の組成物による成
形体は、燃焼時に金属腐食性ガスや多量の煙を発生する
などの問題があった。一方、最近、ポリオレフィン樹脂
に金属水和物を多量に配合した非ハロゲン系の難燃性樹
脂組成物の開発・実用化が進んでいる。このような非ハ
ロゲン系の難燃性樹脂組成物を用いた成形体は、燃焼時
の発煙量も少なく、金属腐食性を示すハロゲン系ガスを
発生させないなどの利点があるため、高度の安全性を必
要とする原子力発電所などの用途にも、その応用が期待
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の非ハロゲン系の難燃性樹脂成形体は、大量の
放射線を被曝すると非常に脆くなり、特に伸び特性が低
下し、その実用性が著しく低下する欠点があった。本発
明は、従来の非ハロゲン系の難燃性樹脂成形体に見られ
た放射線劣化性に着目し、放射線被曝環境下において優
れた耐放射線性を発揮する放射線被曝環境下用の非ハロ
ゲン系難燃性樹脂成形体を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的達成
のため鋭意検討した結果、ベンゼン環のπ電子が放射線
に対して安定化効果を持つことに着目し、架橋反応を利
用して非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物に、このベンゼ
ン環を有するモノマーを導入することで成形体の耐放射
線性を向上させ得たものである。即ち、本発明の放射線
被曝環境下用の非ハロゲン系難燃性樹脂成形体は、ポリ
オレフィン系樹脂100重量部に対して、水酸化マグネ
シウム80〜200重量部および2,4−ジフェニル−
4−メチル−1−ペンテン0.5〜10重量部および所
望量の架橋剤を配合した樹脂組成物を成形し、加熱によ
る架橋処理を施してなることを特徴とするものである。
【0005】また、本発明の他の放射線被曝環境下用の
非ハロゲン系難燃性樹脂成形体は、ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対して、水酸化マグネシウム80〜2
00重量部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1
−ペンテン0.5〜10重量部を配合した樹脂組成物を
成形し、電子線照射による架橋処理を施してなることを
特徴とするものである。
【0006】本発明におけるポリオレフィン系樹脂とし
ては、水酸化マグネシウムの高配合が可能なものであれ
ば、特に限定されるものでないが、好ましいものとして
は、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン−
エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリ
レート共重合体(EMA)等が挙げられる。難燃性付与
剤として、水酸化マグネシウムを配合する理由は、水酸
化マグネシウム以外の金属水和物では、得られる成形体
の電気特性が低下するためである。また、水酸化マグネ
シウムの配合量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対して80〜200重量部が好ましく、80重量部未
満では、得られる成形体の難燃性が不十分であり、20
0重量部を超えた量であると、得られる成形体の機械的
特性が著しく低下する等の問題がある。なお、水酸化マ
グネシウムの粒径は、平均粒径で0. 8〜5μm程度の
ものが好ましい。
【0007】また、2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテンの配合量は、ポリオレフィン系樹脂100
重量部に対して、0. 5重量部〜10重量部が好まし
く、0. 5重量部未満では、得られる難燃性樹脂成形体
への耐放射線性付与効果が薄く、また、10重量部を超
えて多量に配合しても耐放射線性付与効果の一層の向上
は認められず、反面、組成物の架橋度が大きく低下する
ようになり、実用的な機械的強度をもった成形体が得ら
れなくなる。
【0008】本発明の樹脂成形体は、架橋剤を用いる化
学架橋法または電子線等を照射する放射線照射架橋法に
よって架橋処理が施される。架橋剤を用いる化学架橋法
の場合では、例えばジクミルパーオキサイド(DC
P)、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α, −ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン、m−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)イソプ
ロピルベンゼン等の有機過酸化物を架橋剤として用い、
その配合量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て、0. 5〜10重量部程度を配合すればよい。なお、
化学架橋法および放射線照射架橋法などにより架橋処理
すると、架橋反応だけでなく、ポリマー鎖の切断反応が
生起し、架橋反応が阻害される場合があるため、架橋処
理時にポリマー鎖の切断反応を抑制し、架橋反応を促進
する効果のある架橋助剤を併用するのが好ましい。この
ような目的に用いられる好ましい架橋助剤としては、ト
リアリルイソシアネート(TAIC)、トリアリルシア
ヌレート(TAC)、トリメチロールプロパントリメタ
アクリレート(TMPT)等がある。
【0009】
【作用】本発明の放射線被曝環境下用の非ハロゲン系難
燃性樹脂成形体では、配合した2,4−ジフェニル−4
−メチル−1−ペンテンが、架橋処理時にその分子内の
二重結合の部分を介してポリオレフィン系樹脂にグラフ
トしてベンゼン環を有する2,4−ジフェニル−4−メ
チル−1−ペンテンが樹脂中に導入されると共に、架橋
反応に関与する架橋助剤的な働きをして、架橋した成形
体の耐放射線性を向上させる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明する。 (実施例1〜5、比較例1〜5)表1に示す各成分をそ
れぞれ混合した組成物をロールで均一に混練した後、温
度160℃、30分間プレス成形して試験用架橋物シー
トをそれぞれ作製した。こうして作製した試験用架橋物
シートについて、機械的特性、難燃性、耐放射線性等を
測定評価した。得られた結果を表1に併記する。なお、
一般に、ケーブルの絶縁体やシースの引張強度は、JI
S規格ではポリエチレンやポリ塩化ビニルでは10MP
a程度以上が要求される。また、伸びについては、曲げ
に対するフレキシビリティが必要なことから、γ線照射
後の伸び率が高いほど良い。
【0011】
【表1】
【0012】表1から明らかなように、ポリオレフィン
系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、こ
れに、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
を配合し化学架橋処理した実施例1〜3の成形体は、γ
線総照射線量が1, 0×106 Gyで、その引張強度は
11. 0〜11. 6MPaを保有し、伸びも320〜3
93%(γ線照射線前の56〜62%)の高い伸びを保
持していた。また、γ線総照射線量が2, 25×106
Gyでも、その引張強度は7. 8〜8. 8MPaを保有
し、伸びも178〜250%(γ線照射線前の30〜3
9%)の伸びを保持していた。これに対して、2,4−
ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを配合しない比
較例1〜3の成形体は、γ線総照射線量が1, 0×10
6 Gyで、その引張強度は10. 7〜12. 3MPaと
本発明の実施例品と同等の引張強度を保有していたが、
伸びは195〜243%(γ線照射線前の36〜48
%)に大幅に低下した。そして、γ線総照射線量が2,
25×106 Gyでは、その引張強度は10.5〜11.
4MPaとあまり低下しなかったが、伸びは132〜
153%(γ線照射線前の24〜30%)と大幅に低下
したものとなった。また、2,4−ジフェニル−4−メ
チル−1−ペンテンの配合量が、本発明での規定量より
多い配合量である比較例4の成形体は、架橋阻害により
γ線照射前の引張強度の初期値が、既に8. 7MPaと
一段と低いものであった。
【0013】また、ポリオレフィン系樹脂として極低密
度ポリエチレンを用いた実施例4〜5および比較例5で
は、実施例4〜5の成形体は、γ線総照射線量が1, 0
×106 Gyで、その引張強度は10. 7〜11. 3M
Paを保有し、伸びも204〜252%(γ線照射前の
39〜43%)と高い伸びを保持していた。これに対し
て、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを
配合しない比較例5の成形体は、γ線総照射線量が1,
0×106 Gyで、その引張強度は9. 3MPaと大幅
に低下し、伸びも65%と(γ線照射前の19%)に大
幅に低下した。そして、γ線総照射線量が2, 25×1
6 Gyでは、その引張強度は11.2MPaとあまり
低下しなかったが、伸びは50%以下と(線照射前の9
%以下)大幅に低下したものとなった。
【0014】(実施例6〜7、比較例6〜7)表2に示
す各成分をそれぞれ混合した組成物をロールで均一に混
練した後、帯状に取り出し、これを粒状(角ペレット)
化した。次に、この粒状ペレットを押出機を用いて太さ
2mm2 の導体上に外径が3.4mmとなるように押出
被覆して絶縁電線を製造した。次に、この製造した絶縁
電線に照射量15Mrad、加速電圧750kevの条
件で電子線照射して架橋処理した。以上のようにして製
造した架橋絶縁電線について、機械特性、難燃性、耐放
射線性等を測定した。得られた結果を表2に併記する。
【0015】
【表2】
【0016】表2から明らかなように、実施例6〜7の
架橋絶縁電線の絶縁体は、γ線総照射線量が1, 0×1
6 Gyで、その引張強度は11. 3〜13. 6MPa
とγ線照射処理前とほとんど変わらず、また、伸びは3
68〜385%(γ線照射処理前の61〜73%)を保
有していた。そして、γ線総照射線量が2, 25×10
6 Gyでは、その引張強度は10.8〜11. 5MPa
を保有し、伸びも88〜105%(γ線照射前の16〜
17%)を保有していた。これに対して、2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテンを配合しない比較例
6の絶縁体は、γ線総照射線量が1, 0×106 Gy
で、その引張強度は10. 7MPaを保有していたが、
伸びは180%と(γ線照射処理前の41%)大幅に低
下した。そして、γ線総照射線量が2, 25×106
yでは、その引張強度は12.9MPaと高くなり、伸
びは50%以下と(γ線照射処理前の11%以下)大幅
に低下したものとなった。また、2,4−ジフェニル−
4−メチル−1−ペンテンの配合量が、本発明での規定
量より多い配合量である比較例7の絶縁体は、架橋阻害
によりγ線照射前の引張強度の初期値が、既に6. 6M
Paと一段と低いものであった。
【0017】
【発明の効果】以上、実施例から明らかなように、本発
明の放射線被曝環境下用の非ハロゲン系難燃性樹脂成形
体は、放射線被曝環境下において難燃性が何ら阻害され
ることなく、優れた耐放射線性を有するものであり、そ
の実用的価値は極めて大きいものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    して、水酸化マグネシウム80〜200重量部および
    2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.5
    〜10重量部および所望量の架橋剤を配合した樹脂組成
    を成形し、加熱による架橋処理を施してなることを特
    徴とする放射線被曝環境下用非ハロゲン系難燃性樹脂成
    形体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    して、水酸化マグネシウム80〜200重量部および
    2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.5
    〜10重量部を配合した樹脂組成物を成形し、電子線照
    射による架橋処理を施してなることを特徴とする放射線
    被曝環境下用非ハロゲン系難燃性樹脂成形体。
JP5295937A 1993-11-02 1993-11-02 放射線被曝環境下用非ハロゲン系難燃性樹脂成形体 Expired - Lifetime JP2517876B2 (ja)

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