JP2517796Y2 - 液圧緩衝器 - Google Patents

液圧緩衝器

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JP2517796Y2
JP2517796Y2 JP1989026765U JP2676589U JP2517796Y2 JP 2517796 Y2 JP2517796 Y2 JP 2517796Y2 JP 1989026765 U JP1989026765 U JP 1989026765U JP 2676589 U JP2676589 U JP 2676589U JP 2517796 Y2 JP2517796 Y2 JP 2517796Y2
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千春 中沢
逸世 金成
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株式会社 ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、車両のサスペンションに用いるのに最適な
液圧緩衝器に関する。
(従来の技術) 従来の液圧緩衝器としては、例えば、***特許833574
号のものが知られている。
この従来の液圧緩衝器にあっては、シリンダの上部液
室と下部液室とを画成するピストンに上部液室と下部液
室とを連通する連通孔が設けられ、この連通孔の外周に
内側シート面が形成され、さらに、内側シート面の外周
位置には内側シート面よりも下部液室側に突出して外側
シート面が形成され、内外両シート面にそれぞれ当接し
て第1ディスクバルブ及び第2ディスクバルブがピスト
ンに共締め状態で設けられ、かつ、両ディスクバルブ間
には中間室が形成された構成となっていた。
従って、伸行程時には、上部液室内の作動液が連通孔
から第1ディスクバルブを開弁して中間室に流入し、さ
らに、第2ディスクバルブを開弁して下部液室に流入す
るもので、第1ディスクバルブと内側シート面間で減衰
力が生じると共に、第2ディスクバルブと外側シート面
間で減衰力が生じる。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、上述のような従来の液圧緩衝器にあっ
ては、内側シート面と外側シート面とが、1つのピスト
ンの端面に2段に形成された構成となっていたため、内
側シート面及び第1ディスクバルブは外側シート面及び
第2ディスクバルブよりも小径とせざるを得ず、このた
め、第1ディスクバルブの剛性が高く成りがちで、低減
衰力化が難かしい。
逆に、外側シート面及び第2ディスクバルブは、内側
シート面及び第1ディスクバルブよりも大径にせざるを
得ず、このため、ピストンが大径となりがちで、液圧緩
衝器が大型になりがちで、コンパクト化が困難である。
即ち、低減衰力化しようとするとピストンが大径とな
り、ピストンをコンパクト化すると高減衰力となるもの
で、低減衰力化とコンパクト化の両立が困難であるとい
う問題があった。
さらに、従来の液圧緩衝器では第1・第2ディスクバ
ルブは、ナットでピストンに共締めされていてピストン
に対する相対位置関係が両者同時に変化する構造となっ
ているため、例えば、第1ディスクバルブの板厚を変化
させて剛性を変化させるようにした場合、第2ディスク
バルブのピストンに対する位置も変化してしまう。この
ため、第2ディスクバルブのピストンに対する相対位置
が変化しないようにする手段が必要となるもので、剛性
設定自由度が低いという問題があった。
また、ピストン部分によっては、減衰力特性を可変に
することができない構造であった。
本考案は、上述のような従来の問題点に着目して成さ
れたもので、全速度域で線形特性が得られ、コンパクト
化を図るのが容易であり、かつ、伸側と圧側とで別個に
減衰特性を設定できて減衰特性の設定自由度が高い減衰
力可変型の液圧緩衝器を提供することを目的としてい
る。
(課題を解決するための手段) 上述のような目的を達成するために本考案の液圧緩衝
器では、作動液が充填されたシリンダ内に、伸行程で拡
張される下部液室と、圧行程で拡張される上部液室とに
液室を区画して摺動可能に設けられたピストンと、この
ピストンの下部液室側に環状に形成されたピストン側凹
部と、前記ピストンに対向する側に伸側凹部が形成さ
れ、この伸側凹部の周壁を前記ピストン側凹部の内周に
形成された環状壁に嵌合させてピストンとの間に中間室
を形成した伸側ボディと、前記ピストン側凹部の環状壁
よりも外側位置において前記上部液室と下部液室とを連
通して前記ピストンに形成された圧側連通孔と、この圧
側連通孔を上部液室に向けてのみ開弁可能に設けられた
圧側減衰バルブと、前記圧側減衰バルブをバイパスして
上部液室と下部液室とを連通し、下部液室から上部液室
方向のみの流通を許す圧側チェックバルブが設けられた
圧側バイパス通路と、この圧側バイパス通路の途中に設
けられて、下部液室から上部液室への作動液の流量を絞
る圧側可変オリフィスと、前記上部液室と中間室とを連
通して前記ピストンに形成された第1伸側連通孔及び、
前記中間室と下部液室とを連通して前記伸側ボディに形
成された第2伸側連通孔と、前記ピストンの中間室側端
面において第1伸側連通孔の外周に形成された第1伸側
シート面及び、前記伸側ボディの下部液室側端面におい
て第2伸側連通孔の外周に形成された第2伸側シート面
と、前記第1伸側連通孔を中間室に向けてのみ開弁可能
に第1伸側シート面に当接状態で設けられた低減衰の第
1伸側ディスクバルブと、前記第2伸側連通孔を下部液
室に向けてのみ開弁可能に第2伸側シート面に当接状態
で設けられた高減衰の第2伸側ディスクバルブと、前記
第1伸側ディスクバルブ下流の中間室と下部液室とを前
記第2伸側ディスクバルブをバイパスして連通する伸側
バイパス通路と、この伸側バイパス通路の途中に設けら
れ、中間室から下部液室への作動液の流量を絞る伸側可
変オリフィスとを設けた。
(作用) 本考案の液圧緩衝器では、伸行程において上部液室か
ら下部液室へ作動液の流通が成される場合、以下のよう
な流路を辿る。
即ち、上部液室の作動液は、ピストンの第1伸側連通
孔から第1伸側ディスクバルブを開弁して中間室に流入
する。そして、伸側可変オリフィスが開いている状態に
おいて、第2伸側ディスクバルブが開弁しない低速域で
は、中間室から伸側バイパス通路のみを経由して下部液
室に流入し、一方、第2伸側ディスクバルブが開弁する
中・高速域では、主として伸側ボディの第2伸側連通孔
を経由して第2伸側ディスクバルブを開弁して下部液室
に流入する。
従って、まず、作動液が第1伸側ディスクバルブと第
1シート面との間に形成される隙間を流通する際に、速
度2/3乗特性の低減衰力が生じ、さらに、低速域では、
作動液が伸側バイパス通路の途中に設けられている伸側
可変オリフィスを流通する際に速度2乗特性の減衰力が
生じ、このように、第1伸側ディスクバルブの速度2/3
乗特性(速度が増す程変化率が低下する)に対して、こ
の速度2/3乗特性とは対称的な伸側可変オリフィスによ
る速度2乗特性(速度が増す程変化率が増加する)が直
列に加算されることにより、減衰力の低速域での立ち上
がりをよくし、かつ、急激な上昇を抑えて線形特性が得
られ、一方、中・高速域では、第2伸側ディスクバルブ
と第2シート面との間に隙間が形成されるために、主と
して該隙間を流通する際に、速度2/3乗特性の高減衰力
が生じ、伸側可変オリフィスおよび第1伸側ディスクバ
ルブの影響が小さくなって、第2伸側ディスクバルブの
速度2/3乗特性による線形特性が得られ、従って全速度
域で線形特性が得られる。
尚、作動液が中間室から第2伸側連通孔を経由して第
2伸側ディスクバルブを開弁して流通するか否かは伸側
可変オリフィスの流量により決定される。即ち、伸側可
変オリフィスの流量が増大するにしたがって伸側可変オ
リフィスの流通抵抗が大きくなって中間室の液圧が上昇
し、その結果、第2伸側ディスクバルブが開弁する。従
って、伸側可変オリフィスの開口面積が大きいほど第2
伸側ディスクバルブの開弁時期が遅れて低減衰特性とな
り、一方、伸側可変オリフィスの開口面積が小さいほど
第2伸側ディスクバルブの開弁時期が早まって高減衰特
性となる。
また、本考案では第1伸側シート面はピストンに形成
し、第2伸側シート面は伸側ボディに形成しているた
め、両伸側シート面の外径は、それぞれ独立して設定す
ることができる。従って、両伸側ディスクバルブ直径
は、圧側の減衰バルブに全く関係なく設定できるのはも
ちろんのこと、相互にもそれぞれ独立して設定すること
ができ、しかも、第1及び第2伸側ディスクバルブの受
圧面積も任意に独立して設定可能で、各ディスクバルブ
の減衰力特性を独立に設定できるものである。さらに、
第1伸側ディスクバルブの板厚を変化させても、第2伸
側ディスクバルブの伸側ボディに対する相対位置は変化
しない。
また、第1伸側ディスクバルブを配置させる中間室
は、ピストン側凹部の内周の環状壁に伸側ボディの伸側
凹部の周壁を嵌合させて形成するようにしたため、2部
材という少ない部品点数で、シリンダとの摺動部分に面
することなく液密性に優れた中間室を形成することがで
きる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。
まず、実施例の構成について説明する。
第1図は、本考案一実施例の液圧緩衝器の要部を示す
断面図であって、図中1は円筒状のシリンダを示してい
る。このシリンダ1は、摺動自在に装填されたピストン
2によって、伸行程時に容積減少される上部液室Aと圧
行程時に容積減少される下部液室Bとに画成され、内部
には油等の作動液が充填されている。
前記ピストン2は、ピストンロッド3の先端に小径に
形成された取付部3aに圧側ボディ4及び伸側ボディ5と
共に、ナット6により締結されている。即ち、前記取付
部3aに対しストッパプレート7,ワッシャ8,圧側チェック
バルブ9,圧側ボディ4,ワッシャ10,圧側ディスクバルブ
(圧側減衰バルブ)11,ピストン2,第1伸側ディスクバ
ルブ12,ワッシャ13,伸側ボディ5,第2伸側ディスクバル
ブ14,ワッシャ15,スプリングシート16,スプリング17を
順次装着し、最後にナット6で締結している。
さらに、詳細に説明すると、前記圧側ボディ4は、上
面に溝部4aが形成されていると共に、その外周には第1
圧側シート面4bが形成されている。そして、この溝部4a
は圧側ボディ4の上面に形成された圧側連通溝4cと、圧
側ボディ4の内周に形成された環状溝4dと、取付部3aに
穿設された上部連通孔3bと、取付部3aの内部に形成され
た中空部3cを介して下部液室Bに連通されている。
そして、前記第1圧側シート面4bに前記圧側チェック
バルブ9が当接状態で設けられている。この圧側チェッ
クバルブ9は、前記溝部4aを上部液室Aに対して開閉す
るもので、前記ストッパプレート7により開弁時におけ
る所定以上の撓みが規制される。
次に、前記ピストン2は、その上面に圧側溝2aが形成
されると共に(第2図参照)、下面には環状の第1伸側
溝2bが形成されている(第3図参照)。尚、第2図はピ
ストン2の平面図、第3図はピストン2の底面図であ
る。
そして、前記圧側溝2aは圧側連通孔2cにより下部液室
Bに連通されていると共に、第1伸側溝2bは第1伸側連
通孔2dを介して上部液室Aに連通されている。
さらに、前記圧側溝2aの外周には第1圧側シート面2e
が形成されていて、この第1圧側シート面2eに前記圧側
ディスクバルブ11が当接状態で設けられている。尚、こ
の圧側ディスクバルブ11は、前記圧側ボディ4の下面に
よって開弁時における所定以上の撓みが規制される。
尚、この圧側ディスクバルブ11は圧側チェックバルブ9
よりも剛性が高いものが用いられている。
また、前記第1伸側溝2bの外周には第1伸側シート面
2fが形成され、この第1伸側シート面2fに、前記第1伸
側ディスクバルブ12が当接状態で設けられている。尚、
この第1伸側シート面2fは、伸側ボディ5の上面によっ
て所定以上の撓みが規制される。
さらに、前記ピストン2の下面には、前記第1伸側シ
ート面2fの外周に、上方に凹まされて環状のピストン側
凹部2gが形成されている。一方、前記伸側ボディ5の上
面には伸側凹部5aが下方に凹まされて形成されていて、
図示のように、前記ピストン側凹部2gのの内周の環状壁
2jに伸側凹部5aの周壁を嵌合させた状態で、ピストン2
の下面に前記伸側ボディ5が設けられている。
そして、ピストン2と伸側ボディ5との間にワッシャ
13が介在されると共に、伸側ボディ5の上面(伸側凹部
5aの底面)に形成された溝部5b(第4図参照)とによ
り、ピストン2の下面と伸側ボディ5の上面との間に中
間室18が形成され、さらに、前記伸側ボディ5には、下
面に環状の第2伸側溝5cが形成され(第5図参照)ると
共に、この第2伸側溝5cと前記溝部5bとを連通する第2
伸側連通孔5dが穿設されている。尚、第4図は伸側ボデ
ィ5の平面図、第5図は伸側ボディの底面図である。
そして、前記第2伸側溝5cの外周に形成された第2伸
側シート面5e(第5図)に前記第2伸側ディスクバルブ
14が当接状態で設けられている。即ち、この第2伸側デ
ィスクバルブ14は、第2伸側溝5c(第2伸側連通孔5d)
を下部液室Bに対して開閉する。尚、前記第2伸側シー
ト面5eは、第1伸側シート面2fより少しだけ大径に形成
されており、よって、第2伸側ディスクバルブ14は第1
伸側ディスクバルブ12よりも少しだけ大径に形成されて
いると共に剛性が高くなっている。また、第2伸側ディ
スクバルブ14の外周下面には前記スプリングシート16が
当接され、この第2伸側ディスクバルブ14の外周にスプ
リング17の付勢力が与えられている。
さらに、前記伸側ボディ5の上面には、この伸側ボデ
ィ5の内周に形成された環状溝5fと溝部5bとを連通する
伸側連通溝5gが形成されていて、さらに、前記環状溝5f
は、取付部3aに穿設された下部連通孔3dと前記中空部3c
とを介して下部液室Bに連通されている。即ち、伸側連
通溝5gと環状溝5fと下部連通孔3dと中空部3cにより、請
求の範囲の伸側バイパス通路IIIを構成している。
また、前記中空部3c内には中空の調整子20が上側スラ
ストブッシュ21と下側スラストブッシュ22とに上下を支
持されて回転自在に収納されている。この調整子20は、
前記上部連通孔3b及び下部連通孔3dと対応する位置に、
それぞれ圧側可変オリフィス20a及び伸側可変オリフィ
ス20bが形成されていて、この調整子20の回転に基づ
き、前記上部連通孔3b及び下部連通孔3dを下部液室Bに
対して連通状態としたり遮断状態としたり変化可能とな
っている。尚、この調整子20の回転は、図外のアクチュ
エータに連結されたコントロールロッド23により成され
る。
次に、実施例の作用について説明する。
(イ)圧行程時 ピストン2が図中下方にストロークすると、下部液室
B内の作動液が上部液室Aへ移動する。その際に作動液
が流通可能な経路が2つある。
第1の経路は、図中Iで示す圧側バイパス通路であっ
て、下部液室Bから取付部3aの中空部3c内を通り、圧側
可変オリフィス20aから、上部連通孔3b,環状溝4d及び圧
側連通溝4cを介して溝部4aに流入し、そこから圧側チェ
ックバルブ9を開弁して上部液室Aに流入する経路であ
る。そして、第2の経路は、図中IIで示す圧側メイン経
路であって、ピストン2の圧側連通孔2cを通り圧側溝2a
に流入して圧側ディスクバルブ11を開弁し上部液室Aに
流入する経路である。
即ち、第1図に示すように圧側可変オリフィス20aと
上部連通孔3bとを符合させている場合は、第6図に示
す低減衰力特性となり、この場合、低速作動域では、作
動液は上記圧側バイパス通路Iを流通し、圧側可変オリ
フィス20aで速度2乗特性の減衰力が生じると共に、そ
れと直列に圧側チェックバルブ9と第1圧側シート面2e
との間で速度2/3乗特性の減衰力が生じる。
そして、中・高速作動域となると、上部液室Aと下部
液室Bとの液圧差が大きくなって圧側ディスクバルブ11
が開弁して、上記圧側メイン経路IIを通り流通すること
となる。この際に、圧側ディスクバルブ11と第2圧側シ
ート面2e間で速度2/3乗特性の減衰力が発生する。
一方、高減衰力特性とする場合には、調整子20を回転
させて上部連通孔3bに対する圧側可変オリフィス20aの
位置をずらし、上記圧側バイパス通路Iを遮断する。
この場合、ピストン2のストローク時には圧側メイン
通路IIのみで作動液の流通が成され、第6図に示すよ
うな高減衰力特性となる。
(ロ)伸行程時 ピストン2が図中上方にストロークする場合には上部
液室Aの作動液が下部液室Bに移動する。即ち、上部液
室Aの作動液は、まず第1伸側連通孔2dを介して第1伸
側溝2bに流入し、そこから、第1伸側ディスクバルブ12
を開弁して中間室18に流入する。
そして、この中間室18から下部液室Bに至る流通経路
として、伸側バイパス通路IIIと伸側メイン通路IVとの
2つの経路がある。
即ち、伸側バイパス通路IIIは、伸側連通溝5g〜環状
溝5f〜下部連通孔3d〜中空部3cを経由する経路である。
また、伸側メイン通路IVは、第2伸側連通孔5dから第2
伸側溝5cに流入し、そこから第2伸側ディスクバルブ14
を開弁して下部液室Bに至る経路である。
そして、第1図に示すように下部連通孔3dと伸側オリ
フィス20bを符合させて伸側バイパス通路IIIを連通状態
としている場合には、第6図に示すような低減衰力特
性となり、この場合、低速作動時には作動液は伸側バイ
パス通路IIIを流通して、第1伸側ディスクバルブ12と
第1伸側シート面2f間で速度2/3乗特性の減衰力が生じ
ると共に、それと直列に伸側オリフィス20bにより速度
2乗特性の減衰力が生じ、これは速度が上昇するにつれ
て変化率が低下する特性(2/3乗特性)と、反対に変化
率が増加する特性(2乗特性)との対称的な特性である
から、減衰力の低速域での立ち上がりをよくしながら、
その後の急激な上昇を抑えて線形に近い減衰力特性が得
られる。
また、中・高速作動時には、伸側バイパス通路IIIの
流通抵抗により中間室18の液圧が高まり第2伸側ディス
クバルブ14が開弁して作動液が伸側メイン通路IVを流通
するようになる。この場合、伸側オリフィス20bおよび
第1伸側ディスクバルブ12の影響が小さくなって第2伸
側ディスクバルブ14による速度2/3乗特性による線形特
性が得られる。
一方、高減衰力特性とする場合には、調整子20を回転
させて伸側オリフィス20bの位置をずらし、伸側バイパ
ス通路IIIを遮断する。この場合、低速域でも伸側メイ
ン通路IVを流通し、第6図に示す特性となる。
以上のように、実施例の液圧緩衝器では、圧行程・伸
行程の両行程において低速域から中・高速域までの全て
の作動域で、減衰力特性を低減衰力特性と高減衰力特性
とに明確に異ならせることができるという特徴を有して
いる。従って、この液圧緩衝器を車両のサスペンション
に用いた場合には、低減衰力特性として乗り心地を良く
し、高減衰力特性として操縦安定性を良くするというよ
うな使い分けを、確実に行うことができるという特徴が
得られる。
また、本実施例では、ピストン2と伸側ボディ5とを
両者2,5間に中間室18を形成するようにして嵌合させ、
第1伸側シート面2fはピストン2に形成し、第2伸側シ
ート面5eは伸側ボディ5に形成しているため、両シート
面2f,5eの外径は、圧側のバルブ9,11に関係なく設定で
きるのはもちろんのこと(圧側に比べて小径に形成して
減衰力を高めに設定するのが好ましい)、相互に独立し
て設定することができる。従って、第1伸側ディスクバ
ルブ12及び第2伸側ディスクバルブ14の直径も、それぞ
れ独立して設定することができ、しかも、第1及び第2
伸側ディスクバルブ12,14の受圧面積も任意に独立して
設定することができるという特徴を有している。
さらに、この特徴によって、第2伸側ディスクバルブ
14に対し、従来よりも第1伸側ディスクバルブ12の外径
を大きくして、第1伸側ディスクバルブ12の剛性を低下
させ、低減衰化を図ることが容易であると共に、逆に、
第1伸側ディスクバルブ12に対し、従来よりも第2伸側
ディスクバルブ14の外径を小さくして、ピストン2ひい
ては液圧緩衝器のコンパクト化を図ることが容易とな
る。従って、低減衰力化とコンパクト化との両立を図る
ことができるという特徴を有している。しかも、本実施
例では、ピストン2の下面に形成したピストン側凹部2g
の環状壁2jに伸側ボディ5の上面に形成した伸側凹部5a
の周壁を嵌合させて中間室18を形成したため、ピストン
2と伸側ボディ5との2部材という少ない部品点数で、
シリンダ1との摺動部分に面することなく液密性に優れ
た中間室18を形成することができるという特徴を有して
いる。
さらに、第1伸側ディスクバルブ12の剛性を変化させ
るべく板厚を変化させた場合、ピストン2に対する伸側
ボディ5の嵌合状態が変化する(両者の嵌合代が変化す
る)だけであって、伸側ボディ5及び第2伸側ディスク
バルブ14はピストン2に対して同時に相対位置が変化す
ることになり、伸側ボディ5と第2伸側ディスクバルブ
14との間では相対的な位置変化が生じないし、また、ワ
ッシャ13の厚みを変化させる必要もない。従って、板厚
変化によりバルブ剛性を変化させるのが容易であって、
設定自由度が高い。
以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、
本考案の具体的な構成は、この実施例に限られるもので
はなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変
更等があっても本考案に含まれる。
例えば、実施例では、減衰力特性を変化させるため
に、高減衰力特性時には調整子により、上部連通孔・下
部連通孔を遮断するようにしたが、このように完全に遮
断するのではなく、両連通孔に対し小径のオリフィス孔
を符合させるようにしてもよい。
また、第2シート面にコンスタントオリフィスを形成
しておいて、極低速作動域では、作動液がコンスタント
オリフィスを流通するようにしてもよい。
(考案の効果) 以上説明してきたように、本考案の液圧緩衝器では、
ピストンに第1伸側シート面を形成し、伸側ボディに第
2伸側シート面を形成し、各シート面に第1伸側ディス
クバルブと第2伸側ディスクバルブを当接状態で設ける
構成としたために、第1及び第2伸側シート面の外径を
それぞれ独立して設定することができると共に、第1及
び第2伸側ディスクバルブ直径をそれぞれ独立して設定
することができる。このため、第1伸側ディスクバルブ
の直径を大きくして、低減衰化を図ることと、第2伸側
バルブの直径を小さくしてバルブボディのコンパクト化
を図ることを両立することができるという効果が得られ
ると同時に、第1及び第2伸側ディスクバルブの受圧面
積も任意に独立して設定でき、減衰力特性の設定自由度
が高くなるという効果も得られる。
さらに、第1伸側ディスクバルブの板厚を変化させて
も第2伸側ディスクバルブのサブバルブボディに対する
相対位置が変化しないため、第1・第2伸側バルブの取
付位置や剛性の設定自由度が向上するという効果が得ら
れる。
また、本考案では、ピストンの下部液室側に環状のピ
ストン側凹部を形成し、このピストン側凹部の内周の環
状壁に、伸側ボディの伸側凹部の周壁を嵌合させてピス
トンと伸側ボディとの間に中間室を形成したため、2部
材という少ない部品点数で、シリンダとの摺動部分に面
することなく液密性に優れた中間室を形成することがで
きるという効果が得られる。
加えて、圧側・伸側可変オリフィスにより減衰力特性
を変化可能であり、上記効果を有した減衰力可変型の液
圧緩衝器を提供することができるという効果が得られ
る。しかも、伸行程時の減衰力特性にあっては、低減衰
力特性とした場合でも、伸側可変オリフィスのみに依存
することなく、第1伸側ディスクバルブの特性にも依存
していてるため、速度2/3乗特性と速度2乗特性とを直
列に得ることができ、線形に近い減衰力特性が得られる
と共に、この線形の減衰力特性で減衰力特性を変更させ
ることができ、作動液流量の少ない低速時のみでなく作
動液流量の多い中・高速作動時でも、減衰力特性を明確
に変化させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案一実施例の液圧緩衝器を示す断面図、第
2図は実施例のピストンの平面図、第3図は実施例のピ
ストンの底面図、第4図は実施例の伸側ボディの平面
図、第5図は実施例の伸側ボディの底面図、第6図は実
施例液圧緩衝器の減衰力特性を示すグラフである。 A…上部液室 B…下部液室 1…シリンダ 2…ピストン 2c…圧側連通孔 2d…第1伸側連通孔 2f…第1伸側シート面 2g…ピストン側凹部 2j…環状壁 5…伸側ボディ 5a…伸側凹部 5d…第2伸側連通孔 5e…第2伸側シート面 9…圧側チェックバルブ 11…圧側減衰バルブ 12…第1伸側ディスクバルブ 14…第2伸側ディスクバルブ 18…中間室 20…調整子 20a…圧側可変オリフィス 20b…伸側可変オリフィス I…圧側バイパス通路 III…伸側バイパス通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実願 昭50−166581号(実開 昭52− 79487号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭61−133841号(実開 昭63− 40642号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動液が充填されたシリンダ内に、伸行程
    で拡張される下部液室と、圧行程で拡張される上部液室
    とに液室を区画して摺動可能に設けられたピストンと、 このピストンの下部液室側に環状に形成されたピストン
    側凹部と、 前記ピストンに対向する側に伸側凹部が形成され、この
    伸側凹部の周壁を前記ピストン側凹部の内周に形成され
    た環状壁に嵌合させてピストンとの間に中間室を形成し
    た伸側ボディと、 前記ピストン側凹部の環状壁よりも外側位置において前
    記上部液室と下部液室とを連通して前記ピストンに形成
    された圧側連通孔と、 この圧側連通孔を上部液室に向けてのみ開弁可能に設け
    られた圧側減衰バルブと、 前記圧側減衰バルブをバイパスして上部液室と下部液室
    とを連通し、下部液室から上部液室方向のみの流通を許
    す圧側チェックバルブが設けられた圧側バイパス通路
    と、 この圧側バイパス通路の途中に設けられて、下部液室か
    ら上部液室への作動液の流量を絞る圧側可変オリフィス
    と、 前記上部液室と中間室とを連通して前記ピストンに形成
    された第1伸側連通孔及び、前記中間室と下部液室とを
    連通して前記伸側ボディに形成された第2伸側連通孔
    と、 前記ピストンの中間室側端面において第1伸側連通孔の
    外周に形成された第1伸側シート面及び、前記伸側ボデ
    ィの下部液室側端面において第2伸側連通孔の外周に形
    成された第2伸側シート面と、 前記第1伸側連通孔を中間室に向けてのみ開弁可能に第
    1伸側シート面に当接状態で設けられた低減衰の第1伸
    側ディスクバルブと、 前記第2伸側連通孔を下部液室に向けてのみ開弁可能に
    第2伸側シート面に当接状態で設けられた高減衰の第2
    伸側ディスクバルブと、 前記第1伸側ディスクバルブ下流の中間室と下部液室と
    を前記第2伸側ディスクバルブをバイパスして連通する
    伸側バイパス通路と、 この伸側バイパス通路の途中に設けられ、中間室から下
    部液室への作動液の流量を絞る伸側可変オリフィスと、 を備えていることを特徴とする液圧緩衝器。
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