JP2517790B2 - 亜鉛めっき鋼板溶接用ワイヤ及び溶接方法 - Google Patents

亜鉛めっき鋼板溶接用ワイヤ及び溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は表面に亜鉛又は亜鉛を含む合金をめっき処理
(溶融めっき、合金化溶融めっき、電気めっき等)した
鋼板(以下、「亜鉛めっき鋼板」という)を溶接する際
に、ピット(溶接金属の表面に現われた気孔)、ブロー
ホール(溶接金属の内部に存在する気孔)等の気孔の発
生を僅少に抑え得るソリッドワイヤ並びに該ワイヤを用
いたCO2溶接又はパルスマグ溶接法に関するものであ
る。
(従来の技術) 近年、自動車産業や住宅産業においては、防食の観点
から鋼板や鋼材の耐久性を向上させるべく、亜鉛めっき
鋼板の使用が急速に拡大する傾向にある。これらは、自
動車産業においては、北米等の寒冷地における凍結防止
剤としての塩散布に対する耐錆性の改善を目的とし、住
宅産業においては軽量鉄骨住宅の耐錆性の向上を目的と
している。
亜鉛めっき鋼板は、このように優れた特性を有してい
るものの、表面処理が施されていない通常の鋼板に比
べ、その溶接性(主に耐気孔性、スパッタ発生量)が極
めて悪いという問題がある。したがって、現状では、被
覆アーク溶接棒或いはソリッドワイヤを用い、低速溶接
(30cm/分程度)や鋼板の間隙を開けた溶接(0.5mm程度
のギャップ)等、主として経験に基づいた施工面での工
夫により対応している。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来法での亜鉛めっき鋼板のアーク溶接
では、前述の如く、被覆アーク溶接棒やソリッドワイヤ
を用い、低速溶接或いは鋼板の間隙を開けた溶接等によ
って気孔(ピット、ブローホール等)の発生及びスパッ
タ発生量の増加等に対応してきた。しかし、そのような
施工では、溶接速度が遅いために能率が低く、また鋼板
の間隙によって溶け落ちやアンダーカット等の欠陥も発
生しやすい。
一方、溶接速度の増大や鋼板の間隙の減少は、気孔数
の増加及びスパッタ発生量の増加を招く。このような現
象の原因、すなわち、亜鉛めっき鋼板が持つ低溶接性の
原因は、主としてめっき層中の亜鉛の影響によるもので
あることが、種々の研究において指摘されている。
すなわち、亜鉛めっき鋼板をアーク溶接する場合、ア
ーク熱によって分解逸散する亜鉛蒸気により溶接金属中
に多くの気孔が生じ、溶接継手の機械的性質等が著しく
劣化する恐れがある。また、溶接作業性についても亜鉛
蒸気の影響によってアークが乱れてスパッタ発生量が増
大し、その除去作業のために溶接作業能率が著しく低下
するという問題がある。更にアーク熱により亜鉛が酸化
亜鉛となって溶接ヒュームも増大するという問題もあ
る。
本発明は、かゝる状況に鑑みてなされたものであっ
て、亜鉛めっき鋼板のアーク溶接に際し、従来よりも高
溶接速度で、かつ鋼板の間隙が微小或いは皆無である場
合においても、溶接金属中にピット、ブローホール等の
気孔が極めて少なく、更に溶接作業性の面でもスパッタ
発生量の少ない亜鉛めっき鋼板アーク溶接用ソリッドワ
イヤを提供し、また該ワイヤを用いた溶接方法を提供す
ることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記課題を解決するため、本発明者は、まず気孔(ピ
ット、ブローホール等)の発生に及ぼすメッキ層中の亜
鉛量(以下、「亜鉛目付量」という)及び溶接条件の影
響を調べた。その結果、アーク熱による亜鉛蒸気の発生
量と、溶融金属から大気への亜鉛蒸気の放出の難易が気
孔の発生数に大きく影響することが判明した。
すなわち、亜鉛目付量が少ない場合には、当然のこと
ながら亜鉛蒸気の発生量は少なく、それによる気孔の発
生数も少なくなる。また、亜鉛蒸気の大気への放出が極
めて困難な場合、例えば溶融金属の粘性や冷却速度が非
常に大きく、溶融金属中での亜鉛蒸気の発生成長、浮上
が抑制される場合には、気孔の発生数は少なくなる。一
方、大気への放出が極めて容易な場合、例えば溶融金属
の粘性や冷却速度が非常に小さく、溶融金属中での亜鉛
蒸気の成長、浮上及び大気への放出が容易な場合にも、
気孔の発生数は少なくなる。
これらの現象を踏まえ、更に鋭意研究を重ねた結果、
ワイヤとして具備すべき特性の中で 溶融金属中の亜鉛蒸気の生成及び浮上を遅滞させるた
め、溶融池の過度な攪拌及び振動を抑制すべく、溶滴移
行及び溶融池の安定性を向上させる。
亜鉛蒸気の発生、成長を抑制するため、溶融金属中の
酸素量を低下させたり、微量成分を添加するなどして粘
性を増加させる。
溶融した亜鉛が蒸気化するのを抑制するために、亜鉛
の沸点以上の温度において亜鉛と安定な化合物を形成す
る成分をワイヤ中に添加する。
の3点が特に重要であることを知見し、ここに、溶接材
料として優れた耐気孔(ピット、ブローホール)性を有
し、かつスパッタ発生量、アーク安定性、スラグ発生
量、ビード外観形状等が実用上問題のない範囲に抑制で
きる亜鉛めっき鋼板溶のソリッドワイヤ並びに溶接法を
発明するに至ったものである。
すなわち、本発明に係る亜鉛メッキ鋼板溶接用ソリッ
ドワイヤは、C:0.05重量%を超え0.20重量%以下、Si:
0.50重量%以上2.00重量%未満、Mn:1.50重量%を超え
3.00重量%未満、P:0.005乃至0.20重量%、S:0.10重量
%以下を含有し、必要に応じてAl:0.10重量%以下、Ti:
0.20重量%以下及びZr:0.20重量%以下からなる群から
選択された少なくとも1種を含有し、残部が鉄及び不可
避的不純物であると共に、MnとSiの総含有量が2.50重量
%以上5.00重量%未満、Mn/Si含有量比が1.50乃至4.00
に規制されていることを特徴とする。
また、本発明の溶接方法は、上記ソリッドワイヤとCO
2溶接或いはパルスマグ溶接との組合せにて亜鉛めっき
鋼板を溶接することを特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) まず、本発明におけるワイヤの化学成分の限定理由は
以下のとおりである。
C:0.05%を超え0.20%以下 Cは特に亜鉛メッキ鋼板の溶接における溶滴移行が安
定し、かつ溶接金属の強度が母材に対して適当な値とな
るように添加する。添加量が0.05%以下ではCによるア
ーク中での陽極降下が減少するためにワイヤの溶融速度
が低下し、亜鉛蒸気の影響によって溶滴移行が不安定に
なる。一方、添加量が0.20%を超えると溶滴中にCOガス
が発生し、その爆発によって溶滴移行が不安定となり、
かつヒューム及びスパッタの発生量が増加して作業性が
低下する。更に、溶接金属の強度が上昇し、母材(主と
して軟鋼、50kgf/mm2級高張力鋼)に対して高すぎる値
となる。よって、Cの添加量は0.01〜0.20%の範囲とす
る。
Si:0.50%以上2.00%未満 Siは溶融金属の粘度を、脱酸作用による活性な酸素量
の変化によって調整し、亜鉛メッキ鋼板の溶接において
溶滴移行及び溶融池が安定するように添加する。また、
溶接金属の強度が母材に対して適当な値となるように添
加する。添加量が0.50%未満では活性な酸素量が増加し
て亜鉛メッキ鋼板の溶接として粘度が低下しすぎる。す
なわち、溶融池は亜鉛蒸気の生成や浮上、或いは溶滴の
短絡や移行などによって撹拌を受けるが、粘度が低すぎ
る場合にはそれらによる溶融池の振動が過度となり、亜
鉛蒸気の生成や浮上が助長されるため、気孔(ピットブ
ローホール)の発生数が増加する。また、特に立向き下
進溶接では、低粘度のために溶融池が垂れ気味となり、
のど厚が減少して気孔(ピット)がビードの表面に現わ
れ易くなる。一方、添加量が2.00%以上では活性な酸素
量が減少して、亜鉛メッキ鋼板の溶接としては粘度が上
昇しすぎる。すなわち、粘度が高すぎる場合には溶滴の
直径が大きくなるため、亜鉛蒸気圧の影響によって溶融
池への移行が不安定となる。また、溶滴の直径及び重量
が大きいため、移行後の溶融池の振動が過度となる。こ
れらの因子により、亜鉛蒸気の生成や浮上が助長される
ため、気孔(ピット、ブローホール)の発生数が増加す
る。更に、溶接金属の強度が上昇し、母材(主として軟
鋼、50kgf/mm2級高張力鋼)に対して高すぎる値とな
る。よって、Siの添加量は0.50〜2.00%の範囲とする。
Mn:1.50%を超え3.00%未満 Mnも、Siと同様に、亜鉛メッキ鋼板の溶接として溶滴
移行及び溶融池を安定させ、溶融金属の粘度を調整する
ために添加する。また、溶接金属の強度が母材に対して
適当な値となるように添加する。添加量が1.50%以上で
は活性な酸素量が増加して、亜鉛メッキ鋼板の溶接とし
ては粘度が低下しすぎる。一方、添加量が3.00%以上で
は、活性な酸素量が減少して粘度が上昇しすぎる。これ
らの場合、溶滴移行及び溶融池の安定性が低下するた
め、Siと同様の理由により、気孔(ピット、ブローホー
ル)の発生数が増加する。また、3.50%を超えると溶接
金属の強度が上昇し、母材(主として軟鋼、50kgf/mm2
級高張力鋼)に対して高すぎる値となる。よって、Mnの
添加量は1.50〜3.50%の範囲とする。
Mn+Si:2.50%以上5.00%未満 Mn及びSiの添加量が、それぞれ上記のSi及びMnの添加
量範囲を満足していても、それらの合計が2.50%未満又
は5.00%以上の場合は、亜鉛メッキ鋼板の溶接として十
分な効果が得られない。すなわち、2.50%未満では活性
な酸素量が増加しすぎ、また5.00%を超えると活性な酸
素量が減少しすぎるため、適正な粘度が得られない。こ
れらの場合も、溶滴移行及び溶融池の安定性が低下する
ため、Siと同様の理由により、気孔(ピット、ブローホ
ール)の発生数が増加する。また、5.00%を超えると溶
接金属の強度が上昇し、母材(主として軟鋼、50kgf/mm
2級高張力鋼)に対して高すぎる値となる。よって、Mn
及びSiの添加量の合計は2.50〜5.00%の範囲とする。
Mn/Si:1.50〜4.00 Mn及びSiによる溶融金属中の脱酸速度は、Mn/Si値の
増大に伴って増加する。この値が1.50未満では脱酸速度
が遅くなるため溶融金属中の活性な酸素量が増加し、亜
鉛メッキ鋼板の溶接としては粘度が低下しすぎる。一
方、4.00を超えると脱酸速度が速くなるため溶融金属中
の活性な酸素量が減少し、粘度が上昇しすぎる。これら
の場合も、溶滴移行及び溶融池の安定性が低下するた
め、Siと同様の理由により、気孔(ピット、ブローホー
ル)の発生数が増加する。また、1.50未満ではスラグの
物性(粘度等)が変化して被包面積が増加するため、亜
鉛蒸気の放出が妨げられて気孔(ピット)の発生数が増
加する。4.00を超えると溶接金属の強度が上昇し、母材
(主として軟鋼、50kgf/mm2級高張力鋼)に対して高す
ぎる値となる。よって、Mn/Siの値は1.50〜4.00の範囲
とする。
本発明では上述のC、Si、Mnの各成分量並びにSi及び
Mnの合計量及びMn/Si値を必須の条件とするが、以下の
成分を必要に応じて添加し或いは規制することができ
る。
P:0.005〜0.20% Pは亜鉛の融点以上の温度において亜鉛と安定な化合
物(P−Zn系、P−Zn−Fe系)を生成する。このため、
亜鉛蒸気の発生量が減少し、気孔(ピット、ブローホー
ル)の発生が抑制される。したがって、亜鉛目付量或い
は溶接条件によっては適当量添加してもよい。添加する
場合、添加量が0.005%未満では亜鉛との化合物の生成
量が不十分なため、気孔発生に対する抑制効果が極めて
小さい。一方、添加量が0.20%を超えると、溶融金属の
最終凝固域に濃縮されるPの量が多くなるため、溶接割
れ(特に高温割れ)の発生に対する感受性が高くなり、
溶接条件或いは開先の隙間(ルートギャプ)等の施工条
件によっては割れが発生する。よって、Pの添加量は0.
005〜0.20%の範囲とする。
S:0.10%以下 Sは溶融金属の粘度を低下させるので、積極的には添
加しない。添加量が0.10%を超えると、亜鉛メッキ鋼板
の溶接としては粘度が低下しすぎるため溶滴移行及び溶
融池が不安定となり、気孔(ピット、ブローホール)の
発生数が増加する。よって、Sの添加量は0.10%以下と
する。
Al:0.10以下、Ti:0.20%以下、Zr:0.20%以下 Al、Ti及びZrも、MnやSiと同様に脱酸作用を有するの
で、溶滴移行及び溶融池の安定化の点より、亜鉛目付量
或いは溶接条件によっては、単独で或いは組合せて適当
量添加してもよい。しかし、Alの添加量が0.10%を超え
る場合或いはTi及びZrの添加量が0.20%を超える場合に
は、アーク全体の形状が不明瞭となったり、亜鉛メッキ
鋼板の溶接としては溶滴の粘度が上昇しすぎるために溶
融池への移行が不安定となり、気孔(ピット、ブローホ
ール)の発生数が増加する。また、スパッタが大量に発
生して作業性が低下する。更に、Tiに関しては、硬くて
剥離性の悪いスラグも大量に発生する。よって、Alの添
加量は0.10%以下、Ti及びZrの各添加量は0.20%以下と
する。
次に本発明の溶接方法について説明する。
上記化学成分を有するワイヤは、特にCO2溶接及びパ
ルスマグ溶接のいずれにおいても良好な耐気孔性を示す
ものである。
すなわち、CO2溶接では、特に溶滴移行の安定するイ
ンバータ制御式溶接機と組合せることで、気孔(ピッ
ト、ブローホール)の発生数をより低減することができ
る。CO2溶接の溶接条件は特に制限されない。
また、パルスマグ溶接では、溶滴の粘度に応じた適切
なパルス条件(ピーク電流、ピーク幅、周波数)を設定
することで、気孔(ピット、ブローホール)の発生数を
低減することができる。具体的には、ピーク電流が460
〜560A、ピーク幅が1.6〜3.0msec.、周波数が100〜250H
zであるパルス条件が、上記ワイヤとの組合せによる亜
鉛メッキ鋼板の溶接に適している。
このパルス条件のもとであれば、溶滴移行が1溶滴/1
パルスとなって安定するため、溶融池の過大な撹拌或い
は振動が抑制されて気孔(ピット、ブローホール)の発
生数が減少する。このようなパルス条件は、市販のパル
スアーク溶接機で設定されている条件に比べて、「高ピ
ーク電流、大ピーク幅、低周波数」であり、市販のパル
スマグ溶接用ワイヤとの組合せでは溶滴移行が1溶滴/1
パルスとはならない。したがって、市販ワイヤとの組合
せでは気孔発生の抑制効果が得られない。
上記ワイヤとの組合せにおけるパルス条件の設定理由
は以下のとおりである。
ピーク電流:460〜560A ピーク電流が460A未満の場合には、電磁力によるピン
チ効果が不十分でワイヤからの溶滴の離脱が不安定とな
るため、溶滴移行が1溶滴/1パルスとならない。これに
より、溶融池の撹拌或いは振動が過度となって気孔(ピ
ット、ブローホール)の発生数が増加する。また、スパ
ッタ発生量等の作業性も低下する。一方、560Aを超える
場合には、溶滴移行は1溶滴/1パルスで安定するが、実
効入熱量が増加するために溶込み深さがより深くなり、
蒸気化する亜鉛の量が増加する。これにより、気孔(ピ
ット、ブローホール)の発生数が増加する。よって、ピ
ーク電流は460〜560Aの範囲が好ましい。
ピーク期間:1.6〜3.0msec.、周波数:100〜250Hz ピーク期間が1.6msec.未満及び3.0msec.を超える場
合、或いは周波数が100Hz未満及び250Hzを超える場合に
は、溶滴の移行とパルスの周期が対応せず、1溶滴/1パ
ルスとならないために溶滴移行が不安定となる。これに
より、溶融池の撹拌或いは振動が過度となって気孔(ピ
ット、ブローホール)の発生数が増加する。よって、ピ
ーク期間は1.6〜3.0msec.、周波数は100〜250Hzの範囲
が好ましい。
上記ワイヤ或いはシールドガス及び溶接機の組合せに
よる溶接方法が適用できる鋼種は、特に片面の目付量が
200g/m2以下の亜鉛メッキ鋼板である。メッキ方法は溶
融メッキ、合金化溶融メッキ、電気メッキ等が可能であ
り、如何なるメッキ方法でも良い。目付量が200g/m2
超える場合には、亜鉛蒸気の発生量がきわめて多くなる
ため、本溶接方法による気孔発生の抑制効果が十分に得
られない。
(実施例) 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 第1表及び第2表に示す化学成分を有するソリッドワ
イヤを用いてCO2溶接を実施し、耐気孔性を評価した。
溶接は第1図に示す施工要領(下向き姿勢、重ね継
手)にて行い、繰り返し数5の平均で耐気孔性を評価し
た。溶接条件は次のとおりである。
溶接電流:220A アーク電圧:約23V(アーク長さが約2mm) 溶接速度:120cm/min チップ−母材間距離:15mm また、供試鋼板としては、亜鉛の目付量が45/45g/
m2、寸法が厚さ2.3mm、幅75mm、長さ500mmの合金化溶融
亜鉛メッキ鋼板を用いた。
耐気孔性は、気孔(ピット、ブローホール)発生数に
より、以下の基準にて評価した。
ピット発生数: 0〜2個/ビード500mm…○(優) 3〜10個/ビード500mm…△(やや劣) >10個/ビード500mm…×(劣) ブローホール発生数: 0〜50個/ビード100mm…○(優) 51〜100個/ビード100mm…△(やや劣) >100個/ビード100mm…×(劣) 第1表より明らかなように、本発明例はいずれも優れ
た耐気孔性を示している。
一方、比較例No.1、No.6〜No.7、No.12〜No.13、No.1
9〜No.20は、C、Si、Mn、Mn+Si、Mn/Siのいずれかが
本発明範囲外であるため、ピット数又はブローホール数
が多く、耐気孔性が劣っている。また、比較例No.21、N
o.27、No.32、No.35、No.39、No.43は、P、S、Al、T
i、Zr、Caのいずれかが本発明範囲外であるため、耐気
孔性が劣っている。
実施例2 第1表に示した化学成分を有するNo.15のワイヤを用
いて、第3表及び第4表に示すパルス条件でパルスマグ
溶接を実施し、耐気孔性を評価した。その結果を第3表
及び第4表に併記する。
供試鋼板、耐気孔性の評価等々の他の条件は実施例1
と同じである。
第3表及び第4表より、既存溶接機を用い或いはパル
ス条件が適切でない比較例は耐気孔性が良くないのに対
し、本発明例はいずれも優れた耐気孔性を示しているこ
とがわかる。
実施例3 第1表及び第2表に示した化学成分を有する6種類の
ワイヤを用い、CO2溶接(実施例1と同じ溶接条件)及
びパルスマグ溶接(ピーク電流:480A、ピーク幅:2.0mse
c、周波数:170Hz)を行い、種々の亜鉛目付量の亜鉛め
っき鋼板における耐気孔性を評価した。
その結果は、第5表に示すとおり、本発明のCO2溶接
或いはパルスマグ溶接によれば、相当量の亜鉛目付量の
亜鉛めっき鋼板に対しても優れた耐気孔性を示してい
る。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、ワイヤの成分
組成の調整或いは溶接条件の適切な選定等により、特に
亜鉛めっき鋼板の溶接で大きな問題である耐気孔性を顕
著に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例で用いた溶接施工要領を示す説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−248594(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.05重量%を超え0.20重量%以下、Si:
    0.50重量%以上2.00重量%未満、Mn:1.50重量%を超え
    3.00重量%未満、P:0.005乃至0.20重量%、S:0.10重量
    %以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物であると
    共に、MnとSiの総含有量が2.50重量%以上5.00重量%未
    満、Mn/Si含有量比が1.50乃至4.00に規制されているこ
    とを特徴とする亜鉛メッキ鋼板溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 【請求項2】C:0.05重量%を超え0.20重量%以下、Si:
    0.50重量%以上2.00重量%未満、Mn:1.50重量%を超え
    3.00重量%未満、P:0.005乃至0.20重量%、S:0.10重量
    %以下を含有すると共に、Al:0.10重量%以下、Ti:0.20
    重量%以下及びZr:0.20重量%以下からなる群から選択
    された少なくとも1種を含有し、残部が鉄及び不可避的
    不純物であると共に、MnとSiの総含有量が2.50重量%以
    上5.00重量%未満、Mn/Si含有量比が1.50乃至4.00に規
    制されていることを特徴とする亜鉛メッキ鋼板溶接用ソ
    リッドワイヤ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の化学成分を有する
    ソリッドワイヤとCO2溶接又はパルスマグ溶接との組合
    せにて亜鉛メッキ鋼板を溶接することを特徴とする亜鉛
    メッキ鋼板の溶接方法。
  4. 【請求項4】パルス波形の条件が、ピーク電流:460乃至
    560A、ピーク幅:1.6乃至3.0msec、周波数:100乃至250Hz
    であることを特徴とする請求項3に記載の亜鉛めっき鋼
    板の溶接方法。
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