JP2517536Y2 - 手摺における胴縁取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば、バルコニ−や
階段などに用いる手摺における胴縁取付け構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、バルコニ−や階段などに用いる手
摺に、円断面の支柱を採用する場合、現場で、上記支柱
に対して体裁よく胴縁を接続するのは極めて難しい。即
ち、支柱に対して胴縁をねじ止めするプレハブ式の構造
では、そのねじ頭が外部に露出してしまうという意匠上
の不利があるだけでなく、上記支柱に対して上記胴縁の
端部を体裁良く突き当てる形で接続するには、上記支柱
の側面に沿う円弧面に、上記胴縁の端部を形成しなけれ
ばならないが、このような加工を現場で行なうのは困難
である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな胴縁の端部の加工を、工場で予め行なう場合には、
上記胴縁の長さ方向に関して現場合せの調節ができない
ことになり、既存の建屋への取組に不都合を来す。

【０００４】

【考案の目的】本考案は上記事情に基いてなされたもの
で、円断面の支柱に対して胴縁を突き当て接続する際、
現場での簡単な切断加工などで、胴縁長さの現場合せが
でき、しかも、外側からねじ止めが露出せず、突き当て
部分の体裁も良い形になるように構成した、手摺におけ
る胴縁取付け構造を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、本考案では、
図示の実施例にも明らかにしているように、手摺におけ
る円断面の支柱（２）に対し、胴縁（３）端面を突き当
てて接続するようにした手摺における胴縁取付け構造に
おいて、上記胴縁（３）は、支柱（２）の側面に接触す
る円弧面（４Ａ）を一端に形成するとともに他端側から
上記支柱（２）に止め具により固定される胴縁取付け片
（４）と、端部を上記胴縁取付け片（４）の他端側に当
接するとともに互いに嵌合する上下二つ割に構成された
一対の下側及び上側半割り筒状体（５、６）とで構成さ
れており、下側又は上側半割り筒状体（６）内に取付け
リブ（６Ａ）を形成し、また、上記胴縁取付け片（４）
の他端に、上記リブ（６Ａ）に対して着脱自在に接合固
定される接続部（４Ｃ）を備えている。

【０００６】

【作用】従って、上記支柱（２）に胴縁（３）を取付け
るときには、先ず、上記支柱の側面に対して円弧面（４
Ａ）を当接した状態で上記胴縁取付け片（４）を固定
し、次に下側半割り筒状体（６）の端部を上記胴縁取付
け片（４）に合せるようにして、上記リブ（６Ａ）を接
続部（４Ｃ）にねじ止めなどで連結、固定する。この状
態で、上側半割り筒状体（５）を上記下側半割り筒状体
（６）に嵌合することで、胴縁（３）の取付けが完了す
る。この場合、支柱（２）に対する胴縁（３）のねじ止
め部分は、筒状体（５、６）の内側に位置されるから、
ねじ頭による外観上の不利益は解消され、支柱（２）に
対する接続部分も綺麗に形造られ、しかも、現場合せで
胴縁（３）の長さを調整するのは、単に、上記半割り筒
状体（５、６）の切断で済ますことができ、現場作業が
楽にできる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案を図示の実施例に基いて具体的
に説明する。図において符号１はバルコニ−の手摺部材
であり、上記手摺部材１は、現場で、円筒状の支柱２の
頂部にタッピングねじなどで連結されて、手摺を構築す
る。この実施例では、上記手摺部材１は、下側に平坦な
面を持つカマボコ形の断面を有する上下半割りの筒状部
材の組合わせで構成されるとよい（図示せず）。

【０００８】上記支柱２間に位置して取付けられる胴縁
３は、図２などに詳細に示すように、支柱２の側面に接
触する円弧面４Ａを一端に形成するとともに他端側から
上記支柱２にねじ止めされる胴縁取付け片４と、端部を
上記胴縁取付け片４の他端側に当接するとともに互いに
嵌合する上下二つ割に構成された一対の上側及び下側半
割り筒状体５および６とで構成されている。そして、下
側の半割り筒状体６は、その内側に上記胴縁３の長手方
向に延びる突条形の取付けリブ６Ａを形成している。

【０００９】この実施例では、上記胴縁取付け片４は、
その外周断面が上記上側及び下側半割り筒状体５および
６の組合わせ外周断面に一致しており、また、その中央
に上記ねじ止めのためのねじ挿通孔４Ｂが、胴縁３の長
手方向に向けて、穿設してある。また、上記胴縁取付け
片４の他端には、上記リブ６Ａに対して接合される突起
状の接続部４Ｃが備えられている。なお、要すれば、上
記接続部４Ｃの左右に位置して、上記胴縁取付け片４に
は、上記半割りの筒状体６の内側に嵌合する嵌合部４
Ｄ、４Ｄが設けてある。

【００１０】また、この実施例では、上記下側半割り筒
状体６は、その両側上縁に沿ってＶ字形断面の係合突条
６Ｂ、６Ｂを形成しており、これに対応して、上側半割
り筒状体５は、その両側下縁に沿って内側向きのフック
部５Ａ、５Ａが、また、上記係合突条６Ｂ、６Ｂの上端
を支えるストッパ部５Ｂ、５Ｂを形成している。なお、
この実施例では、上記下側半割り筒状体６の下面に、平
坦面を有する浅い溝条６Ｅが形成してあって、ここに縦
桟７の端部が取付けられるようにしてある。

【００１１】しかして、現場において、手摺を構築する
時には、支柱２の側面に対して上記胴縁取付け片４の円
弧面４Ａを当接し、上記ねじ挿通孔４Ｂを介して、タッ
ピングねじよりなる結合具８を螺合し、上記胴縁取付け
片４を支柱２に固定する。次に、上述の下側半割り筒状
体６の端部を上記胴縁取付け片４の他端に当接した状態
で、上記リブ６Ａを接続部４Ｃに合せ、要すれば、この
実施例のように、嵌合部４Ｄ、４Ｄを筒状体６の内周面
に当接して、タッピングねじよりなる止め具９で、上記
リブ６Ａを上記接続部４Ｃに結合する。なお、外観上、
支障がなければ、図示のように、別のタッピングねじよ
りなる補助止め具１０で上記半割り筒状体６を斜め下側
から上記嵌合部４Ｄ、４Ｄに螺着することもできる。こ
のようなタッピングねじの螺合に際しては、予め、現場
などで上記接続部４Ｃ、嵌合部４Ｄ、リブ６Ａ、筒状体
６に孔明け（タッピング）をする必要がある。この状態
で、上側半割り筒状体５を上記下側半割り筒状体６に被
嵌し、それらの弾性を利用して、上記係合突条６Ｂ、６
Ｂを上記ストッパ部５Ｂ、５Ｂに当接するまで嵌合し、
上記係合突条６Ｂ、６Ｂをフック部５Ａ、５Ａに係止す
るのである。

【００１２】このような構成では、現場において、支柱
２間の寸法に誤差があっても、上記胴縁取付け片４を上
記支柱２に取付けた段階で、胴縁本体としての筒状体５
および６の寸法合せを行ない、単純な切断加工で、上記
胴縁取付け片に対する上記筒状体５および６の接続が行
なえ、現場作業が簡単で、しかも、外観を損なうことな
く、また、既存の建屋においても組付けが可能となる。

【００１３】

【考案の効果】本考案は、以上詳述したように、胴縁
が、支柱の側面に接触する円弧面を一端に形成するとと
もに他端側から上記支柱に結合される胴縁取付け片と、
端部を上記胴縁取付け片の他端側に当接するとともに互
いに嵌合する上下二つ割に構成された一対の上側及び下
側半割り筒状体とで構成されており、下側又は上側半割
り筒状体内に取付けリブを形成し、また、上記胴縁取付
け片の他端に、上記リブに対して着脱自在に接合される
接続部を備えているので、円断面の支柱に対して胴縁を
突き当て接続する際、現場での簡単な切断加工などで、
胴縁長さの現場合せができ、しかも、外側からねじ止め
が露出せず、突き当て部分の体裁も良い形にすることが
できるなどの実用上の効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を説明するための外観斜視図
である。

【図２】上記実施例の要部を示す分解斜視図である。

【図３】上記実施例の縦断端面図である。

【図４】上記実施例の横断平面図である。

【符号の説明】

１ 手摺部材 ２ 支柱 ３ 胴縁 ４ 胴縁取付け片 ４Ａ 円弧面 ４Ｃ 接続部 ５、６ 上側及び下側半割り筒状体 ６Ａ リブ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手摺における円断面の支柱に対し、胴縁
   端面を突き当てて接続するようにした手摺における胴縁
   取付け構造において、上記胴縁は、支柱の側面に接触す
   る円弧面を一端に形成するとともに他端側から上記支柱
   に止め具により固定される胴縁取付け片と、端部を上記
   胴縁取付け片の他端側に当接するとともに互いに嵌合す
   る上下二つ割に構成された一対の下側及び上側半割り筒
   状体とで構成されており、下側又は上側半割り筒状体内
   に取付けリブを形成し、また、上記胴縁取付け片の他端
   に、上記リブに対して着脱自在に接合固定される接続部
   を備えていることを特徴とする手摺における胴縁取付け
   構造。