JP2516104Y2 - プリント配線板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はプリント配線板に関する。

［従来の技術］ 従来より、プリント配線板として、電子機器を収納す
る金属製のケースにねじ止めによりプリント基板の接地
導電層を押付けて導通させる構造のものが知られてい
る。このプリント配線板は、銅箔製の所定の配線パター
ンをもつプリント基板と、プリント基板に貼り合わされ
プリント基板の配線パターンの接地を行う接地導電層
と、電子機器を覆う金属製のケースとを備え、そして、
プリント基板のねじ挿通孔に挿通したねじをケースのね
じ取付け部に締付け、これによりプリント基板とケース
とを連結すると共に、プリント基板の接地導電層を金属
製のケースに押付けて導通させることにしている。

ここでプリント基板の接地導電層をケースに押付けて
導通させるにあたり、確実に導通させるべく、ねじを一
定値以上のトルクで締付けることが必要である。その
際、締付けが過剰になり、プリント基板に予想外の機械
的応力が作用することがある。この場合、第６図に示す
ようにねじ挿通孔800の近傍に位置する接地導電層900に
こを横断する方向に破断する破断部901が発生し、接地
導電層900が断線することがある。すると、プリント基
板の本来の回路機能を確保するのに不利となる。

また振動等の予想外の機械的応力がプリント基板に作
用した場合にも、同様に接地導電層900がこれを横断す
る方向に断線するおそれがある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は上記した実情に鑑みなされたものであり、そ
の目的は、予想外の機械的応力が作用した際であって
も、接地導電層の第１導電部分に横断する方向に破断す
る破断部が発生することを回避し、接地導電層を良好に
維持し、プリント基板の本来の回路機能を確保するのに
有利にプリント配線板を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案のプリント配線板は、所定の配線パターンと厚
み方向に貫通するねじ挿通孔とをもつプリント基板と、
プリント基板に保持されプリント基板の配線パターンの
接地を行う接地導電層と、電子機器を覆う金属製のケー
スと、プリント基板のねじ挿通孔に挿通したねじをケー
スのねじ取付け部に締付けることにより、プリント基板
とケースとを連結するねじとで構成され、 接地導電層は、プリント基板の配線パターンの接地を
行う第１導電部分と、ねじの締付けによりケースの壁面
に押し付けられてケースに導通する第２導電部分と、導
電性をもち第１導電部分と第２導電部分とを導通すると
ともに第１導電部分よりも低強度であり、且つねじによ
り第２導電部分とケースとを締付けるときに予想外の機
械的応力が作用した際に第１導電部分が断線する前に破
断する易破断部分とを具備することを特徴とするもので
ある。なおねじはビス、ボルトを採用できる。

［作用］ ねじの締付けトルクの過剰化、振動発生等により、プ
リント基板に予想外の機械的応力が作用した場合には、
接地導電層の第１導電部分が破断するよりも先に、強度
が小さい易破断部分が破断するので、第１導電部分と第
２導電部分とが分離する。故に接地導電層の第１導電部
分に作用する機械的応力は低減されるか消失する。従っ
て接地導電層の第１導電部分の断線は未然に回避され
る。

［実施例］ 本実施例のプリント基板板は車載用制御装置に適用し
たものである。このプリント配線板はプリント基板１と
接地導電層２とケース３とねじ４とで構成されている。
プリント基板１には従来と同様に銅箔により所定の配線
パターンが形成されているとともに、電子機器が搭載さ
れている。プリント基板１の隅部には厚み方向に貫通す
るねじ挿通孔10が形成されている。

接地導電層２は銅箔からなり、プリント基板１に貼合
わされて保持されており、プリント基板１の配線パター
ンの接地を行うものである。接地導電層２は、プリント
基板１の裏面に貼り合わされた第１導電部分としての裏
面GNDパターン20と、同じくプリント基板１の裏面に貼
り合わされた第２導電部分21と、同じくプリント基板１
の裏面で裏面GNDパターン20と第２導電部分21とをつな
いで導通させる易破断部分22と、プリント基板１の隅部
の表面に貼り合わされた表面GNDパターン23と、プリン
ト基板１を厚み方向に貫通するスルーホール11を区画す
るスリーブ部分24とで構成されている。スリーブ部分24
は裏面GNDパターン20と表面GNDパターン23とを導通す
る。裏面GNDパターン20はプリント基板１の配線パター
ンの接地を行うものであり、コネクタを経由してハーネ
スを介して車両のボディにアースされている。

易破断部分22は裏面GNDパターン20と第２導電部分21
との境界域に細長いほぼＬの字形状のスリット25を形成
することにより構成されており、易破断部分22の幅寸法
は破断し易いように小さく設定されている。従ってプリ
ント基板１等に機械的応力が作用した際には、裏面GND
パターン20が断線する前によりも易破断部分22は破断す
るものである。なおプリント基板１に部品を実装する際
にはスルーホール11に半田が付く。

ケース３はプリント基板１に搭載された電子機器を覆
う。ケース３はケース３に収納された電子機器からの電
磁ノイズが外にもれることを防止すべく、導電性をもつ
金属で形成されている。そして本実施例では第３図に示
すように、プリント基板１のねじ挿通孔10に挿通したね
じ４をケース３のねじ取付け部30に締付け、これによ
り、プリント基板１とケース３とは連結されている。

ここで本実施例では、ケース３に収納した電子機器か
らの電磁ノイズはケース３で受けられると、ケース３、
第２導電部分21、易破断部分22、裏面GNDパターン20を
介して導通され車両ボディにアースされる。

ところで前記したようにプリント基板１の裏面GNDパ
ターン20をケース３に導通させるにあたり、第２導電部
分21をケース３に確実に押付けて確実に導通させるべ
く、ねじ４を締めるトルクを所定値以上にすることがあ
る。この場合前記したように、プリント基板１に予想外
の機械的応力が作用して裏面GNDパターン20がこれを横
断する方向に破断し裏面GNDパターン20が断線するおそ
れがある。この点本実施例ではねじ４を締める際にプリ
ント基板１に予想外の機械的応力が作用した場合には、
裏面GNDパターン20が断線するよりも先に、強度が小さ
い易破断部分22が破断する。よって、易破断部分22の破
断により第２導電部分21と裏面GNDパターン20とが分離
する。その結果、それ以上の機械的応力は裏面GNDパタ
ーン20に作用せず、従って本実施例では裏面GNDパター
ン20の導通部分の断線を未然に回避できる。従ってプリ
ント基板１に予想外の機械的応力が作用した場合であっ
ても、裏面GNDパターン20の一方の部位20aと他方の部位
20bとの導通を確保でき、プリント基板１の回路機能は
良好に確保される。

なお易破断部分22が破断して第２導電部分21と裏面GN
Dパターン20とが分離しても、裏面GNDパターン20はコネ
クタを経由し、ハーネスを介して車両のボディにアース
されるために、特に支障はない。

［考案の効果］ 本考案では、プリント基板の配線パターンの接地を行
う第１導電部分が断線するよりも先に、強度が小さい易
破断部分が破断するので、第１導電部分と第２導電部分
とを分離させ得、第１導電部分の導通部分の断線を未然
に回避できる。従って、プリント基板の配線パターンの
接地を行う第１導電部分の導電性を確保でき、プリント
基板の回路機能は確保される。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の実施例を示し、第１図はプリ
ント基板の表側の隅部の平面図、第２図はプリント基板
の裏側の隅部の裏面図、第３図は要部の模式断面図、第
４図は要部の斜視図、第５図は第１図のＷ−Ｗ線断面図
である。第６図は従来技術を説明するためのプリント基
板の隅部の裏面図である。 図中、１はプリント基板、２は接地導電層、20は裏面GN
Dパターン（第１導電部分）、22は易破断部分、３はケ
ース、４はねじを示す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の配線パターンと厚み方向に貫通する
   ねじ挿通孔とをもつプリント基板と、該プリント基板に
   保持され該プリント基板の配線パターンの接地を行う接
   地導電層と、電子機器を覆う金属製のケースと、該プリ
   ント基板の該ねじ挿通孔に挿通したねじを該ケースのね
   じ取付け部に締付けることにより、該プリント基板と該
   ケースとを連結するねじとで構成され、 該接地導電層は、該プリント基板の該配線パターンの接
   地を行う第１導電部分と、該ねじの締付けにより該ケー
   スの壁面に押し付けられて該ケースに導通する第２導電
   部分と、導電性をもち該第１導電部分と該第２導電部分
   とを導通するとともに該第１導電部分よりも低強度であ
   り、且つ該ねじにより第２導電部分と該ケースとを締付
   けるときに予想外の機械的応力が作用した際に該第１導
   電部分が断線する前に破断する易破断部分とを具備する
   ことを特徴とするプリント配線板。