JP2515928Y2 - 湯張り機能を具備する風呂装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［利用分野及び考案の概要］ 本考案は、湯張り機能を具備する風呂装置に関するも
ので、浴槽への温水の落し込み動作を湯張り操作直後か
ら開始させ得るようにし、これにより、湯張り完了状態
を判断する為に必要となる準備作業が終るのを待って上
記浴槽への温水の落し込みをしていた従来のものに比
べ、湯張り所要時間が短くできるようにしたものであ
る。

［従来技術及び課題］ 浴槽に入れた湯張り用温水が一定水位に達した際に湯
張り動作を自動停止させる湯張り機能を具備する風呂装
置として例えば第３図に示す如きものがある。

浴槽（２）と追焚き用熱交換器（１）を繋ぐ循環回路
（11）には水圧計（12），送水ポンプ（Ｐ），三方弁
（15）がこの順序で上流側から挿入されており、上記三
方弁（15）部分には、給湯用熱交換器（３）から引出さ
れた給湯回路（31）が接続されている。又、該給湯回路
（31）には湯張り弁（32）が挿入されている。

このものでは、図示しない湯張りスイッチを投入する
と、先ず湯張り弁（32）が開くと共に、三方弁（15）が
切替わって湯張り弁（32）→三方弁（15）→送水ポンプ
（Ｐ）→水圧計（12）→浴槽（２）と繋がる水圧検知回
路（13）（追焚き用循環回路（11）の一部で構成されて
いる）に繋がった状態になり、該水圧検知回路（13）に
一定時間だけ温水供給した後、更に、三方弁（15）を切
替えて上記水圧計（12）から浴槽（２）に繋がる水圧検
知回路（13）を遮断する。すると、遮断された該水圧検
知回路（13）に水が充満して該回路のエア抜きがされた
状態になり、これにより、爾後の湯張り動作中に於ける
浴槽（２）内水位が水圧計（12）で検知できる状態にな
る。

次に、三方弁（15）を切替えることによって上記水圧
計（12）を具備する水圧検知回路（13）の反対側の湯張
り回路（16）を開けたうえで再び湯張り弁（32）を開い
て湯張り動作を進行させ、この湯張りの進行に伴なって
増加する浴槽（２）内水位を水圧計（12）で水圧として
検知し、湯張り完了状態になってこれに対応する信号が
上記水圧計（12）から出力されると、該出力によって湯
張り弁（32）を閉じて湯張り動作を停止させる。

又、図示しない追焚きスイッチを投入して追焚き操作
をすると、三方弁（15）が切替わって循環回路（11）が
成立せしめられると共に送水ポンプ（Ｐ）が駆動せしめ
られ、浴槽（２）内の入浴水は追焚き用の循環回路（1
1）内で循環加熱せしめられる。

このものでは、湯張り動作初期に於いて水圧検知回路
（13）内をエア抜きすることにより浴槽内の水圧が水圧
計（12）に伝わるようにしたから、追焚き用熱交換器
（１）や給湯用熱交換器（３）を組込んだ器具本体
（Ａ）と浴槽（２）の配設高さを一致させる必要がない
利点がある。

ところが、上記従来のものでは、湯張り動作初期に、
三方弁（15）を切替えて水圧計（12）から浴槽（２）に
繋がる水圧検知回路（13）に一旦水を充満させてエア抜
き作業をした後、再び三方弁（15）を湯張り回路（16）
側に切替える作業が必要となり、該準備作業をした後に
始めて湯張り動作を始めなければならない。このことか
ら、上記従来のものでは、上記準備作業に相当する分だ
け湯張り所要時間が長くなると言う問題があった。

本考案は係る点に鑑みて成されたもので、『追焚き用
熱交換器（１）と浴槽（２）を繋ぎ且つ送水ポンプ
（Ｐ）を具備する循環回路（11）と、給湯用熱交換器
（３）と湯張り弁（32）とを有する給湯回路（31）と、
更に、上記追焚き回路（11）に設けられた浴槽内水位検
知用の水圧計（12）を具備し、浴槽内水位が目標水位に
達したときに水圧計（12）から出る湯張り完了信号によ
って湯張り動作を停止させるようにした風呂装置』に於
いて、水圧計（12）を配設した回路のエア抜き作業及び
これの附随作業から成る準備作業を行なうことなく、湯
張り操作後は直ちに浴槽（２）内に温水の落し込み作業
を開始させ得るようにし、これにより、湯張り所要時間
の短縮化を図るようにすることをその課題とする。

［手段］ 上記課題を解決する為の本考案の技術的手段は、『給
湯回路（31）を、循環回路（11）に於ける水圧計（12）
及び送水ポンプ（Ｐ）の両者の下流側の流路部に接続
し、かつ該流路部と水圧計（12）との間の循環回路（1
1）の部分に開閉弁（18）を設け、湯張動作が開始した
ときには、開閉弁（18）を開いた状態で、その直後から
継続的に送水ポンプ（Ｐ）を駆動させ、送水ポンプ
（Ｐ）の駆動によって、吸水口（19）と、開閉弁（18）
との間の循環回路（11）の部分に水が充満したときに開
閉弁（18）を閉じた状態に制御する制御回路を備えた』
ことである。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する。

既述従来のものと同様に湯張り操作をすると、湯張り
弁（32）が開いて給湯回路（31）からその下流側に温水
が供給され始める。

すると、該給湯回路（31）は、循環回路（11）に於け
る水圧計（12）及び送水ポンプ（Ｐ）の両者から下流側
の流路部に接続されていることから、上記給湯回路（3
1）から供給される湯張り用温水は、循環回路（11）に
於ける送水ポンプ（Ｐ）及び水圧計（12）部分を介する
ことなく直接に浴槽（２）に流れ込むこととなり、湯張
り操作に基づく湯張り弁（32）の開弁と同時に上記浴槽
（２）への温水の落し込み動作が開始する。即ち、既述
従来のもののように、水圧計（12）を配設した回路のエ
ア抜き作業が完了する迄浴槽（２）への本来の温水の落
し込み動作を待つ必要がなくなり、湯張り操作後は直ち
に浴槽（２）への本来の湯張り動作が開始するのであ
る。

又、上記湯張動作が開始したときには、開閉弁（18）
を開いた状態で、その直後から継続的に送水ポンプ
（Ｐ）を駆動させることにより、浴槽（２）内に投入さ
れた温水を循環回路（11）内で循環させる。これによ
り、該循環回路（11）内であって、吸水口（19）と開閉
弁（18）との間に水が充満して該回路がエア抜きされた
状態になり、この状態で開閉弁（18）を閉じる。そし
て、このエア抜きされた回路に配設された水圧計（12）
によって、浴槽（２）内水位を監視しながら既述従来の
ものと同様に湯張りする。

又、追焚き時には、既述従来のものと同様に追焚き用
熱交換器（１）を加熱するガスバーナを燃焼させながら
送水ポンプ（Ｐ）を駆動させる。

［効果］ 本考案は次の特有の効果を有する。

水圧計（12）が設けられた回路のエア抜き作業等の準
備作業が終るまで湯張り動作を待つ必要がないから、そ
の分湯張り所要時間が短縮化される。

［実施例］ 次に、上記した本考案の実施例を図面を従って詳述す
る。

第１図に示すように、追焚き用ガスバーナ（10）で加
熱される追焚き用熱交換器（１）と浴槽（２）を繋ぐ追
焚き用の循環回路（11）には、その上流側から水温セン
サ（17），水圧計（12），開閉弁（18），送水ポンプ
（Ｐ），水流スイッチ（４）とこの順序で配設されてい
る。又、給湯用ガスバーナ（30）で加熱される給湯用熱
交換器（３）の下流側給湯回路（31）は、送水ポンプ
（Ｐ）の下流側の循環回路（11）に接続されている。該
給湯回路（31）には、湯張り弁（32）が挿入されてい
る。尚、循環回路（11）内の吸水口（19）を下位に吐出
口（29）をこれより上位に位置するように配管してい
る。

この実施例のものでは、図示しないマイクロコンピュ
ータ等の制御装置によって器具動作が制御されるように
なっており、その器具制御動作を第２図に示すフローチ
ャートに従って説明する。

．先ず、図示しない湯張り操作スイッチや追焚きスイ
ッチが投入されるのを監視する（図面符合（80）のステ
ップ参照）。

．湯張り操作スイッチが投入されると、同図の中央に
示す湯張り工程が実行され、先ず給湯用ガスバーナ（3
0）を燃焼させると共に湯張り弁（32）を開いて浴槽
（２）に湯張り用温水を供給し始める。又、循環回路
（11）に挿入した送水ポンプ（Ｐ）を駆動させ始める
（図面符合（81）のステップ参照）。

．次に、循環回路（11）に挿入した水流スイッチ
（４）がON動作するか否かが監視され、該水流スイッチ
（４）がON動作してその信号が出ると、送水ポンプ
（Ｐ）を停止させ、開閉弁（18）を閉じて該開閉弁（1
8）→水圧計（12）→浴槽（２）と繋がる流路内の水が
浴槽（２）内に流出しないようにする（図面符合（8
2），（83）のステップ参照）。

尚、吸水口（19）と開閉弁（18）との間の循環回路
（11）の部分のエア抜き作業を行なっている上記の状態
においては、該エア抜き作業と並行して給湯回路（31）
から浴槽（２）への湯張り動作が進行している。従って
このものでは、既述従来のもののように、エア抜き作業
が完了するまで湯張り動作を待たなければならない不都
合が生じない。

．次に、水圧計（12）の検知水圧を、基準水圧（PO）
としてマイクロコンピュータのメモリー内に記憶させる
（図面符合（84）のステップ参照）。

すると、上記基準水圧（PO）は、浴槽（２）内に実際
に湯張りして該湯張り水が浴槽（２）に開放する循環回
路（11）の吸水口（19）まで水位上昇したと仮定した場
合に、エア抜きされた上記流路内の水圧計（12）が検知
する水圧と等しいこととなる。

又、上記基準水圧（PO）が分ると、湯張り完了時に水
圧計（12）が検知することとなる水圧が予測できること
となり、該湯張り完了時に水圧計（12）が検知すること
となる湯張り完了水圧（P1）は次のようになる。即ち、
循環回路（11）の上流端部が浴槽（２）に開放する吸水
口（19）から湯張り完了状態における水面迄の高さを
「Ｈ」とした場合に、『湯張り完了水圧（P1）＝基準水
圧（P0）＋pgH』となる（但し、ｇは重力の加速度、ｐ
は水の密度である）。

．上記基準水圧（P0）を記憶すると、その後は水圧計
（12）の検知水圧を監視し、該検知水圧が湯張り完了水
圧（P1）に達すると、この時に給湯用ガスバーナ（30）
を消火させると共に湯張り弁（32）を閉じて湯張り動作
を停止させる（図面符合（85），（86）のステップ参
照）。

これによって、湯張り動作が完了する。

．他方、上記した「」の工程において、追焚きスイ
ッチが投入されると、器具制御は同第２図の右端に記載
した追焚き工程に移り、送水ポンプ（Ｐ）を運転させる
と共に追焚き用ガスバーナ（10）を燃焼させた後、水温
センサ（17）の出力によって浴槽（２）内温度を監視し
続ける。そして、浴槽（２）内温度が追焚き希望温度
（図示しない追焚き温度設定器で設定してある温度）に
達すると、送水ポンプ（Ｐ）を停止させると共に追焚き
用ガスバーナ（10）を消火させて追焚き動作を停止させ
る。

以上記載したように、上記のものでは、湯張り操作後
直ちに給湯回路（31）から浴槽（２）に温水を投入する
湯張り動作が始まるから、水圧計（12）を設けた流路の
エア抜き作業等の準備作業が終わるのを待った後に湯張
り動作を開始させなければならなかった既述従来のもの
に比べて湯張り所要時間の短縮化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の説明図，第２図は本考案の制
御装置に組み込まれたコンピュータ制御用のプログラム
を示すフローチャート，第３図は従来例の説明図であ
り、図中、 （１）……追焚き用熱交換器 （２）……浴槽 （３）……給湯用熱交換器 （11）……循環回路 （12）……水圧計 （13）……水圧検知回路 （18）……開閉弁 （19）……吸水口 （31）……給湯回路 （32）……湯張弁 （Ｐ）……送水ポンプ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】追焚き用熱交換器（１）と浴槽（２）を繋
   ぎ且つ送水ポンプ（Ｐ）を具備する循環回路（11）と、
   給湯用熱交換器（３）と湯張り弁（32）とを有する給湯
   回路（31）と、更に、上記追焚き回路（11）に設けられ
   た浴槽内水位検知用の水圧計（12）を具備し、浴槽内水
   位が目標水位に達したときに水圧計（12）から出る湯張
   り完了信号によって湯張り動作を停止させるようにした
   風呂装置に於いて、給湯回路（31）を、循環回路（11）
   に於ける水圧計（12）及び送水ポンプ（Ｐ）の両者の下
   流側の流路部に接続し、かつ該流路部と水圧計（12）と
   の間の循環回路（11）の部分に開閉弁（18）を設け、湯
   張動作が開始したときには、開閉弁（18）を開いた状態
   で、その直後から継続的に送水ポンプ（Ｐ）を駆動さ
   せ、送水ポンプ（Ｐ）の駆動によって、吸水口（19）
   と、開閉弁（18）との間の循環回路（11）の部分に水が
   充満したときに開閉弁（18）を閉じた状態に制御する制
   御回路を備えた湯張り機能を具備する風呂装置。