JP2515852Y2 - スラストニードル軸受 - Google Patents

スラストニードル軸受

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JP2515852Y2
JP2515852Y2 JP1989030149U JP3014989U JP2515852Y2 JP 2515852 Y2 JP2515852 Y2 JP 2515852Y2 JP 1989030149 U JP1989030149 U JP 1989030149U JP 3014989 U JP3014989 U JP 3014989U JP 2515852 Y2 JP2515852 Y2 JP 2515852Y2
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一由 針本
益久 吉田
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エヌティエヌ 株式会社
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、オートマチックトランスミッション車の
トルクコンバータ部やギヤユニット部等のスラスト荷重
を支持する部分に組込まれるスラストニードル軸受に関
するものである。
〔従来の技術〕
一般に、軌道輪、保持器およびニードルから成るスラ
ストニードル軸受には、分離形と非分離形とが存在す
る。分離形は、組立てに手間がかかるため、近年、非分
離形のものが多く用いられている。
非分離形のスラストニードル軸受の従来技術として、
第6図に示したものがある。このスラストニードル軸受
は、軌道輪30の外径部に設けた円筒部31の先端周縁部に
内径方向(内側)に突出する複数のステーキング爪32を
設け、その円筒部31の内側に組込まれた保持器33のポケ
ット34にニードル35を収納し、その保持器33の外径部に
はフランジ36を形成し、このフランジ36とステーキング
爪32の係合によって保持器33を抜け止めしている。
その保持器33の上記ニードル保持用ポケット34は、そ
のニードル軸方向の端面(第6図の破線で示される面)
が、中央部33aが上記軌道輪30の内面に接して、その中
央部33a両端から立ち上がって(33b部分)、前記ニード
ル外側周面に至った形状であり、そのポケット34の端面
とニードル35の接触面積(案内面積)を多くして、円滑
な案内をなし得るようにしているとともに、外側(第6
図斜め右側)へのニードル35の抜けを有効に防止してい
る。
〔考案が解決しようとする課題〕
一般に、非分離形のスラストニードル軸受において
は、組立総高さおよびニードルの外径が使用目的に応じ
て決定されるため、軌道輪および保持器の板厚を薄くす
る必要がある。このため、軌道輪および保持器は薄鋼板
のプレス成形で形成しており、また、ポケット34の端面
屈曲部(立ち上がり部33b)が2ッあることも加わっ
て、外径寸法のバラツキが大きい。外径寸法のバラツキ
が大きいと、軌道輪30の円筒部31と保持器33外周縁が干
渉し易くなり、また、保持器33が外れ易い恐れがある。
また、スラストニードル軸受においては、硬度が要求
されるため、軌道輪30および保持器33のプレス形成後、
浸炭焼入れを施して硬度を高めようとしており、その浸
炭焼入れの際、軌道輪30および保持器33の剛性が低い場
合には反りが生じる。さらに、軌道輪30の円筒部31内
に、保持器33をカチ込みによって装填するが、その際、
保持器33に反りが生じる場合がある。保持器33の反り
は、円筒部31と保持器33の干渉につながる。
したがって、従来の保持器33では、第6図に示すよう
に、上記外径寸法のバラツキをなくし、及び保持器33の
剛性を増すため、その内外周縁部を立ち上げてフランジ
36を形成している。すなわち、プレス成形の際、上記屈
曲部が2ツもあることにより、材料の径方向の伸縮も大
きく、周縁が径方向の切り出し端面では、その伸縮によ
って端面径が変化し、所要の外径寸法を出しにくい。こ
のため、周縁部もフランジ36を形成してプレス成形する
と、そのプレス成形型によって外径が決定されるため、
所要の外径寸法を得やすいからである。また、フランジ
36の存在によって、保持器33の回転軸心に対する断面係
数の増加によって、保持器33の剛性は増すからである。
しかしながら、フランジ36が立ち上がれば、フランジ
36とステーキング爪32間の軸方向の自由度Lが小さくな
り、両者36、32が干渉し易くなる。また、ステーキング
爪32はフランジ36の端面エッジと接触することとなるた
め、エッジ同士の接触となり、エッジの相互の喰い込み
易さから、保持器33の回転不良が生じるとともに、両者
が損傷し易く、損傷すれば、保持器33の回転不良につな
がる。
そこで、この考案は上記の不都合を解消し、軌道輪と
保持器の相互間における軸方向の自由度を大きくすると
共に、エッジ同士の接触をなくすことを技術的課題とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この考案においては、
外径部と内径部のいずれか一方に円筒部を形成した軌道
輪と、上記円筒部に嵌め合わせた保持器と、その保持器
に保持されたニードルとから成り、上記保持器の上記ニ
ードル保持用ポケットは、そのニードル軸方向の端面
が、中央部が上記軌道輪の内面に接して、その中央部両
端から立ち上がって前記ニードル外側周面に至った形状
であり、前記保持器の内外周縁部は、前記ポケットの立
ち上がり端から立ち下がって前記軌道輪の内面に至って
平坦部となっており、上記円筒部の先端周縁部は、その
周方向所要間隔に円筒部内側に突出するステーキング爪
を設けて、このステーキング爪により保持器の抜け止め
を行ったスラストニードル軸受において、上記保持器の
上記ステーキング爪と対向する周縁部に、その平坦部を
全周に亘って180度折り曲げて保持器表面に密着する環
状の折曲片を設けた構成を採用したのである。
ここで、上記円筒部は、軌道輪の外径縁部に形成され
たもの、あるいは内径縁部に形成されたいずれのもので
あってもよい。
〔作用〕
上記のように、保持器の周縁部に保持器の表面に重な
る折曲片を設けたことにより、その折曲片を長くし得
て、焼入れにより、その長い折曲片の硬度を高め得るの
で、保持器に高い剛性を得ることができ、保持器のカチ
込みによる組立時、保持器の変形は生じにくい。
また、折曲片としたので、ステーキング爪に対する保
持器の軸方向の自由度を大きくとることができるととも
に、ステーキング爪は折曲片の外面のフラット面と接触
するため、その接触も円滑であり、損傷しにくく、不良
品発生率の低減を図ることができる。
〔実施例〕
以下、この考案の実施例を第1図乃至第5図に基づい
て説明する。
第1図乃至第3図は、この考案に係るスラストニード
ル軸受の第1の実施例を示す。軌道輪1の外径部には円
筒部2が形成され、その円筒部2の先端部に内方に突出
する複数のステーキング爪3が上記円筒部2の周方向に
所要の間隔をおいて設けられている。
円筒部2の内側に組込まれた保持器4には複数のポケ
ット5が周方向に等間隔に形成され、そのポケット5内
にニードル6が組込まれている。上記ポケット5の周方
向で対向する両側縁の両端部7と中央部8は保持器軸方
向に段差があり、すなわち、ポケット5は、そのニード
ル軸方向の端面が、中央部8が軌道輪1の内面に接し
て、その中央部8両端から立ち上がって(符号7部分)
ニードル6外側周面に至った形状であり、その両端部7
と中央部8は、ニードル6の中心線を対称線としてその
両側の外周に当接し、その当接によってニードル6は抜
け止めされている。
上記保持器4の外径周縁部は前記ポケット4の両端部
7から立ち下がって軌道輪1の内面にそって平坦部とな
り、その縁部に180°の折り曲げによって保持器4の表
面に重なる環状の折曲片9が設けられ、その折曲片9の
折曲部における外周は弧状面10とされている。
上記折曲片9の外面部9aは、前記ステーキング爪3と
対向し、その外面9aがステーキング爪3に当接すること
によって保持器4は抜け止めされる。このとき、折曲片
9の外面9aは全周平坦面のため、ステーキング爪3を傷
付けにくい。
上記の構成から成る保持器4及び前記軌道輪1は、鋼
板のプレス形成により形成され、その成形後に、浸炭焼
入れ等の熱処理が施されて硬度が高められる。このと
き、折曲片9は、第6図の立ち上がり片36に比べれば長
くし得るため、その長い折曲片9の硬度を高めることと
なるので、保持器4の周縁部の剛性は向上する。
上記の構成から成るスラストニードル軸受の組付けに
際しては、保持器4のポケット5内にニードル6を組込
んだのち、その保持器4を軌道輪1の円筒部2内にカチ
込み等の手段を介して圧入する。このとき、保持器4の
外径周縁部とステーキング爪3は干渉することになる
が、保持器4の外周は弧状面10とされているため、その
弧状面10が案内面となって保持器4の挿入を容易とし、
しかもステーキング爪3は外径方向に弾性変形するた
め、保持器4をきわめてスムーズに組込むことができ
る。また、保持器4は十分な剛性を有するため、組込み
時における保持器4の変形も殆んどない。
上記のようにして保持器4を組付けることにより、そ
の保持器4の折曲片9の外側平坦面9aがステーキング爪
3と対向するため、上記ステーキング爪3によって保持
器4は抜け止めされ、非分離形とされる。
ここで、保持器4は、外径周縁部に保持器表面に密着
する折曲片9を設けた構成であるため、第6図のフラン
ジ36に比べれば、上記折曲片9とステーキング爪3間に
軸方向の自由度lを大きくとることができ、このため、
上記保持器4が熱処理時あるいは組込み時に仮に変形し
ても、保持器4は、ステーキング爪3に干渉しにくく、
回転不良が生じたり、あるいは保持器4との接触によっ
てステーキング爪3が摩耗する等の不良品の発生率を軽
減することができる。また、ステーキング爪3と保持器
4の接触は、折曲片9外側平坦面9aでなされるため、保
持器4の回転も円滑に行われ、ステーキング爪3の損傷
も極めて少ない。
第4図は、この考案に係るスラストニードル軸受の第
2の実施例を示す。この実施例においては、軌道輪11の
内径部を折り曲げて円筒部12を形成し、その円筒部12の
先端縁に外径方向に突出するステーキング爪13を設けて
ある。また円筒部12の外側に組込んだ保持器14の内径部
を180°折り曲げて保持器表面に重なる折曲片19を設
け、その折曲片19の外面19aと前記ステーキング爪13の
当接によって保持器14を抜け止めしている。
第5図は、この考案に係るスラストニードル軸受の第
3の実施例を示す。この実施例においては、一対の軌道
輪21、21′間にニードル6を保持する保持器24を組込
み、一対の軌道輪21、21′のうち、一方の軌道輪21の外
径部に円筒部22を設け、その円筒部22の先端部に内方に
突出する複数のステーキング爪23を設けてある。
また、他方軌道輪21′の内径部に円筒部22′を形成
し、その円筒部22′の先端部に外方に突出する複数のス
テーキング爪23′を設けてある。
さらに、保持器24の外径縁部および内径縁部のそれぞ
れを180°折り曲げて一対の折曲片29、29′を形成し、
その折曲片29、29′とこの外面29a、29a′に対向するス
テーキング爪23、23′の係合によって、一対の軌道輪2
1、21′および保持器24を非分離状態に保持している。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案においては、軌道輪の円筒部
に設けたステーキング爪と対向する保持器の周縁部を18
0°折り曲げて保持器の表面に重なる折曲片を設けたの
で、保持器と軌道輪間において軸方向の自由度を大きく
とることができる。
また、保持器の表面に重なる折曲片を設けたことによ
って、保持器に高い剛性を得ることができ、組付け時の
変形を少なくすることができる。このため、軸方向の自
由度が大きいことと相俟って、保持器の折曲片がステー
キング爪に干渉するという不都合の発生を抑えることが
でき、製品の強度および性能の向上と、不良品発生率の
低減とを図ることができる。
さらに、軸方向の自由度を大きくすることができるた
め、ステーキング爪を厚肉とすることができる。そのス
テーキング爪を厚肉とすることにより、浸炭焼入れ等の
熱処理時に、爪の表面のみの硬度を高めることができ
る。このため、弾性を有する爪が得られ、カチ込みによ
る保持器の組付け時に、爪が破損するのを防止すること
ができる。
また、保持器とステーキング爪の接触は、折曲片外側
平坦面でなされるため、保持器の回転も円滑に行われ、
ステーキング爪の損傷も極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案に係るスラストニードル軸受の第1
の実施例を示す断面図、第2図は、第1図の側面図、第
3図は同上の分解斜視図、第4図は、この考案に係るス
ラスト軸受の第2の実施例を示す断面図、第5図はこの
考案に係るスラスト軸受の第3の実施例を示す断面図、
第6図は従来のスラストニードル軸受を示す断面図であ
る。 1、11、21、21′……軌道輪、2、12、22、22′……円
筒部、3、13、23……ステーキング爪、4、14、24、33
……保持器、5、34……ポケット、6……ニードル、9
……折曲片、9a、19a、29a、29a′……折曲片外面。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】外径部と内径部のいずれか一方に円筒部を
    形成した軌道輪と、上記円筒部に嵌め合わせた保持器
    と、その保持器に保持されたニードルとから成り、 上記保持器の上記ニードル保持用ポケットは、そのニー
    ドル軸方向の端面が、中央部が上記軌道輪の内面に接し
    て、その中央部両端から立ち上がって前記ニードル外側
    周面に至った形状であり、前記保持器の内外周縁部は、
    前記ポケットの立ち上がり端から立ち下がって前記軌道
    輪の内面に至って平坦部となっており、 上記円筒部の先端周縁部に、その周方向所要間隔に円筒
    部内側に突出するステーキング爪を設けて、このステー
    キング爪により保持器の抜け止めを行ったスラストニー
    ドル軸受において、 上記保持器の上記ステーキング爪と対向する周縁部に、
    その平坦部を全周に亘って180度折曲げて保持器表面に
    密着する環状の折曲片を設けたことを特徴とするスラス
    トニードル軸受。
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