JP2515309Y2 - ディスクカートリッジのケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はディスク状記録媒体を収納したディスクカー
トリッジに関する。

〔従来の技術〕 記録再生装置に使用されるディスク状記録媒体は、不
使用時に破損したり、塵埃が付着したりするのを防止す
るために、ディスクカートリッジ内にこのディスク状記
録媒体を収納することによって保護している。このよう
なディスクカートリッジとして、例えば第５図に示すよ
うなものがある。第５図において、符号101は上半片101
aと下半片101bとからなるケースであり、このケース101
にはディスク状記録媒体106が収納されている。ケース1
01にはこのディスクカートリッジが記録再生装置に装着
されたときに、ディスク状記録媒体106を回転させるた
めの回転穴102や情報の読み書きを行うためにヘッドが
接近可能なようにヘッド挿入穴103が形成されている。

ここで、前記回転穴102やヘッド挿入穴103からケース
101内部に塵埃が侵入するのを防止するために、このケ
ース101にはシャッタ104が取り付けられている。

また、上半片101aは第６図に示すように同側壁107が
周縁に立設され、この内側にはディスク状記録媒体106
を回転穴102に保持するための保持壁108が立設されてい
る。保持壁108はディスクカートリッジをできるだけコ
ンパクト化するために、周側壁107を一部共用してい
る。このため、保持壁108の端部108aは周側壁107と一体
に形成され、この端部108aは角状に形成されている。ま
た、図示しないが下半片101bにも前記同様の周側壁や保
持壁等が形成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来のディスクカートリッ
ジのケースにあっては、保持壁108内に収納されたディ
スク状記録媒体106はスピンドルモータ（図示せず）に
よって回転させているために、このディスク状記録媒体
106と保持壁108との間に隙間を設ける必要があり、ディ
スクカートリッジを持ち運ぶ場合等にはディスク状記録
媒体106は保持壁108内をガタついてしまっていた。ディ
スク状記録媒体108がガタつくと、このディスク状記録
媒体106は保持壁108の端部108aと当接する。端部108aは
角状に形成されているために、この端部108aにおける前
記当接の際の応力は大きい。ディスク状記録媒体106が
端部108aに永年に亘って当接すると、前記大きな応力が
端部108aに繰返し作用し、この端部108aは疲労してしま
う。したがって、ついには保持壁108の端部108aにクラ
ックが入ってしまい、ディスクカートリッジのケースを
使用できなくなる虞が生じていた。他方、ディスク状記
録媒体の外周部そのものにもクラックが生じる虞れもあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

このような問題を解決するために、本考案において
は、ディスク状記録媒体２を収納するケースの周側壁7,
8の内方に、このディスク状記録媒体２の外周側を囲む
ほぼ円形状の保持壁9,10が形成されたディスクカートリ
ッジのケース１において、前記保持壁9,10は前記周側壁
7,8の一部を共用しており、前記保持壁9,10が前記周側
壁7,8に交差する箇所に形成される端部9a,10aは前記デ
ィスク状記録媒体２の外周側に対し凸状に湾曲するアー
ル壁とされた構成とするものである。

〔作用〕

ディスク状記録媒体がガタつくと、このディスク状記
録媒体は保持壁の端部と当接する。端部にはアールがつ
けられているので、この端部の前記当接の際の応力は従
来に比して小さくなる。このため、ディスク状記録媒体
が端部に当接して前記応力がこの端部に繰り返し作用し
ても、この端部は疲労することはなく、ディスク状記録
媒体の外周部も痛むことはない。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図ないし第４図は本考案に係るディスクカートリ
ッジの一実施例を示す図である。

第１図において符号１はディスクカートリッジのケー
スであり、このケース１は合成樹脂製であって全体が矩
形の平板状筐体の上半片1aと下半片1bとからなってい
る。ケース１内には光学的情報を記録した3.5インチの
光ディスク２（ディスク状記録媒体）が収納されてい
る。ケース１の上・下半片1a,1bの中央には、光ディス
ク２が記録再生装置に装着されたときに、ケース１内の
光ディスク２をスピンドルモータ（図示せず）によって
回転させるための回転穴11a,11bが形成され、この回転
穴11a,11bから光ディスク２の中心部に設けられたハブ
部（図示せず）が露出している。またケース１の上・下
半片1a,1bには光ディスク２に記録された情報を読み取
るための光ヘッド（図示せず）が接近可能なようにヘッ
ド挿入穴12a,12bが形成されている。

光ディスク２を使用しない場合には、前記回転穴11a,
11bやヘッド挿入穴12a,12bから塵埃がケース１内に侵入
するのを防止するために、このケース１にはシャッタ５
が取付けられている。このシャッタ５はステンレス鋼等
の金属薄板を略中央から略コの字形に折り曲げて形成さ
れ、ねじりコイルばね６によって常時閉止方向に付勢さ
れている。

また、ケース１を構成する全体が略矩形の上半片1aお
よび下半片1bは、第２図および第３図に示すように相互
に合致する周側壁7,8がそれぞれの周縁に立設され、こ
の周側壁7,8の内側には光ディスク２を回転穴11a,11b位
置に保持して収納するための保持壁9,10がそれぞれ全体
として円形状に立設されており、この保持壁9,10は同様
に相互に合致する。

ここで、保持壁9,10を周側壁7,8の内側に略全周に亘
って形成すると、外側に位置する周側壁7,8は一回り大
きく形成せねばならず、ディスクカートリッジは全体と
して大きくなってしまう。そこで、ディスクカートリッ
ジのコンパクト化という要請から保持壁9,10は周側壁7,
8の一部を共用する形となっている。このため、保持壁
9,10の端部9a,10aは周側壁7,8と接続されて一体に形成
されている。すなわち、保持壁10の端部10aの一部を拡
大して第４図に示すと、この端部10aは曲折して周側壁
7,8と一体に形成され、この曲折した端部10aにはアール
がつけてある。なお、保持壁9,10は周側壁7,8と接続さ
せずに、この周側壁7,8から離して形成してもよい。ま
た、上・下半片1a,1bの回転穴11a,11bの周縁にはリブ13
a,13bが形成されている。

ところで、ディスクカートリッジを記録再生装置に装
着すると、ケース１に収納された光ディスク２はスピン
ドルモータによって回転させられるので、保持壁9,10と
の間に隙間が設けられている。このため、ディスクカー
トリッジを持ち運ぶ場合等には、光ディスク２は保持壁
9,10内をガタついてしまっていた。光ディスク２がガタ
つくと、この光ディスク２は保持壁9,10の端部9a,10aと
当接する。端部9a,10aにはアールがつけられているの
で、この端部9a,10aにおける前記当接の際の応力は、従
来に比して小さくなる。このため、光ディスク２が端部
9a,10aに当接して、前記応力がこの端部9a,10aに繰り返
し作用しても、この端部9a,10aは疲労することはない。
したがって、従来のように端部9a,10aにクラックが入っ
てしまうようなことはなく、ディスクカートリッジのケ
ースが使用できなくなるということはない。他方、光デ
ィスクの外周部にクラックが生じるようなこともない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ディスクカート
リッジのケースの保持壁が周側壁の一部を共用するので
ケースをコンパクト化することができ、またそれにより
生ずるケースの保持壁の端部を、ディスク状記録媒体の
外周側に対し凸状に湾曲するアール壁としたので、この
端部にディスク状記録媒体が接触しても相互に無理な力
が加わらず、該端部やディスク状記録媒体の外周部にク
ラックが入ってしまうようなこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係るディスクカートリッ
ジのケースの一実施例を示す図であり、第１図はこのケ
ースの斜視図、第２および第３図はそれぞれこのケース
を構成する上半片および下半片の斜視図、第４図は第３
図におけるIV矢視部分拡大図である。第５図および第６
図は従来のディスクカートリッジのケースを示す図であ
り、第５図はこのケースの斜視図、第６図はこのケース
の上半片の斜視図である。 １…ケース、1a…上半片、1b…下半片、２…光ディス
ク、9,10…保持壁、9a,10a…端部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク状記録媒体２を収納するケースの
   周側壁7,8の内方に、このディスク状記録媒体２の外周
   側を囲むほぼ円形状の保持壁9,10が形成されたディスク
   カートリッジのケース１において、前記保持壁9,10は前
   記周側壁7,8の一部を共用しており、前記保持壁9,10が
   前記周側壁7,8に交差する箇所に形成される端部9a,10a
   は前記ディスク状記録媒体２の外周側に対し凸状に湾曲
   するアール壁とされたことを特徴とするディスクカート
   ッジのケース。