JP2513292B2

JP2513292B2 - 位相変調復調器

Info

Publication number: JP2513292B2
Application number: JP1019045A
Authority: JP
Inventors: 智喜大澤
Original assignee: Nippon Electric Co Ltd
Current assignee: NEC Corp
Priority date: 1989-01-26
Filing date: 1989-01-26
Publication date: 1996-07-03
Anticipated expiration: 2011-07-03
Also published as: JPH02198205A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、位相変調信号の搬送波位相及び周波数同期
に関するものである。

（従来の技術）従来、変調のかかった搬送波信号の位相、周波数同期
回路には一般にフェーズロックループ回路が用いられて
いた。これには多くの文献があり、例えば文献（Floyd,
M.Gardner著"phaselock techniques",Jhon Wiley ＆ So
ns,Inc.,Newyork,1966年刊がある。

（発明が解決しようとする問題点）従来技術では、低信号電力対雑音比での同期特性と広
範囲での同期引き込み特性とは相反する条件とされ同期
にみたされず、更に低信号電力対雑音比では同期引き込
みに要する時間が非常に長かったことが問題としてあげ
られる。本発明はこれを解決しようとしている。

（問題を解決するための手段）本発明の位相変調復調器は、位相変調信号を入力し、
該信号の変調成分を取り除き変調除去信号を出力する変
調除去回路と、変調除去信号を入力し信号のキャリア成
分を強調する適応輝線強調回路と、該適応輝線強調回路
の出力に対して逐次キャリア同期を行う同期回路と、該
同期回路に得られたキャリア信号の周波数と位相値によ
り前記位相変調信号の同期を行う補正値とを含んで構成
される。

（作用）第１図に本発明の基本的な構成図を示す。受信された
位相変調信号は、送受信搬送波の差の成分、すなわちキ
ャリア信号成分のみを得るために変調除去回路１に入力
され、変調成分を取り除かれる。この信号とスペクトル
でみると、線スペクトル（キャリア信号成分）にガウス
雑音が加わった様に見える。変調除去された信号は、続
いて適応輝線強調回路２に入力される。適応輝線強調回
路２は線スペクトルを適応的に抽出する狭帯域のバンド
パスフィルタで、線スペクトル以外のランダム雑音を抑
圧する。この適応輝線強調回路２により変調除去された
信号成分電力対雑音電力比は非常に改善される。第２図
に適応輝線強調回路の入力及び出力スペクトラムを示
し、変調除去された信号成分電力対雑音電力比が改善さ
れた様子を示す。この改善された適応輝線強調回路出力
信号を同期回路３に入力する。適応輝線強調回路の出力
は、変調除去された信号成分であるので、同期回路３で
は変調除去回路１へ入力される前のキャリア信号成分に
交換しキャリア信号の周波数と位相値の推定値を求め、
補正器４で受信信号を同期回路出力により復調する。

（実施例）第３図に本発明の一実施例を２相位相変調信号を例に
とって示す。受信された位相変調信号の変調を除去する
変調除去回路１としては図に示すように逓倍器を用い
る。例えばＭ相位相変調にはＭ倍の逓倍器を用いる。Ｍ
倍の逓倍器は、入力Ｍ相位相変調信号ｒ（ｉ）とする
と、Ｓ（ｉ）＝ｒ（ｉ）^Ｍの演算を行う。入力Ｍ相位相変調信号は変調情報をｋ
（ｋ＝1,2,・・・Ｍ）とすると、ｒ（ｉ）＝ｅ^{j2π（ωｉ＋θ＋ｋ（ｉ）/M）}＋ｗ（ｉ）但し、ｊは虚数、ωはキャリア信号周波数、θはキャ
リア信号位相、ｗ（ｉ）は熱雑音であると表される。この信号の逓倍器出力ｓ（ｉ）は、ｓ（ｉ）＝ｅ^{j2πＭ（ωｉ＋θ）}＋ｗ（ｉ）^Ｍとなって出力される。逓倍器Ｍ逓倍することにより、変
調成分は除去され、Ｍ逓倍されたキャリア信号と雑音の
みの変調除去された信号が変調除去回路から出力され
る。第３図に示す例では２相位相変調信号が入力される
ので、入力信号を自乗している。この逓倍器１の出力を
適応輝線強調回路２に入力する。

適応輝線強調回路２は、相関分離器21、適応フィルタ
22、加算器23、適応アルゴリズム回路24から構成され、
以下の演算を行う。

相関分離器は位相変調信号のシンボル時間（T_d）だけ
遅延させる遅延素子である。これにより、逓倍器１の出
力ｓ（ｉ）と適応フィルタ22の出力ｙ（ｉ）との相関成
分はキャリア信号成分のみとなり、他の成分に対しては
両者の間に相関がなくなる。適応輝線強調回路は、適応
フィルタ22が変調除去された信号ｓ（ｉ）と相関のある
成分を抽出するフィルタを作り出すように適応フィルタ
の係数Ｃを制御する。この場合、相関分離器を介して入
力される信号と変調除去された信号との間の相関成分は
逓倍されたキャリア信号のみであるので、フィルタはキ
ャリア信号のみを出力する挟帯域フィルタになる。

適応フィルタをFIRフィルタで構成するとフィルタの
タップ長Ｌ（タップ係数C₁・・・・C_L）からなるトラン
スバーサルフィルタで、出力ｙ（ｉ）はｙ（ｉ）＝C^TX_i Ｃ＝［C₁C₂C₃・・・C_L］^ＴＸ＝［ｘ（ｉ−T_d）ｘ（ｉ−１−T_d）・・・ｘ（ｉ−Ｌ−１−T_d）］^Ｔ但し、A^TはベクトルＡの転置を示すとなる。また、加算器22の出力である誤差信号ｅ（ｉ）
は、ｅ（ｉ）＝ｓ（ｉ）−ｙ（ｉ）で表される。係数ベクトルＣは、ｅ（ｉ）X₁の平均値が
０に保たれるように適応アルゴリズム回路で制御され
る。このとき、適応輝線強調回路はＭ逓倍されたキャリ
ア信号を抽出する挟帯域フィルタになる。

係数を制御するアルゴリズムの例としては、ｅ（ｉ）
の自乗平均誤差を最小にするLMSアルゴリズムを用いる
と、係数ベクトルは適応乗数をμとすると次式により制
御される C₁₊₁＝C₁＋μｅ（ｉ）X_i 適応アルゴリズム回路24は上式を演算する。又、同期
回路３としては、信号を復調するために、キャリア信号
の周波数、位相成分が必要であり、振幅成分ひ必要でな
い。適応輝線強調回路の出力の位相・周波数は逓倍後の
値であるから、補正器４に渡す前に1/M倍に分周した信
号の複素共役（但し、Ａ^＊はＡの複素共役を示す）を出
力する必要がある。1/M逓倍は、ｚ（ｉ）＝ｙ（ｉ）^1/M//|y（ｉ）｜の演算をすればよいが、実際ｙ（ｉ）は複素数なので、
この演算は不可能である。同期回路としては、出力とし
ては、位相成分が必要なのであるから、同等の演算とし
て、以下の様な演算で実現される。

ｚ（ｉ）＝ｅ
^{ｊ（ATMN（Ｚ（ｉ−１）＋ATAN（ｙ（ｉ）ｙ（ｉ）＊）}
^／Ｍ）この演算により、L/Mに分周されたキャリア信号を得
られる。

補正器は、複素乗算器であり、同期回路の出力信号Ｚ
（ｉ）^＊栄と受信した位相変調信号ｒ（ｉ）＝ｅ
^{j2π（ωｉ＋θ＋ｋ（ｉ）/M）}＋ｗ（ｉ）と補正器で複
素乗算することにより、キャリア信号成分が除去され復
調信号が出力される。これらは、マイクロプロセッサに
より実現されるが、またはディジタル信号処理回路によ
り実現される。

（発明の効果）本発明によれば実時間処理性を失わずに、従来方式の
位相同期と比較して対雑音特性、同期引き込み範囲、同
期引き込みの高速性の面で優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の基本的な構成を示す図、第２図は本発
明の効果を示す図、第３図は本発明の一実施例を示す図
である。図中、１……変調除去回路、２……適応輝線強
調器、３……同期回路、４……補正器である。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】位相変調信号を入力し、該信号の変調成分
を取り除き変調除去信号を出力する変調除去回路と、変
調除去信号を入力し信号のキャリア成分を強調する適応
輝線強調回路と、該適応輝線強調回路の出力に対して逐
次キャリア同期を行う同期回路と、該同期回路で得られ
たキャリア信号の周波数と位相値により前記位相変調信
号の同期を行う補正器とから構成されることを特徴とす
る位相変調復調器。