JP2510668B2 - 液晶性化合物およびそれを含む液晶組成物、液晶素子 - Google Patents

液晶性化合物およびそれを含む液晶組成物、液晶素子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な液晶性化合物それを含有する液晶組成
物および該液晶組成物を使用する液晶素子に関するもの
である。
〔従来の技術〕
従来の液晶素子としては、例えばエム・シヤツト(M.
Schadt)とダブリユー・ヘルフリヒ(W.Helfrich)著、
“アプライド・フイジツクス・レターズ”(“Applied
Physics Letters")第18巻、4号(1971年2月15日発
行)、第127頁〜128頁の“ボルテージ・デイペンダント
・オプテイカル・アクテイビテイー・オブ・ア・ツイス
テツド・ネマチツク・リキツド・クリスタル”(“Volt
age Dependent Optical Activity of a Twisted Nemati
c Liquid Crystal")に示されたツイステツド・マネチ
ツク(Twisted Nematic)液晶を用いたものが知られて
いる。しかしながら、このTN液晶は、画素密度を高くし
たマトリクス電極構造を用いた時分割駆動の時、クロス
トークを発生する問題点があるため、画素数が制限され
ていた。
また、電界応答が遅く視野角特性が悪いためにデイス
プレイとしての用途は制限されていた。
また、電界応答が遅く視野角特性が悪いためにデイス
プレイとしての用途は限定されていた。
更に、各画素に薄膜トランジスタによるスイツチング
素子を接続し、各画素毎をスイツチングする方式の表示
素子が知られているが、基板上に薄膜トランジスタを形
成する工程が極めて煩雑な上、大面積の表示素子を作成
することが難しい問題点がある。
このような従来型の液晶素子の欠点を改善するものと
して、双安定性を有する液晶素子の使用が、クラーク
(Clark)およびラガウエル(Lagerwall)により提案さ
れている(特開昭56-107216号公報、米国特許第4,367,9
24号明細書等)。双安定性を有する液晶としては、一般
に、カイラルスメクチツクC相(SmC*)又はH相(Sm
H*)を有する強誘電性液晶が用いられる。
この強誘電性液晶は自発分極を有するために非常に速
い応答速度を有する上に、メモリー性のある双安定状態
を発現させることができ、さらに視野角特性も優れてい
ることから、大容量大画面のデイスプレイ用材料として
適している。
また強誘電性液晶として用いられる材料は不斉炭素を有
しているために、そのカイラルスメクチツク相を利用し
た強誘電性液晶として使用する以外に、次のような光学
素子としても使用することができる。
1)液晶状態においてコレステリツク・ネマチツク相転
移効果を利用するもの〔ジエイ ジエイ ウイソキ,エ
イ アダムス,ダブリユハアース「フイジツクス レヴ
ユー レターズ」(J.J.Wysoki,A.Adams and W.Haas;Ph
ys.Rev.Lett.),20,1024(1968)〕、 2)液晶状態においてホワイト・テイラー型ゲスト・ホ
スト効果を利用するもの〔デー エル ホワイト,ジー
エム テエイラー「ジヤーナル オブ アプライド
フイジツクス」(D.L.White and G.N.Taylor;J.Appl.Ph
ys.),45,4718(1974)〕、等が知られている。個々の
方式についての詳細な説明は省略するが、表示素子や変
調素子として重要である。
このような液晶の電界応答光学効果を用いる方法にお
いては、液晶の応答性を高めるために極性基を導入する
ことが好ましいとされている。とくに強誘電性液晶にお
いては、応答速度は自発分極に比例することが知られて
おり、高速化のために自発分極を増加させることが望ま
れている。このような点から、ピー ケラー(P.Kelle
r)らは、不斉炭素に直接塩素基を導入することで自発
分極を増加させ応答速度の高速化が可能であることを示
した〔シー アール アカデミー サイエンス(C.R.Ac
ad.Sc.Paris),282 C,639(1976)〕。
しかしながら、不斉炭素に導入された塩素基は化学的
に不安定であるうえに、原子半径が大きいことから液晶
相の安定性が低下するという欠点を有しており、その改
善が望まれている。
他方、光学活性を有することを特徴とする光学素子に
必要な機能性材料は、それ自体光学活性の中間体を経て
合成されることが多いが、従来から用いられる光学活性
中間体としては、2−メチルブタノール、2球オクチル
アルコール、2級ブチルアルコール、塩化p−(2−メ
チルブチル)安息香酸、2級フエネチルアルコール、ア
ミノ酸誘導体、シヨウノウ誘導体、コレステロール誘導
体等が挙げられるが、これらの光学活性中間体に極性基
が導入されることはほとんどなかった。このためもあっ
て、不斉炭素原子に直接極性基を導入することにより自
発分極を増加する方法は、余り有効に利用されていなか
った。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記の点に鑑みなされたものである。すなわ
ち、本発明は不斉炭素原子に直接、安定で且つ双極子モ
ーメントの大きいフツ素基を導入することにより極性を
高めた液晶性化合物、それを少なくとも1種類含有する
ことにより液晶の電界応答性を高めた液晶組成物および
該液晶組成物を使用した液晶素子を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕および〔作用〕 本発明は、上述の目的を達成するためになされたもの
であり、第一の発明は下記一般式(1)で (式中、R1は炭素原子数が1〜18であるアルキル基、R2
は炭素原子数が5〜12であるアルキル基、Xは単結合,
−O−, から選ばれ、Yは単結合, −CH2O−あるいは−OCH2−のいずれかである。
の中からそれぞれ選ばれ、k,m.nは独立に0または1,2の
中から選ばれ、且つk+m+nが2または3となる数で
ある。C*は不斉炭素原子を表す) 表わされる液晶性化合物に係わるものである。
また、第二の発明は、前記一般式(1)で表わされる
液晶性化合物を少なくとも1種類含有することを特徴と
する液晶組成物に係わるものである。
さらに、第三の発明は、前記一般式(1)で表わされ
る液晶性化合物を少なくとも1種類含有する液晶組成物
を使用することを特徴とする液晶素子に係わるものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の上記一般式(1)で表わされる液晶性化合物
は、好ましくは本出願人等による出願昭和63年4月14日
付出願の明細書に示される。
下記一般式(2)で表わされる光学活性な2−フルオ
ロアルカノールから合成される。
(式中、R2、C*は前記定義の通りである。) 次に、その主な合成経路を示す。
Yが単結合の場合 Yが または−CH2O−の場合 但し、上記式中R1,R2は前記定義の通りである。
以上の様にして製造可能な化合物例を以下に示す。
本発明の液晶化合物は、一般式(1)中の光学活性基
のフルオロアルカンの中にエーテル結合が含まれている
ことに特徴がある。従って、液晶組成物を調製した場合
に、エーテル結合が光学活性基部分に存在しないだけが
異なる、同様の構造の液晶性化合物を添加した場合に比
べ、本発明の液晶性化合物を添加すると、低温域にSc*
相の温度範囲が広がり、室温付近でも電界応答速度の速
い液晶組成物が得られる。
また、本発明の液晶組成物は、前記一般式(1)で表
わされる液晶性化合物を少なくとも1種類配合成分とし
て含有するものである。例えば、前記液晶性化合物を、
下記の式(1)〜(13)で示されるような強誘電性液晶
と組合わせると、自発分極が増大し、応答速度を改善す
ることができる。
このような場合においては、本発明の一般式(1)で
示される液晶性化合物を、得られる液晶組成物の0.1〜9
9重量%、特に1〜90重量%となる割合で使用すること
が好ましい。
また、本発明の一般式(1)で表わされる液晶性化合
物を、下記の式(14)〜(18)で示されるような、それ
自体はカイラルでないスメクチツク液晶に配合すること
により、強誘電性液晶として使用可能な液晶組成物が得
られる。
この場合、一般式(1)で示される液晶性化合物を、
得られる液晶組成物の0.1〜99重量%、特に1〜90重量
%で使用することが好ましい。
このような液晶組成物は、本発明の液晶性化合物の含
有量に応じて、これに起因する大きな自発分極を得るこ
とができる。
ここで、記号は、それぞれ以下の相を示す。
Cryst.:結晶相、SmA:スメクチツクA相、 SmB:スメクチツクB相、SmC:スメクチツクC相、N:ネマ
チツク相、Iso:等方相、 また本発明の一般式(1)で表わされる液晶性化合物
を少なくとも一種類含有する液晶組成物を使用すること
により、例えば強誘電性液晶素子、ツイステツドネマチ
ツク液晶素子等の液晶素子を得ることができる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 光学活性5−ドデシル−2−[4′−(2″
−フルオロ−3″−ペンチルオキシプロピルオキシ)フ
エニル]ピリミジンの製造 下記工程に従い光学活性5−ドデシル−2−[4′−
(2″−フルオロ−3″−ペンチルオキシプロピルオキ
シ)フエニル]ピリミジンを製造した。
工程1)(+)−p−トルエンスルホン酸2′−フルオ
ロ−3′−ペンチルオキシプロパンの製造 (−)−2−フルオロ−3−ペンチルオキシプロパノ
ール0.32gとピリジン0.5mlをナスフラスク中で攪拌し、
そこへ塩化p−トルエンスルホン酸0.27gを加え、20℃
以下で6時間攪拌することにより反応させた後、希塩酸
を加え、酸性溶液としてからジエチルエーテルを用いて
抽出した。得られたエーテル溶液は水洗いした後に硫酸
ナトリウムで乾燥させた。溶媒留去後、薄膜クロマトグ
ラフテイー(展開溶媒:ベンゼン)により精製し、0.14
gの(+)−p−トルエンスルホン酸2′−フルオロ−
3′−ペンチルオキシプロパンを得た。
NMRスペクトル 0.5〜2.0ppm m.(9H), 2.4ppm s.(3H) 3.3〜5.3ppm m.(7H), 7.2〜7.8ppm q.(4H) 工程2)(+)−5−ドデシル−2−[4′−(2″−
フルオロ−3″−ペンチルオキシプロピルオキシ)フエ
ニル]ピリミジンの製造 水素化ナトリウム(60%)を0.02g 5−ドデシルピ
リミジル−2−(p−フエノール)を0.16g、(+)−
p−トルエンスルホン酸 2′−フルオロ−3′−ペン
チルオキシプロパンを0.14gをナスフラスコに入れ、ジ
メチルホルムアミド中で4時間加熱還流させ、反応終了
後、塩酸を加え酸性としてから、ジエチルエーテルを用
いて抽出した。得られたエーテル層は、水洗後、硫酸ナ
トリウムで乾燥させた。溶媒留去後、薄層クロマトグラ
フイ−で精製し、(展開溶媒:ジクロロメタン)、0.16
gの(+)−5−ドデシル−2−[4′−(2″−フル
オロ−3″−ペンチルオキシプロピルオキシ)フエニ
ル]ピリミジンを得た。
NMRスペクトル 0.7〜2.0ppm m.(30H),2.4〜2.7kppm t.(2H) 3.3〜5.3ppm m.(7H), 6.8〜8.5ppm q.(4H) 8.5ppm s.(2H) 比旋光度 ▲[α]23 D▼+1.3,▲[α]23 435▼+2.9
(c0.91CHCl3) 相転移温度(℃) 但しS1,S2,S3,S4,S5は未同定の液晶相、Crystは結
晶、Isoは等方性液体を示す。
実施例2 光学活性4−ドデシルオキシ安息香酸4′−
[2″−フルオロ−3″−ヘキシルオキシ)プロピルオ
キシ]フエニルエステルの製造 下記工程い従い光学活性4−ドデシルオキシ安息香酸
4′−[(2″−フルオロ−3″−ヘキシルオキシ)プ
ロピルオキシ]フエニルエステルを製造した。
工程1)(+)−p−トルエンスルホン酸2′−フルオ
ロ−3′−ヘキシルオキシプロパンの製造 (−)−2−フルオロ−3−ヘキシルオキシプロパノ
ール1.2gとピリジン2mlをナスフラスコ中で攪拌し、そ
こへ塩化p−トルエンスルホン酸1.3gを加え、20℃以下
で2時間攪拌して反応させた後、希塩酸を加えて酸性溶
液としてからジエチルエーテルを用いて抽出した。得ら
れたエーテル溶液は水洗した後に硫酸ナトリウムを用い
て乾燥した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(移動相:CH2Cl2/ヘキサン=1/1である混合
溶媒)を用いて精製した結果、0.26gの(+)−p−ト
ルエンスルホン酸2′−フルオロ−3′−ヘキシルオキ
シプロパンが得られた。
NMRスペクトル 0.7〜1.8ppm m.(11H),2.5ppm s.(3H) 3.2〜5.1ppm m.(7H), 7.2〜7.8ppm q.(4H) 比旋光度▲[α]31 D▼+6.8,▲[α]30 435▼(c2,ジ
エチルエーテル) 工程2)光学活性p−ベンジルオキシ[(2′−フルオ
ロ−3′−ヘキシルオキシ)プロピルオキシ]フエニル
の製造 ナスフラスコに水酸化ナトリウム0.034g、p−ベンジ
ルオキシフエノール0.160g、エタノール1mlを入れ、均
一な溶液になった所へ、エタノール1mlに溶解させた
(+)−p−トルエンスホン酸2′−フルオロー3′−
ヘキシルオキシプロパン0.26gを加え、5.5時間加熱還流
させて反応させた後、氷水に注入した2N HClを加えて酸
性としてから、ジエチルエーテルを用いて抽出した。得
られたエーテル層は、5%食塩水で洗浄した後に、硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフイー(移動相:CH2Cl2)で精製した。
目的の光学活性p−ベンジルオキシ[(2′−フルオロ
−3′−ヘキシルオキシ)プロピルオキシ]フエニルは
0.23g(収率80%)。
工程3)光学活性p−[(2′−フルオロ−3′−ヘキ
シルオキシ)プロピルオキシ]フエノールの製造 光学活性p−ベンジルオキシ[(2′−フルオロ−
3′−ヘキシルオキシ)プロピルオキシ]フエニル0.23
gをエタノール3mlに溶解させ、さらに5%パラジウム/
活性炭40mgを加えた後、接触水素添加装置により30℃で
3時間攪拌して、還元を行った。反応終了後ひだ折り濾
過によりパラジウム/活性炭を除去し、溶媒を留去し目
的物である光学活性p−[2′−フルオロ−3′−ヘキ
シルオキシ)プロピルオキシフエノールを65mg得た。
工程4)光学活性4−ドデシルオキシ安息香酸4′−
[(2″−フルオロ−3″−ヘキシルオキシ)プロピル
オキシ]フエニルエステルの製造 p−ドデシルオキシ安息香酸85mgと塩化チオニル1ml
を加熱還流を2時間行うことによりp−ドデシルオキシ
安息香酸塩化物を得た。過剰の塩化チオニルを留去した
後、工程3)で得た光学活性p−[(2′−フルオロ−
3′−ヘキシルオキシ)プロピルオキシ]フエノール65
gとトリエチレンジアミン62mgを乾燥ベンゼン1mlに溶解
させておいた溶液中に滴下することにより加えた。50℃
で2時間攪拌した後、水酸化ナトリウム(60%)を15mg
加え、更に2時間加熱還流を行った。反応終了後、冷水
に注入し希塩酸で酸性にした後ジエチルエーテルを用い
て抽出した。得られた有機層は食塩水で洗浄した後、硫
酸ナトリウムを入れて乾燥させ、溶媒を留去した。薄層
クロマトグラフイー(展開溶媒:ジクロロヘタン)を用
いて精製し、ヘキサンとエタノールの混合溶媒で再結晶
を行い、目的物である光学活性4−ドデシルオキシ安息
香酸4′−[(2″−フルオロ−3″−ヘキシルオキ
シ)プロピルオキシ]フエニルエステルを35mgの収量で
得た。
相転移温度(℃) 但し、Sc*はカイラルスメクチツクC相を示し、他は
前記定義のとおりである。
自発分極(nC/cm2) 15.4[59℃] 21.9[58℃] 実施例3 実施例1の化合物と、下記液晶化合物Aとを2:8の割
合で、混合して液晶組成物を得た。
上記液晶化合物Aおよび液晶組成物を電極をおおう、
ポリイミド被覆にラビング処理を施した一対の電極基板
間に挟持し、液晶層厚を5μmとした液晶素子を作製し
た。この液晶素子を用いピーク・トウ・ピーク電圧8Vの
電圧印加により、直交ニコル下での光学的な応答を検知
して応答速度を測定した。
液晶化合物Aおよび液晶組成物の相転移温度および応
答速度の結果を以下に示す。
液晶化合物A 応答速度 12.5μs(55℃) (|Tc−T|=7℃) ※|Tc−T|は、SA-Sc*転移温度と実際の温度の差をとっ
たものである。
液晶組成物I 応答速度 10.5μs(49℃) (|Tc−T|=7℃) 以上の結果から、液晶性化合物Aに実施例1の液晶性
化合物を混合することにより、Sc*の温度範囲が室温付
近まで広がり、応答速度も向上することがわかった。
実施例4 実施例1の液晶化合物Aおよび液晶組成物Iを用い、
実施例1とセル厚を10μmとした他は、全く同じ条件で
液晶素子を作製した。
それぞれの液晶素子を、等方相から1℃/分で降温
し、|Tc−T|=10℃の温度にして、偏光顕微鏡観察を行
ったところ、液晶化合物Aおよび液晶組成物Iの両方と
も均一なモノドメインの配向状態であった。
次に、それぞれの素子にパルス巾1ms、電圧20Vのパル
スを印加したところ、液晶化合物Aの場合は、双安定状
態が得られず、またパルス印加後すぐに結晶化してしま
った。
一方、液晶組成物Iの場合は、双安定状態が得られ、
チルト角を測定したところ12°であった。
さらに液晶組成物Iにつき|Tc−T|=15℃の温度で同
様の操作を行なったところ、良好な双安定状態が得られ
た。チルト角を測定したところ、20°と大きく、高いコ
ントラスト状態が得られた。
このことから、液晶組成物Iは、10μmと厚いセル厚
の液晶素子にした場合でも、良好な双安定状態、高コン
トラスト比が得られることがわかった。
実施例5 下記化合物を下記組成比で混合し、液晶組成物IIを得
た。
次に上記組成物IIと実施例2の化合物を95:5の比率で
混合して、液晶組成物IIIを得た。
液晶組成物IIおよび液晶組成物IIIを用い、セル厚を
2μmとしたほかは実施例3と全く同じ条件で、それぞ
れ液晶素子を作製し、ピーク トウピーク電圧を20Vと
した他は、全く同じ条件で応答速度を測定した。
25℃での応答速度測定結果を下に示す。
液晶組成物II 250μs 液晶組成物III 197μs 以上の結果により、液晶組成物IIに本発明の化合物で
ある、4−ドデシルオキシ安息香酸−4′−[(2″−
フルオロ−3″−ヘキスルオキシ)プロピルオキシ]フ
エニルエステルを混合することにより応答特性が向上す
ることがわかった。
実施例6〜10 液晶組成物IIと下記化合物を95:5の比率で混合し、そ
れぞれ液晶組成物を得た。これらの液晶組成物を用い、
実施例5と全く同様な方法で、液晶素子を作成し、全く
同様な方法で、25℃で応答速度を測定した。結果を下に
示す。
以上の結果より、液晶組成物IIに本発明の化合物を混
合することにより、応答特性が向上することがわかっ
た。
実施例11 透明電極として、ITO膜を形成したガラス基板上にポ
リイミド樹脂前駆体(東レ(株)製SP−510)を用い、
スピンナー塗布により成膜した後、300℃で60分間焼成
してポリイミド膜を形成した。次に、この被膜をラビン
グにより配向処理を行ない、ラビング処理軸が直交する
ようにしてセルを作製した(セル間隔2μm)。
上記セルにネマチツク液晶組成物〔リクソンGR-63:チ
ツソ(株)製、ビフエニル液晶混合物〕を注入し、TN
(ツイステツド・ネマチツク)型セルとし、これを偏光
顕微鏡で観察した処、リバースドメイン(しま模様)が
生じていることがわかった。
前記リクソンGR-63(99重量部)に対して、本発明の
実施例2のフルオロアルカン誘導体(1重量部)を加え
た液晶混合物を用い、上記と同様にしてTNセルとして観
察したところ、リバースドメインはみられず均一性のよ
いネマチツク相となっていた。このことから、本発明の
液晶性化合物はリバース・ドメインの防止に有効である
ことが認められた。
〔発明の効果〕
以上説明した様に本発明によれば液晶性化合物の不斉
炭素原子に直接フツ素基を導入することにより、極性が
高められる。さらに光学活性基にエーテル結合が存在す
るので、それを含有する液晶組成物のSc*相の温度領域
は低温側へと広がる。従って、該液晶組成物を使用した
液晶素子は、室温付近で駆動可能となり、しかも応答速
度が速い。
また、本発明の液晶性化合物を液晶組成物に含有させ
ることにより、ネマチツク液晶のリバースドメインの発
生を防止できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/96 9546−4H C07C 69/96 Z C07D 239/26 C07D 239/26 C09K 19/12 9279−4H C09K 19/12 19/20 19/20 19/30 19/30 19/34 19/34 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 // C07M 7:00 C07M 7:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表される液晶性化合物 (但し、上記式中、R1は炭素原子数が1〜18であるアル
    キル基、R2は炭素原子数が5〜12であるアルキル基、X
    は単結合,−O−, から選ばれ、Yは単結合, −CH2O−あるいは−OCH2−のいずれかである。 の中からそれぞれ選ばれ、 k,m,nは独立に0または1,2の中から選ばれ、且つk+m
    +nが2または3となる数である。 C*は不斉炭素原子を表す)
  2. 【請求項2】下記一般式(1)で表される液晶性化合物
    を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成
    物。 (但し、上記式中、R1は炭素原子数が1〜18であるアル
    キル基、R2は炭素原子数が5〜12であるアルキル基、X
    は単結合,−O−, から選ばれ、Yは単結合, −CH2O−あるいは−OCH2−のいずれかである。 の中からそれぞれ選ばれ、k,m,nは独立に0または1,2の
    中から選ばれ、且つk+m+nが2または3となる数で
    ある。C*は不斉炭素原子を表す)
  3. 【請求項3】下記一般式(1)で表される液晶性化合物
    を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成
    物を用いた液晶素子。 (但し、上記式中、R1は炭素原子数が1〜18であるアル
    キル基、R2は炭素原子数が5〜12であるアルキル基、X
    は単結合,−O−, から選ばれ、Yは単結合, −CH2O−あるいは−OCH2−のいずれかである。 の中からそれぞれ選ばれ、k,m,nは独立に0または1,2の
    中から選ばれ、且つk+m+nが2または3となる数で
    ある。C*は不斉炭素原子を表す)
JP9269188A 1988-04-15 1988-04-15 液晶性化合物およびそれを含む液晶組成物、液晶素子 Expired - Fee Related JP2510668B2 (ja)

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