JP2508002B2 - 音声符号化方法とその装置 - Google Patents

音声符号化方法とその装置

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JP2508002B2
JP2508002B2 JP61148579A JP14857986A JP2508002B2 JP 2508002 B2 JP2508002 B2 JP 2508002B2 JP 61148579 A JP61148579 A JP 61148579A JP 14857986 A JP14857986 A JP 14857986A JP 2508002 B2 JP2508002 B2 JP 2508002B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は音声符号化方法とその装置に関し、特に音声
信号を4.8Kb/s(キロビット/秒)程度の低ビットレイ
トの少ない演算量によって高品質符号化するための音声
符号化方法とその装置に関する。
〔従来の技術〕
音声信号を、4.8Kb/s程度の低い伝送ビットレイトで
高品質に符号化する方式としては、たとえば特願昭59−
272435(文献1)や特願昭60−178911(文献2)等に記
載されている如く、有声区間では1フレームの音源信号
を1つのピッチ区間(代表区間)のパルス列で表現しこ
のパルス列を伝送する方法が知られている。この方法に
よれば4.8Kb/s程度の低ビットレイトでも自然性を損な
わない良好な音質を得ることができる。
第3図は有声区間における代表区間のパルス列を求め
る従来方式の一例を示すパルス処理説明図である。第3
図において(a)は1フレームの音声波形であり、
(b)は(a)の音声波形をピッチ周期P′dに対応す
るサブフレームに分割した例であり、ピッチ周期P′d
と第1番目のパルスg1の位置を利用して1フレームをサ
ブフレーム区間に分割している。また(c)はサブフレ
ームごとにパルス列を求めた例で、さらに(d)は探索
して求めた代表区間とこの代表区間におけるパルス列の
例で代表区間としては〜のサブフレームのうちが
該当する。この場合の代表区間は、フレーム全体で良好
な音声を再生できるようなサブフレーム区間を探索する
方法や絶対値の大きいパルスを含む区間を選択する方法
によて求めることができる。音源情報としては、このよ
うな代表区間の位置、すなわち第3図の場合にはサブフ
レームの位置とフレーム内におけるサブフレームの開
始点の時間情報Tとを伝送している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら上述した従来のこの種の方法では、パル
ス列の探索や代表区間を捜すのに要する演算量が多いう
え代表区間の位置やフレーム内でのサブフレームの開始
点の情報などの補助情報が必要であり、従って現在市場
に出廻っている汎用のシグナルプロセッサなどを用いて
ハードウエアを実現しようとした場合、特に前者の理由
により簡単な装置構成での実現が困難であるという欠点
がある。
本発明の目的は上述した欠点を除去し、少ない演算量
と簡単な装置構成によって4.8Kb/s程度の低い伝送ビッ
トトレイでも高品質な音声を合成しうる音声符号化方法
とその装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
送信側では離散的な音声信号を入力し前記音声信号か
らフレーム毎に短時間スペクトル包絡を表わすスペクト
ルパラメータとピッチを表わすピッチパラメータとを抽
出し、フレーム区間を前記ピッチパラメータによる周期
と等しい複数個のピッチ区間に分割し、1つのピッチ区
間の音源信号をマルチパルス列もしくは雑音とマルチパ
ルス列との組合せで表わし前記音源信号を表わす情報と
前記ピッチパラメータと前記スペクトルパラメータとを
組合せて出力し、受信側では前記ピッチパラメータにも
とづいてフレームをピッチ区間に分割し、前記音源信号
を表わす情報にもとづいて一つのピッチ区間の音源信号
を復元してフレーム全体の駆動音源信号を復元し、前記
スペクトルパラメータを用いて前記音声信号を合成する
構成である。
入力した音声信号からフレーム毎に短時間スペクトル
包絡を表わすスペクトルパラメータとピッチを表わすピ
ッチパラメータとを抽出して符号化するパラメータ計算
回路と、フレーム区間を前記ピッチパラメータによる周
期と等しい複数個のピッチ区間に分割し一つのピッチ区
間の音源信号をマルチパルス列もしくは雑音とマルチパ
ルス列との組合せで表わして前記音源信号を符号化する
駆動信号計算回路と、前記パラメータ計算回路の出力符
号と前記駆動信号計算回路の出力符号とを組合せて出力
するマルチプレクサ回路とを有する。
〔実施例〕
次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1(a)図は本発明による音声符号化方法とその装
置の送信側の一実施例を示すブロック図,第1(b)図
は本発明により音声符号化方法とその装置の受信側の一
実施例を示すブロック図である。
第1図(a)図に示す送信側は、バッファメモリ110,
ピッチ分析回路130,Kパラメータ計算回路140,ピッチ符
号化回路150,Kパラメータ符号化回路160、インパルス応
答計算回路170,自己相関関数計算回路180,重み付け回路
200,駆動信号計算回路220,雑音メモリ225,符号化回路23
0,マルチプレクサ260等を備えて構成され、また1−
(b)図に示す受信側は、デマルチプレクサ290,復号回
路300,雑音メモリ310,ピッチ復号回路320,Kパラメータ
復号回路330,駆動信号復元回路340,補間回路335,合成フ
ィルタ回路350等を備えて構成される。
これら送信側および受信側によって行なわれる本発明
の基本的処理内容は次のとおりである。
すなわち、本発明は、有声区間では音声信号の周期性
を利用してフレーム内のあらかじめ定めたピッチ区間を
そのフレームを代表する代表区間としてこのピッチ区間
のパルス列を用いて音源信号を表わし、無声区間ではパ
ルス列と雑音との組合わせによって音源信号を表わす。
この場合、音声区間では代表区間の位置をあらかじめ定
めておきその区間についてのみパルス列を求めることに
よりパルス探索や代表区間の探索に要する演算量を大幅
に低減している。また、代表区間の位置を示す情報やフ
レーム内のサブフレームの開始点を表わす情報などの補
助情報が不要となり、この分パルス列に付与すべき情報
を増大することができ、少ない演算量で高品質の音声を
再生することができ、コンパクトな装置構成でハードウ
ェアの実現をはかるものである。
パルス列の振幅と位置とを求める方法としては、前記
文献(1),(2)に記載の方法のほかに、たとえばア
ナリシス−バイ−シンセシス(ANALYSIS−by−SYNTHESI
S:A−b−S)の手法を用いる方法が知られており、そ
の詳細についてはビー・エス・アタル(B・S・ATAL)
らによる“ア ニュー モデル オブ エルピーシー
エクサイテイション フォー プロデューシングナチュ
ナル サウンヂィング スピーチ アットロウ ビット
レイツ”(A NEW MODEL OFLPC EXCITATION FOR PRODUCI
NG NATURAL SOUNDING SPEECHAT LOW BIT RATES)と題し
た論文(PROC.I.C.A.S.S.P.,pp 614〜617,1982)(文献
3)等に詳述されている。
一方、無音区間においてパルス列と雑音との組合せに
よる音源の求め方は、前記 (文献2)の方法に詳述さ
れている。
さて、第1(a)図において、音声信号X(n)が入
力端子100を介して入力され、あらかじめ設定されたサ
ンプル数ずつバッファメモリ110に蓄積される。
Kパラメータ計算回路140は、バッファメモリ110から
あらかじめ設定したサンプル数ずつ音声信号を入力し音
声信号のスペクトル包絡を表わすKパラメータを計算す
る、このKパラメータはPARCOR(偏自己相関)係数であ
る。このKパラメータの計算法としては自己相関法がよ
く知られており、その詳細はジョン マコール(John M
AKHOUL)らによる“クオンタイゼイション プロパティ
ズ オブ トランスミッション パラメータズ イン
リニア プリヂィクティブ システムズ”(QUANTIZATI
ON PROPERTIES OF TRANSMISSION PARAMETERS IN LINER
PREDICTIVE SYSTEMS)と題した論文(IEEETRANS.A.S.S.
P.pp309〜321,1983)(文献4)等に詳述されている。
ふたたび第1(a)図に戻って実施例の説明を続行す
る。
Kパラメータ計算回路140から出力されるi次のKパ
ラメータKiはKパラメータ符号化回路160に出力されあ
らかじめ設定した量子化ビット数にもとづいて符号化さ
れ符号lKiとしてマルチプレクサ260に出力される。また
Kパラメータ符号化回路160はlKiを一旦復号化して得た
Kパラメータ復号化Kiを利用しこれから線形予測係数値
a′iを得てこれをインパルス応答計算回路170と重み
付け回路200に出力する。
ピッチ分析回路130は、バッファメモリ回路110の出力
を用いてピッチ周期P′dを計算する。P′dの計算方
法は、たとえば、アール ブイコックス(R.V.C OX)
らによる“リアル タイム インプリメンティション
オブ タイムドメイン ハーモニック スケィリング
オブスピーチ”(REAL−TIME IMPLEMEN−TATION OF TIM
E DOMAIN HAR−MONIC SCALING OF SPEECH SIGNALS)と
題した論文(IEEE TRANS.A.S.S.P..pp.258〜272.1983)
(文献5)等に述べられている方法を用いることができ
る。この場合、ピッチ周期離れた位置の自己相関係数を
用いてフレームの音声信号が有声か無声化を判別する。
もし無声の場合はピッチ周期を0とする。
ピッチ符号化回路150は、ピッチ周期P′dをあらか
じめ定められた量子化ビット数で量子化符号化し、符号
ldとしてマルチプレクサ260へ出力する。このとき、無
声の場合は0に対応する符号を出力する。また復号化し
て得たP′dを駆動信号計算回路220へ出力する。
インパルス応答計算回路170は、Kパラメータ符号化
回路160から予測係数値a′iを入力し、重みずけされ
た合成フィルタの伝達関数を表わすインパルス応答hw
(n)を計算する。ここで、hw(n)の計算には、例え
ば日本国出願特許“特願昭59−042305"(文献6)の第
4図(a)に記載のインパルス応答計算回路210と同一
の方法を用いることができる。インパルス応答hw(n)
は、自己相関関数計算回路180と相互相関関数計算回路2
10に出力される。
自己相関関数計算回路180は、インパルス応答計算回
路170からインパルス応答hw(n)を入力し、自己相関
関数Rhh(m)を計算して駆動信号計算回路220へ出力す
る。ここでRhh(m)の計算には例えば前記(文献6)
に記載の自己相関関数計算回路180と同一の方法を用い
ることができる。
重み付け回路200は、フレームのサンプル数だけx
(n)を入力し、またKパラメータ符号化回路160から
予測係数aiを入力し、x(n)に対し重みずけを施して
求めたxw(n)を出力する。この計算には、例えば前記
文献6の第4図(a)に記載の重み付け回路410と同一
の方法を用いることができる。
駆動信号計算回路220では、まずピッチ周期P′dを
用いてフレームが音声か無声かを判別する。そして音声
信号を表わす音源信号として、有声のフレームでは、あ
らかじめ定められたピッチ区間(代表区間)におけるパ
ルス列を計算する。一方、無声のフレームでは、パルス
列と雑音の組合わせによる音源信号を計算する。
第2図は第1(a)図における有声のフレームでの代
表区間とその区間内パルス列の求め方を示すパルス処理
説明図である。(a)は1フレームの音声波形を示す。
まず最初に、分割サブフレーム(b)に示すようにフレ
ームをピッチ周期P′dごとのサブフレームに分割す
る。この分割には、1つ前のフレーム(Nl−1)の最後
のサブフレーム分割点Tsを記憶しておき、この点をP′
dだけずらしながらサブフレーム分割をすることができ
る。1つ前のフレームが無声のばあいは、例えばフレー
ムの左端の点からサブフレーム分割する方法や信号の立
ち上がり点を求めて分割する方法など、他の良好な方法
を用いることができる。次に代表区間のパルス列(c)
に示すように、あらかじめ定められたピッチ区間に対し
て、あらかじめ定められた個数のパ ルス列を計算す
る。ここではフレームのほぼ中央のサブフレーム区間を
代表区間としている(図ではサブフレーム区間)が、
他の良好な方法を用いることもできる。代表区間でのパ
ルス列の計算には、サブフレーム境界でパルスが隣接し
て求まることを防ぎ能率良くパルスを求めるために次の
ように行なう。まずこのサブフレーム区間の両側にLサ
ンプル追加した(P′d+2L)サンプルについて
((b)のNcの区間)相互相関関数Rhx(m)を計算す
る。ここでLは自己相関関数計算回路180で求めた自己
相関関数Rhh(m)の最大遅延時間を示す。Rhx(m)、
Rhh(m)の計算には前記(文献6)の第1図(a)の
相互相関関数計算回路210、自己相関関数計算回路180で
の計算法を参照することができる。Rhx(m)とRhh
(m)を用いてパルス列の探索を行ない、代表区間にあ
らかじめ定められた個数のパルス列を求める。パルス探
索には前記(文献2)の第1図(a)の駆動信号計算回
路220に記載のパルス探索法を参照することができる。
このようにして求めた代表区間のパルス列を第2図
(c)に示す。代表区間のパルス列の振幅、位置は符号
化回路230へ出力される。このとき、代表区間の分割の
仕方によっては、大振幅のパルスが削れてしまう恐れが
あるので、代表区間の両側を数サンプル分伸ばした区間
についてパルス列を求めて符号化回路230に出力するよ
うにしてもよい。
一方、無声フレームではパルス列と雑音の組み合わせ
で音源信号を求める。これには、前述の(文献2)等に
記述の方法を参照することができる。またこの方法以外
にも、フレームを一定区間毎のいくつかのサブフレーム
に分割し、このうちの1つの区間に対してのみパルス列
を求め、残りのサブフレーム区間では音源信号を雑音で
表わすようにしてもよい。パルス列を求めるサブフレー
ム区間は、原音声信号や原音声信号を予測した予測残差
信号の勢力の大きなサブフレーム区間を選ぶようにする
ことができる。
符号化回路230は、パルス列が入力された場合にはパ
ルス列の振幅、位置を符号化し、これらの符号をマルチ
プレクサ260へ出力する。ここで、パルス列の符号化法
には、例えば前記(文献6)に記載の符号化回路230と
同一の方法を用いることができる。
パルス列と雑音の情報が入力された場合には、パルス
列に対しては上述の方法と同じ方法を用いて符号化し、
雑音に対しては、振幅、位相をあらかじめ定められたビ
ット数で符号化して符号をマルチプレクサへ出力する。
マルチプレクサ回路260は、Kパラメータ符号化回路1
60の符号lkiとピッチ符号化回路150の符号ldと符号化回
路230の符号を入力し、これらを組合せて送信側出力端
子270から出力する。
以上で本発明による音声符号化方法の送信側の説明を
終了する。
次に、本発明による音声符号化方法の受信側の構成に
ついて、第1(b)図を参照して説明する。
デマルチプレクサ290は、受信側入力端子280から入力
した符号のうち、Kパラメータを表わす符号と、ピッチ
周期を表わす符号と、音源情報を表わす符号とを分離し
て、それぞれKパラメータ復号回路330、ピッチ復号回
路320、復号回路300へ出力する。
Kパラメータ復号回路330は、Kパラメータを復号し
て復号値K′iを補間回路335へ出力する。
ピッチ復号回路320は、ピッチ周期P′dを復号し
て、駆動信号復元回路340および補間回路335へ出力す
る。
復号回路300は音源情報を復号し駆動信号復元回路340
へ出力する。
駆動信号復元回路340は、ピッチ周期復号値P′dを
用いて、これが0以外の値であれば、有声フレームであ
って音源としてパルス列が利用できると判別して、送信
側の駆動信号計算回路220と同じ方法を用いてフレーム
をピッチ周期P′dごとのサブフレームに分割する。そ
うしてフレーム内のあらかじめ定めた代表区間の位置で
表わされるいサブフレーム区間に対して、受信したパル
ス情報を用いてパルス列を発生させる。次に、代表区間
のパルス列と隣接フレームのパルス列を用いてパルス列
を補間して1フレームの音源パルス列を発生させ駆動音
源信号を復元し、合成フィルタ回路350へ出力する。
この補間法には前記(文献6)に記載の駆動信号復元
回路340と同じ方法を用いることができる。
一方、パルス列と雑音の組み合わせが音源として用い
られる場合は、前記(文献2)に記載の駆動信号復元回
路340と同じ処理を施して駆動音源信号を求め合成フィ
ルタ回路350ヘ出力する。
補間回路335は、復号されたKパラメータをピッチ周
期ごとに補間し、補間されたKパラメータを合成フィル
タ回路350へ出力する。
合成フィルタ回路350は、駆動音源信号、補間された
Kパラメータを入力し、送信側の合成フィルタ回路250
と同一の動作をして1フレーム分の合成音声信号X
(n)を計算し受信側出力端子360から出力する。
以上で本発明による音声符号化方法の受信側の説明を
おえる。
上述した実施例はあくまで本発明の一実施例に過ぎず
その変形例も種種考えられる。
たとえば、駆動信号計算回路220においては、無声区
間での種々の音声を良好に表わすとともに、無声区間と
有声区間との間で良好な遷移を実現するために、音源を
パルス列と雑音の組み合せで表わす場合に、パルス列と
雑音の組み合せとして、パルス数を0(つまり雑音の
み)から数個まで適応的にかえるようにしてもよい。こ
のようにした場合はパルス数を表わす情報を伝送する必
要がある(例えばフレームあたり2ビット程度)。
また、パルス列の計算法としては、本実施例でのべた
方法の他に、種々の方法を用いることができる。例えば
パルスを1つ求めるごとに過去に求めたパルスの振幅を
調整する方法を用いることができる。この方法の詳細に
ついては小野その他による“マルチパルス駆動型音声符
号化法における音源パルス探索法の検討”と題した論文
(日本音響学会講演論文集157、1983)(文献7)等を
参照することができる。
また、雑音源を計算する別な方法としては、例えば、
サブフレーム毎に雑音信号を発生させ、雑音信号から合
成した信号とサブフレーム区間の音声信号との誤差電力
を最小化するような雑音を選択する方法が知られてい
る。この方法の詳細については、ビー エス アタル
(B.S.ATAL)らによる“ストキャスティック コーディ
ング オブ スピーチ シグナルズ アット ベリィロ
ウ ビット レイツ”(STOCHASTIC CODING OF SPEECH
SIGNALS AT VERY LOW BIT RATES)と題した論文(PRO
C.,ICC84.pp.1610〜1613,1984)(文献8)等を参照す
ることができる。また、他の方法としては、音声信号を
予測した予測残差信号から雑音源の振幅と位相を求める
方法が知られている。この方法は音声信号を合成しな
くてもよいので演算量を低減することはできるが品質は
劣化する。この方法の詳細については大山による“残差
を雑音でモデル化した駆動音源による線形予測分析合成
方式”と題した論文(日本音響学会講演論文集、昭和59
年10月165−166)(文献9)を参照することができる。
またパルス列を求めるときに、Kパラメータの値はフ
レーム内で一定(つまり合成フィルタの特性がフレーム
内で変化しない)としていたが、Kパラメータの値をサ
ブフレーム毎になめらかに変化させながらパルスを求め
てもよい。具体的には、Kパラメータの値を前後のフレ
ームのKパラメータの値を用いてサブフレーム毎に補間
し、この値を予測係数に変換して、重み付け回路200、
インパルス応答計算回路170に出力し、代表区間のイン
パルス応答を用いて相互相関関数、自己相関関数を計算
してパルス列を求める。このようにしたほうが時間的に
滑らかなスペクトル変化が得られ、品質のより高い音声
を合成できる。
また、パルス列及びKパラメータの補間は、代表的な
ピッチ区間を基準としてピッチ周期に同期させて補間し
てもよいし、あらかじめ定められたピッチ区間(例え
ば、フレームの中央付近のピッチ区間)を基準として補
間を施してもよい。
また、ピッチ周期についてもKパラメータと同様な処
理を施すこともできる。
これらのパラメータの補間法は、直線補間以外の方法
も考えられる。例えば、パルス列やピッチ周期について
は、対数補間等も考えられる。また、合成フィルタのパ
ラメータの補間は、たとえば、線形予測係数(ただし、
この場合はフィルタの安定性をチェックする必要があ
る)、対数断面積関数、フォルマントパラメータや自己
相関関数を補間する方法等を用いることもできる。これ
らの具体的な方法は、ビー エス アクル(B.S.ATAL)
らによる“スピーチ アナリシス アンド シンセシス
バイ リニアー ブリディクション オブ ザ スピ
ーチ ウェイブ”(SP−EECH ANALYSIS AND SYNTHESIS
BY LINEAR PREDICTION OF THE SPEECH WAVE)と題した
論文(J.ACOUST.SOC.AM..p.p.637−655,1971)(文献10
等)を参照することができる。
さらに代表ピッチ区間の選択法としては、他の方法を
用いることもできる。
本実施例では、フレーム長は一定としてKパラメータ
の分析および音源パルス列の計算をしたが、フレーム長
は可変としてもよい。このようにした場合には、音声の
変化部では、フレーム長を短くし、定常部ではフレーム
長を長くできるので、伝送ビットレイトを低減すること
ができる。
なお、ディジタル信号処理の分野でよく知られている
ように、自己相関関数はパワスペクトルから計算するこ
ともできる。また、相互相関関数はクロスパワスベクト
ルから計算することもできる。これらの対応関係につい
ては、エー ブイ オッペンハイム(A.V.OPPENHEIM)
らによる“ディジタル信号処理”“DIGITAL SIGNAL PRO
CESSING"と題した単行本(文献11)等の第8章にて詳細
に説明されているので、ここでは説明を省略する。
以上はすべて本発明の趣旨を損なうことなく、いずれ
も容易に実施できるものである。
(発明の効果) 以上述べたように本発明によれば、音源信号として、
有声区間では音声信号の周期性を利用しあらかじめ定め
られたピッチ区間についてパルス列を探索し、これを用
いて1フレームの音源信号を表わしているので、パルス
探索や代表区間の探索に要する演算量を大幅に低減する
ことができる。また、代表区間の位置やフレーム内のサ
ブフレームの開始点を表わすための補助情報を送る必要
がないのでその分パルス列に情報を割り当てることがで
きる。したがって少ない演算量で低いビットレートでも
非常に高品質な音声を合成でき、ハード化が極めて容易
であるという効果がある。
一方、無声区間ではパルス列と雑音の組み合わせによ
り音源信号を表わしているため、種々の子音波形や過渡
的な音声波形でも極めて良好に表現することができると
いう効果がある。また、有声、無声の判別を過まった場
合でも音質の劣化が著しく少なくなるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1(a)図は本発明による音声符号化方法とその装置
の送信側の一実施例の構成を示すブロック図、第1
(b)図は本発明による音声符号化方法とその装置の受
信側の一実施例の構成を示すブロック図、第2図は第1
(a)図における有声のフレームでの代表区間と区間内
パルス列の求め方を示すパルス処理説明図、第3図は有
声区間における代表区間のパルス列を求める従来方式の
一例を示すパルス処理説明図である。 110……バッファメモリ、130……ピッチ分析回路、140
……Kパラメータ計算回路、150……ピッチ符号化回
路、160……Kパラメータ符号化回路、170……インパル
ス応答計算回路、180……自己相関関数計算回路、220…
…駆動信号計算回路、225……雑音メモリ、230……符号
化回路、260……マルチプレクサ、290……デマルチプレ
クサ、300……復号回路、310……雑音メモリ、320……
ピッチ復号回路、330……Kパラメータ復号回路、335…
…補間回路、340……駆動信号復元回路、350……合成フ
ィルタ回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信側では離散的な音声信号を入力し前記
    音声信号からフレーム毎に短時間スペクトル包絡を表わ
    すスペクトルパラメータとピッチを表わすピッチパラメ
    ータとを抽出し、フレーム区間を前記ピッチパラメータ
    による周期と等しい複数個のピッチ区間に分割し、1つ
    のピッチ区間の音源信号をマルチパルス列もしくは雑音
    とマルチパルス列との組合せで表わし前記音源信号を表
    わす情報と前記ピッチパラメータと前記スペクトルパラ
    メータとを組合せて出力し、受信側では前記ピッチパラ
    メータにもとづいてフレームをピッチ区間に分割し、前
    記音源信号を表わす情報にもとづいて一つのピッチ区間
    の音源信号を復元してフレーム全体の駆動音源信号を復
    元し、前記スペクトルパラメータを用いて前記音声信号
    を合成することを特徴とする音声符号化方法。
  2. 【請求項2】入力した音声信号からフレーム毎に短時間
    スペクトル包絡を表わすスペクトルパラメータとピッチ
    を表わすピッチパラメータとを抽出して符号化するパラ
    メータ計算回路と、フレーム区間を前記ピッチパラメー
    タによる周期と等しい複数個のピッチ区間に分割し一つ
    のピッチ区間の音源信号をマルチパルス列もしくは雑音
    とマルチパルス列との組合せで表わして前記音源信号を
    符号化する駆動信号計算回路と、前記パラメータ計算回
    路の出力符号と前記駆動信号計算回路の出力符号とを組
    合せて出力するマルチプレクサ回路とを有することを特
    徴とする音声符号化装置。
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