JP2507917Y2 - 折りたたみ作業床 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、作業床の高さを段階的に調節できる折り
たたみ作業床に関する。

（従来の技術） 従来作業床が折り畳めるだけでなく、その高さまでも
段階的に調節できる作業床は、作業床板自体の荷重がか
かって、伸縮脚の伸長に支障を来すといったことがな
く、所望する高さの作業床をワンタッチで展開できるよ
うにするため、作業床の鉛直荷重の伝達を一旦切断した
伸縮脚と、その伸縮脚以外から反力を取った折り畳み作
業床とを、展開の為の検束運動で有機的に連結してい
た。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、この作業床を折り畳むと、中央付近のヒンジ
を中心として、左右に分割する作業床が（＋）のモーメ
ント方向に折り畳まれて起立した状態となり、その折り
畳まれた作業床を下方で担持する台の伸縮脚が左右に張
り出ていた。その為、この作業床は横転させて段重ね
（横積み）にすることが出来なかった。

又、展開の為の検束運動を有機的に構成するリンクが
複雑となったり、折り畳み可能な作業床とそれを担持す
る台との総重量が嵩んだり、展開のために大きな力が必
要であり、２人がかりで扱っていた。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） そこで、この考案は上記の欠点を除去するために、下
端にキャスターを有する４本の伸縮柱と横杆とで１つの
背面と２つの側面を有するコの字状の柵を設け、伸縮柱
に連結する横杆には、背面に向けて２つの側面が上前及
び下前に折りたためるようヒンジを施装し、背面を構成
する２つの伸縮柱の頭部には、貫を横架して双方を連結
すると共に、ブラケットを横設してこれに作業床を枢着
した機台を設け、該機台を２台背中合わせに連結するこ
とで互いに応答する貫と横杆をそれぞれ一体と成して、
頭貫と足元貫とし、該頭貫と足元貫との間にガススプリ
ング付き弾性筋違を施装したことを特徴とする折りたた
み作業床である。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面にもとづいて説明す
ると、下端にストッパー付きキャスター（１）を有する
４本の伸縮柱（２）（２′）（３）（３′）を設け、そ
れぞれの伸縮柱は内筒（４）と外筒（５）で成し、内筒
（４）にはラッチ穴（６）を段階的に数箇所穿設し、外
筒（５）にはラッチ穴（６）に貫入する閂（７）を螺着
して構成する。それらの４本の伸縮柱を横杆で連結し
て、１つの背面と２つの側面を有するコの字状の柵を設
け、伸縮柱（２）（２′）に連結する横杆（８）
（８′）には、背面に向けて２つの側面が上前及び下前
に折りたためるようヒンジ（９）（９′）を施装し、背
面を構成する２つの伸縮柱（２）（２′）の頭部には、
貫（10）を横架して双方を連結すると共に、ブラケット
（11）（11′）を横設してこれにエキスパンデッドメタ
ルを張った作業床（12）を枢着した機台（13）を設け、
該機台（13）を２台背中あわせに連結することで互いに
応答する貫（10）と横杆（14）をそれぞれ一体と成し
て、頭貫（15）と足元貫（16）とし、該頭貫（15）と足
元貫（16）との間にガススプリング（17）付き筋違（1
8）を施装したことを特徴とする折りたたみ作業床であ
る。

（作用） この使用法は第１図（折り畳んだ状態の正面図）の状
態に於て、ヒンジ（９）（９′）を支点として（−）の
モーメント方向に折り畳まれた左右一対の作業床（12）
の内、一方を水平になるまで、（＋）のモーメント方向
に持ち上げる。その後、背面に向けて上前及び下前に折
り畳んだ状態の側面を全体がコの字状になるように展開
し、伸縮柱（３）（３′）の頂部に持ち上げた作業床
（12）を持たせ掛ける。以下、同様の手順で左右一対の
作業床（12）を展開して、全体として水平に展開した作
業床を得る。この作業床の高さは、それぞれの伸縮柱
（２）（２′）（３）（３′）ともに同一の高さとなる
ように、それぞれのラッチ穴（６）に閂（７）を貫通さ
せて設定するものであるが、第１図のように折り畳む為
には、伸縮柱（２）（２′）（３）（３′）の高さを常
に最高限度に設定して行うので、作業床（12）を折り畳
んだ状態から展開した時は、常に作業床（12）は最高限
度の高さに位置する。

作業床（12）の高さ調節を行うには、作業床（12）を
展開した状態で行う。この場合、伸縮柱（２）（２′）
の高さは最高限度に伸長しており、かつ、ガススプリン
グ（17）によりジヤッキアップされた筋違（18）によ
り、その高さを維持しようとしている。筋違（18）の上
部２支点は頭貫（15）に、下部２支点は足元貫（16）に
それぞれ枢着し、ガススプリング（17）の一端は筋違
（18）の一部に枢着し、他端は足元貫（16）に枢着して
反力を取っている。展開した状態の作業床（12）のそれ
ぞれの伸縮柱（２）（２′）（３）（３′）の閂（７）
を操作して、それぞれの係止状態を解除すると、作業床
（12）は落下しようとするが、前述のようにガススプリ
ング（17）付き筋違（18）によるジャッキアップを受け
ておるので、作業床（12）の自重のみでは落下しない。
後は作業床（12）を下方に押し下げるよう適宜に加圧し
て、所望の高さまで降下させ、その位置でそれぞれの伸
縮柱（２）（２′）（３）（３′）の閂（７）を操作し
て、それぞれの伸縮柱の高さを固定する。作業台を折り
畳む時は、これまでの逆の操作を行う。

折り畳んだ状態では、第１図のように左右の作業床
（12）がブラケット（11）（11′）の支点を中心とし
て、（−）のモーメント方向にそれぞれ折り畳まれるの
で、伸縮柱やガススプリング（17）付き筋違（18）は、
折り畳まれた作業床（12）間に収納されて、全体として
横積みに適する面を左右に形成する。

〔考案の効果〕

これにより、単純で、数少ない組立て部材でありなが
ら、高さ調節が可能な折りたたみ作業台を構成でき、し
かも、折り畳んだ作業台は起立した姿勢でも或いは横倒
しにした姿勢のままで段積みにも集積できるといった形
態に折りたたみ可能な作業台を提供できるという多大な
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は折り畳んだ状態の正面図であり、第２図は展開
した状態の正面図であり、第３図はＡ−Ａ線側面図であ
り、第４図は一部欠截平面図であり、第５図は横積みの
状態を示す正面図である。 １……キャスター、2,2′……伸縮柱、3,3′……伸縮
柱、４……内筒、５……外筒、６……ラッチ穴、７……
閂、8,8′……横杆、9,9′……ヒンジ、10……貫、11…
…ブラケット、12……作業床、13……機台、14……横
杆、15……頭貫、16……足元貫、17……ガススプリン
グ、18……筋違。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端にキャスターを有する外筒と、該外筒
   には閂を有し、内部にはそれぞれ一定間隔毎にラッチ穴
   を有する内筒からなる伸縮柱を４本設け、これら伸縮柱
   のうち、２本の伸縮柱は、中央部で二分する作業床の中
   央部側の両端付近にそれぞれ設け、これら２本の伸縮柱
   間の空間を背面とし、これら伸縮柱のそれぞれ内筒同士
   は頭貫で連結すると共に、ブラケットを介して作業床と
   枢着し、他の２本の伸縮柱は、前記作業床の端部側の隅
   角部下付近にそれぞれ位置し、この２本の伸縮柱と前記
   中央部側の両端付近に設けた伸縮柱間の空間をそれぞれ
   側面とし、前記背面とこれら側面とで、上方から見てコ
   の字の柵を形成し、該作業床の端部側の隅角部下付近に
   それぞれ設けた伸縮柱は、前記中央部付近に位置するそ
   れぞれ伸縮柱の外筒に設けたヒンジに、横杆を介して、
   背面に向けて折りたためるように設け、背面を構成する
   ２本の伸縮柱の頭部には、貫を横架して双方を連結する
   と共に、ブラケットを横設してこれに作業床を枢着した
   機台を設け、該機台を２台背中合わせに連結することで
   互いに応答する貫と横杆をそれぞれ一体と成して、頭貫
   と足元貫とし、該頭貫と足元貫との間にガススプリング
   付き弾性筋違を設けたことを特徴とする折りたたみ作業
   床。