JP2507533B2 - 自動車用ケミカル蓄熱器 - Google Patents

自動車用ケミカル蓄熱器

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JP2507533B2
JP2507533B2 JP63093924A JP9392488A JP2507533B2 JP 2507533 B2 JP2507533 B2 JP 2507533B2 JP 63093924 A JP63093924 A JP 63093924A JP 9392488 A JP9392488 A JP 9392488A JP 2507533 B2 JP2507533 B2 JP 2507533B2
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は自動車の省エネルギーを図り、また寒冷期
の暖機運転等の短縮化を行なう自動車用ケミカル蓄熱器
に関するものである。
〔従来の技術〕
第11図は例えばギャラン・エテルナ整備解説書(1983
年8月発行)第20−23頁に示されたヒータやラジエー
タ、そしてエアコンの位置を示す配置図であり、図にお
いて(1)は自動車本体、(2)はエンジン、(3)は
ラジエータ、(4)はヒータコア、(5)はエアコンの
圧縮機、(6)はエアコン凝縮器、(7)はエアコン蒸
発器である。これらの熱的動作内容と適正温度を表1に
示す。
自動車運転中の熱エネルギーは大部分エンジン(2)
で発生する。発生した熱エネルギーの一部は排気ガスと
して外気に放熱され、また一部はエンジンオイルから冷
却水に伝えられ、残りの熱エネルギーはエンジンから直
接外気への放熱される。冷却水に伝えられた熱エネルギ
ーの大部分はラジエータ(3)から外気へ放熱される
が、一部はヒータコア(4) に送られ室内空気に伝えられて室内暖房に用いられる。
これとは別にエアコン蒸発器(7)では室内空気を冷却
して熱を奪い、その熱エネルギーはエアコン凝縮器
(6)から外気へ放熱される。ここでエアコンは主に夏
期に使用され、ヒータコア(4)からの暖房は主に冬な
どの寒冷期に使用される。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の自動車は以上のように構成されており、熱エネ
ルギーのほとんどを外気へ放熱し、熱エネルギーの有効
利用、省エネルギー利用がなされていなかつた。さら
に、冬などの寒冷期、特に気温の低い早朝にエンジンを
始動する場合次の問題点がある。
エンジンやエンジンオイルの温度が適正温度になるま
での暖機運転に時間がかかる。
室内を暖房しようとしても温風が出るまでに時間がか
かる。
フロントガラス内外の曇りや霜を取りためのデフロス
ターの空気が初期は温度が低く、逆にフロントガラスに
曇りが増し、また曇りがとれるまでに時間がかかる。
これらの点に関して例えばJAFメイト88年1月号P59〜
P61記載の記事「低温下での車の冷え方暖まり方」には
低温下でエンジンを始動させた後におけるエンジンの暖
まり方についての測定結果が述べられている。
第12図にエンジン内のスパークプラグ、エンジンオイ
ル、冷却水、及び外気温の始動後の温度変化を示す。初
めは各部とも外気温(約3℃)とほぼ同じであるが、エ
ンジン内スパークプラグ、エンジンオイル、冷却水の順
に温度は上昇している。測定ではエンジンオリルが適正
温度の50%の温度(40℃)をこえるのに5分以上かかる
ことから暖機運転のために最低5分が必要であることが
判る。また冷却水については22分までゆるやかに昇温し
たのち急に適正温度になつている。これはラジエータ内
にサーモスタツトがあつて始動直後はエンジンの温度上
昇を早めるためエンジンからラジエータへ冷却水を送ら
ず、冷却水が約40℃をこえた時にサーモスタツトと連動
した弁が開いて冷却水温度が適正温度となるのである。
そのため冷却水が適正温度となるのに20分以上かかるこ
とが判る。
以上のことから、上述のについて暖機運転に最低5
分かかり、,については冷却水の温度によるために
20分以上かかるという問題があつた。
この発明は上記の問題点を解消するためになされたも
ので、運転中に放出していた熱エネルギーを蓄え、エン
ジン始動時に放熱して適正温度への立上げ時間を短縮す
ることのできる蓄熱器を得ることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明にかかる自動車用ケミカル蓄熱器は、自動車
運転中に反応ガスを放出して吸熱反応をおこし、車内の
エンジン、エンジンオイル、排気ガス、ラジエータ、冷
却水、及びヒータコアのうちの少なくとも1つから放熱
される熱エネルギーを蓄え、かつエンジン始動時に上記
反応ガスを吸収して発熱反応をおこし、車内のエンジ
ン、エンジンオイル、冷却水、室内空気、フロントガラ
ス内面へのデフロスタの空気、及びウインドウオツシヤ
ー液のうち少なくとも1つを加熱する反応材料を充填す
る第1容器、上記吸熱反応時に上記反応ガスを蓄え、か
つ上記発熱反応時に上記反応ガスを放出する第2容器、
第1及び第2容器間を接続し、内部を上記反応ガスが流
通する配管路、並びに上記配管路中に設けられ、エンジ
ン始動時に開状態となり、通常時は第1容器から第2容
器へのみ反応ガスを流通させる逆止弁となる弁を備えた
ものである。
また、反応ガスを水、フロン、または炭酸ガスのいず
れかにしたものである。
〔作用〕
この発明における自動車用ケミカル蓄熱器は、化学反
応により、運転中の熱エネルギーを化学エネルギーに変
換して蓄え、エンジン始動時に上記化学エネルギーを再
び熱エネルギーに変換して放熱し、エンジン、エンジン
オイル、冷却水、室内空気、フロントガラス内面へのデ
フロスタの空気、及びウインドウオツシヤー液等を加熱
する。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図において(2)はエンジン、(8)はエンジン
(2)に内蔵されるピストン、(9)は熱エネルギーを
蓄える反応材料A、(10)はエンジン(2)に内蔵され
反応材料A(9)を含む第1反応容器、(11)は反応材
料A(9)と対になつて熱エネルギーを蓄える反応材料
B、(12)は反応材料B(11)を含むフインを備えた第
2反応容器、(13)は第1反応容器(10)と第2反応容
器(12)とを接続する配管路、(14)は配管路途中に設
置された開閉弁である。
次に動作について説明するが、反応材料A(9)とし
て水素吸蔵合金のひとつであるCaNi5合金(以下CaNi5
示す)、反応材料B(11)として水素吸蔵合金のひとつ
であるFeTi合金(以下FeTiで示す)、反応材料A,Bと反
応する反応ガスとしてH2ガスを例にとることにする。Ca
Ni5とH2ガスとの反応は次の(1)式て表わされ、反応
が左から右に進むとき発熱(反応熱量ΔHA)する。
水素吸蔵合金とH2ガスとの反応は温度とH2ガスの圧力
によりH2ガスを吸蔵するかあるいは放出するかが決ま
る。(1)式の反応では温度50℃、H2ガスの圧力が1.4a
tmのときH2ガスを吸蔵して発熱し、温度が80℃、H2ガス
の圧力が3.5atmの時にH2ガスを放出してΔHAの熱量を吸
熱する。
これに対しFeTiとH2ガスとの反応は次の(2)式で表
わされ、左から右に反応するとき発熱(反応熱量ΔHB
する。
(2)式の反応では温度が20℃、H2ガスの圧力が3atm
の時H2ガスを吸蔵して発熱し、温度が0℃、H2ガスの圧
力が1.6atmの時は逆にH2ガスを放出して吸熱する。
第2図はいま例にとつているCaNi5とH2ガスの反応お
よびFeTiとH2ガスの反応の温度−圧力平衡線図である。
図で縦軸はH2ガスの対数圧力 横軸は温度の逆数(1/T)を示している。
動作には第2図の状態,および破線矢印で示され
る熱を蓄える蓄熱動作と熱を放出する放熱動作(第2図
の状態,および実線矢印で示される)がありこの2
動作を交互に行なつて蓄熱・放熱を行なう。まず蓄熱動
作について説明する。蓄熱動作開始時には第1反応容器
(10)の反応材料A(9)はH2ガスを吸蔵してCaNi5・H
mAになつている。また第2反応容器(12)の反応材料B
(11)はH2ガスを放出してFeTiになつている。また開閉
弁(14)は閉じられている。自動車を運転しピストン
(8)が動いている状態ではエンジン(2)は発熱し、
第1反応容器(10)は80℃に加熱されている。この時、
反応材料A(9)は第2図のの状態にあり、第1反応
容器(10)内の圧力は3.5atmとなつている。また第2反
応容器(12)は外気とほぼ同じ、例えば20℃になつて第
2図のの状態にあり、第2反応容器(12)内の圧力は
3.0atmとなつている。ここで開閉弁(14)を開にすると
H2ガスは配管路(13)を通つて第1反応容器(10)から
第2反応容器(12)に流れる。エンジン(2)で加熱さ
れる第1反応容器(10)内ではCaNi5・HmAが(1)式の
右から左への吸熱反応をおこしてH2ガスを放出し、その
一方、第2反応容器(12)内ではFeTiが(2)式の左か
ら右への発熱反応とともにH2ガスを吸蔵し、発生する熱
はフインを介して外気へ放熱される。従つて蓄熱動作で
は80℃の高温の熱エネルギーを吸収しながら20℃の低温
の熱エネルギーを捨ててその温度差に見合つたエネルギ
ーを化学エネルギーに変換して蓄えることになる。蓄熱
動作では第1反応容器(10)のCaNi5.HmAがすべてCaNi5
となるか、第2反応容器(12)のFeTiがすべてFeTi・Hm
Bとなるか、あるいは所定の蓄熱が終了するまで実施さ
れ、その後開閉弁(14)は閉じられる。
次に放熱動作について説明する。放熱開始時は第1反
応容器(10)内にはCaNi5が、第2反応容器(12)内に
はFeTi・HmBが入つている。寒冷期のエンジン始動直後
では両反応容器とも外気温とほぼ同じ0℃に冷えてい
る。この時反応材料A(9)は第2図のの状態にあり
第1反応容器(10)内圧力は0.3atmに、反応材料B(1
1)は第2図の状態にあつて第2反応容器(12)内の
圧力は1.6atmになつている。ここで開閉弁(14)を開に
するとH2ガスは配管路(13)を通つて第2反応容器(1
2)から第1反応容器(10)へ流れる。第2反応容器(1
2)内ではFeTi・HmBが(2)式の右から左への吸熱反応
をおこしながらH2ガスを放出する。吸熱反応により第2
反応容器(12)の温度は下がろうとするがフインを介し
て外気と熱交換することにより0℃に保たれる。第1反
応容器(10)内ではCaNi5がH2ガスを吸蔵しながら
(1)式の左から右への発熱反応が進み温度が上昇して
第2図の状態の50℃となる。そして第1反応容器(1
0)からの放熱によりエンジンを昇温して短かい時間で
暖機運転を終了させることができる。放熱動作では第1
反応容器(10)のCaNi5がすべてCaNi5・HmAとなるか、
第2反応容器(12)のFeTi・HmBがすべてFeTiとなる
か、あるいは暖機運転が終了するまで実施されその後開
閉弁(14)は閉じられる。
以上のようにこの発明の一実施例によりケミカル蓄熱
器は運転中にエンジンから外気へ放熱される熱エネルギ
ーを蓄え、エンジン始動時にこの熱エネルギーを放出し
てエンジンの加熱を行なうことにより省エネルギーを図
り、暖気運転時間を短かくする効果がある。
エンジンの他にも従来技術で挙げたように運転中に熱
を輸送または外気へ放熱などし、またエンジン始動時に
加熱の必要な所がある。例えば第3図に示すように第1
反応容器(10)をエンジン(2)内のオイルパン(15)
に溜まるエンジンオイル(16)に浸けてもよい。この場
合自動車運転中にエンジンオイル(16)から熱エネルギ
ーを蓄え、始動時にエンジンオイル(16)を加熱して暖
機運転を短かくするとともに昇温によりオイルの粘性を
低下させて潤滑作用が短時間に働くようにすることがで
きる。
ところで以上の例では反応材料として水素吸蔵合金を
用いる場合を説明したが、吸収剤と冷媒を容器に充填し
反応材料としてもよい。例えば第1反応容器(10)には
吸収剤としてDMF(ジメチルホルムアミド)にフロン冷
媒のひとつであるR22(クロロジフルオロメタン)を70w
t%含む溶液を入れ、もう一方の第2反応容器(12)に
はR22の液を充填してもよい。この場合の実施例として
第4図に示すように冷却水と第1反応容器(10)とが熱
交換するように構成してもよい。動作を簡単に示すと、
第4図で(2)〜(14)は第3図までと同じであるが
(17)は吸収剤(DMF)、(18)は冷媒(R22)、(19)
は冷却水である。第5図にDMFとR22の温度−圧力平衡線
図を示す。蓄熱動作開始時は開閉弁(14)は閉じられて
いる。運転中第1反応容器(10)は冷却水(19)により
50℃に加熱され、吸収剤(17)は第5図の状態にあ
る。また第2反応容器(12)は外気とほぼ同じ15℃にな
つていて冷媒は第5図の状態にある。ここで開閉弁
(14)を開けると第1反応容器(10)から第2反応容器
(12)へ冷媒ガスが流れ、さらに第1反応容器(10)で
は冷却水(19)から熱エネルギーを奪いながら冷媒ガス
が発生し、第2反応容器(12)では冷媒ガスを外気と熱
交換させて冷却液化して溜める。
次に放熱動作ではエンジン始動直後、両反応容器とも
に冷えて各々第5図,の状態にある。ここで開閉弁
(14)を開とすると冷媒ガスは気化して第2反応器(1
2)から第1反応容器(10)に流れ、吸収剤(17)は温
度上昇して第5図状態で吸収をつづけ冷却水(19)を
加熱する。
このように冷却水(19)を介してラジエータ(3)か
ら外気へ放熱されていた熱エネルギーを蓄え、エンジン
始動時に放熱して冷却水(19)を加熱することにより室
内空気の暖房やデフロスターの空気の温度上昇を早くす
る効果がある。
または室内空気を直接加熱するように構成してもよ
い。例えば第6図は第1反応容器(10)をヒータコア
(4)内に設置する例を示している。ここで(21)はヒ
ータコア内のヒータ熱交換器、(22)はヒータコア
(4)に入つてくる冷えた室内空気、(23)は加熱され
室内を暖房する温風である。この場合エンジン始動時に
室内空気(22)を直接加熱するので瞬時に温風(23)が
得られる。
以上の実施例の他にも排気ガスやラジエータから熱エ
ネルギーを得て蓄熱するようにしてもよい。すなわち第
7図に示すようにエンジン(2)から出る排気ガス(2
0)と第1反応容器(10)とが熱交換して蓄熱するよう
に構成してもよいし、あるいは第8図に示すようにラジ
エータ(3)内に第1反応容器(10)を内蔵させて動作
するように構成してもかまわない。
なお、上記実施例では反応容器が外気やエンジンオイ
ルなど熱を授受する対象とフインなどを介して直接熱交
換する例を示したが、熱を授受する対象と反応容器とを
熱媒が流れる配管で接続してもよい。
例えば第9図において(24)はエンジン(2)内にエ
ンジンから熱エネルギーを取るための熱交換器A、(2
5)はフロントガラス(63)の内面へ吹きつけるデフロ
スターの空気(27)へ熱を与えるための熱交換器B、
(28)、(29)はこれら熱交換器と第1反応容器(10)
とを接続し、熱媒の流れる配管Aおよび配管Bである。
この場合、運転中は配管A(28)内の熱媒を流してエン
ジン(2)から熱交換器A(24)を介して熱エネルギー
を第1反応容器(10)に蓄え、エンジン始動時に配管B
(29)内の熱媒を流して熱交換器B(25)からデフロス
ターの空気(27)を加熱し、フロントガラス(26)の内
面のくもりを取りようにしてもよい。
または例えば第10図に示すようにウオツシヤー液(3
1)の入つた液タンク(32)とスプレーノズル(33)と
を接続する液配管(34)の途中に熱交換器C(35)を設
け、熱交換器C(35)と第1反応容器(10)とを配管C
(36)で接続し、その内を熱媒(37)が流れる構成とし
てもよい。この場合、エンジン始動時は反応材料Aから
放出される熱エネルギーは熱媒(37)を介して液管(3
4)を流れるウオツシヤー液(31)を加熱し、スプレー
ノズル(33)より温水(38)となつてフロントガラス
(26)にかかるため、フロントガラス(26)の外側につ
いた霜を溶かす効果がある。
なお、以上の実施例では配管路(13)に開閉弁(14)
を備える例につき説明したが、通常の運転時は第1反応
容器(10)から第2反応容器(12)へは気体を流すが逆
には流さない逆止弁とし作用し、エンジン始動時に弁を
開いて気体を第2反応容器(12)から第1反応容器(1
0)へ流す開閉弁として作用する電磁弁にするとよい。
この場合、運転時は第1反応容器(10)の圧力が第2反
応容器(12)よりも高くなることにより蓄熱を行ない、
運転停止時は第2反応容器(12)の方が圧力が高くなる
逆止弁により気体が流れず遮断している。そしてエンジ
ン始動時に通電して開とすることで第2反応容器(12)
から第1反応容器(10)へ気体を流し、放熱できる効果
がある。また、上記実施例では反応材料として水素吸蔵
合金や吸収剤を用いた場合について述べたが、他の反応
などの化学的変化や、例えばシリカゲルと水等の吸着、
あるいは蒸発、凝縮などの物理的変化をする材料を組合
せて用いてもよい。
反応ガスとしても、上記実施例にあげたものの他、CO
2、アンモニア、メチルアミン、フロン、アルコール類
等反応材料に応じて選ぶことができる。
なお、上記反応材料と反応ガスの組み合わせに対し、
反応ガスとして、水、フロン、炭酸ガスのいずれかを用
いたものにおいては、反応材料に水素吸蔵合金を用い、
反応ガスとして水素ガスを用いたものに比べ、自動車用
蓄熱器として次のような優れた効果を有する。即ち、
水、フロン、または炭酸ガス等の反応ガスは不燃性のた
め、シール部からの漏れや自動車の事故時に吹き出して
も引火する恐れがなく、安全性が高い。また、水素吸蔵
合金の価格は幅があるものの1Kg当たり約1万円程度と
高価である。例えばエンジンオイルを加熱する場合、30
リットルのエンジンオイル(比重0.8、比熱0.5)を0℃
から70℃まで加温しようとすると、およそ840Kcalの熱
が必要であり(30×0.8×0.5×70=840)、水素吸蔵合
金の発熱量は1Kg当たり70Kcal/Kgであるので、12Kg必要
であり、価格はほぼ12万円となる。これに対し、例えば
R22の発熱量は56Kcal/Kg、価格は1Kg当たり約600円であ
るので、840Kcalの蓄積には15Kg必要であるが、価格は9
000円となり、13分の1となる。従って安価な蓄熱器を
実現できる効果がある。
また、水素吸蔵合金を用いた上記実施例では第1及び
第2容器中に各反応材料を充填し、これら各反応材料と
反応ガスとの吸熱及び発熱反応を利用して蓄熱及び放熱
を行うものを示したが、DMFとR22の組み合わせのよう
に、第2容器には、反応材料を充填せず、蓄熱時、即ち
第1容器内で吸熱反応がおこつている時、第1容器内の
反応材料が放出する反応ガスを蓄え、かつ放熱時、即ち
第1容器内で発熱反応をおこす時、反応ガスを放出でき
る構成とすれば、蓄熱器が軽量となり、車載により適し
た蓄熱器となる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば自動車運転中に反応
ガスを放出して吸熱反応をおこし、車内のエンジン、エ
ンジンオイル、排気ガス、ラジエータ、冷却水、及びヒ
ータコアのうちの少なくとも1つから放熱される熱エネ
ルギーを蓄え、かつエンジン始動時に上記反応ガスを吸
収して発熱反応をおこし、車内のエンジン、エンジンオ
イル、冷却水、室内空気、フロントガラス内面へのデフ
ロスタの空気、及びウインドウオツシヤー液のうちの少
なくとも1つを加熱する反応材料を充填する第1容器、
上記吸熱反応時に上記反応ガスを蓄え、かつ上記発熱反
応時に上記反応ガスを放出する第2容器、第1及び第2
容器間を接続し、内部を上記反応ガスが流通する配管
路、並びに上記配管路中に設けられ、エンジン始動時に
開状態となり、通常時は第1容器から第2容器へのみ反
応ガスを流通させる逆止弁となる弁により自動車用ケミ
カル蓄熱器を構成したので、暖機運転や暖房の立ち上が
りやフロントガラスの曇り取りの時間等を短縮すること
ができ自動車の省エネルギーを図るとともに、安全性や
快適性を高め、かつ配管路に設けられる弁が第1容器や
第2容器内の局所的な圧力変動に関わらず安定して動作
し、効率のよい蓄熱器が得られる効果がある。また、配
管路の開閉のタイミングを、両容器内の圧力差を見るこ
となく的確にできるため、装置が簡素化し、安価で、か
つ操作性のよいものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による自動車用ケミカル蓄
熱器の構成を示す構成図、第2図はこの発明の一実施例
に係る反応材料の温度−圧力平衡特性を示す特性図、第
3図、第4図、第6図、第7図、第8図、第9図及び第
10図は各々この発明の他の実施例による自動車用ケミカ
ル蓄熱器の構成を示す構成図、第5図はこの発明の他の
実施例に係る反応材料の温度−圧力平衡特性を示す特性
図、第11図は自動車におけるヒータやラジエータ等の位
置を示す配置図、並びに第12図は従来の自動車におけ
る、エンジン始動後のスパークプラグ、エンジンオイ
ル、及び冷却水の温度変化を示す特性図である。 (2)……エンジン、(3)……ラジエータ、(4)…
…ヒータコア、(9)……反応材料A、(10)……第1
反応容器、(11)……反応材料B、(12)……第2反応
容器、(13)……配管路、(14)……開閉弁、(16)…
…エンジンオイル(17)……吸収剤、(18)……冷媒、
(19)……冷却水、(20)……排気ガス、(26)……フ
ロントガラス、(27)……デイフロスタの空気、(31)
……ウオツシヤー液。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 等 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (72)発明者 古藤 悟 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−249666(JP,A) 実開 昭61−178058(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車運転中に反応ガスを放出して吸熱反
    応をおこし、車内のエンジン、エンジンオイル、排気ガ
    ス、ラジエータ、冷却水及びヒータコアのうちの少なく
    とも1つから放熱される熱エネルギーを蓄え、かつエン
    ジン始動時に上記反応ガスを吸収して発熱反応をおこ
    し、車内のエンジン、エンジンオイル、冷却水、室内空
    気、フロントガラス内面へのデフロスタの空気、及びウ
    インドウオツシャー液のうちの少なくとも1つを加熱す
    る反応材料を充填する第1容器、上記吸熱反応時に上記
    反応ガスを蓄え、かつ上記発熱反応時に上記反応ガスを
    放出する第2容器、第1及び第2容器間を接続し、内部
    を上記反応ガスが流通する配管路、並びに上記配管路中
    に設けられ、エンジン始動時に開状態となり、通常時は
    第1容器から第2容器へのみ上記反応ガスを流通させる
    逆止弁となる弁を備えた自動車用ケミカル蓄熱器。
  2. 【請求項2】反応ガスは水、フロン、または炭酸ガスの
    いずれかである請求項1記載の自動車用ケミカル蓄熱
    器。
JP63093924A 1988-04-15 1988-04-15 自動車用ケミカル蓄熱器 Expired - Fee Related JP2507533B2 (ja)

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